構造改革、民営化、市場原理主義の虚妄から、マインドコントロールを解くための参考図書館

« Perseverence 6 | トップページ | Perseverence 8 »

Perseverebce 7

臥薪嘗胆のコラム。転向した経済学者中谷巌を氏を厳しく批判している。

ある経済学者の懺悔                     2009.01.04

 『資本主義はなぜ自壊したのか 「日本」再生への提言』(中谷巌著、集英社刊)は、「アメリカ流構造改革の急先鋒」であり、「小泉構造改革の片棒を担いだ男」であり、「アメリカかぶれ」であった一流経済学者本人の、「転向」「懺悔の書」である。(「」内は著書からの引用。以下同じ)

主な主張を紹介すると、「グローバル資本主義」(行き過ぎたアメリカ型資本主義)と「新自由主義」(あらゆる活動をマーケット・メカニズムの調整、アダム・スミスの見えざる手に委ねることが経済効率の向上とダイナミズムをもたらすという考え方)は、「危険思想」であり、「悪魔のシステム」であり、「モンスター」である。これらによって、「世界経済の不安定化」、「所得格差の拡大」、「地球環境破壊」といった自由競争の副作用がもたらされた。日本においても、格差社会の拡大、救急医療難民の増加、後期高齢者医療制度、地方経済の惨状、食品汚染、モラルの崩壊、人心の荒廃、安心・安全の喪失、世界ワースト2位の貧困率などの問題が発生した。

転向の理由と共に、こうした問題点について具体例を挙げながら述べ、最後に日本再生のための提言として、消費税制度の改革、地方分権の推進、自然との共生、環境立国化などを訴えている。

郵政民営化についても次のように述べる。「小泉内閣の最大の課題であった郵政民営化は曲がりなりにも実現したが、最大の成果は、郵便貯金や簡易保険で集められる資金が自動的に財政投融資となって不要不急の公共事業に流れていくという仕組みにくさびが打ち込まれた点にあった。この功績はこれからも語り継がれることになるだろう。しかし、田舎にあった小さくて便利な、村の人たちに愛された郵便局が民営化され、採算が合わないという理由で次々に廃業していくことにどれだけの意味があったのだろうか。さぞかし、日本の昔懐かしい風景がひとつ消えて、さびしい思いをした人たちが大勢いたことだろう。」

財政投融資への郵貯預託は、既に20014月以降廃止されているので、前半は理解不足と思われるが、後半は民営化批判として真っ当である。世界的経済破綻でこうした書は今後相次ぐであろうが、庶民の感覚からすれば、懺悔するのは立派だけど、もう10年早く気が付いてほしかった、我々は既に肌身で知っていたのに、というのが正直な感想であろう。

|

« Perseverence 6 | トップページ | Perseverence 8 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/209267/45349545

この記事へのトラックバック一覧です: Perseverebce 7:

« Perseverence 6 | トップページ | Perseverence 8 »