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Perseverence 8

臥薪嘗胆のコラムの転載。

世界の郵政民営化                   2008.12.25

 一時期大いに取り上げられた世界の郵政民営化論議は、概ね成功という図式のものが多かったように記憶するが、最近あまり聞かない。ネットで調べてみた。

 わが国政府作成のものとしては、総務省が200811月に郵政民営化委員会に提出した「諸外国の郵政事業の状況」と題する資料が公開されている。それによれば、イギリス、ドイツ、フランス、オランダ、ニュージーランドの事例が紹介されている。

 より分かりやすいのは、2005828日付けの赤旗の記事。「世界で失敗 郵政民営化」という書き出しで始まっているが、12の国について事実を紹介している部分は明解である。

 この中から主な国の事例を紹介すると、ドイツでは、29000あった局が13000に減少し、ポストバンクもドイツポストに併合された。スウェーデンでは、10年間で局は5分の1、郵便料金は倍になった。イギリスでは、9000の局の内、都市部中心に3000局を閉鎖する方針が出されている。ニュージーランドでは、2002年郵貯が復活、郵便事業参入者の撤退が相次いだ。スペイン、フランス、オーストリアでも郵貯と郵便局業務が再合体する傾向にある。1997年に民営化したアルゼンチンでは、6000の局が3分の1に減り、郵便料金が4倍になり、ついに2003年に国営に戻った。アメリカでは、大統領の設置した委員会が民営化を退ける報告を提出した。カナダ、韓国も郵便事業の公営を守っている、など。

 郵便局の閉鎖、郵貯の復活、郵便料金の値上げが、これほどの凄さとは。アルゼンチンのように堂々と国営に戻した国さえあり、まさに世界は広い。我が国の郵政事業の見直しにあたって、「民営化そのものは止むを得ないにしても」という発想を持つこと自体が大甘であることが良く分かる。

 ここで気になるのは、総務省資料の紹介国数の少なさである。委員会からの要望に答えてのものかどうかは不明だが、まさか談合はないだろうけれども、諸外国の状況と銘打つには少なすぎる。諸外国での失敗事例をあまり大っぴらにしたくないという深慮遠謀が働いたのか、政権与党へのおもねりか、はたまた調査意欲がないのか、そもそも調査能力がないのか。主要紙が世界の状況を報じないのは、民営化をあおりにあおったことに恥じ入ってのことだろうが、いずれにしろ、知らされない日本国民が一番の被害者であることだけは確かである。

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