構造改革、民営化、市場原理主義の虚妄から、マインドコントロールを解くための参考図書館

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6月24日、公文書管理法が成立した。目立たない法律ではあるが、近代国家日本としてようやく体裁を整えることができると言っても言い過ぎではない重要な法律となった。公文書は大きく現用文書と非現用文書とに分かれるが、現用文書は情報公開の対象であるが、ところが非現用文書、つまり、保存期間を満了した文書はその対象外であった。廃棄された文書もキッと多いことだと思う。国の文書を扱う国立公文書館もすでに設立されてはいたが、各省庁が、譲ることとした文書だけが移管されていない。自治体レベルでは30都道府県、市町村に至っては、政令都市を含めてなんと23しか公文書館がないと言う。

アメリカの街角にたたずむと、まず町の共同体の真ん中に図書館がある、国家的には、米国立公文書館があることはよく知られている。大東亜戦争の資料など、日本の国内にはないものを多く所蔵していることで知られている。日米関係の資料なども、外交交渉の過程や政策立案に不可欠な資料が整然と保管されていることは、周知の事実で、時が来れば秘密の解除が行われ公表されるから、最近の話題の密約の問題なども、歴史の経過のなかで保管されて公表される。日本側でそうした保管管理が行われなければ一方的に外国の史料だけが残り、不利な立場に立たされていくことは間違いない。

実際に大切なのは、現用文書でありながら、ほとんど使われなくなった文書である。例えば30年保存であれば、それを保存する書庫を中間書庫という。米国の国立公文書記録管理員の中間書庫などは、壮大なものである。延べ面積はサッカーコート10面に及ぶという。

当ブログの筆者は、その昔、ボストンのハーバード大学の図書館に通ったことがあるが、その昔でも歴史を意識して、文書を保管していた。ケネディースクールの書庫には、対日の情報戦で、連邦通信委員会が傍受した日本の通信記録が、残されていたし、しかも、それを容易に書庫に立ち入って読むことができた。知的な資源を活用する便宜が図られていたことには驚いたことがある。そこには、ある山形県の詩人の資料も残されていたし、第一次大戦で、日本でイギリスの側に立って情報戦を行った?ロバートソン・スコットの著書なども残されていたし、有名な、燕京(えんちん)研究所には、奄美群島の米軍統治の資料なども残されていたことにはびっくりしたものだ。

今回の公文書管理法が成立したことには、福田元総理の尽力があったという。戦後間もない時代の前橋周辺の写真が日本にはなく、米国立公文書館で、待つこと10分で、米軍が写した写真を十数枚入手したことが経験の元になったという。「公文書は、「国のかたち」を決める重要な要素と悟ったのである‥(ファクタ2009年八月号)。中間書庫などが今後、公共の事業として推進されることを期待したい。行政改革と称する破壊や、民営化と称する破壊の中で、多くの文書が廃棄された。歴史を抹殺しようとした勢力がいたのかも知れない。最近では、日米の密約を廃棄したという、事実関係はいざ知らず新聞報道があったばかりである。外務省などは、地下にそれなりの文書保存倉庫を大切にしていたと思うが何が起きているのだろうか。国を破壊する行為であるが、そうした破壊を防止するために、又日本の国の行政の歴史を検証するためにも、文書を保管して後世に今日する体制の一歩が獲られたことは慶賀すべきことである。

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受信: 2009年7月22日 18時07分

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