構造改革、民営化、市場原理主義の虚妄から、マインドコントロールを解くための参考図書館

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General Election

 茶碗を手に取り、まわす。茶渋が模様をつくり、釉薬の凹凸を確かめる。款を覗くようにして一服する楽しみがあるが、道具の真贋を確かめることは容易ではない。プロパンガダが入ると、ただ一面を強調して、全体像を見せない。茶道のようにゆったりとした雰囲気の中ではないから、人間を思考停止に追い込み、判断能力をなくして、徹底的に一方的な情報を注入する。独裁者の常套手段として、思考力の低下する夕方に、聴衆がいらいらするほど待たせたあげくに大演説を打てば、腹を空かせた動物を手名づけるのと同様に、オーウェルの動物農場がいつの間にか現出してしまう。

 前の総選挙の時には、ミカン箱の上に乗るだけで候補者の人気が上がったし、レーニンの演説のように血の色のカーテンの前で獅子吼すれば、憲法違反の解散も問答無用になった。B級と分類される視聴者を対象に大量のテレビ広告宣伝が行われれば、いつの間にか、人間が羊を通り越して、あひるか、チワワのようになってしまっていた。柳の下にドジョウは二匹は居ないが、今回はどんな手法があるのだろうか。選挙までの期間が長いので、じっくりと奇策が検討されているのだろうか。札付きのワグナーの音楽祭にドイツ首相を伴って出席した元総理は、ユーゲントをもじったかのチルドレンも大流行させたし、子供達のことで、正常な時代にはマイナスのイメージの追従をプラスに転化するという操作を成功させたが、今回も綿密なプロパガンダ作戦が立てられるのだろうか。

 市場原理主義のショックドクトリンは、相手を一瞬思考停止にするほどに威圧して、一挙に制圧する。イラクのバグダッドを巡航ミサイルで攻撃して、花火大会のような光景にして、全世界に放映した軍事作戦が典型である。単なるサプライズではなく、AWEオー、ぽかんと口を開けるだけの表情を失ってしまったユングの絵にするやり方である。遊園地などで、部屋を真っ暗にして映像を投射して、手が込んでいれば、椅子ごと揺らすと宇宙船にでも乗っているような錯覚を覚える仕掛けがあるが、どんなに怖い思いをしても、何のことはない、足下を懐中電灯で照らせば、ただの劇場の椅子に座っている現実が分かるのであるが、映像を見続ける限りは、宇宙船の乗組員にしてします手法である。外国の国際放送の規制に、自国民にはできるだけ聞かせないようにするという条項があるが、総選挙が、自国民を対象にプロパガンダの応酬をすることではなく、茶の湯のように、香華が立つなかで、茶碗の真贋を見抜くように政策の当否を縦横斜めに検証して、国の方向を定める機会にすべきだと思う。

 筆者は、科学者でもないから、真贋を見抜く力はないが、週刊ダイヤモンド誌の7月25日号に掲載された、アラスカ大学国際北極圏研究センター名誉教授の赤祖父俊一氏の「炭酸ガスの地球温暖化説は誤り 排出権取引は日本を衰退させる」という寄稿論文に注意を喚起したい。気候変動に関する政府間パネルが主張している、温暖化は人類活動により放出される炭酸ガスが原因という主張が、誤っているという指摘である。温暖化は、炭酸ガスが急激に放出されるようになった1946年から始まった現象ではなく、1800年~50年頃から始まっており、自然変動によるものであるという主張である。また、自然変動が重要であるとの証拠もあり、2000年頃から地球温暖化が止まっているという。政府間パネルの予測に反して太平洋の海水温度も全海洋の水温も上昇が止まっているという。観測事実をモデル化して、そのモデルで再現できるか、また、予測してそれが観測に合うかどうかで決まるが、2000年の最初から予測が大きく外れるようになったと指摘する。

 赤祖父教授の論文は、気候変動の問題が政治に利用され、気候変動を自動車業界支援と原子力発電の選択に利用されているのではないかとも指摘している。日本では国民の不安と恐怖を煽るための手段として使われており、ゴア副大統領の不都合な真実は、娯楽映画で、英国では小学校で見せることについて、裁判所が注意事項を示して守ることを義務づけていることを紹介している。炭酸ガスの急増による大災害は起きておらず、むしろエネルギーの無駄遣いを抑えることで十分であるとする。しかも、日本はカモにされ、温暖化を口実に自国の利益を先進国から引き出そうとする途上国と身を守ることに必死の西欧諸国との狭間で、「おだてられ、はめられ、たかられて」いるだけではないか、排出権取引という炭酸ガス削減に国民の血税が無駄金として使われるだけの話であると警告する。排出権の議論は温暖化が止まっているので、学者に研究してもらって、中止すべきだとの日本の立場を国際会議で取るべきであり、不可能に近い炭酸ガス削減を強いられ、企業そして日本が衰退して良いのか、「この問題における人道的“正義”とは、国際的に不当な要求を退け日本を守ることである」と結論づけている。

 氷河の末端が轟音を立てて崩壊する場面を見せ、ホッキョクグマが絶滅すると騒ぎ、エスキモーの海岸の浸食が激しくなったとの映像を見せつけて、温暖化は炭酸ガスの増加が原因だとするプロパガンダに過ぎないのではないのかという、警世の論文である。 

 グローバリズムの熱狂が終わり、市場原理主義の民営化、規制緩和、公共政策の削減という三大虚妄が一瞬にして崩壊した直後に行われる総選挙である。改革の予測が現実の改悪となった以上、失われた日本を事実で検証して回復させる好機である。プロパガンダに惑わされる追従の大国をやめ、自立自尊の、八紘為宇の日本を整える好機である。救国の総選挙である。維新・復古をめざす、草もう崛起の総選挙である。

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コメント

「炭酸ガスの地球温暖化説は誤り」という論文に関してですが、論争は今後も続くと思います。私もその真偽のほどは分かりませんが、論争そのものにあまり興味がありません。私は、2007年のバリ島での人為説宣言を市場原理主義の問題と捉えています。投稿者名(私)のクリックでどのように捉えているのか、お読みいただければ幸いです。
日本は確実に利用されています。しかし、大きな流れそのものを食い止めることは難しいと思います。オバマ大統領は市場原理主義者ではないでしょうが、彼が成し遂げようとするアメリカ産業の復興政策と次のバブルを狙う市場原理主義者たちの思惑は一致すると考えています。大きな流れに乗りながら、市場原理主義を抑えて日本の経済を安定させる。微力は承知ですが、私のサイト活動の目的は一言で言えばそういうことです。
それから、ホームページにこれまでリンクさせていただいたものを掲載するコーナーを設けました(http://chalaza.net/CCP001.html)。今後ともよろしくお願いします。

投稿: 渡辺日出男 | 2009年8月25日 10時39分

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