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Fake Privatization

ネットサーフィンをする時間もなく、漂っていたが、毎日新聞の社説に、従来とは異なる論説が掲載されている。マスコミにも責任があるとは書いていないが、根幹を着いた分析である。毎日新聞8月14日の東京版の朝刊に掲載された由である。

http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20090814ddm005070055000c.html

社説:視点 衆院選 郵政民営化 熱狂の後始末は大変だ=論説委員・今松英悦

 4年前の総選挙は小泉純一郎元首相の「郵政民営化は構造改革の本丸」の位置付けの下、郵政民営化に賛成するか、反対するかで争われた。郵政民営化すれば経済は活性化し、国民生活にも大きな利益が出てくるという論理だった。

 もともと、方便に近かったが、参院での法案否決に衆院解散で、国民に賛否を問う小泉元首相の政治手法に国民は熱狂した。そして、与党は絶対多数の議席を得て、郵政民営化はすんなりと成立した。07年10月には民営化がスタートした。

 では、民営化は順調に進んでいるのか。経営的には黒字になっているが、野党のみならず、民営化を推進した自民党内からも見直し論が出てきている。「かんぽの宿」売却などを巡っては、鳩山邦夫前総務相が西川善文日本郵政社長に引責辞任を迫った。ただごとならぬ状況だ。

 それにしては、今回の総選挙で郵政民営化に関しては温度が低い。自民党のマニフェストが象徴的だ。「4分社化を踏まえた3事業一体的なサービスを確保するための施策について検討する」だけである。一体的サービスとは郵便局網の維持を言っているのだろうが、すでにこの網は破れつつある。郵便事業立て直しも国際物流への進出が頓挫、ゆうパックのペリカン便との統合も遅れている。郵便局で市場リスクにさらされる投信や変額年金保険を扱えば、手数料収入は上がるが、地域のニーズをくんだ商売とは思えない。

 郵政民営化を進めてきた政党として、これまでの総括もなければ、今後の具体的な施策もない。逃げているのか。

 これに野党はどう攻めているのか。郵政民営化をめぐり自民党からたもとを分かった国民新党のボルテージが高いのはわかる。株式売却や経営形態の抜本的見直しを主張している。民営化は失敗との判断だ。民主党も株式売却凍結や郵政事業の抜本的見直しを明記している。ただ、その内容となると明確ではない。「郵政事業の利便性と公益性を高める改革」「4分社化の見直し」が、民営化そのものの見直しなのか、株式会社のもとでのことなのか。

 なぜ、こんなことになったのか。郵政事業改革で最も重要な点がぼかされているからだ。具体的には、郵便事業は国の責任で維持し、金融事業は基礎的サービスに徹するという改革の原点が放棄されたからだ。また、小泉郵政改革は日本郵政をゆうちょ銀行主導の収益第一主義集団に再編しようとした。

 熱狂の後始末をどうするのか。有権者にも責任がある。

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