構造改革、民営化、市場原理主義の虚妄から、マインドコントロールを解くための参考図書館

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Open society and its enemies

ネットには幸いにして少しの情報は残る。総務省が公開した評価書が残っていた。http://www.soumu.go.jp/menu_seisakuhyouka/pdf/080115_2_2.pdf

放送会社の持ち株会社制度の導入についての文書である。ご参考まで。当ブログは、市場原理主義の三大虚妄のひとつである、規制緩和に焦点を当てているが、小泉・竹中政治の下で導入された制度がいかなる背景があったのかを考究するよすがとしたい。郵政民営化や規制緩和のの巨大な闇を探る糸口が見つかる可能性があると考えて、読者のご参考までに掲出した。Photo (写真は、2006年通信・放送懇談会の最終報告における記者会見の写真。左は当時の竹中総務相、右は、松原聡東洋大学教授)


総務省 規制の事前評価書
(認定放送持株会社制度の導入)(担当部局とその電話番号の記載があるが省略)

評価年月日: 平成20年1月15日

1 規制の目的、内容及び必要性
(1) 規制の新設又は改廃の必要性(現状及び問題点)
株式所有による会社の経営支配を主たる事業とする会社(いわゆる純粋持株会社)の形態は、平成9年の私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の改正により原則解禁され、その後の株式交換・会社分割制度の導入や組織再編税制・連結納税制度の整備など企業法関係の各制度改正も相まって、様々な分野において積極的に活用されている。
放送分野について、現在、純粋持株会社の設立自体は禁止されていないものの、マスメディア集中排除原則(複数放送事業者の所有・支配を禁止する旨の原則)の適用により複数事業者を子会社とすることを前提とする持株会社形態の活用の余地がなかったことや、例外的に複数の放送事業者の所有が認められる場合でも、放送事業者に課されている外資規制が、持株会社には直接には適用されないため、外国資本により経営を支配される可能性があること等から、純粋持株会社形態はこれまで活用されていなかった。
しかし、近時、放送のデジタル化やいわゆる通信と放送の融合が進展する中で、地上デジタルテレビジョン放送の中継局整備等に多額の資金需要が生じてきたこと、競争の激化等の厳しい経営環境にあって、経営のより一層の効率化が必要となってきたこと、通信との連携強化が不可避な趨勢になってきたこと等、放送事業について様々な課題が生じてきており、これらに
対処するため、持株会社形態を活用するニーズが高まってきた。
(2) 規制の新設又は改廃の目的及び内容
そこで、今般、持株会社によるグループ経営を放送事業経営の選択肢とするため、その子会社である地上系一般放送事業者に対するマスメディア集中排除原則の適用の緩和や、認定放送持株会社に対する外資規制の直接適用等を内容とする認定放送持株会社制度を導入することと
した。新設の規制(関連する規定を含む。)は、以下のとおり。
○法律事項(放送法等)
① 認定放送持株会社の認定(外国法人でないこと等を審査=外資規制の直接適用)
② 申請書記載事項等の変更の届出
③ 外国人等の取得した認定放送持株会社の株式の取扱い(名義書換の拒否等)
④ マスメディア集中排除原則の特例
⑤ 認定放送持株会社の子会社の責務(地域性の確保の努力義務)
⑥ 認定放送持株会社の議決権の保有制限
⑦ 地位の承継の認可
⑧ 認定放送持株会社の認定の取消し

⑨ 資料提出義務
⑩ 申請書記載事項等の変更の届出を怠った場合の罰則
○省令事項(放送法施行規則等)
① 法律事項①・②に係る申請書記載事項及び申請書の様式等認定の申請(審査事項を含む
)に関する規定
② 法律事項③に係る外資規制における議決権制限の方法等
③ 法律事項④に係る認定放送持株会社の子会社等についてのマスメディア集中排除原則
④ 法律事項⑥に係る認定放送持株会社の議決権の保有制限の方法等
⑤ 法律事項⑦・⑧に係る申請の申請書様式等

2 規制の費用

認定放送持株会社制度を活用しようとする放送事業者の遵守コストとして、登録免許税法に基づき、認定件数一件につき、15万円の費用が発生する。
その他の金銭的負担は発生しない。

3 規制の便益

本制度の活用により、一般に資金調達の容易化、経営資源の効率的運用、連携ニーズへの柔軟な対応等が挙げられる。具体的には、次のようなメリットが考えられる。
① 資金調達の容易化
持株会社を通じてグループ全体の資金調達を行うことによりデジタル化に伴う傘下の放
送事業者の資金調達が容易になり、さらには、その経営基盤の強化に資する。
② 経営資源の効率的運用
競争の激化、広告市場の伸び悩み等の厳しい経営環境にあって、人材、資金、設備等に
ついて経営資源の効率的運用が可能となる。
③ 連携ニーズへの柔軟な対応
通信・放送分野や他分野で各種競合や連携が進展する中で、放送事業者相互間や、放送
事業者と通信事業者との間の連携ニーズに柔軟に対応できる。
④ 放送事業経営の安定性確保
通信・放送融合に関する新規事業等を放送事業者の一部門として展開するのではなく、
その新規事業を放送事業と同様に持株会社の子会社の事業として位置付けることにより、安定性が求められる放送事業に直接リスクを及ぼすことなく事業を展開することが可能となる。
一方、放送の多元性・多様性及び地域性の確保の観点から、持株会社の議決権の保有制限や子会社である地上系一般放送事業者に、その放送対象地域向けに自らが制作する放送番組を有するよう努めることとする等の措置も併せて講じており、放送の多元性、多様性及び地域性を確保しつつ、持株会社制度のメリットを取り入れる制度となっている。

4 政策評価の結果(費用と便益の関係の分析等)
認定放送持株会社制度の導入によって、子会社である地上系一般放送事業者に係るマスメディア集中排除原則の緩和や、認定放送持株会社を外資規制の直接適用の対象とすること等により、持株会社によるグループ経営が可能となり、放送事業の経営の基盤強化・効率化に資する上、放送の多元性・多様性及び地域性の確保等のための措置も講じられていることから制度の導入によって失われる利益も少ないものと考えられるため、制度導入の便益は高いと評価できる。
一方、導入に伴う遵守コスト及び行政コストは認定時に15万円の遵守コストが発生するほかに特段の金銭的負担は発生せず(認定放送持株会社の認定は更新を必要としないため、一度認定を受けた以降は特段の金銭的負担は発生しない)、得られる便益と比べ、十分に正当化される範囲のものである。
さらに、認定放送持株会社制度を活用するか否かは事業者の判断に委ねられていることを含めて総合的に勘案すると、認定放送持株会社制度の導入に伴う規制の新設によって発生するコストは合理的な範囲内であると考えられ、本制度の導入は適切なものと考えられる。

5 有識者の見解及びその他関連事項

「通信・放送の在り方に関する政府与党合意」(平成18年6月20日)において、「マス
メディア集中排除原則を、自由度の高い形で早急に緩和する」とされ、「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2006」(平成18年7月7日閣議決定)において、同合意に基づいた改革の推進が決定されるとともに、「デジタル化の進展と放送政策に関する調査研究会最終報告」(平成18年10月6日)において、「放送持株会社によるグループ経営を新たな経営の選択肢として加えるため、放送持株会社を制度化することは、放送を取り巻く経営環境が大きく変化する中、有意義であると考えられる」とされている。
また、「規制改革・民間開放の推進に関する第3次答申」(平成18年12月25日)にお
いて、「民放の経営基盤を強化するため、『政府与党合意』に基づき、一定の範囲で複数の放送事業者を子会社とする放送持株会社を活用することを可能とするための制度整備等を行うべきである」とされている。
本評価書については、当該中間報告の内容を反映したものとなっている。

6 レビューを行う時期又は条件

改正法の施行後5年を経過した場合において、認定放送持株会社に係る制度について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。

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