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Fool's Gold

フィナンシャルタイムズの記者で、日本長期信用銀行の崩壊の過程を執筆した、セイビング・ザ・サン(日本経済新聞社刊)の著者である、ジリアン・テット氏の記者会見が、東京有楽町の外国特派員協会で、本日早朝8時半から開催された。Tett http://en.wikipedia.org/wiki/Gillian_Tett

新著の「愚者の黄金ーー大暴走を生んだ金融技術」が、日本語訳となって10月21日付で、出版されたので、その紹介も兼ねての会見となった。

テット氏は、フィナンシャルタイムズの東京支局長当時に、10年前の金融危機を取材・報道して、上記のベストセラーの単行本を、出版した。膨大にインタビューと取材を積み重ねて、バブル経済の内実に迫る手法には圧倒されるが、今回の新著はJP・モルガンを中心に据えて、リーマンブラザーズの崩壊、AIGなどの国有化など、氏上限主義の融解について、金融危機の本質的な問いに答えを出そうとしている。10年前の日本の金融危機で、日本に対して、市場原理、規制緩和、透明性、創造的破壊、自己責任などの言葉で、より『グローバルスタンダード」を採用するよう、日本改造に近い強圧を受けたが、何のことはない、そうした、外国の制度が、合理的ですぐれているなどとは全くの根拠の無いことであることが明らかになったのである。2007年夏から、ニューヨークとロンドンで金融危機が表面化したときに、不気味なほどに、10年前の日本の出来事と一致しているとの感想が日本の関係者が指摘しており、強いデジャビュの既視感に囚われたとしている。

デリバティブという、金融技術が、不動産のサブプライムローンと結びついて暴走することを活写している。また、そうした、数理モデルに過度に依存することも、また判断を間違えることを証明した。どの社会も外からの教訓に学ぶべきであると指摘している。

新著も、世界で出版された経済書の内でも、最も志の高い、冷静な観察と深い経済分析の知識に裏打ちされた単行本である。

当ブログの読者の皆様、新著のご一読をおすすめする。市場原理主義が破綻した今、おそらく必読の図書のひとつになると考えているからである。

同書の前書きには、『巨大な信用バブルとその崩壊は、簡単に一握りの強欲で邪悪な人間たちの責任に帰せられるような話ではない。銀行や投資ファンド、そして格付け機関などの大きな欠陥のある報酬制度、歪んだ規制の在り方、監督の不備などによって金融の”システム”全体がいかに道を誤ったかが問題なのだ」と述べている。そうした市場原理主義の誤った道を、日本で、後生大事に導入しようとして、失われた十年をつくりだした、関係者の責任は重い。特に、小泉・竹中政治は、そうした外国の誤った道を称揚したのである。幸いにして、日本の傷は浅かったのは、むしろ国内に自立自尊を求めて、外国勢力の不当な介入に対して、抵抗した勢力があったからではないだろうか。それぞれの文化の、伝統の枠内で、原点に戻ることの必要性を感じざるを得ない感動を与える経済書である。

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» 4552  愚者の黄金 生んだ金融 大暴走/デリバティブ(不動産) 金融技術(サブプライムと) 暴走し/日本版 市場原理の 主義破綻 [アルデバランの 夢の星]
色々引用させていただきました。どうぞ、よろしくお願いします。 [続きを読む]

受信: 2009年11月 8日 11時15分

» 4553 報酬や 規制 監督 放任し 小泉・竹中 称揚利得/伝統の 自立自尊の 勢力が (外国の)不当介入 死守抵抗 [アルデバランの 夢の星]
色々引用させていただきました。どうぞ、よろしくお願いします。 [続きを読む]

受信: 2009年11月 8日 11時17分

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