構造改革、民営化、市場原理主義の虚妄から、マインドコントロールを解くための参考図書館

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In retrospect 3

いよいよ郵政民営化が実施される。その内容は、実は私物化であり、日本の場合には一部金融資本、特に外国資本と、外国コンサルの設計図による、国民資産ののっとりの色彩が強い。

10月一日から、郵政関係の会社が発足するが、従業員持株会が発足する。

従業員持株会とは、子会社等を含めた会社の従業員が自社株の取得のために運営江する民法上の組合で、給与やボーナスから天引きして、その持株会に拠出して、自社株式を購入する制度です。上場会社の多くが導入している制度です。

ところが、郵政会社の場合には、まだ株式が上場していませんから、持株会が株は買えませんので、その拠出金は、なんと、ファンドで運用すると言うのです。

日本郵政グループと、郵政関係の会社をいうそうですが、3つの持株会が設立されます。持株会社を含め、郵便事業、郵便局、ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険の、五つの会社が出来上がるのですが、どういうわけか、持ち株会は3つです。おそらくその理由は、ゆうちょ銀行と、かんぽ生命とは、ハヤク上場させるようにして株を売却したいのですが、採算に問題があると見込まれる、郵便局会社と、郵便事業会社は、まあどうでもいいわけですから、(今回の郵政民営化は、竹中元大臣の側近に寄れば、金融と非金融の分離が目的であると、今田から話そう形式のインタビューが、経済雑誌に載っていますが)、はじめから、差別化しておこうとの意図があるものと思われます。

問題なのは、従業員持株会社といっても、ゆうちょ銀行の従業員が、日本郵政や郵便事業の株を買えるわけではありません。例えば、郵便局会社からゆうちょ銀行に出向している場合、元の会社の所属は郵便局会社ですから、出向していても、ゆうちょ銀行の持株会に入れるわけではありません。

さらに問題なのは、まだ、どのように、株を上場するかも決まっていないうちに、持株会をスタートさせ、その間は、ファンドとなるのは、おかしな話です。来年の4月ごろに拠出を開始するといっていますが、とんでもない話です。入会募集をして、今年末あたりに締め切る。職員が、信託銀行の金づるになるだけの話のようです。株式の上場にも反対する国民世論があり、郵政民営化が凍結すべきだとの意見もある中で、一部の信託銀行が、持株会を組成すると言うのは、どう見てもおかしな話です。従業員自らが作る組合ではなく、特定の銀行が作る組合だからです。

いわゆる松原委員会が、郵政福祉を槍玉に挙げて、攻撃していますが、(郵政福祉というのは、郵政公社の職員から給与やボーナスを一定額を天引きして、福利厚生、退職時などに、益を還元していくことを行ってきた財団法人)、この従業員持株会を作るのには、目の上のたんこぶだからにちがいありません。労働組合が、ばらばらにしてしまう、従業員持株会を認めるわけがありません。

この持株会の勧進元は、大和證券SMBCです。持株会に対して、三パーセントの奨励金を出す設計図ですが、郵政各社は、大和證券のMMFを買うために三パーセントの奨励金を出しているわけです。しかも、株の上場前は、会員の持分の一部を換金して引き出すことはできないわけですから、もし、株式が上場できなかったらどうなるのでしょうか。うがった見方をすれば、人質にとっておいて、株式の上場を促す世論作りに役立てようと言うことかもしれません。上場後は、5%の奨励金となる予定ですとの説明ですが、一体誰がそんなことを決めたのでしょうか。コンプライアンスの問題もありそうです。従業員持株会を通じての株取得はインサイダー取引規制の適用除外ですが、見方によっては、インサイダー取引の適用除外だから、例えばある重役が多額の投資のために、この制度を使ったら、単なる抜け穴で使っただけの話になります。外資のコンサルかも経営陣に加わっていますから、インサイダー以上の話になりかねません。ドイツポストのコンサルをしていた、マッキンゼー社の社員が、ドイツポストの総裁に就任したときなどにも、インサイダーではないかとの噂が飛び交ったことがあります。要注意です。

従業員持株会を通して、経営参加が可能になるとのうたい文句がありますが、持株会の議決権は株式の名義人は理事長ですから、会員が理事長に対して議決権の不統一行使を申し出ることができますが、そんなことが実際には起こるでしょうか。むしろ経営側の力を強化するだけの話であるのが、相場です。

いずれにしても、ひとつの会社だけが参加する持株会です。従業員が参加するだけで、主体的なものにはなりません。郵政福祉の場合には、労働組合もちゃんと参加しており、公平なもので、透明性も高いのですが、実際に親一公開株の、売り先も決まらないうちに、しかも、多くの関係者の合意が必要であるにもかかわらず、そうした合意形成も行われないうちに、ファンド作り、MMF買いを勧めながらの発足は、いかがなものでしょうか、透明性を欠く可能性があります。国民的な議論はまだ続いています。

そもそもこの幹事会社は、大和證券ですが、住友銀行の系列会社ではないでしょうか。何か特定の財閥に偏った感じがするのは、社長が、三井住友から来た西川社長だからなのでしょうか。

いずれにしても、持株会の話は、どういうわけかマスコミの報道も見かけません。郵政福祉が、叩かれるばかりですが、実際の裏話は意外と、そんなところになるのかもしれません。上場で一部の経営者が大もうけをするシナリオも成り立ちえます。今後、マスコミ関係者による調査報道が期待されます。

ちなみに、インサイダー取引とは、上場会社の社員等が、投資者の投資判断に重要な影響を及ぼす未公表の重要な内容を知りながら、当該上場会社の株式などを売買することをいい、金融取引法で禁止されています。それから、奨励金として3パーセントや、5パーセントを出すことを、本当に国民が知ったら、許すでしょうか。一万や2万の、郵便局職員ではなくて、例えば役員が、一億円買って、その5パーセントが奨励金として出すとすれば、そんなことがおおっぴらになれば、何のための郵政民営化だったのか、一握りの人が株で儲けるためということになりはしないでしょうか。

これから、駅前の郵政公社の財産の処分のことなど、色々私物化の話が出てくるでしょう。国の発展の条件は、公の世界にあるものの清廉が第一で、第二は、国の内外で、社会・経済に格差を作り出してはならないと、アジアの哲人政治家リークアンユーは述べていますが、残念ながらこの国日本では、道路公団や郵政の民営化に代表されるように、どんどん私物化が進んで、程度はあるものの、インサイダー取引の抜け穴があるなど、格差がどんどん拡大させる方向にあるようです。

そういう従業員の持株会の設立には、もともと国民資産を基礎にして民営化した会社が発足したわけですから、情報を一般国民にも公開すべきです。こそこそすればだんだんと不正につながっていきます。

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