構造改革、民営化、市場原理主義の虚妄から、マインドコントロールを解くための参考図書館

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Postal Rebound 2

11月27日に、国民新党政務調査会が、日本郵政の新経営陣に対して行った、法改正なしに実施できる業務改善の要望事項は、次の通りである。

1.サービスの改善 ①集配郵便局大幅削減の見直し②局外ATM大幅削減の見直し③配達人の総合担務の復活

2.ふるさと小包の復活・充実②郵便局の地域との交流促進③地元企業の活用

3.分割ロスの見直し ①ゆうちょ銀行直営店の郵便局への統合②間仕切りの撤去

4.労働環境の改善 ①検査・監査・の行き過ぎの是正②監視カメラの見直し③特定局局長65歳定年の復活

5.業績の確保と犯罪の防止 ①特定局の集団的管理の重視②検査・監査部門の見直し

6.公共的使命の自覚 ①国旗・郵政旗の掲揚②国家の斉唱③事業憲章の制定④社員の教育・訓練の充実

先日当ブログに備忘録として書いたところ、否定的なコメントを頂戴したので、再度掲載して、説明を加えておきたい。

当ブログとしては、至極妥当なものであると考えている。まず、集配郵便局の削減の見直しの問題は、集配業務の統廃合によるサービス低下は、地域住民の生活に大きな影響を与えた。集配局の半数近くが対象となって地方もある。郵便局長が名ばかりの制度となっているから、1048局の集配局を止めて、2641局が集配センターと称する拠点に変えられたが、人事管理などに矛盾が露呈している。(同じ屋根の下にいながら、郵便局長は、郵便集配の仕事に対する権限がない。だから、郵便の遅れやご配達があっても、郵便局長は、何の権限もない。ところが、利用者は郵便局に責任があると誤解している。ことほどさように、郵政民営化とは何だったのか、説明も不十分であったが、ようやく国民は民営化の虚妄に気付いた。)

分社化によって、「片道数千円のタクシー代を払って年金を下ろしに行き、残りの三万円あまりを2ヶ月の生活費としている」との声がある。局外ATMの削減もおかしな話で、コンビニとの相互接続は熱心に行って、無店舗とやらの銀行の利益を強調して、多くの反対を無視して、2年間で700台もの機械を撤去している。公益性を考慮する使命が失われたのである。配達人の総合担当の復活も当然である。分割ロスの典型的な現れであるし、理屈の話ではなく、生活に必要な便利なインフラを殊更に不便にしてしまったのである。過疎地や離島では、その矛盾が一挙に吹き出している。奄美大島の高校生が弁論大会で訴えたように、空っぽのポストが現出したのである。

ふるさと小包は分社化で、郵便局が集荷できなくなり、民営化された年の上半期には、576万個あった数量が、下半期には、387万個に激減している。一方で、宅配事業進出として喧伝された日本通運との小包統合事業も壮大な損失を出していることが明らかに成ったばかりである。地元企業を大切にせず、大都会のデパートやその他の大企業ばかりを優先することで、地方の振興に資するとの目標は大きく失われた。ゆうちょ銀行を分割して、住宅ローンなどの新規業務を持ち込んだが、需要はない。郵便貯金が経費率が低かったのは、融資などの信用供与を行わなかったことで、極めて低コストであったことを無視したことであった。商業銀行を設立する必要はそもそもなかったのではないのか。銀行法や保険業法によらない規制の方法が必要であり、公的な事業としての規制の仕方よりも煩瑣に成り、悪化したことは明白である。

当ブログは、郵政監察制度についても縷々書いてきたが、米国流の郵政監察制度は廃止して、ネオコン流のコンプライアンスを導入したことは、失敗であった。コンプライアンスと称して壁で仕切り、郵便局の機能を細分化して、範囲の経済を拒絶する経営手法も失敗した。銀行検査の手法を公的金融でしかも小口の世界に持ち込むという愚を犯し、煩瑣な手続きを後生大事にすると言う不明であった。監視カメラに至っては、動物農場のような、オーウェルの戯画を見るような世界で、全体主義の弾圧の手法を取り入れている。しかも、そこで生活を続けると徐々に人間的な対立が生まれる可能性があり、ある者は、むしろそうした自由の剥奪を喜ぶようになる現象すら生まれうる。いわゆる拘禁症状である。弱い部分を追求するようになる。郵便局長などを社会的に弱い部分を、敵にまつりあげて、内部対立を煽る典型的な分断統治のやり方である。西欧的な魔女裁判のような、内部に敵を作り出す手法である。全体主義の国家でよく見られる手法である。人間を性悪説で見る市場原理主義の特徴でもあり、日本の文化と伝統に合わない考え方であり、人間をロボット化することが基本にあるショック療法的な経営手法が根幹にある可能性がある。恐怖と弾圧を加えるのは、市場原理主義の特徴であり、中南米などでは多用された。日本では刺客選挙という、一種の魔女狩りの選挙があったばかりである。監視カメラは、早急に撤去されるべきである。郵政監察制度は、復活すべきである。

日本の人口が高齢化する中で、定年年齢の短縮は悪政以外の何者でもなかった。個々人の健康状態にもよるが、65歳まで働く、あるいは一生働けるようにすることが正しい方向であるが、健康保険制度に見られたように、後期高齢者医療制度のように、現代の姥捨て山をつくるのが市場原理主義の眼目であったが、そのひとつの変形として、郵政の人事制度も歪曲して改悪をもちこんだのであろう。従来郵政の職員は国家公務員ではあったが、その税源が税金でまかなわれたことは、明治以来なかった。小泉・竹中政治は、嘘をまき散らして、政治宣伝を行い、攻撃をした。「税金の無駄遣い」をしたのは、入り口の部分ではなく、出口の行政官庁や、財投機関であったことは言わずもがなのことであるが、政治宣伝によって、改革が行われると信じ込まされた。

郵政事業は、人間を大事にする事業とされてきたが、郵便局長に志願するものが激減してきていることにも、改悪であったことが示されている。局長像に魅力を感じない、処遇と責任が適合しない、会社の将来性が感じられないなどの圧倒的な比率の調査結果もある。成果主義や、非正規労働を無批判に取り入れ、経営理念を弱体化させ、そして、経営実績が悪化した。

簡易郵便局などは、年間400局以上がわずかに二年間で閉鎖に追い込まれた。4500局が4000局を割っている。

資材の調達なども、価格を一方的に重視する競争入札で、中小企業や、地方などへの配慮は全くないような、効率一辺倒のやり方が重視されている。文房具を、中央での調達に切り替えたことは話題になったが、価格のみで物事を決めていくという市場原理主義の採用は、その他のリスクを無視することでもあり、全体的な均衡点にあるかどうかは不明である。調達の考え方自体が見直される必要があるものと考えられる。民営化されたとは言え、政府調達協定の中から一歩も出ていないのもまた、大いなる矛盾である。市場原理主義は、また、お仲間資本主義でもあるから、一部の利権屋と結託しやすいのは、情報の非対称性がありながら、価格のみに頼る調達の仕方は、構造的な欠陥があることを気付いていないのだろうか。下請け企業や、受注する企業にも、働く人間がいることを、おそらく考えても見たことのないような、冷血の経営の時代は、まもなく終わる。

郵政民営化によって、既に、郵政事業からの顧客離れが起きて、民営化以前の経営よりも悪化した経営状態にある。むろん、世界的に見ても、民営化して成功した郵政事業など世界の何処にもない。一部の利権屋が関与して外資への売り飛ばしから、あらゆる改悪が画策された。そうした郵政民営化の闇に対して救国の捜査が行われるべきであると、当ブログは主張しておきたい。

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コメント

郵便局だけが特別のような考えはいかがかと思います。特定局長だけ65歳までの定年延長を推進されるのも反対です。高齢化社会をおっしゃるのでしたら、全社員の定年延長を促進すべきです。普通局長は60歳、特定局長だけ65歳の定年では矛盾があります。
別々の会社だから壁で区切るのは当たり前ではないでしょうか?
監視カメラですが、あれは防犯のために設置されています。現にゆうパックの紛失事故もあり、盗難されていないかの調査に活用されていますし、実際問題、民営化以前でも、以降でも特定局長や社員による犯罪は発生しています。スキがあれば犯罪者はつけこみます。抑止のためにも防犯カメラは必要です。

投稿: twinkle | 2009年12月30日 09時04分

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