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2009年6月28日 - 2009年7月4日

Kuroshio Culture and Tradition

当ブログの読者の数人からから、Kuroshio 黒潮文明論についてのお褒めの言葉を頂戴した。市場原理主義の批判ばかりではなく、そんな記事も書けるのかと、皮肉も混じってはいたが、筆者としては、くさされるよりは励みになることである。

飛び飛びに、一ヶ月に二回の割合で、定期的に書いてあるので、リンクも飛び飛びになり、検索するのも面倒であるから、一挙にリンクを公開して、読みやすくすることにした。

http://tokyonotes.cocolog-nifty.com/blog/2009/03/kuroshio-1.html

http://tokyonotes.cocolog-nifty.com/blog/2009/03/kuroshio-2.html

http://tokyonotes.cocolog-nifty.com/blog/2009/03/kuroshio-3.html

http://tokyonotes.cocolog-nifty.com/blog/2009/04/kuroshio-4.html

http://tokyonotes.cocolog-nifty.com/blog/2009/04/kuroshio-5.html

http://tokyonotes.cocolog-nifty.com/blog/2009/05/kuroshio-6.html

http://tokyonotes.cocolog-nifty.com/blog/2009/05/kuroshio-7.html

⑧ http://tokyonotes.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/kuroshio-8.html

⑨ http://tokyonotes.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/kuroshio-9.html

⑩ http://tokyonotes.cocolog-nifty.com/blog/2009/07/kuroshio-10.html 

続き物であるから、ネタが尽きるまで書かなければならないが、以上10回までをとりあえず、リストを作ってみた。黒潮の流れに着想を得た、ある種の民族文化論である。学者の検証ではないので、黒潮が洗う列島の岸辺の人々の生活について、過去、現在、未来と想像しながら、自由奔放に書くことが大切と心得ている。読者のご叱正なり、あるいは、黒潮文明に関して、こんなことをテーマにしたらという提案や発見などをご教示いただければ幸いである。

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Kuroshio 10

吉野金峰山寺本堂は蔵王堂と呼ばれ、現在の建物は太閤秀吉が権勢を誇って「吉野の花見」を催す三年前一五九一年の建立である。蔵王堂の建物自体が偉大な国宝だが、その中に色鮮やかな蔵王権現の立像三体が秘仏として立ち並んでいる。本堂の東壁には万治四年(一六六一)一月に大和下市の商人が奉納した縦二八八センチ横四五五センチもある大きな絵馬が掛かっている。題して「廻船入港図額」という。当時の渡海船の周辺での荷役や艀の様子や船の甲板や船室の構図が分かり、後部の甲板だけで二〇人はゆったり座っているから相当大きな船である。船の艫には、大きな丸の印の旗が掲げられており、後醍醐天皇の官軍の旗を思い出させる。

 近畿地方の山村では、初夏の田植えのころ飛魚(とびうお)を食べる習慣があったそうだが、飛魚は黒潮に乗って瀬戸内海に入り、あるいは熊野の沖にも現れて、例えば瀬戸内海の広島の見島の沖で獲られた魚が渡海船で吉野に運び込まれたものと思う。吉野で、紀伊半島の中心部でもう海は見えないし、海と全く関係ないような山岳のお堂の中で、海との深い結縁を絵馬が語りかけている。平安時代の蔵王権現三尊像は鮮やかであるが、絵馬の方は時代が新しいのに、いずれは古来の白木の一木に朽ちていくのではないかとも思うほどに寂びてきているが、しかも神仏習合の脇に絵馬を献額することは本源的な海の伝統を思いださせるかのようである。蔵王堂の石碑の多くには、岩組という寄進元の名が刻まれているが、講の名前か紀伊半島の海を取り仕切って繁栄した廻船問屋の係累であろう。

 ちなみに、『ヤマト 古代祭祀の謎』(小川光三著、学生社、二〇〇九年)によれば、卑弥呼の陵墓に比定される箸墓、三輪山、室生寺のある室生山などを含め、東の伊勢から淡路島にある伊勢の森まで、東西の一直線上に太陽遺跡が点在して「太陽の道」をなしているとしているが、蔵王堂は紀伊半島の陸塊の太陽の道の中心に位置する。吉野は山間部ながら東へは伊勢の大湊へ抜けることができるし、西は金剛山を越えて河内の住吉や和泉の堺の浦へも容易につながるから、吉野から熊野詣でをするには困難な山道をたどるにせよ、三方の海への結節点でもある。反逆を企てた役行者小角(おづぬ)が、伊勢から伊豆の嶋に流されて伊豆山神社を開山してまた吉野に戻った話や、伊勢国司の北畠親房が筑波嶺の麓で神皇正統記を書いたことにも触れてきたが、月山の修験道など東国との海の往来も垣間見ることができる。役行者は最初海の熊野から入り縦走して吉野に入ったとの伝承があるが、山伏の奥駆け修行も、熊野から吉野への行を順峯(じゅんぷ)、吉野から熊野へ向かうのを逆峯(ぎゃくふ)と名付けて、海からの方向を正としている。

 第四〇代天武天皇の諱は大海人(おほしあま)で、凡海(おほしあま)氏の養育を受けたから即位するまで大海人皇子と呼ばれたのである。壬申の乱で吉野から挙兵したのも海人であることを宣明している。天武天皇は天文台を設置しているほどだから、当然海の潮の満ち干と月の引力の関係についても通暁していたに違いない。航海術には北極星の方向を定めることが必須だが、天武帝が天皇という天の支配者である北極星を意味する尊号を創始していることも意味深い。凡海氏は海部一族の統率者(伴造)で、壬申の乱では主力の軍事力となって、大友皇子の近江朝廷軍を撃破している。

 海部氏はその名前の通り漁業や操船航海術で朝廷に仕えた品部の一つで、現在も愛知県と徳島県に海部郡という郡が残り、佐渡島には海府なる地名が残っている。日本全国に「あま」の音に因む地名が残っているが、わが産土の奄美大島などはその典型であろう。海女も尼も「あま」と訓むが、いずれも女である。南島では「あじゃ」が父親で「あま」は母親である。信濃の安曇氏も海部の一つであるが、わが国最初の本格的都城である藤原京を設営するに当たって天武天皇が信濃の地形に強い関心を寄せたとされるのも、海洋民が内陸部に発展していく過程を見るために執心したものと考えられる。先述の「太陽の道」に擬えて見てみると、常陸の鹿嶋神宮と諏訪の大社、そして出雲大社とは東西一線上に並び、その中心に諏訪大社が位置する。

 海部氏の祖神は天火明命(あめのほあかりのみこと)であるが、夜空に燦めき航路の指針となった星々に由来する名前だろう。丹後の海部氏は丹後国司であり、海部一族の尾張氏も尾張の国司であり、熱田神宮は代々尾張氏から大宮司を迎える。住吉大社も、津守すなわち港を守る海部氏が、代々の宮司家である。宗像大社同様に、丹後の籠(この)神社の奥津宮は舞鶴湾の湾口にある冠島であり、今ではクバの木はいざ知らず、常緑樹林が全島を覆い、オオミズナギドリの繁殖地として天然記念物となっている。日向日南のクバの繁茂する島が、ウミスズメの繁殖地として天然記念物の島となっているのと同様である。

 かつて冠島は凡海嶋(おほしあまのしま)と呼ばれたという。壬申の乱は月と星空を愛で海を力の源泉とした人と陸封ゆえに外来の彩色文明に憧れ権力の源と仰いだ者との騒擾対立であったか。(つづく)

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Indecent Interval

 佐藤優氏の裁判の最高裁判決があった。国策捜査の名前のごとく、国策が良い国策であれば格別、市場原理主義の悪策が国策となっているときに逮捕されて、咎められた。中南米では、市場原理主義者が、政府を乗っ取り、反対する人を投獄するばかりではなく、暗殺すら行われたから、この国ではそうした極端には及ばなかったことを喜ぶべきかも知れない。チリやアルゼンチンでの暴虐の暗黒が明らかになりつつある。つい、先日は、ホンジュラスで、そうした市場原理主義者の残党によるクーデターが発生したばかりである。日本の外交を弱体化させ、ロシアとの北方領土交渉を無実化させる勢力すら考えられるような、国策捜査である。そして、それを後生大事に判決をくだす。日本は何という国になったのであろうか。まだ、市場原理主義の残党が政治の世界でも跋扈しているようである。

 しかし、希望を捨ててはならない。この国は、権威と権力とを分離する国である。北畠親房が述べたように、神の国である。権力といえども、正統性がない以上、長続きはすまい。裁判所の中にも、検察の中にも、公平と正義を求める声はキッとあると思うが、組織になれば、上位の権力に反抗することもできない事情にあったことは理解できないことはない。しかし、世界的には、市場原理主義の、こうした国策捜査のごとき政治弾圧の手法は、完全に退潮に向かっている。まもなく、変わる。典型的には、アメリカに登場したオバマ新政権で、ブッシュの市場原理主義時代に行われた適正手続きを無視した司法のあり方についての反省があり、修正が加えられ、関与した権力者の訴追も検討されていると言われる。いずれの国においても、司法は、正義と真実によって支配されることが必要であるし、法治国家にふさわしいものである。

 現在、無実を主張しながら、収監されている元参議院議長の村上正邦先生が、吉野熊野の玉置神社を訪ねたおりに読んだ歌がある。玉置宮 山霧深く 神宿る とある。霧は今なお深いが、その霧のなかにも神が宿っていると。まもなく霧は晴れる。

 佐藤優氏は、日本の戦後の有数の思想家として発展する人と思う。今後の活躍を祈り、さらなる精進を期待するばかりである。

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Corrupt Postal Privatization 149

ジャーナリストの町田徹氏が、郵政関係の専門紙、通信文化新報に掲載した記事である。ミニコミであるから、紹介される範囲が少ないことを勘案して写しを掲載した。pdfのファイルになっているので、ご注意ください。強引さと詭弁の論理であることを明快に論破している。

「090701.pdf」をダウンロード

ご参考まで。

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Corrupt Postal Privatization 148

Business Times Singapore carried an article dispatched from Tokyo and published on June 29, 2009 as an economy watch column.
The same article was quoted and published today by the Malaysian Insider, without a picture and correspondents signature.

[Privatisation of Japan Post may be shelved

Govt orders freeze on public offerings for parent, banking, insurance units

By ANTHONY ROWLEY
IN TOKYO

Japan_post_2
Staying put: A public sale of shares in Japan Post Bank or in its holding company, Japan Post, might prove to be a flop as wary investors steer clear of its major exposure to Japanese Government Bonds, analysts say

THE privatisation of Japan's mammoth public postal savings, insurance and postal services empire - one of the biggest exercises of its kind ever proposed and a symbol of a former era of market-friendly reforms in Japan - is almost certain to be delayed and the exercise could well be abandoned.

This would leave the savings bank, insurance and postal services giant in government hands, reflecting how far the political and social mood has changed since former prime minister Junichiro Koizumi launched the controversial privatisation exercise in 2005.

Last week, Internal Affairs and Communications Minister Tsutomo Sato urged Japan Post, (holding company for the quadripartite corporate entity that the former Japanese state postal system has been converted into) to freeze an initial public offering of shares in itself and two of its key subsidiaries planned for the current fiscal year.

The banking and insurance arms of the postal complex, as well as up to two thirds of the holding company, Japan Post, which currently owns these financial activities plus mail delivery and post office operations, are currently due to be sold to private investors over a 10-year period that began in 2007.

Mr Sato's action was linked to the fact that Japan Post was recently issued with a business improvement order from the Japanese government after it was involved in a major controversy over the proposed 'fire-sale' sale of property assets that it holds.

But the privatisation exercise itself now has few friends and many enemies in Japan. With an August general election appearing likely, Japanese Prime Minister Taro Aso's Liberal Democratic Party seems to have no stomach for the politically unpopular move.

The main opposition Democratic Party of Japan led by Yukio Hatoyama, which polls suggest will emerge victorious from the election has 'drafted a law' to stop public sales of shares in the postal empire, Kobo Inamura, a former executive vice-president of Japan Post told The Business Times.Mr Inamura, one of a number of executives who resigned in protest at the original postal privatisation plan, on which Mr Koizumi fought and won an election to crush his opponents, said that Mr Hatoyama will very likely act to 'reverse' the privatisation once in power.

The political climate has changed in Japan as the Koizumi reforms have come to be seen as opening up social and income divisions while the onset of economic recession has made many Japanese hanker for a return to the 'social' market economy they experienced for decades after World War II.

But the Japanese government has other reasons to avoid privatisation of the postal empire, relating its own fast-deteriorating financial situation. 'The core problem is the huge asset of the postal system,' said Mr Inamura.

Japan Post Bank inherited on the liabilities side some 190 trillion yen (S$2.9 trillion or US$1.6 trillion) in deposits from the formerly homogeneous postal empire, and some 150 trillion of Japanese Government Bonds (JGBs) on the asset side, as well as direct loans to the government.

The idea was that Japan Post Bank would gradually sell off its huge bond holdings, in total amounting to some 20 per cent of total outstanding JGBs, and move more of its assets into mortgage and other more conventional bank assets.

But with so much debt outstanding (equal to some 170 per cent of Japan's gross domestic product) and the need to issue even more in order to keep Japan's recession-mired economy afloat, the government has little chance to dispose of the postal bank's holdings without hitting the JGB market.

A public sale of shares in Japan Post Bank or in its holding company, Japan Post, might thus prove to be a flop as wary investors steer clear of its major exposure to JGBs, analysts say.

Japan Post Insurance, which handles the huge insurance portfolio of the old postal complex, also has large holdings of JGBs.

On top of this, its services are seen to have 'deteriorated' since the privatisation plan was announced, according to Mr Inamura.

Japan Post was also supposed to sell off a chain of hotels it owns, known as Kampo no Yado, but after an attempt to do this recently at a knock-down price to a business group whose executives had been involved with the original privatisation plan, a public scandal erupted. Former internal affairs and communications minister Kunio Hatoyama (bother of the DPJ leader) then resigned in protest at Prime Minister Taro Aso's reappointment of former commercial bank head Yoshifumi Nishiokawa as head of Japan Post.][a minor misspelling of a Japanese name was fixed by this blog]

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Corrupt Postal Privatization 147

 今週月曜にに発売された週刊朝日は、、鳩山前総務大臣が日本郵政をめぐる政治騒動について2時間半にわたるインタビューをまとめた特集記事を掲載した。次のアドレスに掲載されている。http://news.nifty.com/cs/magazine/detail/asahi-20090701-02/1.htm

記録に残すために、画像部分などをのぞいて、文章のみを引用しておきたい。

日本郵政問題を巡って麻生太郎首相(68)は、盟友・鳩山邦夫前総務相(60)の“更迭”、そして西川善文社長(70)の“続投”と強引な幕引きを図った。それに対して世論は、内閣支持率の大幅下落という明確な「NO」を突きつけた。鳩山氏がクビをかけてまでこだわったのは何だったのか、麻生首相との間に何があったのか、そして、今後どこへ向かうのか──鳩山氏がその“核心”を赤裸々に語った。

──鳩山さんの“更迭”は、麻生首相の判断ミスだったのでは。

 総理は人柄がよろしい人なんです。私は総理が騙(だま)されたと思っています。もっと言うと、ハメられたんじゃないかと思う。「(日本郵政の)西川善文社長は郵政民営化のシンボルだから、絶対に切ってはいけない」と進言され、総務大臣だった私を切り、内閣支持率が下がった。そして、いま総理は窮地に陥っている。「麻生降ろし」が始まって喜んでいるヤツらがいるのではないか。彼らは、この結果を予想していたのではないでしょうか。

 私は「カサカサ文明」と「しっとり文明」というふうに表現するんですが、そもそも日本人はカネを重視するのではなく、非常に和を重んじ、弱い者を助けるような社会だった。そういうしっとりした幸せな社会をつくりたいんです。それが私が言う環境革命の根底にあるんです。

 ところが、今の日本の文明論は儲(もう)かればいいという感覚ばかり。そういう感覚は、欧米的であって、日本的ではない。私は日本的文明のほうが優れているという確信があります。小泉(純一郎)さんがやった郵政民営化という大改革に私も賛成しました。賛成した以上、私としてはよりよい民営化とはどういうものか考えてきました。それが現状は、国内のハゲタカが群がって郵政民営化を食い物にして、ぐちゃぐちゃにしてるんではないかという状況になった。西川体制の民営化ではそれが見え見えだった。

 2400億円のものを109億円でたたき売った「かんぽの宿」は、氷山の一角にすぎない。巨悪が潜んでいる可能性は十二分にあると見ています。

 私は、いわば「郵政民営化の掃除人」です。不透明な部分があるから、それを表に出して掃除する。だから、むしろ小泉さんや竹中(平蔵)さんに表彰状をもらってもおかしくないんだと、国会で何度も言ってきた。でも、彼らの反応は、よっぽど「表に出て」は困るものがあるのか、あるいは、国内のハゲタカが栄養失調になる恐れを感じたのか──そうとしか思えないのです。

 私は、総務大臣辞任後、今回の総理の判断の背後には「振付師」がいる、と言ってきました。それは、二つの意味があります。

 一つは、菅義偉(すがよしひで・自民党選対副委員長)さんや中川(秀直・元幹事長)さんといった外部の圧力です。彼らが、西川さんを切ると「麻生降ろし」に繋(つな)がる、と脅しをかけた。それに総理は流されたんです。

─麻生首相から後継人事に関する手紙をもらったと聞きましたが。

 4月7日に、温かい手紙をもらいました。そこには、

〈西川さんの後継問題でお悩みでしょう。あくまでも参考ですが……〉

 と数人の名前が書いてあった。それは、これまでメディアで報じられた名前ではありません。私もオープンにしていませんが、とにかく総理は謙虚に、しかし、確かに示唆してきたんです。

 それで私は、日本郵政社外取締役の奥田碩(トヨタ自動車相談役)さんを中心にお願いして、ずいぶんいろいろと動いてもらった。ところが突然、「西川さんは切れない」と一変した。

 5月18日にあった日本郵政の指名委員会で、西川さんら取締役9人全員の再任が決まりましたが、総理の“変化”に気付いたのはそれ以前、恐らく4月の下旬くらいでしょうか。この“変化”は、私にとって残念でした。

 もう一方の「振付師」は、内閣官房です。いま内閣官房は、ものすごく弱体化している。かつて二階堂進・元党副総裁や大平正芳元首相が官房長官だった時代は、官房長官が先を見越して様々な判断をバンバンしていた。そのような人物がいなくなってしまったのです。

 本来、調整・根回しをするはずの内閣官房が、まったく機能していません。今回の日本郵政を巡る問題でも、通常、こういうことがあれば内閣官房が動く。ところがその力がないから、総理ご自身が心配して私に手紙をくれたのです。

 総理は官僚の言うことをよく聞いてしまう。内閣官房の官僚たちの“作文”を鵜呑(うの)みにするから、国民が納得できるような説明ができないんです。鴻池祥肇(よしただ・前官房副長官)さんがいれば、違っていたでしょう。確かに女性問題はだらしないんだけど(笑い)、あの人がいたら今ごろ、西川さんがクビになって、私は堂々と総務大臣を続けていたかもしれない。官邸力がまったく地に落ちていることに、総理が判断を誤った原因があります。

総理の判断ミス 資格が問われる

──このままでは郵政民営化は胡散臭いものとみられるのでは。

 国家的損失です。政治的な勘の悪さと見識の悪さでしょう。国民目線がまったくない政府だということです。当たり前のことを当たり前の感覚で行動すると、閣僚のクビが飛ぶ。そして、その当たり前のことをした私を国民が「頑張れ! 頑張れ!」と激励する。これは異常なことですよ。

──鳩山さんは麻生氏を首相にするため、ずっと支えてきました。麻生首相は、「総理」になる前と後で何か変わったのでしょうか。

 基本的に、人間性が変わったとは思いません。私は割と「人格」を重視するほうなんです。古代ギリシャの哲人政治ではありませんが、“いい人”が政治をやるべきだと思う。その意味で、総理は人柄がいい。気配りの人で、情の人です。

 政策的には、経済重視の総理と環境重視の私とでは合わない面がある。いつまでも企業経営者の感覚が抜けないのも気になるところではあります。実際、西川さんの人事問題で、総理が「民間に政府が手を突っ込むべきではない」と言っていたのも、誤った振付師に言わされていたのでしょう。総理は自ら企業経営者だったもんだから、企業に詳しいし、そっちに意識がいく。でも、日本郵政は「株式会社」ではあっても、厳密に言えば、政府が100%の株を持つ「特殊会社」です。その経営はまったく別物ですが、発言を聞いていて、ひょっとして特殊会社と(麻生首相の家業の)「麻生セメント」がこんがらがっているのかな、とちょっと心配になることがありますね。(笑い)

 いずれにしても、日本郵政の人事問題は総務大臣の認可権限であり、総理が決断する話ではない。「よきに計らえ」と言っておけば、何の問題もなかった。それが、自身の舌禍が続き、支持率も上がらない中で、妙に弱気になって“圧力”に流されたのではないでしょうか。

 しかし、今度のことは、総理が騙されたとはいえ、騙されちゃいけないのが総理なんです。そう考えると、なかなか難しいかもしれないですね。

 私は麻生内閣を作るために一生懸命やったから、そうは思いたくないんですが、ああいう判断ミスは総理大臣としての資格を問われても仕方がないんじゃないでしょうか。

最後には戻ってきてくれると…

──その麻生首相は、期待されていた早期解散をなぜしなかったのですか?

 まずは麻生カラーを出して人気沸騰させてから、と思っていたんだけど、なぜか沸騰しなかった。

 麻生さんの欠点を挙げるとすれば二つあって、一つは、人がよすぎて人の意見を聞きすぎる。それも、後から来た人の意見をね。最後に会った人の意見が麻生さんの意見になってしまう。

 もう一つは、保守的すぎること。党内バランスを考えてしまうのです。

 世の中の人は、総理にまったく逆を期待していたでしょう。私も逆のタイプだと思っていた。ところが、思ったよりも保守的だった。反骨精神が足りないんだよなあ。「失敗したくない」という思いから、決断できず、国民目線を失ったのかもしれません。

 そもそも、総理大臣は激務すぎて、考える余裕がないのです。考える余裕がないから、人の意見を聞くと流される。だから、「らしさ」がなくなったんだと思います。

 そう感じたのは、「定額給付金」の時でした。

 担当大臣(総務相)だった私は、総理大臣室で「絶対に所得制限はできない」と申し上げた。ライン引きの根拠となる税務情報は、使えたとしても5月になるから、今春には間に合わないと説明したら、総理は「わかった。技術的に無理なんだね」と言っていました。記者会見でも「(定額給付金は)全所帯にいく」とはっきり言っていたので、私は大いに満足していたんです。

 ところが、その後の経済財政諮問会議で「金持ちがもらうのはおかしい」という意見が出ると、総理は「さもしい」発言をしちゃった。あれほど説明したのに、私が信用ならなかったのかと悲しい気持ちになりますよね。あれはショックでした。

 ただ、総理は今回の郵政問題でも、逆ブレして最後には戻ってきてくれると思ったんですよ。ところが、肝心の時にブレてくれなかったんだね(笑い)。まあ、総理も見る目がないが、私もないということでしょうか。(笑い)

──民主党に戻って、兄・鳩山由紀夫代表と一緒にもう一度、政界をかき回すことはないのですか?

 一つの考え方ではあるけれども、現実的には考えられないですね。

 もしも総選挙で民主党政権になったら、日本郵政を巡って私が問題にした事柄は、すべて真相が明らかになって、西川さんの“更迭”を始め、だいたい私の思ったとおりになるかもしれません。結果オーライになっちゃうのかな。だけど、民主党には政権をとらせたくない。

 兄貴とは感覚が違います。兄貴が総理大臣になったら、麻生さん以上に庶民感覚がない内閣になっちゃうでしょう。

 麻生さんと兄貴を比べたら、間違いなく麻生さんのほうが“いい人”ですよ。兄貴は、人を利用する天才だからね。「歩くしたたかさ」ですから。兄弟で子どものころから一緒に遊んでるけど、何でこんなに感覚が違っちゃったのか。

──いま総選挙を前に「離党」「新党」などとも言われていますが、今後のことをどう考えていますか?

 きれい事は言いません。現実的に、いま離党は考えていない。

 辞任以来、東京、久留米の事務所は電話が鳴りっぱなしです。「頑張れ、応援するぞ」と激励の言葉をいただく。ただ、「自民党は応援しない」という。自民党の危機ですよね。自民党をたたき直す方法は何かないか、考えているんです。自民党には、私が新党を作らないですむ状況であってほしい。自民党が「善悪判断」「政治判断」がちゃんとできる政党に生まれ変わってもらわないと、いずれ私はいられなくなる。

 新聞などの一連の報道で「暴走バト」とか「欲の塊で、総務大臣を辞めたんじゃないか」とか書かれていますが、腹が立ちます。「欲の塊」ならもっとうまく生きてますよ。(笑い)

 実は、総務大臣を辞める1週間ほど前、総理と飲んだんですよ。そこで私はこう申し上げました。

「私はこれまで、総理になれっこない麻生太郎の選対本部長をやるのはバカだ、といろんな人に批判された。ならば、この“いい人”を総理にしようと『太郎会』を結成し、人とカネを出して2年間、“錬金術師”の思いで頑張った。麻生内閣を作るために走り回って、十二分に充実した日々を送ることができて感謝します」

 そして、こう続けたんです。

「ただし、私は性質(タチ)が悪いですよ」

 総理は「どういう意味?」と聞いてきましたが、要は、私は「欲」がないんです。これまで5回も大臣をやっていて、こういうこと言うのもおかしいかもしれませんが、出世欲がない。

捨て石の覚悟で勝負に出るのか

 私が重視しているのはただ一つ、「世直し」です。それができないならば、自然の中に入って趣味の蝶(ちょう)を追いかけているほうが幸せだ。いつ国会議員を辞めてもいい。だからタチが悪い。つまり、「西川さんをクビにしないと納得しませんよ」という話です。総理が理解したかどうかはわかりませんが。

 私に「私心」があるとすれば、世直しのきっかけを作って、後世の人に、そのきっかけを作った鳩山邦夫は素晴らしかったと言われたい。生きているうちは、大したことをやらなかったと言われても、歴史が「先見の明があった」と評価してくれれば本望ですよね。私は、初当選の時からずっとそう思ってきました。

──自民党をたたき直すと言うなら、鳩山さん自身が、総理総裁を目指すべきでは?

 いろんな人から、こういうことは言うな、ああいうことは言うなと言われていましてね(笑い)。最終的には自分の言葉で話しますから。

 先日、広島で講演会がありました。その時、一緒に壇上に上がった政治評論家の岩見隆夫さんが、こうおっしゃったんです。

「本人がいるから言いにくいけど、あえて言えば、時代が節目を迎えている時には、誰かが無謀と思われても行動を起こさないといけない。歴史とはそういうものだ。鳩山さんが新しい行動を起こしてくれることを望むね」

 かねて岩見さんは、私に新党を作れと言ってきた。特に、酔っぱらうと凄い(笑い)。岩見さんの言葉は響きますよ。

 誰かが捨て石にならないと変わらない──悩むところです。もちろん、政治は「数」の勝負だから、仲間がいないといけない。しかし半面、「捨て石」の覚悟を持った人間がいないと歴史は正しい方向にいかないし、誰かが新しい時代を先取りしないといけない。

 私が総理になりたいと思っても絶対になれないと思う。だけど「捨て石」を覚悟した時に世直しができるし、万が一、いや、1億分の1の確率で、「総理」という話があるかもしれない。その時は、やりますよ。」

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Corrupt Postal Privatization 146

定期購読を基本とする月刊雑誌のテーミスが、七月号のテーミスリポートと称するトップ記事は、

<THEMIS レポート>「かんぽの宿」一括売却は日本郵政

と巨大労組の「馴れ合い」だった

 露骨な労使協調路線を進めるJP労組は「かんぽの宿」のオリッ

クスグループへの売却を容認した。権益拡大のために国の財産

を叩き売りして、JP労組は組合の経営参加とユニオンショップ制

という果実を手にしたのだ。

として、「邪心を抱いた労使の経営協調ほど始末の悪い者はない」

と結論づける4ページにわたる記事である。

 テーミス誌は、予約販売を基本としているようであるが、

個別に通信販売も行っているようであるから、サイトのリンクを書い

ておく。http://www.e-themis.net/index.html ご参考まで。

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Corrupt Postal Privatization 145

一枚の写真が新聞に掲載された。日本郵政の株主総会の写真である。Photo_2

奥田トヨタ自動車相談役、その次が高木祥吉元金融庁長官、元民営化準備室次長で、日本郵政副社長、一番右が、ご存じ日本郵政社長などと並ぶ、29日に開催された日本郵政の株主総会の写真であるとの報道である。一番奥の女性実業家が、奥谷禮子氏、経歴がウィキペディアに掲載されているので、参照されたい。ガバナンスを失ったというか、あるいは違法性はないにしても、少なくとも品格を失い、国民の支持を失ない、市場原理主義者の代理人の集会となってしまった取締役会の姿を、この写真が端的に表現しているかのようである。http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A5%A5%E8%B0%B7%E7%A6%AE%E5%AD%90

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Down

 昨日の昼間は、午後1時半頃から深夜を超えて、当ブログの収容されているインターネットサービスの会社のコンピュータが不調で、ブログの修正あるいは閲覧ができない状態が続いた。ブログの更改や新しい書き込みは、朝の八時からできない状態であった。情報流通のためには便利な手段ではあるが、一方では脆弱な面もあることが分かった。当ブログは気ままな情報配信であるから、さしたる被害はないが、基幹のネット通信の回線の遮断でなかったことは幸いであった。今朝からは復旧している。また、読者との交流が始められる。引き続き、ご一読を賜りたい。

「2009/06/30 13:38
~2009/07/01 00:45
ココログの一部機能において、サービスが正常にご利用できない状態が発生しておりましたが、7月1日 00:45をもって復旧いたしました。」

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Sicko 12

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Sicko 11

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Market Fundamentalism is Dead 27

マイケルムーアの映画、シッコ。ユーチューブへのリンク。

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Market Fundamentalism is Dead 26

オバマ大統領のアメリカの医療保険改革に関する演説の映像である。ホワイトハウスの提供する映像である。アメリカの医療保険制度は、世界的に見ても低水準にあり、当ブログはマイケル・ムーアの製作した映画、シッコについても紹介したことがあるし、当ブログの読者のその映画を見たこともある方がおられると思う。まずは、オバマ大統領の演説。残念ながら、日本語訳がない。日本で、医療改革と称して、日本人が国を挙げて営々として造りあげてきた国民皆保険制度を、アメリカの悪い制度におとしめようとした動きがあったが、オバマ大統領の登場により、全くの虚妄であることが明らかになった。日本の経験が、新しく医療保険制度を作ろうとするアメリカ新政権にとって参考になればと思うことである。

郵政民営化に反対して、刺客選挙で落選した、小泉龍司前衆議院議員が、ホームページでアメリカの医療改革についてわかりやすく評論しているので紹介する。http://www.ryuji.org/column/20090525_iryo.php

「(1)オバマ大統領が「国民皆保険」の導入に大きな意欲を示している。
 米国には「国民皆保険」が導入されておらず、公的な保険がカバーしているのは【1】65歳以上の高齢者と障害者向けの保険(メディケアと呼ばれる)【2】貧困層を対象とする保険(メディケイド呼ばれる)【3】低所得の家庭の子供向け補助制度【4】軍人・退役軍人医療保険制度、のみである。
 これらがカバーする範囲は、国民の約3割にとどまる。

(2)他方米国における医療保険は、民間保険会社が最も大きな収益をあげる分野である。
 公的保険が整備されていないため、多くの国民は民間保険に頼らざるを得ず、国民の6割弱、約2億人が民間医療保険に加入している。しかし、そこには大きな問題が生まれている。

  1. 民間保険会社の保険料は一律ではなく、大量の加入が見込める大企業の雇用者に対しては相対的に低く、他方、価格交渉力を持たない中小企業の従業員に対しては相対的に高く設定されている。
    つまり、低所得者の人ほど保険料が高くなるという、逆進性が生じている。そして、保険料が高いため、民間保険にも加入できない人が全国民の約6分の1・約4700万人に達している。
  2. 保険給付の範囲が限定されている。民間保険はすべての疾患をカバーするものではない。保険料負担の大きさに応じて、カバーされる疾患が限定される。
    以前本欄に掲載した映画「シッコ」の中で描かれていた、「あなたの医療保険では切断した2本の指のうち1本しか縫合できません」と言われて、1本の指の接合を諦める場面は、こうした民間保険の仕組みら生まれてくる。
  3. 保険給付に上限が課されている。保険会社は自らの収益確保のために、各疾患毎に標準的な治療パターンを作り、その範囲内でしか給付を行わない。標準的な治療でも治癒しない場合は、それを上回る治療費はすべて自らの負担となる。これが「包括払い制度」と言われる米国の医療制度の大きな特徴である。病気が治るまで医者にかかれるというのは、日本では当たり前のことだが米国では違うのだ。
    日本では国民皆保険の下でかつ、「出来高払い制度」(かかった費用についてはすべて給付する仕組み)になっているからこそ、治るまで医者にかかれるのである。(米国で平均入院日数が短いのも保険給付がおりないからである。)
  4. こうした事情に加えて、規制緩和が進んだ米国では治療費が極めて高い。盲腸の手術が200万円、出産には300万円かかる。1か月以上入院すると1000万円以上の請求をされることもまれではない。

 従って米国では大病したために、自宅を失い破産するというケースが現実に増えている。

(3)米国人は、「自分のやり方で決める」という考え方が強く、また、自ら節制しないで病気になった人の治療費を、なぜ一生懸命健康増進に努力している自分が支払わねばならないのか?という「自己責任」の考え方が、政治や社会に影響力を持つ富裕層を中心に根強くあるために、これまで国民皆保険の導入ができなかった。国民皆保険の導入は、社会主義国になることに等しいとの反対論が未だに共和党から聞こえてくる。
 しかし、事態はすでに社会問題化し、米国社会の根幹を揺るがしはじめている。だからこそ、オバマ大統領も最優先課題の一つとして取り組む意欲を示しているのだ。
 「自己責任」の国がオバマ大統領の下で、どのように変化していくのか、しっかり見届ける必要がある。」

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Corrupt Postal Privatization 144

世の中には、映像を駆使してそれなりの主張をする方もおられるようだ。興味深いビデオである。

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Corrupt Postal Privatization 143

政治評論家森田実先生のブログhttp://www.pluto.dti.ne.jp/~mor97512/の一コーナーから。ご参考まで。

http://www.pluto.dti.ne.jp/~mor97512/YU76.HTML

http://www.pluto.dti.ne.jp/~mor97512/YU77.HTML

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Corrupt Postal Privatization 142

 一斉にマスコミは、西川日本郵政社長の株主総会における再任を報道しているが、産経新聞と共同通信が、鳩山前総務大臣の評論を報道した。大新聞は何事もなかったかのように再任を認めているだけではなく、西川社長の再任を追認するような記事で満ちあふれているが、地殻変動に気がつかないかのようである。「鳩山邦夫前総務相は29日午後、日本郵政の株主総会で西川善文社長ら取締役の再任が議決されたことについて、「私の考えと逆だ。政府は道を誤った。国民は怒るだろう」と述べた。兵庫県姫路市で記者団に語った。」国民は怒っていることは間違いない。

 今日、沖縄返還をめぐる密約について、新たな証言があったとの報道があった。当ブログでは、既に、Secret Envoy http://tokyonotes.cocolog-niifty.com/blog/2009/05/secret-envoy.htmlで、若泉敬先生の自裁のことを含め、最近の週刊朝日による谷内正太郎前外務次官の発言について論評を加えたところであるが、密約をめぐり、裁判における裁判所の指摘があり、時代の変わり目を感じるところである。米国では既に関係文書が公開されていることもあり、嘘を突き通すことはできないし、国家の尊厳にも触れるところである。これも、ひとつの地殻変動である。

歴史に背を向けることはできないし、また、黒を白と言いくるめることもできない。天網恢恢疎にして漏らさずの話は、郵政民営化をめぐる騒動にも、沖縄返還をめぐる密約事件にも当てはまることである。

日本は内外において、嘘や形式論がまかり通るようになったようである。しかし、そうしたことは長くは続かないし、時代の終わりの混乱を示しているでヶである。

今日(29日)の読売新聞の報道である。

「日米両政府が1960年の安全保障条約改定時に、核兵器を搭載した艦船の寄港や領海通過を日本政府が黙認する密約を交わしたとされる問題で、1987年7月から89年8月まで外務次官を務めた村田良平氏(79)は29日、読売新聞の取材に対し「そういうたぐいの文書はあった」と述べ、密約の存在を認めた。

 密約について、日本政府は一貫して否定している。

 60年の安保改定の際の日米交渉で、米軍の日本への核持ち込みは「装備における重要な変更」として、日米間で事前協議することとなった。一方で、極東有事に備え、寄港や領海通過は事前協議の対象外として黙認する密約を交わした。

 村田氏は読売新聞の取材に対し、「前任者から『次官としてこういう内容のことを大臣に伝えてくれ』と言われた」と述べた。当時の外相にも伝えたという。

 密約については、すでに米政府の公式文書や、米側関係者の証言で存在が明らかになっている。村田氏も昨年出版した著書「村田良平回想録」(ミネルヴァ書房刊)で、「実は60年の交渉時、寄港及び領海通過には事前協議は必要でないとの秘密の了解が日米間にあった」と明記している。

 また、村田氏は、日本政府が宗谷、津軽、大隅、対馬(東水道、西水道)の5海峡の領海幅を、領海法(1977年制定)で定めた12カイリではなく、3カイリにとどめていることについても、核兵器搭載の米艦船の海峡通過が政治問題化するのを避けるための措置だった――との見方を示した。村田氏は「そうだと私は理解している。自分で決めたわけじないが、

姑息

(

こそく

)

なことをするなあと個人的に感じた」と述べた。

 5海峡は一部が公海となっているため、中国軍など他国の艦船が頻繁に通過している。

 核持ち込みの密約に関し、河村官房長官は29日午前の記者会見で、「密約は存在しない。歴代の首相、外相は密約の存在を明確に否定している。政府見解はこれに尽きる。これ以上の事実関係はない」と述べた。」

ウィキペディアの西山事件のリンクは次の通り、ご参考まで。http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A5%BF%E5%B1%B1%E4%BA%8B%E4%BB%B6

若泉敬先生についてのウィキペディアのリンクは次の通り、ご参考まで。http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%8B%A5%E6%B3%89%E6%95%AC

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Market Fundamentalism is Dead 25

 今日は、民営化された日本郵政の持ち株会社の株主総会の日である。株主総会と行っても、株主は国であるから、財務省の役人が出席して行われるだけである。通常であれば、主計局の次長が形式的に出席するのだろうが、今年は、その過程が全部明らかにされることになり、マスコミの関心の高さも相当な者があると推察される。というのは、鳩山総務大臣の更迭があり、西川社長の続投が同社の人事委員会などで決議されており、今日の株主総会にも当然のことながら、人事案がかかるからである。政府は、国民の意思を体してその議事に参加するからには、意志決定の過程が明らかにされるが、おそらく、小泉・竹中政治の延長線上で、郵政民営化が失敗したことを認めることをせず、また、民営化後のわずかの間に発生した色々の疑惑についても問題にせずに通り過ぎようとするのかも知れない。しかし、そうした現状黙認の瞬間に、政治・経済についての世論の転回が起きる可能性が高い。

 郵政民営化問題は軽微な問題であると述べる者もあるが、実は世界最大の額の国民資産をめぐる問題であり、だからこそ、超大国の一部金融資本が関心を示して流動化を図ってきたことである。虚妄の民営化を進められ、ガバナンスが大きく欠落した日本郵政に対して、政府がいかなる態度を取るのかが正式に明らかになる日である。もし、国民の大多数の意見を政府が、あるいは、代理人たる各省が反映させないのであれば、いかなる結果を招くことになるかは、推して知るべしである。世論調査では、聖域なき見直しを主張する鳩山元大臣に対する支持が圧倒的であり、続投を図る西川社長などは、逆に辞任すべきであるとの意見が圧倒的である。麻生内閣の支持率をも大きく引き下げた。そうした矛盾を塗り固めるのであれば、アメリカで市場原理主義に対抗して新政権が登場することになった(内線のような激しい対立が継続しているが)ように、今日は、光を求めて、日本郵政の利用者でありながら真の創業者である日本国民が、郵政の再興へ向かって大きく舵をきる回天の日になるように思う。

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Market Fundamentalism is Dead 24

 大きな地殻変動が起きているようである。神奈川県の横須賀市長の選挙で、小泉元総理が応援する現職の市長が、落選する事態が起きている。非常に若い市会議員が当選を果たしている。横須賀市長選は28日行われて、新人の前市議、吉田雄人氏(33)が、現職の蒲谷亮一(64)らを破り、初当選を果たした。投票率は前回より上がり、吉田氏は幅広い支持を受けた。 投票率は45・22%(前回40・19%)、当日有権者数は34万7763人。横須賀市長は、旧自治省出身者が過去に9期36年間市長のポストにあるというじょうきょうであったが、終止符が打たれることになったことだけではなく、市場原理主義を強硬に日本で実行して、郵政民営化、規制緩和、そして公共政策の削減と言う新自由主義の虚妄を追求して、日本の国力を急速に収縮させた、来る選挙で引退して息子に後をつがせることを表明していた、元総理の小泉純一郎衆議院議員のお膝元で起きた地殻変動である。横須賀は、その昔は、海軍鎮守府であり、今は米海軍の拠点となっている町でもある。米国でも、市場原理主義を批判的に見ながら国民皆保険制度を導入しようとする新政権が、この一月から発足しているが、横須賀市で起きた地殻変動とも言える政治力学の変化の根源がどこにあるのかを冷静に分析する必要がある。当ブログの読者の皆様の意見もコメント欄にご記入いただければ幸いである。

 

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