構造改革、民営化、市場原理主義の虚妄から、マインドコントロールを解くための参考図書館

« Harsh Lessons | トップページ | Disaster Privatization 2 »

Disaster Privatization

マスコミの報道によれば、12月24日、民営化で分社化した日本郵政の郵便事業部門と日本通運が挙動出資で設立した宅配便事業会社「JPエクスプレス」を精算して、「ペリカン便」を来年七月に郵便事業会社に移管して「ゆうパック」ブランドに統一すると発表した。人員や設備の大半を日本郵便が引き受け、「ペリカン便」は消滅して、日本通運は宅配便事業から撤退する。24日、日本郵便と日本通運は宅配便事業統合計画について見直しをすることに合意し、基本合意書を締結したという。

 基本合意によると、JPエクスプレスは来年7月をめどに解散し、7800人の従業員や376カ所のターミナル・支店のうち、お客様へのサービスレベル維持、並びに宅配便業の経営基盤強化のために必要なものを日本郵便に承継し、会社を解散・清算すると共に、承継後のブランドは、「ゆうパック」に統一する。基本合意書に基づく具体的な内容と細目については、2010年1月末の合意を目指すという。JPエクスプレス社は、日本郵便の完全子会社にはならずに、資産譲渡後に解散する方向である。08年8月28日の株主間合意では、出資比率が2対1(日本郵便66%、日通34%)で、資本金を資本剰余金を逢わせて500億円などを決定しており、今年の1月23日の合意でも、日本通運・JPエクスプレス間で、吸収分割契約、わかりやすく言うとペリカン便事業の承継を合意していた。また、郵便事業からは、段階的に「ゆうパック」事業をJPエクスプレスに移していくことが合意されていた。同時に双方の宅配事業を移す予定だった。だが、日本郵便側について総務相の認可が出ず、日通のペリカン便事業だけが移行して発足した。宅配便の事業統合は日本郵政の西川善文前社長が主導し、2007年10月5日に基本合意して、包括的業務提携の一つとして宅配便事業統合を決定していたが、総務省は「社員訓練などの準備が不足している」などとして統合の認可を保留していた。(08年4月25日には、株主間の合意として、JPエクスプレス社の設立(資本金三億円の準備会社、6月)、事業開始(09年4月)などを決定している。

 JPエクスプレスは出向者を含め約7800人の正社員と契約社員を抱えるが、このうち6300人は、日通からの出向者である。郵政からの出向者が、その残りであるが、日本通運に移籍を揮毫している者はほぼ皆無であること言われている。日本通運が宅配事業を続ける意志がないとすれば、雇用問題が大きく浮上する可能性がある。

 鳩山邦夫総務相(当時)が、日本郵便の宅配便事業を移すことに「待った」をかけたのも、統合の実態に経営の将来見通しとユニバーサルサービスとして行われていた郵便小包が、郵政民営化法にとmなう業法の改悪で貨物事業となり、その収支が郵便事業に与える影響について懸念する議論が背景にあった者と見られる。「ゆうパックの」位置づけについて問題視したからである。「JPエクスプレス「」は西川体制下で態勢が整わないまま、統合の方向で経営を強行して赤字を膨らませ、最近では1日一億円の赤字垂れ流しとの風評が立つ有様であった。

 日通のペリカン便は30年以上の歴史を持ち、1990年代後半まで20%以上のシェアを保っていたが、最近ではヤマト運輸、佐川急便との差は広がるばかりであった。日通は全国2万4千の郵便局網を持つ日本郵便に着目して、業務提携の名の下に、ペリカン便を事実上会社本体から切り離して日本郵便に移管していくことが目された可能性がある。日本通運は、既に10月に、JPエクスプレスの株式の一部を日本郵便に売り、保有比率を34%から14%に下げて持ち分法適用関連会社から外す方針を発表していることから、最終的に完全に撤退する目論見が感じられる。

   統合計画は西川善文前社長ら日本郵政の旧経営陣が主導したため、郵便事業会社の伊東敏朗専務は24日の記者会見で「その時々の判断があると思うが(前経営陣の)責任が問われる可能性もある」と述べたという。

|

« Harsh Lessons | トップページ | Disaster Privatization 2 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/209267/47110530

この記事へのトラックバック一覧です: Disaster Privatization:

« Harsh Lessons | トップページ | Disaster Privatization 2 »