構造改革、民営化、市場原理主義の虚妄から、マインドコントロールを解くための参考図書館

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Disaster Privatization 2

JPエクスプレスの問題は、根本的には、平成19年10月の郵政民営化で、郵便小包(ゆうパック)の事業分野が、郵便法の対象から外したことである。郵政民営化法がいかさまであるが、立法当時から、こうした統合の話があったとすればことは重大である。日本郵政公社時代から既に、日通との業務提携で、コンビニの共同集荷、スキー・ゴルフパックの集配委託などがあって、事業統合の検討が開始されたと言うが、それもまた、郵政民営化の闇の出来レースである可能性がある。また、全国津々浦々に配達する郵便事業のユニバーサルサービスの一環として経営が行われたゆうパックの事業を切り離して、貨物物流の市場原理主義の世界に放り出した責任は重い。国土交通省の所管となっているわけだから、当時の国土交通省の関係者の説明責任も果たされていない。問題が深刻になって、ほおかむりの状況になっているのは、国際物流が、空の城となって、頓挫したことと同じ延長線上にあるような趣である。ゆうぱっくのシェアが低すぎて、民間経営であれば事業として成立しない、市場から退出すべきなどとのにわか経営者の放言やご託宣も見られたが、今となっては完全に失敗である。「理屈倒れ」である。ネズミ講が数学の世界では成立するが、現実には、すぐに破綻するのと同じである。郵政民営化法見直しの過程で、ゆうパックは、貨物業法の世界から切り離すべきことは、郵便貯金と、簡易保険を、銀行法、保険法の世界から切り離すべきことと同様である。

 そもそも、日本の宅配市場は、平成18年度から、伸びが1パーセント台に低下した成熟市場となってきており、JPエクスレスの統合があっても、日本通運のペリカン便は約11%の3億個、ゆうパックは8.3%の2.7億個(いずれも19年度の数字)で、ヤマト運輸や佐川急便のシェアには遠く及ばなかったことで、市場原理主義の経済システム自体が世界的に破綻したことが、更に追撃したことは、郵政民営化と言う市場原理主義の典型的な虚妄の施策の一端を追撃したことは皮肉としか言いようがない。

 JPエクスプレスの課題認識が、構造的な黒字体質への転換、新規サービスの提供などお客様ニーズへの的確な対応などとしていたが、日本郵政という親会社が、郵便事業との兼営、あるいは日本通運という総合物流企業の中での宅配便という位置づけだからこそ存続し得た話であって、統合して単独での安定的な経営を図ることなど、初めから無理な話ではなかったのか。また、宅配便に対する顧客ニーズについても、スピードや正確性が求められるなどの高度化が進み、ファイナンス機能や、決済システムの高度化などがあり、事実上、寡占の状況にある先行二社を超えるサービス提供は困難であったのではないのか。すでに、日本通運のペリカン便は、ずいぶんと前から、親会社にとってはお荷物になっていたのではないのか。日本郵政にしてみれば、本来のユニバーサルサービスの使命を、郵政民営化と言う市場原理主義の虚妄の闇に乗じてうち捨ててしまったのではないのか。「ゆうパックは平成19年10月の郵政民営化後は、郵便法の対象から外れ、他の民間宅配事業者と同様の貨物法制の下でサービスを提供することとなり、より柔軟なサービスが提供できる環境が整ってきている」としていたが、そうした基本的な認識自体が根本的に誤っていたのである。国民は、柔軟なサービスなど求めていない。安心で、信頼できる、全国を普遍的に配達する、出来るだけ安価な小荷物の配達を確保することこそが命題ではなかったのか。しかも、宅配便が登場して、郵便小包のサービスに閑古鳥が鳴いたときにも、業務やシステム改善をして、対抗して、それなりのシェアを維持・回復してきたのではないのか。むしろ、郵便小包が存続することで、郵便事業のユニバーサルサービスの維持に貢献したのではないのか。四分社化の愚策同様に、範囲の経済学を考えない、分割ロスが起きて、取り扱い個数は激減しているはずである。典型的な愚策に、不良資産の押し付け合いのような、市場原理主義の拝金の陰謀が加味されたのではないだろうか。

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