構造改革、民営化、市場原理主義の虚妄から、マインドコントロールを解くための参考図書館

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Misleading

経済ジャーナリストの町田徹氏が、ダイヤモンド社の提供するオンラインコラムで、郵政民営化の見直しの問題について、記事を掲載している。http://diamond.jp/series/machida/10113/

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 町田徹氏は、郵政民営化をめぐる、「チーム西川」による経営私物化と5社体制への分割に伴うサービス低下という民営化の弊害については、国会の公聴会に参考人として参加して、西川社長を頂点とする経営私物化の日本郵政から言論弾圧に近い圧力が加えられ、物議を醸した経緯があった。今回、いよいよ、郵政改革の基本法案作りが迫るにつれて、郵政民営化をどう見直していくかは具体論となればなるほどに、対立が深まっているが、町田徹氏の論説では、「郵政改革の基本法案作りが難航している。事実上の国営回帰を目指す一部の「守旧派」が政府・与党内を跋扈しており、かく乱要因になっているからだ。」としている。

しかも、長谷川憲正総務政務官を名指して守旧派と批判している。

しかし、町田徹氏の論理は飛躍があり、当を得ていない。郵政民営化の私物化についての舌鋒鋭い批判を展開したジャーナリストであるだけに、同氏の議論が的外れになってしまうことは本当に残念である。

当ブログとしては、町田徹氏の論説についてできる限り逐一コメントして、読者の判断を待ちたい。

>>>「チーム西川」による経営私物化と5社体制への分割に伴うサービス低下という民営化の弊害の是正が期待されていたにもかかわらず、郵政改革の基本法案作りが難航している。事実上の国営回帰を目指す一部の「守旧派」が政府・与党内を跋扈しており、かく乱要因になっているからだ。

果たしてそうだろうか。攪乱しているのは、民主党の一部勢力ではないだろうか。銀行法と保険法など、業法の問題についても、議論の焦点をずらして、従来通りの金融庁監督体制を維持しようとしているのではないのか。誰も、新しい、銀行と保険会社を作ってほしいのではないのだ。金融システムの安定の為に、郵政民営化の見直しをしているわけではない。金融庁副大臣のメモを見たが、焦点をずらしているのではないのか。かく乱要因は明らかに、「守旧派」ではない。やむにやまれず、補足意見を出したのではないのか。

 >>>>>しかし、事情に不案内な関係閣僚たちの目には、守旧派が単独で舞台回しをしていることがきちんと把握できず、総務官僚や日本郵政グループ、全国特定郵便局長会、JP労働組合といった旧郵政省の関係者に対する不信感を強めているのが実情という。

単独で舞台回しができたのであれば、何の苦労もない。長谷川政務官は、与党ではあるが、連立の国民新党の所属議員であり、むしろ、与党の中の根回しを、懸命に行ってきたのではないのか。私案を試案として提出したのは、金融庁の副大臣側ではないだろうか。

 >>>>>歴史的な政権交代の甲斐もなく、郵政事業は、自民党政権時代と同じだ。「政治・政争の具」の立場から抜け出せていない。

歴史的な政権交代でありながら、自公政権の時と同じように、与党のなかに、市場原理主義者がいて、特に金融立国などを目指す勢力がいるのは驚きである。政治・政争の愚から、抜け出したいのは山々だが、放り込んだのは、市場原理主義の連中で、株式を売却してハゲタカに渡そうとしたのは、「守旧派」の方ではなかったことをはっきりさせておく必要がある。

>>>>守旧派が画策する
政府による過半数株維持

 >>>>>民主、社民、国民新の3党連立の鳩山由紀夫内閣は、政権発足直後の昨年秋の臨時国会の段階でまず、日本郵政グループ各社の株式や「かんぽの宿」などの資産の売却を凍結する法律を成立させた。弊害が目立った郵政民営化を是正する時間を確保する狙いがあったからである。

時間稼ぎの法律ではなく、外国の陰謀から、日本の資産を守る救国の法律であったと当ブログは考えている。

 >>>>>ところが、この肝心の基本法作りの場が、守旧派が跋扈し、郵政グループ向けの業界紙などを通じて、その存在をアピールするパフォーマンスの場と化してしまった。

 >>>>>最初に、守旧派の独断専行が明らかになったのは、2月2日のことだ。

パーフォーマンスの場となったのは、私案を試案として強硬に提出したからではないだろうか。2月2日の独断専行とは何だろうか。

 >>>>>鳩山政権はそれまで、収益力の弱い郵便局と日本郵便の2社を日本郵政に合併し、これを親会社として、子会社の金融2社から金融商品の販売委託と配当を安定的に受けられる体制に衣替えする「3社合併案」を郵政改革基本法案に盛り込む方向で調整を進めていた。

さてさて、調整をすすめていたとするが、金融会社を二社、分離すること自体が、大きな議論のテーマとするべきであるが、そこを専断することが、民営化見直しの根幹に触れるところである。

 >>>ところが、この2月2日、守旧派の国民新党議員らが突然、社民党を抱き込む形で、「郵政見直しに関する社会民主党と国民新党の基本合意」をとりまとめた。

 >>>>問題は、この合意に、政府が3社合併で誕生する親会社株の51%以上を、そして親会社が金融子会社2社株の51%以上をそれぞれ保有するように義務付けると盛り込んであった点である。

政治的には、与党の多数派である勢力が、三社分割案を強行するのであれば、それを支配できる案をていじするために、あるいは無視されないために、社民党と国民新党が合意して、交渉を強化するのは、当然の成り行きなのではないだろうか。

当ブログとしては、世界的なガバナンス論から言えば、金融2社を分離したとしても、上場を前提とすることは、会社法の法理論からも正しくないと考えている。子会社の51%を求めているのは、金融に社を何とか分離しようとする、外資ハゲタカの理論が背後にあることを感じて、無理矢理仕方なく、そうした支配の方策を提案しているのではないだろうか。

金融会社を民営化して、私物化して、外国に移転しようとした郵政民営化の悪の根源にふたをしようとすることが、何が悪いのだろうか。子会社にしても、上場しないことを明らかにすることが、学問的には正しい回答であると当ブログは考えている。

>>>単独で51%の株式を保有する株主は、配当、取締役の選解任など様々な経営上の重要事項を他の株主の了承なしに決めることができる。そんな水準を政府が持っていれば、それは明らかな国営企業だ。そして、そんな基本法ができれば、親会社は、恒久的に国営会社としてとどまることになる。

町田徹氏の議論は、はじめから国営企業論を排除しているが、そうした合意はない。郵政民営化の現実がさんさんたるものであるから、国営の戻すことも一つの選択肢であったが、三党の合意では株式会社の形態をとるとしているだけのことである。60年代に、米国で、人工衛星の運用や開発のために、株式会社で、国策を進めた例があったが、それは、外国の通信会社との連携をとりやすくする便法であった。

 >>>>しかも、両党の基本合意は、ゆうちょ銀行の預入限度額を現行の3倍の3000万円に拡大することと、かんぽ生命の加入限度額を3.8倍の5000万円に拡大することも盛り込んでいた。

 >>>こうした株式の政府保有と限度額の拡大の二兎を追う法案は、日本郵政グループに対する手厚い保護政策であり、オール郵政が歓迎すると思われる人もいるかもしれない。しかし、それは誤解である。

 >>>民間金融機関から「民業圧迫」だと強い反発を受け、限度額拡大という悲願の実現まで危うくなるのが確実だからである。

限度額を定めること自体が、民間金融ではないことを示しているが、限度額は、実態としての国民生活がどうなっているかを判断して決めればよい話である。むしろ、大銀行よりも手厚くするという政策論はある。限度額を三千万円にするが、その限度額を、信用金庫や地方銀行の、保険額にするなどの、地方優遇策も政策論としてはある。

>>>>それでも暴走を止めない
国民新党の守旧派

 >>>>>それゆえ、日本郵政グループ各社、全国郵便局長会、JP労働組合の3者はそろって、敵対的買収などに拒否権を行使できる3分の1まで株式の政府保有比率を引き下げて、代わりに、限度枠拡大や経営の自由度拡大を獲得したいと考えていた。内閣官房の郵政改革担当部署や総務省本省も端から、二兎を追うことは不可能と考えている。

大変失礼な表現となっている。暴走をやめないとしているが、暴走しているのは、どちら側であろうか。

 >>>>>実際のところ、全国特定郵便局長会の幹部数名はこの2月2日のうちに、国民新党の自見庄三郎幹事長に会い、「(問題の基本合意に)怒りを感じている。これでは信頼関係を維持できない」と抗議した。日本郵政グループ経営陣やJP労組の幹部も翌日から、各方面に対し、限度枠の拡大を優先してほしいと要望を確認して回ったという。

当ブログは、事実を確認できないのが、自見庄三郎議員は、郵政民営化に反対した、第123代の郵政大臣を務めた政治家であり、郵政民営化の問題に通暁しているから、利得を離れて、二兎を追ったのかもしれない。限度額をなくせよという議論には、民絵かそのものであるから、とうてい納得しないことは当然予想できる。日本郵政グループの経営陣は、経営形態に対する判断をすることを国民からいたくされているわけではない。政治によって破壊された、日本郵政の経営方向を決めるのは政治によって行われなければならない。

 >>>それにもかかわらず、守旧派の国民新党議員らは暴走を止めなかった。中でも露骨だったのは、総務大臣政務官(国民新党)の地位にある長谷川憲正参議院議員である。

やむにやまれずの心境であろう。

 >>>>同議員は、大塚耕平郵政改革担当副大臣(民主党)が2月8日に、連立与党の関係議員を集めて「郵政改革関係政策会議」を主催、この場で基本法の骨子を示したのに対して、「総務大臣政務官 長谷川憲正」名で「『郵政改革素案(未定稿)』への補足意見」と題するペーパーを配布した。

判例のように、補足意見を出したのは、よかった。その一枚が身がなければ、未定稿が一人歩きするところだった。

>>>>そして、その中で、「日本郵政にユニバーサルサービスを維持させるためには、強力な株主権(人事権)を保持する必要がある。従って、政府の株式保有は2分の1以上でなければならない」との主張を展開した。加えて、こうした意見がいれられないのならば、自身が政務官を辞任すると発言し、鳩山内閣の連立基盤を弱体化させることも厭わないと周囲に広言する始末だった。

政権交代の期待を浴びて登場した、鳩山内閣が弱体化しているのは、むしろ市場原理主義が内部に跋扈して、この郵政民営化見直しのように、鵺になったような意見が横行するからではないだろうか。改革素案では、何のための政権交代だったのか、小泉・竹中の民営会社のの改変になっていないのでないのかと言わざるを得ない。

 >>>>さすがに、この長谷川政務官発言には、国民新党党首の亀井静香郵政改革担当大臣も怒りを隠さなかったらしい。ただ、長谷川政務官の経歴が、事態を複雑にし、亀井大臣の怒りの矛先を誤らせた。

長谷川政務官は、確かに、政務官辞任を覚悟していることを記者会見で述べたよしであるが、そこは、政治の世界であるから、むしろ主張をして議論を行うためには、覚悟のきまった政治姿勢でほめられるべきことである。

>>>>原口総務相の次官更迭も
混乱に拍車をかける

 >>>>というのは、長谷川政務官は郵政官僚OBだからである。長谷川政務官が役人時代から主流派でなかった事情を知る由もない閣僚には、長谷川政務官らが特定郵便局組織の末端を狙ってパフォーマンスを繰り広げていることが理解できないようだ。

役人の主流が、小泉・竹中政治になびいて、日本を破壊する勢力に荷担したのは、自民党の低迷の原因と同じであるが、その点、長谷川政務官が、役人時代から主流派でなかったというのは、初耳であるし、町田徹氏はさすがに、郵政官僚の内部事情に詳しいことには敬意を表するとして、末端を狙ってパーふぉまんすを繰り広げているとのことだが、末端を大事にするのは、長谷川政務官の役人としての真骨頂で、賞賛されるべきことだ。現場の意見を大事にする政務官であるが、確か、長谷川政務官の父親は郵便局の中間管理職で一生を捧げた方であったと思う。末端を狙ってなどとの表現は、穏当を欠くものである。

 >>>>>むしろ、長谷川政務官がオール郵政の代表的な存在と映っているらしい。このため、亀井大臣は「長谷川(政務官)って元役人だろう。郵政っていうのは(全体が)バカばっかりだな」と漏らしたというのだ。

亀井静香大臣がそのようなことを言うわけがない。亀井大臣も若いときに警察庁にいたことがある。

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 >>>>>>そして、原口一博総務大臣が今年に入って、着任から約6ヵ月しか経っていない総務事務次官の鈴木康雄氏を総務省顧問に充てる人事を強行したことが、混乱に拍車をかけている面も見逃せない。

 >>>>というのは、同大臣が問題の人事を、政権交代を印象付けるパフォーマンスに利用したと官僚たちに受け止められているからだ。このため、同大臣はそれ以前に比べて、官僚たちの信頼を失い、大臣には情報が上がりにくくなったという。その分、守旧派議員は跋扈しやすくなった。

 >>>>>>このまま、守旧派の思惑通り、郵政の国営回帰が進めば、日本郵政グループは今後も政府と政治の呪縛から逃れにくくなる。そして、悪循環が繰り返されて、「政治の玩具」という立場から抜け出しにくくなるだろう。

総務次官の人事の問題についてコメントすることは避けたいが、郵政見直しの混乱とは、おそらく関係がない。

郵政の国営回帰という現象が起きているのかどうかはわからないが、世界的には、市場原理主義が完全に破綻して、公的な金融のセーフティーネットをどう具体的に作るのかが政策論の中心となっていることは事実であり、政治の呪縛というが、小泉・竹中の政治の破壊よりはまだましであることを身にしみて感じている。政治の玩具ではなく、政治の主役となる、当事者となっているから、そうした長谷川政務官の意見が強硬に主張されているのだ。末端のパーフォーマンスを聞かせるのが政権交代である。

ところで、金融庁の対応であるが、市場原理主義の傾向はないのか。検証が必要である。未定稿の素案を拙速に出しているのも、どこかに焦りがあるからではないのか。副大臣は日銀の出身であるから、れっきとした官僚出身であり、末端のことは知らない官僚であることは歴然としているが、町田徹氏はその点に触れないのは、公平ではない。

金融庁の規制緩和などは、http://news.livedoor.com/article/detail/4580549/の記事が指摘するように、外国勢力に追従するものではないのか。遊泳民営化の見直しの方向とは逆を支持する政治家が、長谷川憲正政務官を中心とする「守旧派」を毛嫌いするのがわからないでもないが、実は国民は今回の政権交代で、むしろ市場原理主義の終焉を求めているのである。付言すれば、米国の要求に応じるようなことでも、すでに、オバマ新政権が登場しているので、どこのどの勢力を応援していることになるのか、日米の友好関係にも反することになりはしないだろうか。

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コメント

全くこの町田氏の議論は納得出来得ません、市場原理主義者の発想がどんなに世界全体を暗くし、要するに自分さえ良ければ何をしても構わないという野郎自大の身勝手な利己主義の想いそのものが近年の世界経済・社会をどれだけ暗くそして一般大衆の生活を貧しくしてきたか、惨憺たる状況ではないですか。郵政民営化などという事を完全に捨て切りもう一回国家事業として編成しなおすべきです、唯その場合構成員の一生涯の身分保障を前提条件にしてしまい適正な競争状況を取り入れなければ、親方日の丸意識の育成・増長ともなります、この点の勘考・実践が是非とも有識者の間で徹底的に議論されるべきと小生は感じます。とにかくミルトンフリードマンという愚かな経済学者が音頭をとった政策がこれ程迄世界を堕落・困窮化させたこと、この事は今後の政策・政治の実際行動に於いて徹底して排除し何処までも共生の理念を浸透、それにより現実行動を起こすべきです。

投稿: tatsuo | 2010年2月21日 18時55分

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