構造改革、民営化、市場原理主義の虚妄から、マインドコントロールを解くための参考図書館

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Postal Reform deliberations at the Diet

こんな暴挙を許してはならないなどと、マスコミがいかにも正義の味方風に書いている。与党が衆院総務委員会で郵政法案の採決を強行したことについてである。与党は野党の了解を得ずに審議日程を決定し、実質審議をわずか1日、約6時間で切り上げたと主張して、小泉・竹中政治が郵政民営化法案の審議に110時間を要したなどと主張しているが、憲法違反まがいの刺客解散をしたこと、行政改革基本法に当分の間郵政民営化を凍結した法文が無視されて、強行されたことなどは、一切書こうとしないマスコミがほとんどである。民主党の国対委員長は、国民生活に関わるから、早く優先しているとの解説であるが、慎重審議をすればするほど、野党の自民党の内部対立が表面化するから、強行採決で、喜んでいるのは、野党の自民党ではないのか。

 民主党の小沢幹事長は、全国郵便局長会の総会で今国会での成立を約束したが、実際、先回の総選挙は、国民の郵政民営化の虚妄についての怒りは相当なものであったことから、民主党が大勝することになったことを熟知している政治家の行動としては、当然のものである。単なる党利党略ではなく、実際に郵政民営化のその天文学的な巨額の国民資産の保全の問題でもあり、単に票目当ての問題ではなかったから、参院選で郵政票をあてにする動きなどとの解説は全くの的外れな報道である。

 「6月16日の会期末まで時間がない」というなら、会期延長を図って審議時間を確保すればいい話だ、なぜもっと早く審議入りしなかったのかとの主張があるが、長い審議時間になればなるほど、困るのは自民党の方かも知れない。

 郵貯と簡保への政府の関与を残し、「暗黙の政府保証」の下で預金や保険の受け入れ限度額を約2倍に引き上げると、郵便貯金が肥大化するとか、民業を圧迫して金融システムを歪(ゆが)める懸念があるとか主張する向きがあるが、そもそも郵貯も簡保も残念ながら制度としてはなくなったものであり、その点からは、現在の郵政改革法案が、至極妥協的な内容であることこそ指摘されるべきものである。民営化を通じて郵貯・簡保は、がたがたになっているのが実態であり、資金量も急激に縮小していることである。資金の流れを「官から民へ」との民営化の大号令も、市場原理主義の破綻とともに、実際の需要は公的分野であるから、その目的自体が誤ったものであった。民の金融の失敗は、更に巨額のものであり、日本の国富を急速に縮減させたことの反省を求めるべきである。

 与党は週明けにも、一刻も早く衆院本会議を通過させるべきであるが、郵政民営化をめぐる簡保の宿の売却事件や、いろいろな私物化、あるいは特別背任事件として戦後最大の疑獄事件に展開するような事例が指摘されているから、むしろ、郵政民営化の暗部をえぐり出すことを避けるために、拙速な国会運営となっている方が問題である。野党・自民党の責任は大きいが、小泉・竹中政治の残党がむしろ主導権を握っている現在、郵政民営化の暗部をまともに追求できる体制にないのは残念至極な話である。郵政民営化に反対して自民党に戻った十数人の議員が今回沈黙しているのも、見識のない、あるいは勇気のないことである。日本を破壊しようとした構造改革を押した元総理の子息が、差し替えで総務委員会に出席して、郵政民営化の見直しに反対するなどは、まったく茶番の政治劇である。民主党の内部にも、市場原理主義の残党が多数いて、バックチャンネルで、自民党の原理主義と繋がっている可能性もある。

そうした状況下で、1日でも早く、郵政改革法案を成立させようとすることは、国益にかなう政治判断である。郵政民営化法案を成立させて、政局を一気に流動化させる方が、これまた国民の期待するところであろう。

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コメント

自民党やマスコミは、“当時、『郵政民営化法案』の審議に、100時間以上を要した”云々言いますが、その結果は“否決”だったはずです。それを、まるで“卓袱台返し”の如く、衆議院解散・総選挙に持ち込み、マスコミ総動員で“『郵政民営化』に賛成であらずんば、人にあらず”という、恐ろしい空気を醸成して、国民を“洗脳”した事を、私は今でもはっきり覚えております。

それにしましても、当時の総理大臣の子息を、まるで“救世主”の如く崇め奉っている自民党には、本当にがっかり且つ、悲しい思いでいっぱいです。

何にせよ、今回の『郵政改革法案』に対し、自民党・マスコミには、“郵政改悪だ!!”などという資格は、微塵もありません。

投稿: 臥薪嘗胆 | 2010年5月31日 19時16分

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