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Gekkan Nippon June issue

月刊日本の巻頭言が、ブログに出ているので、そのリンク先を紹介する。

http://gekkan-nippon.at.webry.info/201006/article_1.html

「鳩山総理がついに辞任しました。現在発売号で鳩山・小沢引退勧告を掲載しましたが、以下に貼り付けます。

緊急提言

 鳩山総理と小沢幹事長に告ぐ!
   潔く政界から引退すべし

           『月刊日本』主幹 南丘喜八郎

日本国を亡国の渕に立たせた民主党政権

「天下の大患は、其の大患たる所以を知らざるに在り。苟も大患の大患たる所以を知らば、寧んぞ之れが計を為さざるを得んや。当今天下の亡びんこと巳に決せり。其の患復た此れより大なるものあらんや」

 吉田松陰は、江戸伝馬獄で斬首される前年の安政五年正月五日、「狂夫の言」の冒頭にこう記した。
 幕末、西欧列強が我が国の植民地化を虎視眈々と窺い、黒船が頻繁に我が国境を侵しつつあった時、我が国の指導者は明確な国家戦略も、リーダーシップも示し得なかった。国内は攘夷か開国かを巡って、糸の如く乱れ、右往左往、尊王佐幕の殺戮のなかで、我が国は亡国に危機に直面していた。
 前年まで長州萩の野山獄中にあった吉田松陰は、「このまま無為無策を重ねれば、日本国が滅亡への道を歩むこと必然だ」と、為す術を知らず躊躇逡巡し、国家を滅亡の渕に立たせた為政者を厳しく叱正したのだ。
 この幕末の危機から百五十年余が経つ。
 昨夏の総選挙で政権交代を果たした鳩山政権だが、亡国的な外国人参政権付与、夫婦別姓を掲げ、財源無視の子供手当て、高速道路無料化問題などで迷走しただけではない。鳩山首相は普天間基地移転問題を巡って虚言を繰り返し、沖縄県民を始め国民を愚弄し、米国や周辺諸国の嘲笑を受ける不見識と混乱を内外に晒した。
 これを「大患」と言わずして何を大患と言うのか。
 しかも、鳩山首相も小沢幹事長も「大患たる所以を知らざる」が故に、国政は混迷の度を深め、亡国の危機すら招いているのだ。
 私はこの現状を深く憂う。
 こうした亡国的な危機状況を招いた民主党政権の責任は万死に値する。鳩山首相と小沢幹事長は、政権交代にかけた国民の期待を裏切り、昨年から「政治とカネ」にまつわる疑惑の隠蔽工作に汲々とし続けた。さらに民主党が昨夏の総選挙の際に掲げたマニュフェストが“壮大なる嘘”であることが鮮明になるなど、国民の政治に対する信頼は地に墜ちた。
 しかも、両氏の発言から判断する限り、彼らには亡国に危機に瀕する我が国の将来を憂う一片の赤誠すらない。彼らの眼には貧困に喘ぐ民、崩壊に直面する地方共同体の姿は映じていないと断ぜざるを得ない。只管、権力にしがみつく醜態のみが国民の眼に映じるばかりだ。

  権門上に傲れども/国を憂うる誠なし
  財閥富を誇れども/社稷を思う心なし

 これは、五・一五事件の首謀者である三上卓の作詞した 「青年日本の歌」だが、権力に傲る政治家に国を憂うる誠はなく、富の増殖に専念する財界人には国民の生活を慮る心がないのは、現在も同じである。醜悪な政党間の駆引きと闘争ばかりが続いた結果、戦前の政党政治は脆くも崩れた。与野党の政治家は、こうした歴史に学ぶべきではないのか。
 M・ヴェーバーは『職業としての政治』で、「政治にタッチする人間は、権力の中に身を潜めている悪魔の力と手を結ぶものである」と喝破している。しかし、鳩山、小沢両氏は政治家として、国家百年の大計を実現するためにではなく、権力自体の追求と私財蓄積のため、悪魔と手を結んでしまったと断ぜざるを得ない。
 私が鳩山、小沢両氏に敢えて政界引退を勧告する所以である。
 以下、私の所信を述べる。

対米自立・独立自尊は国民の声だ
 吉田松陰は斬首される半年前の安政六年四月、友人宛ての手紙にこう書いた。
「墨夷もし徳川を滅せず深く援救して兵機糧食等を与へ属国とする時は座ながら滅する道理なり」
「独立不羈三千年来の大日本、一朝人の羈縛を受くること、血性ある者視るに忍ぶべけんや。今の幕府も諸侯も最早酔人なれば扶持の術なし。草莽崛起の人を望む外頼なし」
 松陰の「墨夷もし援救して兵機糧食等を与へ」との指摘を現今の状況に照らせば、戦後一貫して米国の属国の地位に甘んじ、「座ながら滅」してしまったこと歴然である。
 我が国は戦後、米国製の憲法を戴き、食糧危機に際して米国から食糧援助を受け、片務的安保条約により米国の陸海空軍を全土にわたって駐留させて、今日に至っている。まさに松陰の言う如く、墨夷から「兵糧食」を与えられ、属国化したのだ。加えて、小泉政権に至っては米国の年次改革要望書を全面的に受入れ、郵政民営化と称し、日本の国富を米国に売り渡そうと目論んだ。
 平成九年、私は『月刊日本』の創刊の辞でこう書いた。
「わが国は先の大戦から半世紀の間、冷戦構造という世界秩序の中でアメリカという超大国の庇護のもと、経済活動のみに専念してきました。そこには日本独自の外交・安全保障政策は不要でした。否、邪魔ですらありました。
 したがって、国家の基本法である憲法、民族共同体としての核である歴史観も、すべて外国製という異常な事態が続いていたのです」
 以来十三年余、『月刊日本』は日本国の自立・再生を、草莽崛起を期す方々に訴え続けてきた。
 松陰が「今の幕府も諸侯も最早酔人なれば扶持の術なし。草莽崛起の人を望む外頼なし」と書いたが、昨夏の総選挙で草莽の民たる有権者は「自立・自尊」の日本国再建を願って、「最早酔人たる」対米従属の自民党に見切りをつけ、たとえ経験不足であるとしても民主党を大勝させたのだ。



小沢幹事長にとって普天間問題は他人事

 民主党は昨夏の総選挙で「日米対等」を掲げ、民主党政策集「INDEX 2009」で、国民にこう約束した。
「日米両国の対等な相互信頼関係を築き、新時代の日米同盟を確立します。そのために、主体的な外交戦略を構築し、日本の主張を明確にします。率直に対話を行い、対等なパートナーシップを築いていきます。同時に国際社会において、米国と役割を分担しながら、その責任を積極的に果たしていきます。日米地位協定の改定を提起し、米軍再編や在日米軍基地の在り方等についても引き続き見直しを進めます」
 小泉政権の推進した郵政民営化が、我が国の国富を奪取せんとする米国の謀略だったことに気付いた国民は、もう米国の属国に甘んじる訳にはいかないと腹を括った。
 民主党の「日米両国の対等な相互信頼関係を築き、新時代の日米同盟を確立します」との主張に、国民が期待し、日米の対等な関係の構築に望みを託したのだ。
 これが昨夏の衆院選挙における民主党大勝、自民党大敗北の真の背景なのである。
 しかし、昨夏の総選挙で示された「対米従属からの脱却」という国民の心底からの叫びを、鳩山首相も小沢幹事長も残念ながら全く認識しようとしなかった。
 就任直後、鳩山首相は普天間基地移転問題では「少なくとも県外移設」と宣言したが、その後、閣内からは米軍嘉手納基地への統合案(岡田外相)、沖縄・伊江島案(平野官房長官)、グアム移転(福島消費者少子化担当相)等が次々に出され、最終的には鹿児島県・徳之島への移設へと、大揺れに揺れた。こうして普天間問題での政権の迷走は内閣支持率を急速に低下させ、遂には与党内からも公然と鳩山退陣説まで囁かれる事態になった。
 しかし、与党の要である小沢幹事長にとって、普天間問題は関心事ではなかった。四月上旬、側近から暗礁に乗り上げた普天間問題の現状を説明された小沢幹事長は「あーそうか、そんなら普天間をそのまま使わせときゃいいじゃないか」と他人事のように言い放った。(『文芸春秋』六月号)
 政権交代以来、二人が最も心血を注ぎいできたのは、悲しむべきことに「政治とカネ」に纏わる疑惑の隠蔽工作と七月に迫った参院選の勝敗なのである。


指導者が自信を喪失した時、国は滅びる

 民主党鳩山政権に率いられた日本丸は、一億二千万余の国民を満載したまま、怒濤逆巻く荒海に翻弄されて、沈没の危機に直面している。このままでは日本丸沈没は必至だ。こうした事態を招いた責任は偏に鳩山首相と与党の実力者である小沢幹事長にあることは明白である。
 危機にあって政治指導者の役割は重大である。
 中野正剛は昭和十八年元旦の『朝日新聞』紙上に掲載された「戦時宰相論」で、こう述べている。
「国は経済によりて滅びず、敗戦によりてさえ滅びず、指導者が自信を喪失し、国民が帰趨に迷うことによりて滅びるのである。非常時宰相は絶対に強きを要する。されど個人の強さには限りがある。宰相として真に強からんがためには、国民の愛国的情熱と同化し、時にこれを鼓舞し、時にこれに激励されることが必要である。難局日本の名宰相は絶対に強くなければならぬ。強からんがためには、誠忠に謹慎に廉潔に、しかして気宇壮大でなければならぬ」
 実に中野正剛が言う如く、「国は指導者が自信を喪失し、国民が帰趨に迷うことによりて滅びるのである」。
            
 鳩山首相には政治家としての資質が決定的に欠如していることは、これまでの言動が如実に示している。何時、誰と交代しようが支障はない。政界引退をお勧めする。
 一方、この十数年間に亘り、常に政局の中心に在って剛腕を揮ってきた小沢幹事長には、今夏思い切って衆参同時選挙を断行し、政党再編の契機を作って欲しい。その後、鳩山首相同様、潔く政界から引退することをお勧めしたい。」

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