構造改革、民営化、市場原理主義の虚妄から、マインドコントロールを解くための参考図書館

« 2010年5月 | トップページ | 2010年7月 »

2010年6月

Airspace Defence

日本の西の端の与那国島の上空を、防空識別圏の境界が走っていた。米軍の沖縄占領下で、台湾との識別圏の境界線が定められ、その後放置されて、日本の領土の上を、識別圏の境界が走っているという奇妙な状態が続いていた。6月25日から、それが改められたという。ところが、一旦日本の外務省に当たる台湾外交部は認めたが、中国よりの総統のせいで、文句がつけられたという。

http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-1209.html

Kemal Ataturk

トルコの英雄ケマルアタチュルクの銅像の除幕式があったという。笹川財団の功績である。http://blog.canpan.info/sasakawa/archive/2501

本来であれば、日本という国家が関心を示して良い話である。銅像が復活して本当に良かった。

>

Wrong Policy destroys

http://jbpress.ismedia.jp/feedbacks/1107

ご参考まで。

Tax Evasion

大手銀行は軒並み法人税を払っていないが、大手マスコミは報道しない。法人税を払わないと言うことは、有利な便益を政府から受けていることになる。民間経営の顔をしながら、実際には、国民一人一人よりもよっぽどの厚遇を受けていることになる。市場万歳の新聞などは、滅多に書かないが、日本経済新聞などは、自慢にするようなことでもないのに、住友信託銀行が2010年三月期の課税所得が赤字になったから、大手銀行六グループがそろって法人税納付がゼロであったことを報道している。

解説では、会計と税務上の損失処理方法が異なるので、過去に引当金をつんで会計上損失計上していた保有数証券化商品を、前期に実際に売却したことで課税上も損失として認めれる様になったからだと書いている。あれだけ、一般の国民には自己責任だと強要しておきながら、自分の判断を間違えて、証券化商品を買って王損をした銀行に、それをおそらく紙切れ同様の価格でやっと売って、損失を出したから、税金を負けるというのも不思議な話である。前期の住友信託は、会計上の決算は過去に損失処理をし終えているので、会計上の利益は531億円の最終利益の数字になったという。住友信託は、07年7月に法人の納税を再開したが、三菱UFJ、三井住友、みずほのメガバンク、りそな、中央三井二至っては、95年から、15年連続して法人税を払っていない。{バブル崩壊後の不良債権処理に伴い、過去の赤字累計額の繰越欠損金を解消できないでいる」という。「今の法人税では、巨額の欠損金を抱える企業は、業績が回復しても繰り越しが認められ、当面の間、法人税を納めなくてもいいという」奇妙な、企業優先の税制度になっているところに問題がある。

小泉・竹中政治の中で、公的資金の補充で息をついた銀行が、税金を全く払っていないことは奇異であり、法外の高給を取りボーナスなど高い銀行員の実態があるだけに納得のいかない話である。増税論が、新しい内閣発足とともに政治宣伝がぶち上げられているが、銀行の法人税の〇の話がある間は、国民が納得するはずはない。

亀井静香大臣は、この大手銀行の税金不払いを取り上げて、財源が無ければ、銀行に目をつけろと財務省の局長に話したとの報道があるが、税金も払わない銀行が、郵政民営化の見直しに反対すること自体が、おかしな話である。税金を払わないという、財務省の優遇策を一身に浴びながら、税金を払わないで、国民の零細な資金を郵貯として集める郵政が巨額の税金を払うという矛盾である。銀行の経営陣が、巨額の月給や退職金を手にしていることが巷間でよく指摘されているが、この際、アメリカ同様に公開されてしかるべきである。郵政に社長や、四人組を言われる社員を送り込んで、しぶかして、郵政の財産を転売したり、悪事の限りを尽くした三井住友銀行が、法人税をびた一文支払っていないことは、驚きであり、儲ければいいとの、銭亀的な発想で、反社会的な行動をする背景が想像するに難くない。

 民業圧迫などとは、笑止千万の話である。税制で優遇を受け、実態は王侯貴族の生活である。当方ブログの知り合いのとある銀行員などは、会社を三台保有し、都内の高給受託街にすんでいる。重役でも何でも無いが、一流?大学出身と言うだけでそれだけの生活であり、日頃、日々研鑽の生活を送っているようにも見えない。お客さんには利子もまともに払わないで、社内預金で、銀行からカネを借りた方がいいなどとの話で、気楽なことで、15年間も納税しないで社会的な責任を感じてないのであるが、そうした腐敗の構造が、日本の金融を弱体化させ、結局は国際競争力を失わせていったのである。

 全国銀行協会が、今回、国会に上程されている郵政改革法案に反対していると言うがこれも笑止千万の話である。全国銀行協会の会長は、三井住友銀行の頭取が快調であるが、簡保の宿を始め、郵政民営化で日本郵政と国民資産を、手下を送り込んで食い物にした銀行である。現在、西川郵政社長の配下にあった銀行員は、ほとんどが、三井住友銀行に復帰しているが、その連中の罪状を、銀行内で調査して、発表するのがまず先に行われるべき話である。ゆうちょカードの委託先を、三井住友カードが発行先になって、巨額の手数料が日本郵政から支払われるようになったことも明らかになっている。

 日本の大手銀行は、自らの過ちを反省して、本業に徹して、外資の餌食とならないように刻苦精励をして、国民国家に奉仕すべきことであったが、私利私益を追求するばかりで、外国勢力に追従するばかりで、力を失っていった。小泉・竹中政治の時代には、米国の影響を受けていたとはいえ、恫喝に屈して、合併巨大化を繰り返したが、さて、その成果は全く出ているようには思えない。

 郵政改革法案で、銀行の驕慢を是正して正道に戻すきっかけにでもなればと期待する。事実の余裕がないので、新内閣は、議論は尽きているので、単なる妨害を克服して、郵政民営化の見直し法案を成立させるべきである。米国で、オバマ政権が、医療保険制度の導入法案を強行して成立させたように、市場原理主義と言う拝金のカルトに終止符を打つためにも、郵政改革法案を成立させる必要がある。

Economic Policy

http://www.tek.co.jp/p/pdf/ajer_adv.pdf?tv_name=miraikosotv&program_id=1023

経済の拡大均衡が大切である。菅内閣は、緊縮財政論である。日本を破壊しかねない経済政策論である。せっかく政権交代したのに、何の役にも立たない。

参議院選挙では、経済の拡大均衡論、積極財政論を採る政党に投票することが大切である。そうすると、自民党、民主党、みんなの党などは、その選択肢から外れることになる。

Season's Links and ranking

人気ブログランキングへサッカーの熱が上がっている。クリックしていただけると、当方のブロッグを読む人が増える可能性が高くなると言う。よろしくお願いします。

Koizumi-Takenaka's Political Crime

http://news.nifty.com/cs/magazine/detail/asahi-20100624-02/1.htm

http://news.nifty.com/cs/magazine/detail/asahi-20100624-02/2.htm

http://news.nifty.com/cs/magazine/detail/asahi-20100624-02/3.htm

http://news.nifty.com/cs/magazine/detail/asahi-20100624-02/4.htm

ようやく構造改革の闇の部分を批判するマスコミが出始めた。犯罪である。

小泉政権下に鳴り物入りで新規参入した日本振興銀行に、捜査のメスが入った。竹中平蔵元金融担当相の盟友、木村剛氏が築いた“木村銀行”はなぜ挫折したのか。「金融腐蝕列島」シリーズで金融機関の闇を描く作家の高杉良氏が、小泉-竹中路線のあだ花である日本振興銀行と「小泉構造改革」を断罪した。

 日本振興銀行が開業する前、私は月刊誌「現代」(2003年11月号)誌上で、

〈新銀行が設立されたとして、その末路は不良債権を積み上げて破綻するか、商工ローンと同質化していくしかないだろう〉

 と予言しました。地道に中小企業を支える銀行としてスタートしたはずなのになぜ変質したのかと新聞は書きますが、私にいわせればハナからおかしかったのだから、変質したわけではありませんよ。

 日本振興銀行の開業は04年4月。中小企業への無担保融資を看板に掲げたが、融資は伸びず、06年度まで経常利益は赤字を続けた。業績が上向いたのは、サブプライム問題をきっかけに資金繰りに困った商工ローンの債権を安く買い取れるようになった07年後半から。しかし、サラ金まがいの商法に頼ったことで、法令違反が次々に発覚。さる6月11日、金融庁の検査を妨害したとして、銀行法違反(検査忌避)の疑いで警視庁の家宅捜索を受けるにいたった。やる気はあるのに融資を受けられない中小企業を助けようという設立趣旨がウソだったと断言するつもりはありません。しかし、それは絵に描いた餅だったことは、当初からわかっていたはずです。

 銀行や信用金庫の中小企業向け貸出金利の相場が2~5%であるところ、日本振興銀行は金利の「空白地帯」を開拓するとして、5~15%の金利を設定しました。しかし、もともと薄利の中小企業が、5~15%の金利を支払って、事業を継続できるはずがありません。また、高金利を支払わなければたちいかないような中小企業に既存の銀行が貸し出すのは困難です。金融庁の厳格な検査で「要管理」以下とされる蓋然性が高いからです。この厳格な査定をルール化したのが木村剛さんです。唯一貸し出せるのは、ルールを適用されない“木村銀行”だけでしょう。金融庁と密約ありと疑われても仕方ない。

 日本振興銀行の経営を主導してきたのは、小泉政権下で竹中平蔵金融担当相のブレーンとして金融庁顧問も務めた木村剛氏だ。木村氏は04年9月に筆頭株主、翌年1月に社長就任。同年6月に会長に転じたが、行政処分を受ける直前の今年5月、会長を退任した。

 木村さんも竹中さんもこうなることはわかっていたと思いますよ。途中ではたと気がつくなんてありえない。それにもかかわらず、日本振興銀行の開業は、予備免許の申請からわずか8カ月後でした。異常ともいえる速さです。なぜこんなことが可能になったのか。

 そこで思い出していただきたいのが金融庁が02年10月に発表した「金融再生プログラム」、いわゆる“竹中プラン”です。そのなかで、不良債権処理を進めるにあたって中小企業の金融環境が悪化しないようセーフティーネットを講じなければいけないと、

〈中小企業の資金ニーズに応えられるだけの経営能力と行動力を具備した新しい貸し手の参入については、銀行免許認可の迅速化を積極的に検討する〉

 という一文が盛り込まれました。この竹中プランを作ったプロジェクトチームの主要メンバーこそが金融コンサルタントの木村氏です。その木村氏が東京青年会議所の例会に呼ばれて「いまなら銀行をすぐに作れる」と発言し、それを消費者金融の資金元である卸金融を手がけていた落合伸治氏が聞いて資金を用意したことから、動き出した計画であることはご承知のとおり。

 その後、社長につくはずの落合氏をクビにして、木村氏が銀行を乗っ取る形になった経緯を考えれば、竹中プランをつくった当初から、日本振興銀行設立の青写真を描いていたのではないかと勘ぐらざるをえません。しかも木村氏は、金融庁顧問の職にあったときに銀行免許を取得するコンサルティング料として落合氏から1億円を受け取ったことも明るみに出た。とんでもない行政の私物化ですよ。

 作家の江上剛さんが社外取締役になっていますが、こんな銀行の客寄せパンダとして利用されっぱなしで、痛恨の極みです。

 日本振興銀行と木村氏の不透明な関係を巡っては、05年に木村氏の妻が代表取締役となっている会社に約1億7千万円を融資したこと、その際、融資が可能になるように内規を変更したうえ、他の融資と比べて極めて低い3%の金利で貸し出していたことも判明した。

 しかし、これだけ問題が噴出しても、振興銀行には預金が第二地銀並みの6千億円近くあるのだから、潰せませんよ。潰せない規模にした木村氏はしたたかです。だからこそ最初に簡単に認可を与えた罪は重いのです。つまり竹中プランを進めた竹中さんの罪は深く重い。あえてそのことを強調しておきたいのは、竹中さんが今でも自分のおやりになったことが正しかったとあちこちで主張されているからです。確かにサブプライム問題が火を噴く07年上期まで日本は景気拡大を続けましたが、それはあくまでも円安を背景にした輸出企業が牽引したもので、恩恵は大企業に集中しました。竹中プランは景気回復に何ら寄与しなかったばかりか、デフレ不況下に強引に不良債権処理を進め、かつ緊縮財政を断行したばかりに国内需要を根こそぎ破壊してしまい、地方の商店街をシャッター通りに変えてしまったことを忘れてはいけません。

 また、不良債権処理を進めるにあたり、「厳格」という名を隠れ蓑にした、金融庁の罪深い資産査定が行われましたが、その査定がどれだけ不適切であったのか、04年以降のメガバンクの決算を見れば、火を見るより明らかでしょう。

 竹中氏率いる金融庁に追いつめられ、東京三菱銀行に実質吸収され「消失」したUFJ銀行は巨額の貸倒引当金戻り益を計上しましたね。そのとき一部の新聞は「三菱UFJフィナンシャル・グループの収益がトヨタを超えた」とバカなことを書きましたが、正常債権を不良債権に落とすことを目的とするかのような資産査定によって必要のない引当金を積まされたことが明らかになったわけです。銀行の過剰な不良債権の処理で、ハゲタカ外資が巨利を貪った一方、数多くの中小企業が資金繰りに行き詰まって倒産し、失業者があふれたのです。投入するまでもなかった公的資金の原資は、私たちの血税でした。恣意的な裁量行政によって弱者を切り捨て、国を破壊した竹中氏の犯した罪は途方もなく大きいのです。その片棒を担いだのが木村氏ですよ。そして、この二人のやりたい放題を許した小泉政権は史上最悪、最低の内閣だったということです。 構成 本誌・中村 裕」

Life in Peril

メキシコ湾で、石油の海中掘削の井戸が爆発して、海岸などがすっかり汚染されつつあり大問題になっている。いかに深刻な状況なのか、日本のマスコミは関心を示していないのは残念であるが、ハリケーンカトリーナよりも深刻な状況にあるとの見方もある。アルジャジーラの報道である。岡目八目で、外国の報道の方が客観的であることもあり得る。ナオミ・クライン氏が、監修した由である。

自然が破壊され、その次は間違いなく人間とその社会が破壊される。拝金の市場原理主義のひとつである。規制緩和で、政府が民間の石油会社の使用人になるという悲劇である。公が私益に従属するという政治思想である。アメリカの悲劇である。海外で、市場原理主義を実行したが、いよいよ、自分の国に戻ってきたのである。文化、共同体、未来、生活様式、などが、破壊されている。対岸の火事ではない。アメリカのメキシコ湾岸の住民もまた、構造改革で被害を受けた日本国民と同様に被害者である。

アメリカの水俣が現実化しているようだ。

ご参考まで。

East Asia and our(American?) Future

1967年の映像である。ユーチューブにあった。10分間ずつ、六回に分けてあるようだ。最初の画像を掲載するので、残りの五回は、ユーチューブのサイトから探して、ご覧下さい。いずれにしても、優れた内容の動画像である。歴史の検証にもなる。ハーバード大学の東アジア研究のフェアバンク教授と、ライシャワー教授の雄弁と分析を聞くことが出来る。一瞬ではあるが、ライシャワー教授が沖縄返還に触れた箇所もあった。ベトナム戦争の最中であるから、ベトナムの問題がどうしても中心に放っているが。ボストンのWGBHテレビが、放映した画像である。

Dialogue with Mat Yasukawa

ご参考まで。ラジオ日本6月18日午後一時半からのトーク番組の内容が活字になっている。マット安川さんは、ミッキー安川さんのご子息である。

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/3815

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/3815?page=2

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/3815?page=3

読後のご感想を、お寄せいただければ幸いです。

人気ブログランキングへ

Edwin O. Reichauer 4

6月24日正午から、昼食会の形式で、東京有楽町の外国特派員協会で、ライシャワーの昭和史の著者、ジョージ・パッカード氏の講演会があった。 Packard_1_2 Packard_2

ライシャワー大使が、ご存命であったら、普天間の閉鎖にきっと賛成しただろうと述べた。在日米軍の司令官とのつきあい具合や、キャラウェイ高等弁務官との確執など、興味深い話が続いた。詳細は、著作の内容に沿って発言したので、講談社から出版された単行本の一読を勧めるが、早稲田大学で教鞭を執る女性学者のの質問に答えて、ライシャワー大使は、日本の女性の精神的な強さを感じていたし、大使館の担当に女性問題を担当する女性のポストを初めてつくったことには先見の明があったと述べたことは新味であった。右側の司会者は、石山宏一、桐蔭横浜大学法学部の客員教授である。ライシャワー大使の功績は、実は、沖縄返還、占領軍の問題、を含めて、これまでそれほど知られず埋もれたままであった感を強くする。先生が、リビジョニストに反論したように、日本人側もたじろがずに、反日の、日本異質論者に、反撃反論する必要があることを改めて認識することであった。

なお、英文版の本のデザインに使われている草書の字体は、堅忍である。パッカード氏に質問して確かめた。英語で言えば、perseverenceである。

円仁の入唐記の困難を想像させる堅忍である。文字通り、堅忍を感じながら日米関係の再構築を図る必要がある。自立・自尊、対等の日米関係の方が長続きする。親分子分の関係でもなく、主従関係であってはいけない。占領軍マインドの横行などゴメン被る。外国人経営者の横暴な収奪に近い高給なども目に余る。ライシャワー先生がいたら、きっと嘆くばかりではなく、商工会議所の高圧的な英文にも文句を言うかも知れず、米軍の司令官を詰問したように、問い詰めていたことだろうと思う。ソニーや日産自動車や、銀行などの外国人幹部は恥を知らないかのようだ。そんなグローバル企業など日本にはいらない。ライシャワー先生の評伝の一読を、当ブログの読者ばかりではなく、そうした連中にも、反省材料として一読を勧めたいと思う。

昼食会の冒頭で、パッカード氏が触れたことであるが、会場となった外国特派員協会は、ライシャワー博士と、後に再婚することになる松方ハルとが最初に出会った場所である。1955年のことだという。松方ハルは、クリスチャンサイエンスモニターの記者をしていた。ジェイムズ・ミッチナーが紹介したという。そう意味でも、ライシャワー先生の評伝を聞くのにふさわしい場所であった。日米関係が急速に劣化する中で、両国の中に巣くう拝金の、好戦の市場原理主義者と対決するためにも、日米の真の友好を願う勢力が連携をとる必要を痛感する。

パッカード氏は、ブラッドレー氏の、インペリアル・クルーズについても、良書として推薦したので、付記しておきたい。

Italian delicious food

Cimg6321 Cimg6322 Cimg6323おいしいイタリア料理です。

イタリア人がつくっています。食べ物は文化であり、文明です。日本の料理も文明ですが、イタリアにも文化があります。肉に塩をかけて食べるだけの食事もありますが、ごめん被ります。ハンバーガーなどは短命食と言われています。ご参考まで。

Cimg6320

Political life is also beautiful

http://news.livedoor.com/article/detail/4826124/

http://news.livedoor.com/article/detail/4827940/

http://news.livedoor.com/article/detail/4839560/

ご参考まで。気鋭のジャーナリストによる、救国の政治家の美学の観察である。

Postal Reform

http://www.kokumin.or.jp/seiken-seisaku2010/yuuseikaikaku.shtml?gclid=CIiVpf6-t6ICFQMwpAodwDP59A

[

Resistence

徳之島の名前が全国に知れ渡った。鳩山民主党内閣は、沖縄の普天間基地移設で、外国の圧力に屈して妥協して、政権を投げ出した。「少なくとも県外」移設と期待を持たせた発言をして、軍隊派遣元の超大国でも政権交代があり、多少の理解を期待したが、華府で冷たい扱いで(ボタンの掛け違いだとの意見もあるほどの冷たさで)大統領に五分と会えなかったから、意気消沈した。沖縄の基地の経費負担もしていない国の哨戒艇が沈没して、靖国も詣でない間に、献花に赴き、沖縄には、警護の車は疾走する、野次と怒号の中での苦しい訪問となった。いつかは自主防衛でもしなければいけない、外国軍隊に任せっきりにするのは悪いとの趣旨を最後の挨拶で明らかにしたが、土壇場での説教は、遠吠えとなった。「あなた方の時代に、日本の平和を日本人自身で見つめることのできる環境をつくることを、日米同盟の重要性は言うまでもありませんが、一方でも模索していきたい」との発言は重要であるが、だったら外国への移設、あるいは普天間の閉鎖をなぜ主張しなかったのか。自分の時代は、外国軍隊に日本の平和をまかせることを仕方がないとでも思っていたのか。外国軍隊のしかも、遠征軍が抑止力になるとでも思っていたのだろうか。抑止力とは、外国から脅されたときに、断固拒否して、自らの対抗措置を執る為の、軍備を含めた自国の総力である。単純に外国の圧力に屈服しただけの話で、総理にそうした腹案と指導力でもあれば、副官を務めるべき外務大臣や防衛大臣もあちらの方を向くばかりではなかったかも知れない。社民党閣僚を罷免しないで、追従者を罷免して内閣改造をすれば延命したのかも知れない。ましてや、女房役の官房長官の右往左往には、嫌気がさしたのだろうが、身から出た錆だ。静岡の国会議員が、徳之島の病院関係者からの話を真に受けて、医療特区にしてカネでもばらまけば、黄鉄鉱の黄金でも、純朴な島の住民の宣撫工作がすぐに完了するとの甘い見方をしたのだろうが、徳田虎雄氏が立派な病院長ではあるにしても、現職総理が基地問題の相談に訪問するのは軽率で、氏がOKしても、徳之島が基地受け入れを認めるとは思えない。地元を代表する町長などとの面会する前の話であるから、島には今でも酋長がいるのかと勘ぐった人もいたに違いない。自治体の借金を棒引きにする話や、振興策を沖縄並みにするとの餌をぶら下げたが、振興策は基地とは本質的には関係がない。沖縄県でも、基地のない宮古や石垣でいろいろな振興策が行われ、奄美の離島振興を沖縄並みにするか、沖縄振興法の枠組みの中に入れて、沖縄と奄美の差をつけない南西諸島振興法にすればいいだけの話だ。離島振興を馬鹿にしきった対応であったことは歴史に残る。奄美振興の工夫が足りない、反省がないことを露呈させただけだ。沖縄の女性歌手のグループのネーネーズという唄者が、黄金の花という唄をヒットさせたが、カネで人心を買う話は聞き飽きている。さて、細かい話になるが、徳之島は、奄美は、そもそも「県外」と言えるだろうか。慶長14年(1609年)に薩摩の琉球征伐があり、去年は400周年の記念の年だった。沖縄県知事と鹿児島県知事とが、奄美の名瀬で面会するという和解の行事もあったが、奄美は琉球の地方で、気候・文化も、言語も、沖縄と同一であるから、鹿児島県大島郡であっても、薩摩への帰属意識は無い。奄美は独立心旺盛で、薩摩の軍勢に鋤鍬で立ち向かい、琉球王国の為政者も手を焼いていたらしく、首里王府は、奄美が薩摩の直轄地になることをさっさと認めている。鹿児島県になっても、代官政治の名残か、今でも大島支庁という出先の機関を名瀬に置いて統治する二度手間である。連合国との戦争に負けて、奄美は、トカラ、小笠原、沖縄と並んで、米軍軍政下に置かれたが、まず、トカラが昭和27年2月10日に、奄美は、翌年の12月25日に施政権が返還され、祖国復帰を達成した。奄美の復帰運動は激しいもので、インド独立運動に範をとって、断食のハンガーストライキを集落ごとに行う、小中学生が血判状を出すという騒ぎであった。奄美のガンジーと呼ばれた詩人で復帰協議会議長の泉芳朗氏も徳之島出身である。宮崎市に波島という奄美の出身者が多く居住する町があるが、奄美の祖国復帰運動は鹿児島ではなく、日向の地で始まった。先の歴史的な理由で、当時の鹿児島県は、奄美の復帰運動に冷淡であったと言われるが、復帰運動決起第一号となったのが、為山道則氏である。宮崎に密航して、青年団を組織して、日本本土で初めて公然と祖国復帰運動を展開した。為山氏は徳之島の亀津出身で、満鉄育成学校を卒業している。奄美が第二のハワイとなって米国に併合されることを恐れていた。奄美は、昭和53年のクリスマスの日に返還されたから、米国政府はクリスマスプレゼントと皮肉った。その後、小笠原が昭和43年、沖縄が昭和47年に祖国復帰を果たしたことは言うまでもない。奄美の運動は文字通りの民族自決運動であり、類例がない。講和も終わり、日米安保条約で、沖縄の基地を確保したから、復帰運動に手を焼いて、基地もない奄美を早く返すことにしたことは間違いない。奄美の自立・自尊が沖縄に波及することを避けたのである。
徳之島に米軍基地をつくる愚策は、日本では希有の異民族支配に対する民族運動の歴史に挑戦する話でもある。ペリー提督は、首里王府を脅迫して、琉米和親条約を結んでから、江戸湾に乗り込んできたことは言わずもがなの話だが、奄美を取り返してから20年が経ってから、他策ナカリシカと苦渋の決断をして、基地つき本土並み?の沖縄を取り返したのに、琉球の栄華の再来を目指すならいざ知らず、沖縄駐留の外国軍隊の出先として徳之島を召し上げることを画策したのは、奄美の歴史と沖縄との立ち位置を無視したことにもなる。都道府県知事を招集して、外国軍隊の地方拡散を提案したことは奇矯としか言いようがない。引き受け手があるはずもなく、口で沖縄の負担の軽減と言いつつ、外国に守って貰う発想では、属国となって自立・自尊の日本を放棄することになる。抑止力の勉強が足りなかったというが、工業大学教授の経歴から、決断の専門家と聞かされ、対米交渉で奥の手があるのかも知れないと期待したが外れた。
徳之島は、抵抗の伝統があるから、ディエゴ・ガルシアのように、住民を追い出すことはできない。インド洋に浮かぶディエゴ・ガルシア島は、2000人の原住民を島外に追い出して海軍基地にしたが、徳之島は、少なくとも二万人が対象である。東京・大阪にも島の出身者がたくさんいるから、今度も、東京でも日比谷公園で反対集会が開けたし、神戸や大阪でも、奄美出身者が久しぶりに沖縄関係者とが合流すれば、甲子園を借り切って闘牛大会を兼ねた反異民族支配の集会ができるかも知れない。
その昔、日教組の委員長をした、奄美出身で、元軍国少年だったという故宮之原貞光参議院議員から聞いた話であるが、サンパウロに鹿児島県人会館ができて完成して、奄美人はそこに行きたくないから、沖縄県人会館ができたら、同じシマンチュ(島人)の誼で、そこに行こうと思っていた。沖縄県人会館ができたら、もうあなた方は、先に本土復帰して鹿児島県人だから、沖縄県人会館には入れないと言われ、それではと、現地に骨を埋めた先達の墓場の近くに、掘っ立て小屋を建てて、奄美会館と言う表札を懸けたという独立不羈の精神訓話を聞いたことがある。「県外」と言う言葉に惑わされて、普天間の基地を辺野古に移して豪華版にしたあげくに、徳之島に基地を追加して、沖縄県民がそれでいいというのであれば、歴史認識も何もない、鳩山内閣並みの度し難いことになってしまう。徳之島は、沖縄の「県外」ではない。米国の総領事館は、那覇ではなく、王朝の墓陵のある浦添にあるが、管轄を沖縄県だけではなく、今でも鹿児島県の奄美諸島も管轄している。相手は、王国の記憶をとどめている。
琉球の範囲は、薩摩藩の直轄地となった奄美のグループの中でも、与論や永良部は、沖縄に近いし、隆起珊瑚礁でハブの毒蛇はいない。その北の徳之島と奄美には、山がある。奄美は山また山で、屋久島ほどではないが、日本の高度成長期に鉄道枕木を生産した山が連なる。二束三文になっているから、山林所有者が米軍基地でも誘致したい気分になるような過疎化だ。徳之島は、中央に井之川岳という676メートルの山があり、奄美の中で、自給自足が可能だ。水源を堰き止めた農業用水ダムも完工して、水もある。徳之島空港は、三つの町のひとつの天城(あまぎ)町の塩浜(しゅうはま)という集落の海岸の珊瑚礁を埋め立ててつくった。小さな塩田があったから、塩浜である。航空写真からも見るとおり、普天間の余裕はないが、細長い滑走路である。空港の上手に、特攻の前線基地であった元陸軍浅間飛行場の滑走路跡が直線道路として残っている。サトウキビ畑になっている。沖縄県も、沖縄本島とその属島、宮古、八重山と分かれる。大東島は、祖先は八丈島だ。硫黄鳥島は、徳之島の沖にあり、奄美諸島であるが、今は沖縄県に属している。活火山の鳥島で火薬の原料として重宝した硫黄を生産していたから、那覇の港に硫黄(いわ)城(ぐしく)と呼ぶ、集積場があった。硫黄鳥島は大噴火を繰り返し、久米島に鳥島という集落をつくって移り住んだ。
王朝風の事大主義で、モノを食べさせるのが主との格言もあり、沖縄には中国の易姓革命の思想が入っている。自民党の小泉総裁を誕生させる党内選挙の時に、沖縄では全部の地方票がブッシュべったりで勝ち馬の小泉氏に入れたのには驚いた。あれだけ沖縄を心配した橋本総理など眼中にないかのように、変わり身が早かった。権威と権力とが未分化で殺伐としたシナ風の名残である。琉球の最高官僚の三司官は、ニコリと笑うことをしなかった。その怖さで、反乱を容赦なく弾圧するマキアベリ型で、琉球を統治した。任地の安寧を図る日本の役人組織とは異なり、王朝が滅びた時には祝宴を張った集落もあった。勿論、中国風の髪を切ることに反発したり、王朝回復の為に清に亡命した者もあったことも忘れてはならない。奄美では、明治維新はむしろ四民平等の開明として歓迎され、徳之島では、断髪することが敢行され、亀津断髪として進取の気風を尊ぶ象徴となっている。沖縄と奄美の、微妙な気風の違いである。
今度の、鳩山内閣の失政は、自民党政治の延長線上に戻ったことであるが、期待を持たせたから、沖縄では民族自決の話がまことしやかに出てくるだろう。ヤマトゥが頼りにならなくなると、北京に媚びを売るし、平壌に出かけて主体思想を礼賛する者も出るだろう。当事者の米国礼賛に走る者も出る。軍政下の沖縄で、ハワイのハオレ、中南米でのシカゴ・ボーイズの様に、米国留学組が巾を聞かして様に、今度もオバマの米国を大いに礼賛する者が出る。長いものには巻かれろの易姓革命の思想は、時の権力を正当化するから、肩書きに弱く現状維持論に傾き、真のところは急激な変化は求めない優柔不断さがあるが、弱点を見せると襲いかかる。だが、沖縄の問題に奄美・徳之島が加わることによって、沖縄風の易姓革命の思想の一人歩きが抑えられて、むしろ新たに強力な自立・自尊を求める力の方向に動く可能性が出た。もともと、琉球の島々の基底には、海辺の白砂を撒いて、憑かれたように安寧を祈るシャーマンの権威が本質として残るし、朝貢の易姓革命は上澄みでしかないから、ようやく、冊封体制以前の島々が一体化した時代に復古する雰囲気である。日本の神話では、豊玉姫と玉依姫は海神国の出自であり、国造りの一方の源に位置するから、母親をないがしろにすることはできない。
沖縄から、ハワイはもとよりペルーやブラジルの中南米に移民が出た。南洋群島にも出た。サイパンでは玉砕した。パラオやテニアンへの移設の話が出ているが、黒潮文明の因縁話でもある。旧南洋群島は日本の委任統治下になり、日本が負けて、連合国はアメリカの信託統治にした。今では、属領のようになって、ハワイのハオレの心配があるが、基地の移転問題が出て、日本が見捨てた南洋の戦前戦後のセピア色の写真が彩色を復活させたかのようである。
今回の騒ぎで、中国や韓国が日本駐留の外国軍隊を引き留めている点が歴然として、哨戒艦の沈没が辺野古の継続を助けるという珍妙な論理が展開されて、東アジア共同体構想の虚妄が歴然とした。百済や渤海の故地から、千島・樺太を回り、モンゴル、ウィグル、チベットを辿るツランの同盟と、南方からの黒潮の道が日本列島で出会うから、南洋群島、台湾、フィリピン、インドネシアの多島海を見晴るかす海洋国家の共同体を考える方が自然で、現実的である。タイの内乱も背後関係が見え透いてきたから、日タイ独特の独立死守の連携が出来る筈だ。豪州は、シナの台頭に備えて、国防予算増に踏み切った。総理の首をもすげ替えてしまう外国連携の対日強圧は、日本が、ウィグルやチベットの亡命の人士を応援して、大陸の外縁にある南東アジアを含む環太平洋の海洋諸国や中南米との体制固めがより重要であることを、浮き彫りにしたようだ。しかし、後継の民主党内閣は、誠に遺憾なことではあるが、鳩山政権よりも、自立・自尊の日本をつくろうとの気概に欠けるだけではなく、適正な手続きを書くだけではなく、民意に裏打ちされない外国との合意を優先するとしており、また、消費税増税のベニスの商人を応援するような政策を打ち出してきている。

Kuroshio Culture and Tradition

飛び飛びに、一ヶ月に二回の割合で、黒潮文明論と題して定期的に書いている。リンクも飛び飛びになり、検索するのも面倒であるから、一挙にリンクを公開して、読みやすくすることにした。

http://tokyonotes.cocolog-nifty.com/blog/2009/03/kuroshio-1.html

http://tokyonotes.cocolog-nifty.com/blog/2009/03/kuroshio-2.html

http://tokyonotes.cocolog-nifty.com/blog/2009/03/kuroshio-3.html

http://tokyonotes.cocolog-nifty.com/blog/2009/04/kuroshio-4.html

http://tokyonotes.cocolog-nifty.com/blog/2009/04/kuroshio-5.html

http://tokyonotes.cocolog-nifty.com/blog/2009/05/kuroshio-6.html

http://tokyonotes.cocolog-nifty.com/blog/2009/05/kuroshio-7.html

⑧ http://tokyonotes.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/kuroshio-8.html

⑨ http://tokyonotes.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/kuroshio-9.html

⑩ http://tokyonotes.cocolog-nifty.com/blog/2009/07/kuroshio-10.html

⑪ http://tokyonotes.cocolog-nifty.com/blog/2009/07/kuroshio-11.html

⑫ http://tokyonotes.cocolog-nifty.com/blog/2009/08/kuroshio-12.html

⑬ http://tokyonotes.cocolog-nifty.com/blog/2009/09/kuroshio-13.html

http://tokyonotes.cocolog-nifty.com/blog/2009/09/kuroshio-14.html

⑮  http://tokyonotes.cocolog-nifty.com/blog/2009/10/kuroshio-15.html

⑯ http://tokyonotes.cocolog-nifty.com/blog/2009/10/kuroshio-16.html

⑰ http://tokyonotes.cocolog-nifty.com/blog/2009/11/kuroshio-17.html

⑱ http://tokyonotes.cocolog-nifty.com/blog/2009/11/kuroshio-18.html

⑲ http://tokyonotes.cocolog-nifty.com/blog/2009/12/kuroshio-19.html

⑳ http://tokyonotes.cocolog-nifty.com/blog/2009/12/kuroshio-20.html

⑳① http://tokyonotes.cocolog-nifty.com/blog/2010/01/kuroshio-21.html

⑳② http://tokyonotes.cocolog-nifty.com/blog/2010/02/kuroshio-22.html

⑳③ http://tokyonotes.cocolog-nifty.com/blog/2010/02/kuroshio-23.html

⑳④ http://tokyonotes.cocolog-nifty.com/blog/2010/03/kuroshio-24.html

⑳⑤ http://tokyonotes.cocolog-nifty.com/blog/2010/03/kuroshio-25.html

⑳⑥ http://tokyonotes.cocolog-nifty.com/blog/2010/05/kuroshio-26.html

⑳⑦ http://tokyonotes.cocolog-nifty.com/blog/2010/05/kuroshio-27.html 

⑳⑧ http://tokyonotes.cocolog-nifty.com/blog/2010/06/kuroshio-28.html

⑳⑨ http://tokyonotes.cocolog-nifty.com\blog/2010/06/kuroshio-29.html

 

続き物であるから、ネタが尽きるまで書かなければならないが、29回までのリストになった。

 黒潮の流れに着想を得た、ある種の民族文化論を書こうとしているが、学者の検証ではないので、黒潮が洗う列島の岸辺の人々の生活について、過去、現在、未来と想像しながら、自由奔放に書くことが大切と心得ている。今回は、東から来る外国勢力と日本とが出会った、26回あたりで言及した南洋諸島の話と重なり合うこととなった。読者のご叱正なり、あるいは、黒潮文明に関して、こんなことをテーマにしたらという提案や発見などをご教示いただければ幸いである。

 ささやかな記事を続けられることは、幸いである。太平洋の西の岸を、アメリカ大陸の西部開拓の延長線上の力が徘徊しており、シナの大陸にも拡張主義の帝国があるが、黒潮の悠久の流れを極めてはいない。読者のご意見もここらで拝聴したいところである。興味のある読者の方は、どうか感想を、コメントを頂戴したい。

人気ブログランキングへ

人気ブログランキングへ

Soviet Commander

http://www.cnn.com/2009/WORLD/asiapcf/12/01/afghanistan.soviet.lessons/

Pride of Japan

Economic Policy for revival

政治宣伝が行われて「常識のウソ」が流布され、誤った判断と結論に誘導される事態が多発している。特に、企業経営者の場合、理工系の人事登用が多発して、基礎的な政治経済学の素養を欠く場合には、「常識のウソ」に惑わされて、誤った経営判断となる場合がまま見られる。経済団体などでも、一部の業界の利益が主導されて、他の業界には不利益となるような場合にも、「常識のウソ」が見抜けずにまかり通る状況が生まれる。例えば、近年の金融立国論や小泉・竹中政治の中での構造改革論などは、企業に対する「常識のウソ」を駆使した政治宣伝による攻撃であった。日本の強さに対する破壊であったが、企業の側からの、適切かつ効果的な反論は欠落している。

日本の長期的な政治・経済の停滞の根幹に、デフレがあることを指摘して、関係者の「常識のウソ」に対する抵抗力を高める参考としたい。当ブログは、関係者が「常識のウソ」を打破するために、最低限度の経済知識をまとめることを意図している。

企業の経営者や関係者が関心を寄せるべきは、現下の収縮する経済実体の中では、産業政策ではなく、デフレ政策の中止を求める金融経済政策の主張を行うことがより肝要である。

民主党政権下の菅新内閣が主張する消費税導入論などは、日本を破壊しようとした、小泉・竹中政治よりも悪辣な政策である。残念なことである。国民の政権交代に欠けた期待が一挙にしぼんでしまった。


日本の長期的な停滞の原因は、実は誤った政治経済政策の結果にすぎない。政策の誤りは、ひとつの国家を短期間で大きく低下させる前例は枚挙される。しかも、一旦凋落した国家の回復は、至難の技である。例えばフィリピンの場合であるが、朝鮮戦争前までは、日本の経済状況よりも優れたところが多々あり、繁栄した。大東亜戦争中に、マニラに進駐した日本軍の兵士や将校のなかには、マニラホテルの豪壮さに惑わされた者があったほどで、先進国がフィリピンであり、後進国が日本であったが、日本が敗戦国となったものの、フィリピンは、マルコス大統領の政権で腐敗が横行する中で、急速に国富を消耗して、今でも、繁栄を続ける南東アジア諸国の中では、大きく立ち後れた国家経営の状況となっている。つまり、政策の誤りはつるべ落ちの夕日のように、国家を衰亡させる。企業の場合も同様に、誤った経営方針をとれば、いかなる過去の栄光ある企業も急速に衰亡させることになる。従って、単なる精神論や井戸端会議の議論に留まるところなく、冷静な科学精神に基づいた分析と対策に依拠することが必要である。特に経済政策においては、現実の成果と政策実施の前提条件との絶え間の亡い突き合わせと検証が必要である。

日本は、特に朝鮮戦争を境に、いわゆる自由主義陣営に組み込まれていく冷戦の時代の中で、大きく経済成長を遂げたが、1990年頃にはいわゆるバブル景気となった。日立製作所の宣伝部署に所属していた関係者が製作した映画「バブルへゴー」が、時代の雰囲気をよく描写している。そのバブル景気は、日本銀行の政策によって徹底的に鎮圧された。つまり、極端に信用を縮小させて、バブルの息の根を止めたが、カネの供給を極端に減らしてしまうことで、経済の急激な伸びを抑えて、モノ(バブルの場合には、不動産を中心とするモノに対する需要の急激な増加が見られた)が飛ぶように売れ、企業の業績は大きく伸張して、完全雇用で、お台場のダンスの社交場が夜な夜な賑わった時代を急速に終わらせた。時の日本銀行総裁は、鬼平などと称賛されたが、実際には誤った政策であり、バブルを鎮圧するとして、信用を収縮させたために、急速に信用、カネが海外に移転する現象が起きたことがよく知られている。上記の映画では、政策当局の関係者と外国の投資家が共謀したのではないかとほのめかす場面が出てくる。ところが、そうした緊縮の金融政策の失敗が反省されることなく、後生大事に今でも続けられ、モノよりもカネを欲しがるというデフレの状況がいよいよ深刻化しているのが、現下の日本である。デフレの時代には、カネ(紙幣)がモノよりも大事となり、モノが売れないので、モノつくり企業の業績は悪化することが必定であり、失業者が増えることは当然の結末である。そうした中で、モノ作り企業の経営者やその団体が、デフレ政策を批判せず放置したり、あるいは、デフレの政策を推進する経済団体に荷担することは、自らの企業の継続と繁栄に無関心であるか、あるいは、単に簡単な経済の知識を欠いているかのどちらかであろう。

バブルが急速に鎮圧され、その後に起きた日本長期信用銀行の破綻は、バブル崩壊の象徴的な事例となった。日本長期信用銀行の破綻の内幕については、当ブログでも、ロンドンのフィナンシャルタイムズ紙の元東京支局長であったジリアン・テット女史の著作である、「セイビング・ザ・サン」において詳述されていることを紹介したが、今となれば、長銀の破綻も、その後の外国資本による乗っ取りも、政府と日本銀行の政策の誤りであり、また、一部経営陣の誤った対応であったことがより明らかとなっている。ちなみに、粉飾決算の疑いで重役三人が逮捕されたが、長い裁判を経て無罪となっている。日本長期信用銀行は、わずかの額で外国資本に売却され、また、国会による立法を行わずに行政当局が恣意的に付与したと言われる瑕疵担保付き責任条項により、外国資本が巨額の利益を手中にして、しかも、その利益はオランダに移転されて、日本の国税当局からの徴税は行うことができなかったとされ、テット女史によって、日本の失策として揶揄されているところである。

一昨年のリーマン・ブラザーズの破綻に始まった、いわゆるリーマンショックの後の対応を見ていても、日本の対応は後手後手に回っている。諸外国では、金融危機発生直後に、カネの供給を迅速かつ大量に行ってきているが、日本は、なんと5%増加させただけであった。日本のカネの供給が全然増えず、外国通貨であるドルなどの供給が一気に増えた結果、日本のカネが極端に不足して、急激な円高が日本経済を襲うこととなった。米国や英国の中央銀行は約3倍、ヨーロッパの中央銀行は約2倍のカネを供給しているが、日本だけがそうしたカネの供給を怠り円高となった。2009年11月には、1ドル90円で、2007年は1ドル120円であったから、たった2年で、25%円高に急進したわけであるから、輸出産業は、値段が上がり、どんどん売り上げが減ってくることは当然の成り行きで、製品価格の25%に相当する部分をコストダウンすることは至難の技であるから、あらゆる経営努力が空しい徒労に終わることになったことは論を俟たない。しかも、政府と日銀は、円高を放置した気配であり、2009年の政権交代で就任した財務大臣は、円高傾向に対して「介入に反対」と、許容する発言を行って、その後その火消しに回るというどさくさがあった。2009年12月に日本銀行は、世論に押されて、10兆円規模のカネの供給を行ったが、その効果は極めて限定的なものであった。それに引き換え、アジア諸国は、通貨を割安に管理しており、それが、経常黒字の拡大を助長してきたことは間違いない。北京政府などは、大規模な資金注入を行い、再び、二桁の成長を維持していることが、新年早々に発表され、しかも、日本の経済規模を抜く可能性が高まったとしている。

デフレとは、モノの値段が下がることであるから、良いことなのではないかとの感覚が流布されるが、そこが「常識のウソ」である。衣料品の価格革命があり、主婦が喜んだが、しかし、そのうちに夫の賃金もどんどん下がり、首切りにあったようなたとえ話があるが、社会全体として失業倒産が増えることになる。デフレの現象は、死に至る経済の病と呼んでも差し支えない。デフレの定義は、「物価下落が2年以上継続している状態」で、一時的な物価の下落は、定義上はデフレにはあたらない。しかも、商品個別の問題ではなく、物価、すなわち、モノ全体の価格という抽象化された存在である。デフレになれば、将来は物価が下がることが見込まれるようになり、今いくら値下げしてモノが売れなくなる状態になる。買い控えが、デフレの伴うのは当然の現象である。

デフレで、物価下落の恩恵を受ける者があるかどうかの議論をすると、確かに一部に存在することは明らかで、例えば公務員や、大企業の正社員のように、倒産の危険が少ないとか、リストラされにくい人々である。賃金の値上げがなくとも、デフレであれば、実質的な給料の価値は上がることになるから、公務員の給料が据え置きであっても、実際には、賃上げがあったと同じ効果が見込まれたことになる。首切りのあった日産自動車などの社員が一番被害になったわけであるが、放送会社などその他の大企業も正社員の首切りはほとんど行われなかったから、対岸の火事でしかなかった。デフレの怖さについては、その影響を受ける社会階層が異なることもまた事実である。「買い控えるのは、商品に魅力がないからだ、カネを出して買いたい商品が少ないからだ」という主張も単なる精神論であった、経済の論理から言えば、非常識な主張であるが、それが「常識のウソ」として出回ることが多い。デフレと言うのは、モノよりもカネを大事にすることであるから、実際には、モノ造りなどよりも、金融立国でカネを大事にするという主張は当を得ているが、実際には、デフレの結果として倒産が増加して、失業者があふれることになることには言及しない。もし、経済団体などで、モノつくり企業の経営者が参加して金融立国論を支持する発言を行った事例なども見受けられたが、全くの矛盾した行動であった。物づくり企業が、金融立国論、あるいは、市場原理主義に忠実になって、金融会社に変身した事例も外国などで見られたが、本業は全くおろそかになり、その後市場から姿を消した大企業の事例があったことは、よく知られているとおりである。

細かい議論になるが、消費者物価指数には、三種類の総合指数があることは、指摘されて良い。日本では、総務省が消費者物価の調査に責任を持っており、統計局が担当している。日本の消費者物価指数は、総合指数、生鮮食品を除く総合指数、食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合指数の三種類である。日本では、生鮮食品を除く総合指数が、一般的に、マスコミや政府で消費者物価指数として使われているから、混乱があり、食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合指数は、統計を取り始めたのが、なんと2006年からであるから、海外比較が非常に困難になる可能性がある。もちろん、日本以外では、食料とエネルギーを除いた総合指数が、コアCPIと言われて使われる。日本のマスコミは、日本独自で作っていた生鮮食品を除く総合指数を消費者物価指数と考えているために、特定の商品の物価が乱れて上がったり、下がったりする場合には、これまでの消費者物価指数似たよってしまうと、木を見て森を見ずの状態になってしまうことが想像される。食料は、天候に左右されて値段が上がり下がりする場合がよくあり、また、エネルギーも投機的な値動きがあって、価格が乱高下するので、物価を測定するには、食料とエネルギーを除外して考える方が、物価の趨勢を見る上では適当な方法になる。原油価格が高騰した2007年から08年にかけての日本のマスコミが、インフレが到来したと誤った報道を大量にしたのが、物価指数の取り違えたことが原因であった。総合指数と、生鮮食品を除く総合指数は、確かに、大きく上昇したが、食料とエネルギーを除けば、むしろデフレであることがハッキリしていたにも関わらず、マスコミがインフレの到来と大騒ぎをして、その中で、実際にはデフレが直深刻化すると言う、国民に誤った情報を与えた恐ろしい話であって、未だにその誤った対応が続けられている。過去の消費者物価指数は、総務省統計局のホームページに掲載されているが、その内の点線の指数を読み取ることが重要である。統計局の消費者物価指数の過去のデータが掲載されている頁のアドレスは、http://www.stat.go.jp/data/cpi/kakoである。

しかも、物価上昇率は、高めに表示されることが明らかになっている。消費者物価指数は、ある一定の前提を置いて品目が選ばれて、計算されているので、その中に、誤差が入ってくることになるという。その誤差が放置されているために、日本政府の発表する物価指数の数字よりもデフレの状況はより深刻であることにある。公表された数字がマイナス2.4%であれば、マイナス4%を超えるデフレの状況の可能性があることになる。2006年のゼロ金利解除もデフレの実態を軽視したことから、数字だけを追って、実態を確認せずに、ゼロ金利解除を称賛したマスコミの責任は大きい。

デフレの原因が、中国からの安い製品が流入したから、物価が安くなってデフレになったという説もまた誤りである。中国からの輸入増は目を見張るようなものであったが、それは、何も日本だけの現象ではなく、米国は言うに留まらず、諸外国でも世界中で、中国からの輸入品が急増している中で、デフレの状況に至っているのは、日本だけである。中国からの輸入の増大とデフレとは関係がないことが、諸外国の状況を見れば容易に理解できることで、確かに、物価下落の要因ではあっても、無視することの出来るような小さな要因に留まることが明らかである。2003年4月26日に内閣府は「世界経済の潮流」と題する報告の中で、デフレの主犯は中国にあらずと分析結果を発表したが、実際には、自国の経済政策の失敗を他国になすりつけようとした陰謀の可能性があり、それにマスコミが荷担するという「常識のウソ」を流布する典型であった。中国からの主要な品目としての食料や衣類などが、日本の物価指数に決定的な影響を与える要素とはなり得なかったのであるが、日常生活における実感があるために、中国製品の輸入がデフレの原因であるかのように煽った。問題解決の方向を誤らせる結果となった。オーストラリアの中央銀行は、景気の力強さから、リーマンショック以降、世界に先駆けて、インフレ警戒のために、利上げを行ったほどであるから、オーストラリアは、2007年から8年にかけて、中国からの輸入が21%急増している中であるから、デフレとは関係がないことは明白である。

デフレ下では、借金返済の負担が契約上の利率よりも重くなる。デフレ下では、例えば購入した不動産の価格が下がり、契約したときの金額を返済していくとすると、実質的な金利負担は増えていくことになる。契約上の金利が3%であれば、消費者物価指数がマイナス2%であれば、実質的な金利は5%になるというカラクリである。「今は住宅が買い時である、価格も下がったし、金利も安い」と言う主張は、「常識のウソ」の典型である。住宅や不動産を買って資産を形成しようとすることが、負担を背負い込んでしまうことになり、住宅など不動産の需要は低迷する方向に向かうことは当然である。物価の上昇があればこそ、カネをモノに交換しようとする行動が起きて、それに対応して、企業はモノの生産を増加させる。その中で、雇用が生まれる。企業が内部留保を取り崩してまでに、下請けや孫請けに回し、労働者の待遇改善に熱心であったのは、物価が適当に上昇したことにその根幹があった。終身雇用と年功賃金の制度は、その象徴であった。

1997年の消費税の増税と2000年と2006年のゼロ金利解除は、経済引き締め政策の典型で、デフレに引き戻した典型的な愚策であることが指摘されている。ヨーロッパ諸国では、年2~3%の物価上昇を目指した政策が行われていたが、その間に、日本では、政府と中央銀行が足並みをそろえるかのように、緊縮方向の誤った経済政策を行ったことになる。急激な物価高は問題であるが、資産形成を図る点では、緩やかな物価上昇が必要な刺激策であり、企業に生産増大の契機を与え、また、労働や待遇の改善を促すことになるので、緩やかな物価上昇の方が、国益であることが、ヨーロッパの政策とその結果によって明らかになっている。ヨーロッパ経済統合後のスペインなどでは、首都のマドリッドの改造などに踏み切り、カネの供給を増大させ、その余勢で中南米での経済活動を活発化させたことが好例であるが、日本では、企業の海外活動の意欲を減退させ、むしろ、国内需要の低迷にくわえて、コストダウンの為に工場などの海外移転を促進させただけの空洞化をもたらした。

物価を議論する場合に重要なことは、特定品目の価格である相対価格と、すべてのモノの値段である一般価格とを混同しないことである。「デフレでも値上がりしているモノがある。企業の努力で解決できる」と言う主張が、「常識のウソ」で、デフレやインフレは、モノの量とカネの量とのバランスによって起きる現象であるから、特定の品目に対する支出が増えても、他の消費が減ることになる。物価高騰の対策としてガソリン税の暫定税率廃止が喧伝されたが、ガソリン高騰の原因が原油価格が投機マネーの流入による高騰であれば、暫定税率を廃止してもその効果は、限定的になることが容易に理解できよう。確かに、特定の商品が大当たりすることもあり得るが、その場合には、特定の会社が利益を上げることになったとしても、経済全体としては効果が限定的である。

この議論に派生するのが、産業政策の議論であるが、産業政策は特定品目の生産の工場についての議論であり、価格の現象であるデフレの解消には繋がらない。産業政策は特定の技術や製品の開発には役に立っても、経済全体としてはほとんど影響がない。物づくり企業の経営者の中には、産業政策に関心を集中して、デフレ対策には関心を示さない人士がまま見られるが、的外れである。モノとカネとのバランスを回復するためには、通貨の発行余力を使ってでも、財政にたいしてカネを供給する(ファイナンスする)ことの方が正論である。更に、政府支出が増えて、需要が喚起されても、設備投資や雇用の問題に着手される段階に至るためには、時間差があり、先述のオーストラリアの中央銀行のような金利引き上げに至るまでには、相当な時間が必要である。財政支出を始めると金利が上がるというのも、「常識のウソ」の典型的な例である。資金需要が生じるまで、時間がかかるとすれば、それまでのつなぎとして、カネを供給する政策が必要である。定額給付金や、教育対策など臨時の政策が必要である。政権交代後の与党がそうした政策が採用したが、「ばらまきではみんなが貯金してしまうから効果がない」と指摘する向きがあるが、いずれかの時点で、カネが市場に出て行くことになるから、時系列をどうとるかの制度設計が重要になるとしても、継続されれば、効果を現すことになる。

失業率と物価上昇率との関係を示すグラフは、フィリップス曲線として有名で、ある程度失業率が改善すると物価が上昇してくることが知られる。逆に述べると、失業率が上がると物価が低下してくる関係である。デフレが、通貨の価格の現象である以上、カネを供給すれば解決できることが、80年前に、高橋是清が金本位制から離脱して国債を日銀に直接引き受けさせて、世界恐慌からいち早く立て直した事例として証明されている。

財政危機を煽る論議も「常識のウソ」のひとつである。巨額の債務残高があり、それが864兆円で、ひとりあたり678万円の国の借金があるから、消費税の税率を上げて解決しようという論理がマスコミによって重用されているが、全く根拠の無い話である。民主党政権が、増税を許容する方針を打ち出しているが、全く根拠のない、徴税官吏を利するだけのたわけた話である。税収を増やすには、名目のGDPをふやすか、税率を上げると言うふたつの選択肢が考えられ、デフレ下で消費税の税率を上げても、カネの供給を増やすことには繋がらないために、デフレを加速化して、雇用や給与を悪化させるというマイナスの効果を生むことになる。1997年に橋本内閣が行った消費税の税率アップは、散々な結果をもたらし、財政再建は達成されるどころか、いよいよ悪化した結果となった。税率アップを決断した橋本龍太郎総理(当時)は、政策を誤ったことを後日国民に謝罪している。イギリスは、2008年11月に、日本の方向とは逆の減税策を打ち出して、デフレの発生を阻止する策に売って出たことも特筆してよい。

国家の財政を個人や企業の会計で判断することは根本的に誤りであり、毎年、少しでも借金を返していける状態の方が健全で、財政の健全化という点でもデフレ脱却が優先されるべきである。国債金利が上昇するとの誤報が相次ぐが、デフレを脱却する過程で金利が上がるという説には根拠がなく、デフレが解消されて、物価上昇率はマイナスからプラスになるので、本当に金利が上昇していくまでの間は、実質的な金利負担が軽減されるという利点の方が魅力を与える。しかも、財政危機と言われる実態は、純債務で見ると、387兆円で、その約93%は国民が政府に貸しているもので、残された外国に返済しなければならない借金はわずかに27兆円でしかない。日本の財政を危機的な状況にあると指摘する外国政府も金融機関も全くないが、日本のマスコミは財政危機を強調して紙面を賑わす傾向がある。国の財政を、家計の借金と混同していることから来る「常識のウソ」としか考えようがない。

デフレ下での増税がいかなる悲惨な結末に至るかを危惧することの方が遥かに大切である。1930年1月11日、金本位制に回帰した井上準之助蔵相の暴挙で、最近の小泉・竹中政治の際に見られた痛みに耐えろという暴論と同様の誤った政策の先例があることは記憶されてよい。金解禁は、円の切り上げとなり、輸出は激減して、円貨は、海外に大量に流出した。商品市場は暴落して、生糸、農産物などの物価は低下して、失業者は町中にあふれた。農村は壊滅的な打撃を受けた。財政復興に成功した高橋是清は、財政調整の為の緊縮財政をとったために、民衆の反感を買い、2.26事件で暗殺された。その後の日本が、軍事費の拡張に向かったことも念頭に置くべき教訓である。

小泉・竹中政治に見られた「構造改革」は、デフレに、市場原理主義を加味した最悪の政治・経済政策であった。新自由主義と言ういわばカルトの経済理論の影響を強く受けたアメリカのブッシュ政権との連動の下で日本を破壊した。日米間で構造協議が行われ、日本の優れた制度が次々と改変され、戦後の日本の中で、営々として成長の原動力となった制度をも惜しげもなく破壊して、デフレ政策を継続することに狂奔した。金解禁の時と同様に、日本の国富を確実に外国に流出させ、また国家の経済規模を収縮させた。デフレは、失業率を高め依然として5%の大台にあるし、非正規社員が大量に生まれ、社会の経済格差が拡大して「貧困の問題」が議論されるに至っている。郵政民営化は、私物化と外国への国民資産の移転の陰謀が指摘されており、民営化の闇は、なお解明されるべき課題として残っている。

さて、文藝春秋社が行った、エコノミストの格付けで堂々一位となった菊池英博氏の「消費税は0%に出来る」(ダイヤモンド社、2009年)の最終章に、日本の財政の正しい考え方が、要領よくまとめてあるので、それを転載したい。

    日本は財政危機ではない。

一国の財政事情は「純債務」(粗債務から金融資産を控除したネットの債務)で見るのが国際的に適切な捉え方である。特に日本はGDPを超過する金融資産を保有しているので、「粗債務」だけで見るのでは、日本の財政事情を的確に把握できない(主要他国の政府保有金融資産はGDPの15~20%程度)。海外で日本が財政危機だと思っている国は、どこにもない。

    経済成長率を向上させれば、増税なしで社会保障費を賄える。

「10年ゼロ成長」「10年デフレ」の解消には財政出動以外にないことは、歴史的事実であり、現在のアメリカを初めとした主要国が実証している。日本には財源がいくらでもある。新規の国債発行なしで仕える財源(国家備蓄金100兆円)、建設国債の発行ですぐに調達できるおカネは100兆円ある。経済を成長路線に戻せば、増加する税収で、増税なしで社会保障費が賄える。

    財政規律の指標は純債務を名目GDPで控除した数値

財政規律の指標は、「純債務を名目GDPで控除した数値であり、数年かけてこの数値が下がるようにしていけばよい。短期間に数値目標を作って債務だけ押さえ込むと大失敗する。

    財政改革の数値目標は世界中ですべて大失敗。

財政改革と称して実行した数値目標は世界中何処でも大失敗している。具体的には次の通りだ。1985年のアメリカ:「財政均衡五カ年計画」(最高裁が意見判定)、1989年のアメリカ:父ブッシュ大統領の失敗、再選されず。1980年代のアルゼンチン:プライマリー・バランス目標達成後に国家破綻。1997年の日本:橋本財政改革が兵制金融恐慌を引き起こした。2001年からの日本:「基礎的財政収支均衡策」の結果は「ゼロ、マイナス成長」で債務だけ増加。

    経済を活性化させれば、財政規律は改善する。

経済を活性化させ、名目GDPが増加する政策をとれば、財政規律の指標は自然と改善する。1993年から5年間で財政赤字を解消したクリントン・モデルで実証済み。

    特別会計の債務は国民の債務ではない。(財政危機ではない理由)

「特別会計」が発行している国債は一般国民の負担にはならない。だから、国民受けの政府債務から除去すべきである。(2007円三月末現在305兆円)。「特別会計」では、政府が国民から徴収した税金と国債発行によって調達した国民の預貯金の資金で事業を行い、国債の利息と元本は「最終的に借りた者」から返済しているので、特別会計は自己完結している(国民の債務ではない)。

「特別会計の債務」が増えているのは、次の理由による。①2001年度から、従来、財務省の理財局に預託されていた郵貯資金の預託を止め、財投債を発行することになったこと(財投債140兆円増加、借入金53兆円減)。②2003年から、04年にかけて、財務省がドル買いをするために多額の政府短期証券を発行したこと(108兆円増加)。しかも、1999年9月まではこの政府短期証券を日本銀行が買い取っていたのに、それを止めて、1999年10月から国民の預貯金が外貨準備の原資となっている。政府が新規の建設国債を発行して、日銀が市場に流通している発行済みの政府短期証券を買い取れば、「外貨準備金は中央銀行の資金で保有するもの」という主要国と同じ正常な方式に戻ることになる。

    「10年ゼロ成長」「10年デフレ」の頑強は、基礎的財政収支均衡策にある。

日本は貯蓄過剰の国で、この貯蓄を日本のために国内で投資しないと資金が循環しない。石油危機後の1975年頃から、民間投資だけでは使い切れない預貯金を公共投資で回してきたことが経済成長のカギであった。これを止めて、1997年の橋本財政改革によって5年で均衡財政にしようとして大失敗した。さらに2001年4月から小泉構造改革で同じことをやってきたので、「10年デフレ」「10年ゼロ成長」となってしまった。「均衡財政」は日本の経済体質に合わない。

    一国の財政収支を家計の借金に例えるのは誤りだ。

ある全国紙では、予算案が出るたびごとに国家の財政を家計に例えた説明を行っている。これが誤りである。(中略)日本は国司彼の95%を日本国民が保有している。国内には、預金超過の家庭、預金不足で借金超過の家庭がある。政府が国債を発行して、預金超過の家庭から資金を集め、それを国内で使えば、経済は活性化して、国民の所得が増える。国債は日本国民に返済されるので、経済が活性化された分だけプラスである。

    現在の政府債務残高は子供の世代に引き継がれる。これを現世代で圧縮するために、経済成長を抑制して債務の回収に走るのは大きな誤りである。

これは、財務省が国民に向けて使う説明である。これも大きな誤りである。(中略)日本には資源(金融資産、遊休資産)があり余っている。政府が国債を発行して遊休資産を国内で使えば、その分、経済活動にプラスである。その後、国債の償還日に、日本国民に返済されれば、子孫が返済を受ける。親の代に資金を使用した分だけ経済活動は活性化され所得は増えている。子孫にツケが回ることではない。

    公共投資を5兆円出せば、4年目でほぼ五兆円の財政支出を税収の増加で改修できる。(宍戸駿太郎氏、日米・世界モデル研究所所長、元国際大学長、元筑波大学副学長)

経済が成長を取り戻すと、税収が増えて新たな財源となり、経済成長の財源、原資が増える。「若干でも税収が増えたら新規投資をやめる」ことを繰り返しやってきたのが、1990年代の日本であった。クリントン・モデルのように「八年間継続する」ことだ。日本は必ず甦る。

 

Arrogant Executives and outlandish pay

外国人経営者が日本企業の社長となり、天文学的な給与・ボーナスをとっていることを批判したが、銀行も、予想通りに、高い給料を取っているとの報道である。どんな業績があったのか。欧米の市場原理主義に追従して、日本を疲弊させただけの業績しかないのではないのか。貸し渋りをするのが、業績だったのか。不思議な国になった。日本人の中にも、欧米の拝金主義者が出たとは驚きである。銀行の高額所得者は、返上すべきである。年収三百万円で日本人が食っていけるかどうか議論しているときに、自分たちの業績が一〇〇〇〇〇〇〇〇円の給料に値するというのは、思い上がりでしかない。

Edwin O Reichauer 3

ライシャワー先生の評伝を書いた、ジョージパッカード氏が、防衛省で講演をしたとの報道である。正論である。日本は属国ではない。日米関係を安定させるためにも、戦勝国気取りでは駄目だ。占領軍マインドが残っては駄目だ。市場原理主義の米国に対してもの申すことが、同盟であり、軍事力ばかりが対等な関係をつくるのでもない。

「【東京】沖縄返還当時、駐日米大使を務めたライシャワー氏の特別補佐官だったジョージ・パッカード米日財団理事長が22日、防衛省内で講演し、米軍普天間飛行場移設をめぐる鳩山前政権での対応について「県民世論は県外を望んでいる。鳩山(前)首相はより確固たる解決策を示すべきだった。沖縄の感情を考えて、選挙公約にも合う形の解決策を提示すべきだった」と述べ、時間をかけて県外移設を追求すべきだったとの見解を示した。
 防衛省防衛研究所主催の日米安保改定50周年セミナーで特別講演した。
 日米関係について「普天間だけが日米関係を決定づける要因であってはならない。これだけが重要なのではない」とも指摘した。その上で「われわれ2国関係は、東アジアで最も大きい民主主義国家で経済を持っている。平和と安全は共同のリーダーシップの中で確立しなければならない」と述べた。
 普天間移設問題と日米関係との関連では「鳩山政権は短命に終わったが、この(普天間)問題は短命ではない。すぐにはなくならない」と言及。その上で「日本では世論が重要で、同盟関係の未来を考える上で、日本の有権者がどの程度まで米軍基地を認めるかにかかっている」とも指摘した。
 東アジア情勢をめぐっては「北朝鮮は今、不安定な状況にある。リーダーが代わる時期にあり、同盟の弱さを見せないようにしなければならない」と日米関係の維持が重要だと話した。」

付け加えれば、以外と中国共産党も脆弱な状況にある。普天間は閉鎖すべきである。日米が、対等な関係にあることを誇示する必要がある。全体主義国がつけ込む隙を与えてはならない。

Arrogant ExecutivesーOutlandish pay

日産自動車のカルロス・ゴーン社長がが23日の株主総会で、役員報酬が8億9000万円に上ることを公表したこととの報道である。欧米大手自動車メーカーのい社長の年間平均報酬は10億900万円で、これらと比べ、自分の報酬は「決して高くない水準」と主張しているという。また、「日産は日本企業だが、グローバル企業でもある。優秀な人材を維持する」(ゴーン社長)ためにも、欧米と同じ報酬体系が必要であると主張を繰り返しているとの報道である。

日産を乗っ取って、自分たちが外国人であるから、高い給料を取るのは当然だとの考えはおかしい。グローバル企業である前に、日本企業ではないのか。

外国の会社の重役が高い給料をとっているのがおかしいのだ。ソニーの外国人なども相当な給料を取っているが、それほどの業績が改善したのか。市場原理主義は破綻したのだ。一部の連中がぬくぬくと巨額の利益を手にするビジネスモデルは破綻したのだ。もしそれほどの給料がほしいのであれば、外国企業に変わったらどうだろうか。資本で乗っ取り、又、人材でも乗っ取る。おかしなやり方だ。日産自動車の首切りで、コストカッターなどとちやほやされたせいか、横暴あるいは横柄になっているのではないのか。

駐日大使だった、ライシャワー先生の評伝に、次のくだりがある。外人経営者の諸君、爪のアカでも煎じてのんでほしいものだ。そうでなければ、日本から出て行けとなるだろう。郷に入って郷に従うのが普通である。

He defended the relluctance of Japan's corporations to fire tens of tohousands of employees in times of recession, as is the practice in America.

The social compact that emerged after World War Two remained more nearly intact in Japan and was a healthy phenomenon. he thought. By the same token, he supported the more modest salaries of Japan's top corporate leaders as compared with the outlandish pay and bonuses awarded to top American executives.

とある。日産自動車などは、重役の四割が外国人だと言うが、それでは植民地支配の構図と一緒ではないのか。それほどの業績があるとは思えない。ライシャワー先生が、指摘していたように、日本企業が従業員の首切りすることを潔しとしないことを美徳とせずに、社員をコストにして、首切りを敢行して、利益を生み出しただけの話ではないのか。それほどの、業績は無いのではないのか。 市場原理主義のあだ花経営なのではないのか。

役員報酬が八〇〇〇〇〇〇〇〇円を超えるという。恥の無い経営者である。

日本の会社にはふさわしくない経営者である。.

Edwin O. Reichauer 2

ジョージ・パッカード氏のライシャワーの伝記の結語として、もしライシャワー教授が生きていたらと仮説の議論を展開している。 

その概要をまとめて見る。「勿論、自分の生まれた国である日本が平和国家となり、経済的にも豊かな国で、民主主義の国で、他のアジアの国の模範となるような国家として発展していることを慶んでいることは間違いないが、日本に置いて能力のある政治指導者がほとんどいないことと、一貫した外交政策の目標がなくなっていることに失望感を示すかも知れない。ライシャワーは、大平正芳首相を、大いに評価したが、大平氏のような政治家が、権力のトップに立つことがないことを残念に思うに違いない。戦後の教育システムや、日本の国民であると同時に世界の市民の一人と考えることの出来る国民をうみだすに違いないとかんがえている。政権交代があったから、日本の民主党にも期待するかも知れない。米国と日本が協力して、世界の課題、問題に対処することを期待するが、米日の関係の現状を見て、なぜ、日本の主張する声がそんなに小さいのか、受け身に走っているのか、疑問を持つかも知れない。ブッシュ大統領が、イラク侵攻をするという大失敗をしたのに、なぜ、小泉首相は、シラク大統領やシュレーダー首相のように、とがめることをしなかったのか。国連の議論として持ち込まなかったのかと不安におもうかも知れない。この点でも、ライシャワー博士は、日米の対等な関係を新たに構築することを求めるであろう。基地問題に対しても、大きな変更を求めるだろう。

沖縄から大部分の米軍が撤退して、自衛隊と共用になっていることが期待され、もし、グアムへの基地移転の経費を日本に負担せよとワシントンが要求していることを知ったら、ライシャワー氏は、当惑してしまうだろう。嘉手納基地への統合案を認めて、普天間基地の閉鎖に賛成するだろうとも書いている。

Edwin O. Reichauer

ライシャワー先生の評伝が、静かに静かに、しかし、魅力的な人間性が描写された本として、又、日米関係の安定の為に、広く読まれ始めた。

If Reichauer were alive today, he would take great satisfactgin in the achievements of the countryu of his birth. It is peace-loving, wealthyu, democratic society and a beacon for other Asian nations.(中略)

Edwin Reichauer would be dismayed by the lack of competent p;olitical leadership in Japan and the lack of a coherent set of foreign-policy gorals. (中略)

He would look at the state of the US-Japan alliance and ask why Japan's voice is so weak and passive. Why didi Japan meekly support President Geoge Bush 's terrible mistake in invading Iraqu in 2003 and six hundred troops as evidence of its support? Why could Prime Minister Koizumi not have emulated President Chirac of France or Chancellor Schroeder of Germanay, who refused to support the unilateral invasion, and sished instedad to place the matter before the United Nations? In this matter, Reichauer would renew his call for a truly equal partnership.

He would call for major changes in force and base structure: the withdrawal fo most US troops from Okinawa and the sharing of land and naval bases with Japan's Self-Defense Forces. He would be embarrassed for his country that Washington is demanding that Japan help pay for the shift of US troops to Saipan. He would favor closing down Futenma and shifting US ari power to Kadena Air Force Base. He would rely on American air and naval power to deter any  possible NOrth Korean aggression.

(continued)

Opinion Survey

あと何人かの参加で3000人の大台を超えます。

よろしくご参加下さい。

閑話休題のようなことですが、郵政民営化の巨大な闇を捜査すべきかどうか設問しまして、応じていただければ幸いです。2千人以上の方が参加して頂きました。数千人の意見になれば、力が籠もりますが。さて、そうなりますか。ブログをお持ちの方は、リンクも貼っていただければ幸いです。知人友人にご紹介いただければ幸いです。

人気ブログランキングへ

Legend of Tono

柳田國男が、遠野物語を出版して百年が経った。

当ブログも、今まで、ささやかな文章を、この百年の記念の為に書いた。三年前には、さらりと書いた。

http://tokyonotes.cocolog-nifty.com/blog/2007/07/centenary.html

とある月刊雑誌に載せるために書いたものもある。ご参考まで。http://tokyonotes.cocolog-nifty.com/blog/2009/01/legend-of-ton-1.html

《柳田國男の遠野物語が350部、50銭で初刷されたのは明治43(1910)年である。まもなく100年になる。同年末には『時代と農政』を出版するが、柳田にとって図らずも、(戦後農地解放があり、小作の金納が実現して再版)農政学との別れを告げる蹉跌の書となった。柳田は、農政官僚として全国の旅を続けるうちに、権力化する明治政府のお達しに従うよりも、「常民」の精神と文化に耳を傾けるほうが、経世済民になるとの思いだったのかもしれない。民俗学の確立に奔走するようになる。
 南方熊楠との往復書簡が頻繁に交わされたのもこの頃で、明治政府の神社合祀政策に反対する行動を繰り広げている。柳田は、土着の学問に執着し、「農政学者・官僚として活躍した時期においても欧米の経済理論の直訳的受容を極力排除した。(中略)経済の自由放任を否認し、生産よりも分配の適正を重視し、そのための国家の役割を強調していた」(岩本由輝『論争する柳田國男』御茶ノ水書房、1985年)。
 遠野物語は,民話集であることは事実であるが、日本版の農村残酷物語でもある。貧困のあまり、兄が母親を殺し、親が子供を殺し、野猿が村の女を盗み、狼が人間を襲う話などは、明治の末のこの国の地方や農村が惨状にあり、国の病となっている現実を想起させるに十分な出版である。柳田は初版本の序に、「要するにこの書は現在の事実なり」と豪語している。
 日露戦争があり、柳田は利根川沿いのお社に英文で「In Memory of the Conquest over the Russians」と銘する碑を旅順陥落の日に建立する。折角の東洋の覚醒を捨て坂を転がり落ちるように神社合祀などの精神世界の西洋かぶれの統制強化を嘲るかのようである。柳田は、農政学の先輩の河上肇などのマルクス主義からは程遠い地平から、民族の伝承の集大成でこの国の安寧を目指した。
《全体の組織総合の学問というのが欠けている。「政治」という漠然たる語で、暗示せられて居る一つの学問が正しくそれに該当する。》とも述べており、民俗学は、文字通りのポリティカル・スタディであった。明治43年は大逆事件の起きた年である。韓国併合もあった。明治から対象に至り、日本は欧州の動乱で、地中海に軍艦を派遣しただけで、国際連盟の理事国となり、ドイツからの南洋群島の委任統治を譲り受ける。後の驕りは推して知るべしだ。
 今年の4月にワシントンで開催された国際通貨金融委員会の文書が公表されているが、日本の政策実施状況についての報告は国内情勢と乖離していないか。若年労働力等の能力向上策、人材派遣業自由化、公正取引委員会の強化、国債発行の削減など新自由主義の政策が端的に報告されている。
 構造改革を財政諮問会議を通じて強化するとも述べるが、もっとも興味深いのは、日本政府が、直接投資を2010年までに、25倍増のGDPの5%に拡大すると約束するとのくだりである。代表演説は抽象的な文言にとどまっているが、国際通貨基金の発表した文書には数字込みで記録されている。奇異である。
 ちなみに、世界競争力センターの研究によれば、日本の外国直接投資は、GDPの0.2%にしか過ぎないと指摘で、この5%の数字は、この国の有り様にも関わることになる。国会で議論された数値目標だろうか。労働力の流動化などについて安易に約束するが、米国は中間選挙後に修正をしたから、日本は先進国の中では最低の最低賃金になるが、そんなことで政策の誤りにならないのだろうか。4月14日の代表演説の、国内経済政策の部分を、引用する。
 「我が国は、経済活性化と財政再建の二つの目標は両立可能であるばかりでなく相互に強化し合うものであるとの考え方…構造改革努力とともに、安易な財政出動に頼らない…国債発行について過去最大の減額幅を見込み…2010年代半ばに向け、債務残高対GDP比率を安定的に引き下げるため、…2011年度までに国・地方合計のプライマリー・バランスを確実に黒字化…税の自然増収を安易な歳出等へ振り向けることなく歳出削減を実施…高齢化による社会保障支出の増大や、基礎年金国庫負担割合の引上げ、少子化対応の支出等により…財政再建の道のりは平坦ではない。徹底した歳出削減に加えて、安定的な財源を確保する必要…このため、本年秋以降、抜本的一体的な税制改革について議論し、2007年度を目途に消費税を含む税体系の抜本的改革を実現させるべく取り組んでいきます」と発言している。
 長々と、柳田國男のことを書いたのは、他でもない、新しい『遠野物語』の出版が必要で、地方や農政が国の病となり、医療が打ち捨てられて、限界集落が拡大し、老人が面倒を見る人もなく、廃屋に閉じ込められている残酷物語が現出しているからである。民営化と称する官僚支配と一部資本家の、外国資本と連携する、まことしやかな会社合祀劇も盛んだからである。
 郵政民営化などは、むしろ金融混乱の原因ともなりかねない。敗戦国が戦勝国クラブの常任理事になるのは無理があるが、通貨基金の理事国といって、国内の悲惨を見過ごしながら、人気取りの大盤振る舞いをするのは、中東の戦争のときの二の舞になり、尊敬もされない。金融機関が金余りの現象にあり、一方で、公共事業を中止して、デフレの縮小経済の死にいたる病の政策を継続し、政府資金の供給こそ必要なときに民営化を推進する。過剰な外国直接投資を招聘するのは、乗っ取りを助長することにしかならない。
 「税の自然増収を安易な歳出等へ振り向けることなく」などとは、冷血の作文のように聞こえる。柳田や南方熊楠が嘆いた、合祀の際の、神木の乱伐のようでもある。
 参議院選挙があって、幸いにして、新自由主義の無思想を修正してこの国の新たな進路を見つけ出すために、政治という総合の学問を再構築する余裕が生まれたようにも思う。(2007年9月に執筆した評論であるが、民主党政権が生まれたが、新政権に対する期待が裏切られて、増税を主張するなど、新自由主義の政権に変質した。小泉・竹中政治よりもたちが悪い。七月の選挙は、混乱する日本の政治を又再構築するための好機である。)

Empire and islands

http://www.yanya.com/dai/ttt368/img/221.pdf

ご参考まで。

Kuroshio 29

城(しろ)という言葉は、意外にも新しい。大和朝廷が東北に版図を広げた頃には、「柵」だった。磐舟の柵、出羽の柵といった具合である。唐と新羅の侵攻を恐れて百済の技術で作った山城は城(き)と読ませる。今も、筑紫野の水(みず)城(き)が残る。土塁である。そもそも城郭都市として、壁を巡らせ、その中に人が住むのが、大陸文明の城である。客家の円樓の様に一族郎党が丸い巨大な建築建物の中に居住して、外的からの攻撃があれば、直ちに通用門を閉めてしまえば防御できる囲みをつくる。沖縄には、首里城はもとより、中城城や、勝連城、今帰仁城などが残るが、冊封の時代に北京からの使者も、琉球王朝の城の石組みの美しさに驚いているから、築城技術は大陸伝来ではない。城のことを琉球では、グシクと呼んでいる。城は漢字を当てているに過ぎない。グシクの石垣の材料は、隆起珊瑚礁の石切場から切り出された石灰岩である。地殻変動があって、柔らかい石灰岩がすっかり大理石になってしまい、トラバーチンという硬い装飾用の石ともなる。奄美の沖永良部島の田皆崎に石切場がある。沖縄本島の港川原人が発見された石切場もトラバーチンを生産する。ピンク色がかった石は完璧に大理石になっていなくても、美しい壁面の材料として不足はない。沖縄の版画家が京都での温暖化対策国際会議の記念切手を製作したときに、縁取りの色に沖縄のトラバーチンの色を用いて、手の込んだ色遣いであった。イタリアの彫刻用石材ほどの生産量はないが、日本の国会議事堂の大理石に、水分を含むと風化の早い大谷石ばかりではなく、奄美の島から切り出されたトラバーチンも使われていることは特筆してよい。イタリアが世界最大の生産国であるから、トラバーチンは、ラテン語である。

黒潮の洗う済州島にも石垣がたくさんある。季節風を遮るための石垣で、しかも、火山の溶岩からの玄武岩の重たい石や砂礫があるので、石垣を粗く積んでも、多少風で揺れても倒れない。済州島は、黒潮の影響で、半島の文明とは異なり、養豚など南方の島々の習俗と共通するところが多いが、石垣もそのひとつである。草葺きの屋根で、強い風に飛ばないように編み上げた家屋などは、南島の家屋であって、寒冷の半島の建築ではない。波照間島や、久米島の隣の渡名喜島でも、台風の強風を避けるため、地面を掘り込んだ窪みの屋敷を作り家を建てるが、その窪みの壁も立派な石垣である。世界遺産である万里の長城は、石組みではなく巨大な土塁であるから、石垣の文化とは似て非なるものである。北京は城郭都市の典型であるが、旧城壁の残る海淀区の外壁は石組みではない。黒潮の洗う島々の石垣は、大陸の城のように大きな囲いを作ってその中に住民を住まわせる発想ではなく、拠点として集中して防御する、あるいは境界をはっきりさせるための石組みである。

そもそも天下太平であれば、石垣の備えは必要ではないが、博多湾に攻め込まんとする元の軍船と対峙するために、箱崎の宮で敵国降伏と楼門に献額して祈祷するばかりではなく、土塁を作って防戦することが行なわれ、外敵の脅威が高まる中で、石垣の城壁をくみ上げる技術が発達していく。城の石垣は、材料の豊かな、瀬戸内海の周辺に発達した。小豆島に行けば、大阪城や姫路城の石を切り出した後が今も残っている。大分の国東半島の熊野磨崖仏のある小山に登る神社の参道が丸石で敷き詰められている。鬼が一晩で敷き詰めたとの伝説があるが、それほどの緊張が高まっていた可能性がある。江戸城の石は相模湾沿いの小田原や、伊豆から切り出されて、海路運ばれた。城が権力の象徴となり、徳川幕府の栄光が東照宮や江戸城に注入され反映されていることも間違いがないが、京都から仮の皇居として江戸に移ったのも、維新後の東国の平定と安寧の為であり、百年以上が過ぎても、天守閣などの再建はないが、石組みは埋もれても残る。

普天間基地問題が喧しく、グァム島への移転が言われているが、グァムも元来は、黒潮の原住民チャモロ族のものだ。赤道直下洋上にあるポンペイ島(旧ポナペ)の南東部の浅瀬に、玄武岩と石灰岩で築かれた九二の石垣島による巨大な遺跡がある。世界でもっとも巨大な海洋都市遺跡のナンマドール遺跡である。ポリネシアの東端にあるイースター島はチリ領土になっているが、白人の植民地であることが本質ではなく、黒潮文明の広がりの東端と見るべきで、巨石文化のモアイの寂しく水平線を眺める人像が残る。モアイの黒い目は黒曜石である。琉球の島々では、石垣は毒蛇の格好の住処となっていたから、ブロック壁が普及して来ているが、卵生の蛇が卵を産み、変態を重ねて、その蛇の抜殻が石垣の穴からはみ出しているのを見かけるのも希ではない。集落の石垣の角には、蛇を見つけて打ち殺す棒が立てかけてある。拝所の周りが石垣で囲まれ、クバの木が神の依代で、〆縄を張った巨石を崇め、磐座(いわくら)に神々が宿る。権威は質素な宿りだ。「人は城、人は石垣、人は堀、情けは味方、仇は敵なり」という名言を遺した信玄公は、みずから城(しろ)を築くことをしなかった。  (つづく)

To say NO

田中龍作氏の記事である。。外国特派員協会における、沖縄の宜野湾市長の会見模様である。鳩山内閣の失政の本質について語っている。http://tanakaryusaku.seesaa.net/article/153502664.html

Political Hitman 2

もうひどい内容であるが、こんな記事をJapan Timesが特約記事として載せている。そもそも、Japanがついているが、日本の新聞なのか、本当にそうなのかと、特約記事であれば思わせるに十分である。余計なお世話である。いつもの、市場原理主義の移民政策で、コストを安くすると言う、日本を破壊しようとする暴論である。一千万人移民計画などと、小泉・竹中政治の中では、本来保守勢力であった自民党の中にまで、会合が開かれまことしやかに議論がなされた曰く付きの政策案である。日本を破壊しようとした連中の策のひとつである。テンプル大学東京校の肩書きをつけている。抗議に値する内容である。ご参考まで。

ちなみに、テンプル大学の連絡先を、ご参考まで。

テンプル大学ジャパンキャンパス 〒106-0047 東京都港区南麻布2-8-12

E-mailpr@tuj.ac.jp

電話03-5441-9801 (日本国外からの場合: +81-3-5441-9801)
Fax03-3452-3075 (日本国外からの場合: +81-3-3452-3075)
受付時間月曜日 - 金曜日: 9:00 - 17:30
※土日・祝日は原則としてお休みです。

The Japan Times Thursday, May 20, 2010
Immigrants can buoy Japan (excerpt)
By ROBERT DUJARRIC Special to The Japan Times

It is not possible to spend more than a few minutes with a Japanese diplomat or scholar without hearing the “C,” namely China. Most of them are convinced that the People’s Republic is expanding its global influence while Japan’s is shrinking. The entire world, and most worryingly Asia, which used to look toward Japan when Harvard scholar Ezra Vogel crowned it “No. 1″ now sees China not only as the country of the future but already as today’s only Asian giant.

There is an element of truth in this concern. China has deepened and expanded its economic, political and cultural reach in the past two decades. Japan, on the other hand, has failed to show the same dynamism. Past and current Japanese administrations have sought to counteract these trends, but their ambitions have generally been thwarted by the unwillingness to spend more (foreign aid, cultural diplomacy, etc.) and the power of the agricultural lobby, which has forced Japan to lag behind China in initializing free-trade agreements (the value of which may be disputed, but they do have a public-relations impact).

There is one area, however, where Japan could engage in a strategy that would simultaneously help its economy and give it an edge over China. This is immigration. Japan is unique among economies that are highly developed and in demographic decline in having so few immigrants. In fact, even European states that are in much better demographic condition also have large numbers of foreigners and recently naturalized citizens in their labor force.

The domestic economic advantages of a more open immigration policy are well documented. What is less understood is how it can be used as a foreign policy instrument. If Japan were home to several million guest workers, the country would become the lifeline of tens of millions of individuals back in their homeland who would benefit from the remittances of their relatives in the archipelago. Its economic role in the lives of some of these countries would become second to none. Many individuals would start to study Japanese, in the hope of one day working in the country. Familiarity with Japan and its culture would also rise dramatically in these nations.」

Politiclal Hitman

http://groupjande.jugem.jp/?eid=42 に、東京にある、テンプル大学東京校と称する教育機関の教授が、日本批判を英字新聞に投稿したのを翻訳して、掲載している。

日本の経済的な活動を破壊するために、ヒットマンがいることはうすうす感じるのであるが、政治的にもこうした、民間人を装いながら、日本の国柄を破壊しようとする外国人が、活動している。日本占領軍は、直ちに、大学を設置したことは知られているが、市場原理主義が燃えさかる中で、大学と称する教育機関の出店を作り、そこで、若い学生を、一方的な見方で教育しようとすル構図が伺える。テンプル大学の教育内容については、当ブログは、関知していないが、反日的な内容だけではなく、西洋人特有の優越感からの意見がまま見られるところである。テンプル大学の関係者が、在京の外国人商工会議所の知恵袋となっていることはすでに知られているが、教職員の姿をしながら、破壊活動の専門家が入り込んでいる可能性すらある。

個人がほとんど影響を与えていないとか、罵詈雑言である。白人の先生が少ないとしているが、お雇い外国人じゃあるまいし、そんな時代ではない。国際的な雑誌への投稿が少ないと言っているが、何を根拠に壁の中に閉じ込めていると言っているのか。

日本人に限定すると言っているが、外国企業で、白人の企業で、日本人を社長にしたことがあるのか。出先の子会社の経営を、多少任せただけで、実験は100%わたしていないのではないのか。日本の会社は乗っ取られすぎたのだ。

エリートになるために留学するのではない。日本の場合には、勉学をして、広い視野をみにつけて、ああ外国には日本の悪口を言って飯を食う連中もいるのだとの認識ももって、日本の為に、文字通り、お国のために働くために留学するのが一番多い。

単に英語を勉強して、外人の走り使いをするためではない。

さて、さて、こうした外人優越の思想を、東京にある外国の大学の出先の先生が大ぴらに、意見を発表するのは、いくら言論の自由があるにせよ、反論反駁しておく必要がある。

日本は、言挙げしないので、みんな賛成していると誤解をしている向きもあるから、ちゃんと文部科学省あたりは、まともな教育をしているのか、時々は、チェックしてみる必要があるかも知れないが、どうせやらないから、そこは自覚の国民が行動する以外にない。

ご賛同の向きは、テンプル大学に抗議するなり、論争することが必要である。

壁を作ったのは、共産圏で鉄のカーテンと呼ばれたソ連の壁と、東西ドイツの壁と、イスラエルが作ったパレスチナとの壁と、アメリカが、メキシコ国境で作った壁しかないだろう。強いて言えば、沖縄の米軍基地の鉄条網で、針金の先が違う方向を向いていて、一種の壁を作ったのだろうが。

ちなみに、同氏の経歴が、ネットにでているので、ご参考まで。http://www.worldsecuritynetwork.com/_dsp/dsp_authorBio3.cfm?authID=132

「 Dujarric氏の日本批判Dujarric氏の意見の要旨】

 ベルリンの壁が崩壊したが、日本は未だに、世界との壁を壊していない。

 日本は男性女性を問わず、学問、ビジネス、政治などの分野において、個人がほとんど影響を与えていない、先進国の中の唯一の国である。東京には国際都市という匂いはない。国際的なあらゆる方面で、日本人の活動は貧弱である。

日本の大学、とりわけ人文、社会科学の分野の国際性は著しく低い。研究自体がなされていないというのではない。外国人(アジア系を除く)の教師や学生があまりに少ない。国際会議への出席も少なく、国際的な雑誌への投稿もない。そのために、これらの研究成果はすべて壁の中に閉じ込められている。

 このために、日本の国際的影響が奪われている。国際舞台で活動する人物として名が知られる人物はほとんどいない。経済や漁業などの問題でも、日本が指導的な立場に立つことはない。気候変動問題については、日本は大きくかかわっているにもかかわらず、国際会議での議論で中心となる日本人はいない。 

このような孤立は、日本経済、とりわけ、ホテル、輸送、インタネットビジネス、娯楽、ソフトウエアなどサービス分野を傷つけている。製造業を除いて、世界的に活躍している日本のコングロメレートはない。この原因は、モノカルチャー、日本人に限定する経営にある。多国籍、多様性文化のスタッフで経営される外国ライバル企業との競争で大きな不利を与えている。

 壁の原因となっている一つは、女性人材の起用である。この問題で、世界は過去10年でかなりの変化を見せた。しかし、日本は著しく遅れている。その理由は、日本が世界の潮流から切り離されているからである。

 この壁を壊すにはどうすればよいか。1つの方法は、日本人が海外で名をあげることを進めなければならない。大学は、教師を数年間、海外で勉強させたり、教えたりする経験を持たせる必要がある。海外の雑誌にも積極的に寄稿しなければならない。。政府も、国連やIMFなどの国際機関で働く日本人を増やす努力をすべきだ。

 民間部門では、成功する望みがある。サービス業をはじめ、グローバル・マインドセットが求められる。経営陣にもっと外国人を入れるべきだ。日本人社員をもっと国際的にしなければならない。ホテル、航空会社、空港などがもっと国際化され、偏狭性を打破すれば、競争力は高まることは明白である。

 日本は外国人学生の受け入れには積極的であるにもかかわらず、海外の優秀な学生は日本に関心を持たない。留学しても、日本の企業や学問の世界でエリートにはなれないからである。

 壁を壊すのは容易ではない。壁がエリートたち既得権益者を守っている。しかし、日本が21世紀を生きるには、壁を壊すほかない。」

などと、勝手なことを言っている。

A Radio Program on Globalization and its collapse

ご参考まで。

2009年9月のラジオ沖縄の番組です。薩摩の琉球侵攻400周年の年でした。

http://blog.eigyo.co.jp/rashinban/article/20856?PSID=d8ca35cd03bf297f0efb9dc80d3489c4

Hayabusa Re-entry

ハヤブサが、大気圏に再突入して、燃え尽きる場面である。撮影は、アメリカの航空宇宙局の航空機からと説明されている。

White Power

http://democracynow.jp/files/static_item/submov/dn2010-0111-1.ram

上記のリンクから、動画を見るためには、リアルプレーヤーが必要です。

War System 2

War System 1

Economic Hitman

外国の手先となるために、留学していたときなどに、誘われて、特殊な訓練を受けたものが日本人にもいる可能性が高い。外国の情報機関などに、雇われた者もきっとある。民間人を装っているが、実際には政府機関の隠れ蓑であったことが昔はあったが、今では、民間人が、そうした情報機関の手法を使って、世界的な大企業の利益を貫徹するために、陰で活動を行うことが、エコにミックヒットマンの実態である。

ベストセラーの著者の映像である。

A Corrupt Banking and a lost idol

小泉・竹中政治の市場原理主義のあだ花の虚構が又ひとつ明らかになった。

History of Maasacres in China

日本人となった石平氏が、すばらしい本を出版している。中国大虐殺史である。これまたすばらしいことに、早速英文とするべく翻訳された。

中国人が語る「南京虐殺」には、その数か月前に中国兵が通州において「実際に」日本人居留民300名近くを戦慄すべき方法で惨殺した、そのやり方がそのままの形で語られている。すなわち、中国殺戮文化の物語の一つが、南京虐殺物語であるという事です。
 石平氏は、この本で「虐殺」は、中国の歴史において繰り返されてきた、一種の文化であると
いうことを歴史をさかのぼり、詳述しております。しかもその虐殺文化は、共産中国においても
変わることなく繰り返され、特に毛沢東は自己の政権奪取とその維持のために、大々的に
虐殺を実行した事実が述べられております。
 中国政府の「南京虐殺非難」は、日本にはこうした虐殺文化が全く存在しないことに対する
無知に基づき、日本に虐殺の罪をなすりつけることによって、自己の虐殺事実を覆い隠そうと
するものであるという事がこの書によってよくわかってきます.。(中略)
 

Mr. Seki’s this book documents the use of mass slaughter by the Chinese as a normal
method of political and social control. In the past, dynasties have been both
heralded and terminated with massacres of thousands of soldiers and civilians.
The current communist regime in Beijing is unexceptional in this regard. In fact,
based on the historical use of massacres as a means of control, the Tiananmen Square
Incident of 1989, in which hundreds if not thousands of civilians were killed, was
an appalling but nonetheless predictable Chinese response to social unrest.(後略)

まず、英文の要約である。

A History of Massacres in China: What Makes the Chinese Such Lovers of Murder? by
SEKI Hei

Mr. Seki’s book documents the use of mass slaughter by the Chinese as a normal
method of political and social control. In the past, dynasties have been both heralded and
terminated with massacres of thousands of soldiers and civilians. The current communist
regime in Beijing is unexceptional in this regard and Mr. Seki details its long association
with mass murder. In fact, based on the historical use of massacres as a means of control, the Tiananmen Square Incident of 1989, in which hundreds if not thousands of civilians were killed, was an appalling but nonetheless predictable Chinese response to social unrest.

The Qin Dynasty set the stage as far as the use of massacres to obtain and
maintain power. Winning armies would routinely massacre the losing armies. In
addition, the victorious armies would indulge in large-scale looting and raping, and
following these atrocities, they would kill everything that moved. Such atrocities
punctuated Chinese history into the present.

More recently, the Chinese Communist Party (CCP) continues the horrific
tradition and Mr. Seki suggests that they even outdid the ancient emperors. Mao Zedong
allowed millions of his own countrymen to starve to death in a disastrous attempt to get
agrarian China to out-produce the industrialized west. Ghastly torture and rapes by
communists were common during the Cultural Revolution. Numerous public executions
were held before major Chinese holidays, as a bizarre form of entertainment. Although a
few common criminals were included, the overwhelming majority of victims executed in
these “festivals” were “class enemies” and “counterrevolutionaries” – people tried in
kangaroo courts and found guilty based merely on hearsay.

Interestingly, CCP denouncement of the “Nanking Massacre” relates to their own
manner in which massacres were conducted in Chinese history. In other words, the CCP
believe that Japan should have behaved as they have. In contrast to China, however,
thorough out its history, Japan has never perpetuated massacres of the magnitude seen in China.

In the case of “Nanking,” there was no such massacre of the magnitude as they
have claimed. The denouncement of “Nanking” has two aspects; 1) accusations against
Japan and ignoring the history of Japan, which had no experience with mass murder, and
2) camouflaging its own massacres by denouncing others.

Mr. Seki speculates as to why Chinese history is replete with massacres, despite
widespread acceptance of Confucian values such as benevolence and compassion. He
points out that political power throughout the Dynastic eras was centered on the emperor,which led to constant struggles between those around the emperor and those outside thatelite circle. Violent struggle was also seen within the emperor’s inner circle, usuallybetween relatives of the emperor. Not only those plotting against the emperor wereexecuted but “nine grades” of kin were also executed

.
Mr. Seki notes that there has not been a notable massacre committed by the CCP
since the Tiananmen Square Incident, but this does not mean that they have stopped
utilizing it as a means of enforcing order. Given the CCP’s willingness to disregard
“individual lives,” it is likely that future threats to their rule will be dealt with in the
same, ruthless manner as past Chinese emperors have dealt with threats, real or imagined.

全文も翻訳されている。Whole text has benn translated in English, please see at the pages in http://www.sdh-fact.com/CL02_1/71_S4.pdf

Marines in Okinawa

時事通信が、沖縄海兵隊について、要領よくまとめている。 ご参考まで。沖縄が、日本に全面返還され手いるわけではないことが判る様な記事である。その機能を日本全国に拡散することがいかに馬鹿げたことであるか。

Translated statements

ウォールストリートジャーナルの日本版とやらがネットに出ている。市場原理主義の情報であるが。http://jp.wsj.com/Japan/Politics/node_70154

「郵政・金融担当相を務めた9カ月間、亀井静香氏は銀行、日銀、宮内庁、そして他の議員ともさまざまなバトルを繰り広げてきた。何かとマスコミをにぎわせた亀井氏が辞任するのは寂しいものだ。ここでは亀井氏の発言を英訳してみた。

 亀井氏の発言:「競争相手が ちょっとばかり条件が良くなったからといって、『つぶせ、つぶ せ』ということばかりやっている。やくざの縄張り争いと一緒だ」
 英語では:"When the competitor's position improves a little bit, they say, 'Destroy it. Destroy it.'" Bankers do "the same as what gangs do in their turf wars."
 (金融業界からの郵政見直しへの批判について 2010年5月19日 時事)

 亀井氏の発言:「御託を並べる前に地域経済や日本経済にとって、もっと責任のある融資行動を とった方がよいと思う」
 英語では:"Before making absurd remarks, they had better implement responsible lending activities."
 (政府の郵政改革法案の骨子を全国銀行協会が批判したことに対して 2010年4月24日 朝日新聞)

 亀井氏の発言:「恐れ多くも陛下 に、『こういう権力の象徴であった江戸城(跡)にお住まいになられるのでなく、京都か広島に(お住まいになれば)』と一方的に申し上げた。陛下は黙っていた」
 英語では:"I told his Imperial Majesty why not reside in Kyoto or Hiroshima, not at what used to be the Edo castle - the symbol of power. His Majesty didn't say a word."
 (天皇陛下との会話をテレビ番組で明らかに 2009年12月27日 時事)

 亀井氏の発言:「政治資金規正法は事件のたびに規制を強化して現実無視のテクニカルな法律になっている。その法律が犯罪者をつくって検察の餌食にさせている」
 英語では:"The campaign finance regulations are becoming increasingly technical but irrelevant after each political scandal. The law itself creates criminals and prey for the prosecutors."
 (産経新聞とのインタビューで 2009年12月27日)

 亀井氏の発言:「日銀が相変わらず寝てしまっていて起きそうにない」
 英語では:“The Bank of Japan is asleep at the wheel as usual and doesn’t seem to wake up.”
 (閣議後の会見で、政府の出したデフレ宣言を受けて (2009年11月24日 ロイター)」

A Fate of Fool's Gold seekers

木村剛氏のブログが中止になっている。

http://kimuratakeshi.cocolog-nifty.com/blog/2010/05/post-6f54.html

「皆さん、こんにちは。木村剛です。私事になりますが、この度、私が会長を務めていた日本振興銀行が金融庁より業務停止命令を受けました。取引先・預金者・株主の方々に多大なご迷惑をお掛けし、大変申し訳なく思っております。

 今回の件につきまして真摯に反省するため、個人的に行っている他の活動につきましても、大幅に自粛することといたしました。その一環として、ゴーログにつきましても、しばらくの間、休止させていただきます。長い間、ご愛顧いただきありがとうございました。」

今日の報道であるが、木村剛氏が出していた、豪華雑誌のフィナンシャルにも手入れがあったという。毎日放送は、「金融庁の検査を妨害したとして捜査のメスが入った日本振興銀行は、「金融庁の顧問」だった木村剛氏が設立した銀行でした。

 「金融問題で成し遂げた、まっとうなことを、まっとうにやるということを、ぜひ竹中先生にはやって頂きたいと思います」(木村 剛 氏、2004年7月)

 竹中平蔵・元金融担当大臣の隣に立ち、熱弁をふるう木村剛氏。日本振興銀行は小泉政権時代、竹中元大臣のもとで「金融再生プログラム」の策定にも関わった木村氏が中心となり、6年前に設立されました。

 「中小・零細企業」のための銀行をうたいましたが、業績は低迷。経営破綻した商工ローン大手「SFCG」から買い取った債権が他の信託銀行にも二重譲渡されるなどのトラブルも発覚。木村氏は先月、赤字転落の責任をとって会長を辞任しました。

 さらに・・・
 「(法令違反については)営業が優先した結果だ。収益を先走るために、そういう行為に走ってしまった」(日本振興銀行 西野達也 社長、先月27日)

 金融庁からの業務停止命令を受けて、先月、陳謝する社長。去年6月からおよそ10か月という長期間にわたった金融庁の検査で数々の法令違反が明らかになりました。

 出資法の上限を大幅に上回る金利を手数料として受け取っていたり、融資を行う条件として自らが選んだ取締役の受け入れを要求したりしていました。そして、メールを消去するなどの「隠蔽工作」も行われていました。

 「メールの削除はございました。(関与したのは)役員含む数名」(日本振興銀行 西野達也 社長、今月11日)

 11日、社長は検査妨害への役員の関与を認めましたが、会長だった木村氏の関与については明言を避けました。

 木村氏は金融庁の前身、金融監督庁時代に金融機関の検査マニュアルの作成に携わった張本人。木村氏のワンマン経営といわれた日本振興銀行で木村氏が検査逃れを知らなかったのでしょうか。

 警視庁は押収した資料をもとに事件の実態解明を進める方針です。」と報道した。

ウィキペディアに掲載されている記事。ご参考まで。「http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%A8%E6%9D%91%E5%89%9B_(%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%82%B5%E3%83%AB%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%83%88)」

木村剛氏と、竹中元総務大臣との関係は現在どうだろうか。

「2002年には金融庁金融分野緊急対応戦略プロジェクトチームに参加するなど竹中平蔵とは深い連携関係にあり、互いを擁護する発言を続けている。

  • 2004年、竹中平蔵が参議院選に立候補した際は新橋で応援演説を行った[2]
  • 木村が理事長を務める『フィナンシャルクラブ』の最高顧問を竹中が務めている[3]
  • かんぽの宿オリックスへの売却問題に関しても、郵政民営化を直接指揮し、オリックス宮内義彦とも親しい竹中平蔵の鳩山総務大臣批判[4] [5] に連動するように自身のブログで鳩山総務大臣批判[6]を行っている。」
  •  木村剛氏のブログには、竹中平蔵氏をインタビューする動画も載せていた。動画は、雑誌のフィナンシャルの印が入った映像である。その動画像は、竹中教授が未だに、郵政民営化を正当化しようとする発言に終始する映像である。政治宣伝の手法である。車の中での撮影であるが、景色は外国の風でもあり、車が右を走っている様な画像になっている。

    郵政民営化の見直し法案が、今時国会で成立が見送られた政治決定の翌日に、手入れがあることも、因縁話のようである。今回は、検察ではなく、警察の捜査であることも興味深い。検察がすっかり政治化してしまって身動きがとれなくなってしまった中で、警察には、まだ、正邪を区別して行動する力が残っているらしい。郵政民営化の闇も、総務省の検証委員会の報告書も出たところであり、刑事告発も行われているので、しっかりとした捜査が行われルべきであると、当ブログなどは千秋の思いで期待している。

    Reform Bills Discarded

    鳩山前首相が政権を投げ出して、新内閣がなっそくするが、今国会では、郵政民営化の虚妄を是正する郵政改革法案などが、廃案になるという。派遣法改正案など本来、早急に成立させるべき法案も少なくないし、インターネットを利用した選挙運動を解禁する公職選挙法改正なども、廃案になる可能性が高い。しかし、考えてみると、派遣法にしても、民営化にしても、 構造改革という迷妄を、何とかして温存させようとの勢力は、自公政権のみならず、民主党の中にも一大勢力としてある。菅内閣では、むしろ、小泉・竹中政治の路線と近似する勢力が温存されたように見えるがどうだろうか。だから、ネットの選挙運動、派遣法の改正、郵政の私物化阻止法案などが、国会で成立しないことを陰で慶んでいる向きが多いのではないだろうか。特に大マスコミの場合には、ネットの選挙運動など困ると感じている向きが多いのではないか。今までは、新聞紙面とテレビの画面で、情報操作をして、各党の選挙結果まで左右できたのに、自由な情報がネットで流ルウするようになると、情報独占の手法の一角が崩れるからである。

    記者クラブ制度なども、一部では強固に守られていて、情報の偏向が続いて、鳩山内閣も、小泉総理針のぶら下がり会見を続行した。亀井大臣の、記者クラブからの金融庁情報の解放は、大きな意義を有する。

    Prime Minister's Inauguration Speech

    総理大臣の所信表明演説である。政治的に重要な文書である。新内閣のゆこうとする末を占う上でも参考となる。>の部分は、当方ブログのささやかなコメントである。

    【1・はじめに】
     国民の皆さま、国会議員の皆さま、管直人です。このたび、国会の指名により、内閣総理大臣の重責を担うこととなりました。国民の皆さまの期待に応えるべく、力の限りを尽くして頑張る覚悟です。
     (信頼回復による再出発)
     長きにわたる閉塞(へいそく)状況を打ち破ってほしい、多くの方々の、この強い思いにより、昨年夏、政権交代が実現しました。しかしながら、その後、「政治とカネ」の問題、さらに普天間基地移設をめぐる混乱により、当初頂いた政権への期待が大きく揺らぎました。私も、前内閣の一員として、こうした状況を防げなかった責任を痛感しています。鳩山前首相は、ご自身と民主党の小沢前幹事長に関する「政治とカネ」の問題、そして普天間基地移設問題に対する責任を率直に認め、辞任という形で自らけじめを付けられました。
     前首相の勇断を受け、政権を引き継ぐ私に課された最大の責務、それは、歴史的な政権交代の原点に立ち返って、この挫折を乗り越え、国民の皆さまの信頼を回復することです。

    >政治とカネの問題と言っているが、普天間の問題をすり替えたのではないのか。政権交代の原点を理解しているのか。

     (「草の根」からの取り組み)
     私の政治活動は、今をさかのぼること30年余り、参議院議員選挙に立候補した市川房枝先生の応援から始まりました。市民運動を母体とした選挙活動で、私は事務局長を務めました。ボランティアの青年が、ジープで全国を横断するキャラバンを組むなど、まさに草の根の選挙を展開しました。そして当選直後、市川先生は青島幸男さんと共に経団連の土光会長を訪ね、経団連による企業献金のあっせんを中止する約束を取り付けたのです。この約束は、その後骨抜きになってしまいましたが、まさに本年、経団連は企業献金への組織的関与の廃止を決めました。「1票の力が政治を変える」。当時の強烈な体験が私の政治の原点です。政治は国民の力で変えられる。この信念を胸に、与えられた責任を全うしていきます。

    >明日の天気は変えられないが、明日の政治は変えられる、は良しである。

    経団連の企業献金への組織的関与の廃止、言い回しはなかなか慎重である。

     (身一つでの政治参加)
     私は、山口県宇部市に生まれ、高校生の時、企業の技術者だった父の転勤で東京に移りました。東京ではサラリーマンが大きな借金をしないと家を買えない。父の苦労を垣間見たことが、後に都市部の土地問題に取り組むきっかけとなりました。大学卒業後、特許事務所で働きながら、市民運動に参加しました。市川先生の選挙を支援した2年後、いわゆるロッキード選挙で初めて国政に挑戦しました。初出馬の際には、論文で、「否定論理からは何も生まれない」、「あきらめないで参加民主主義を目指す」と題して、参加型の民主主義により、国民の感覚、常識を政治に取り戻すことが必要だと訴えました。3度の落選を経て、1980年に初当選しましたが、議員生活はミニ政党からのスタートでした。民主党の国会議員の仲間にも、私と同様、若くして地盤も資金もない身一つで政治の世界に飛び込んだ人たちがたくさんおられます。志を持って努力すれば誰でも政治に参加できる。そういう政治をつくろうではありませんか。>三度の落選は貴重な体験であろう。

     (真の国民主権の実現)
     私の基本的な政治理念は、国民が政治に参加する真の国民主権の実現です。その原点は、政治学者である松下圭一先生に学んだ「市民自治の思想」です。従来、わが国では、行政を官僚が仕切る「官僚内閣制」の発想が支配してきました。しかし、わが国の憲法は、国民が国会議員を選び、そして、国会の指名を受けた内閣総理大臣が内閣を組織すると定めています。松下先生が説かれるように、本来は、「国会内閣制」なのです。政治主導とは、より多数の国民に支持された政党が、内閣と一体となって国政を担っていくことを意味します。これにより、官僚主導の行政を変革しなければなりません。広く開かれた政党を介して、国民が積極的に参加し、国民の統治による国政を実現する。この目標に向けまい進いたします。

    >真の国民主権と言うが、何だろうか。
    (新内閣の政策課題)
     私は、新内閣の政策課題として、「戦後行政の大掃除の本格実施」、「経済・財政・社会保障の一体的立て直し」および「責任感に立脚した外交・安全保障政策」の三つを掲げます。
     【2・改革の続行-戦後行政の大掃除の本格実施】
     (改革の続行)
     第一の政策課題は、昨年の政権交代から始めた改革の続行です。鳩山前内閣は、「戦後行政の大掃除」として、それまでの政権がなし得なかった事業仕分けや国家公務員制度改革に果敢に挑みました。しかし、道半ばです。新内閣は、国民に約束した改革を続行し、貫徹させなければなりません。改革には反発や抵抗が付き物です。気を緩めれば改革は骨抜きになり、逆行しかねません。時計の針を決して戻すことなく、政治主導によって改革を推し進めます。
     (無駄遣いの根絶と行政の見直し)
     まず、これまで推進してきた無駄遣いの根絶を一層徹底します。前内閣の下では、昨年と今年の2回にわたって事業仕分けを実施しました。これまで国民に見えなかった予算編成の過程や独立行政法人などの政府関連法人の事業内容、これらを一つ一つ公開の場で確認し、行政の透明性を飛躍的に高めました。限られた人材・予算を有効に活用するため、この取り組みを続行します。
     行政組織や国家公務員制度の見直しにも引き続き取り組みます。省庁の縦割りを排除し、行政の機能向上を図るとともに、国家公務員の天下り禁止などの取り組みも本格化させます。
     行政の密室性の打破も進めます。私は、1996年、厚生相として薬害エイズ問題に力を注ぎました。当時、厚生省の事務方は、関連資料は見つからないという態度に終始しました。これに対し、私は資料調査を厳命し、その結果、資料の存在が明らかになりました。この情報公開を契機に、問題の解明や患者の方々の救済が実現しました。情報公開の重要性は、他の誰よりも強く認識しています。前内閣においては、財務相として、外相と共に日米密約の存在を明らかにしました。情報公開法の改正を検討するなど、今後も、こうした姿勢を貫きます。

    >情報公開法の改正を検討すると述べている。日米密約の存在を、外務大臣とともに、財務大臣として明らかにしたと書いている。

     (地域主権・郵政改革の推進)
     さらに、地域主権の確立を進めます。中央集権型の画一的な行政では、多様な地域に沿った政策の実現に限界があります。住民参加による行政を実現するためには、地域主権の徹底が不可欠です。「総論の段階」から「各論の段階」に進む時が来ています。地方の皆さまとひざを突き合わせ、各地の要望を踏まえ、権限や財源の移譲を丁寧に進めていきます。その上で、特区制度も活用しつつ、各行政分野で地域ごとに具体的な結論を出していきます。
     郵政事業については、全国において郵便局の基本的なサービスを一体的に提供し、また、現在の経営形態を再編するため、民主党と国民新党の合意に基づき、郵政改革法案の速やかな成立を期してまいります。

    >郵政改革法案の速やかな成立を期して参りますと述べている。

     【3・閉塞状況の打破-経済・財政・社会保障の一体的立て直し】
     第2の政策課題として、国民が未来に対し希望を持てる社会を築くため、経済・財政・社会保障を一体的に立て直します。90年代初頭のバブル崩壊から約20年、日本経済が低迷を続けた結果、国民はかつての自信を失い、将来への漠然とした不安に萎縮(いしゅく)しています。国民の皆さまの、閉塞状況を打ち破ってほしいという期待に応えるのが、新内閣の任務です。この立て直しは、「第3の道」とも呼ぶべき新しい設計図によるものです。

    >第三の道の提案をしている。

     (「第3の道」による立て直し)
     過去20年間の経済政策は、私が「第1の道」「第2の道」と呼ぶ考え方に沿って進められてきました。「第1の道」とは、「公共事業中心」の経済政策です。60年代から70年代にかけての高度経済成長の時代には、道路、港湾、空港などの整備が生産性の向上をもたらし、経済成長の原動力となりました。
     しかし、基礎的なインフラが整備された80年代になると、この投資と経済効果の関係が崩壊し、90年代以降は様相が全く変わりました。バブル崩壊以降に行われた巨額の公共事業の多くは、結局、有効な成果を上げませんでした。
     その後の10年間は、行き過ぎた市場原理主義に基づき、供給サイドに偏った、生産性重視の経済政策が進められてきました。これが「第2の道」です。この政策は、一企業の視点から見れば、妥当とも言えます。企業では大胆なリストラを断行して業績を回復すれば、立派な経営者として称賛されるでしょう。しかし、国全体としてみれば、この政策によって多くの人が失業する中で、国民生活はさらに厳しくなり、デフレが深刻化しました。「企業は従業員をリストラできても、国は国民をリストラすることができない」のです。

    >市場原理主義の経済政策を批判する展では良し。

     生産性を向上させる支援は必要ですが、それと同時に、需要や雇用を拡大することが一層重要なのです。それを怠った結果、2年前の日比谷公園の派遣村に象徴されるように、格差の拡大が強く意識され、社会全体の不安が急速に高まったのです。
     産業構造・社会構造の変化に合わない政策を遂行した結果、経済は低迷し続けました。こうした過去の失敗に学び、現在の状況に適した政策として、私たちが追求するのは「第3の道」です。これは、経済社会が抱える課題の解決を新たな需要や雇用創出のきっかけとし、それを成長につなげようとする政策です。現在まで続く閉塞感の主たる要因は、低迷する経済、拡大する財政赤字、そして、信頼感が低下した社会保障です。新内閣は、「強い経済」「強い財政」「強い社会保障」の一体的実現を、政治の強いリーダーシップで実現していく決意です。
     (「強い経済」の実現)
     まず、「強い経済」の実現です。一昨年の金融危機は、外需に過度に依存していたわが国経済を直撃し、他の国以上に深刻なダメージを与えました。強い経済を実現するためには、安定した内需と外需を創造し、富が広く循環する経済構造を築く必要があります。
     では、どのように需要をつくり出すのか。その鍵が、「課題解決型」の国家戦略です。現在の経済社会には、新たな課題が山積しています。それぞれの課題に正面から向き合い、その処方せんを提示することにより、新たな需要と雇用の創造を目指します。この考え方に立ち、昨年来、私が責任者となって検討を進めている「新成長戦略」では、「グリーン・イノベーション」「ライフ・イノベーション」「アジア経済」「観光・地域」を成長分野に掲げ、これらを支える基盤として「科学・技術」と「雇用・人材」に関する戦略を実施することとしています。
     第1の「グリーン・イノベーション」には、鳩山前首相が積極的に取り組まれ、2020年における温室効果ガスの25%削減目標を掲げた地球温暖化対策も含まれます。その他にも、生物多様性の維持や、人間に不可欠な「水」にかかわる産業など、期待される分野は数多く存在し、その向こうには巨大な需要が広がっています。運輸部門や生活関連部門、原子力産業を含むエネルギー部門、さらには、まちづくりの分野で新技術の開発や新事業の展開が期待されます。
     第2は、「ライフ・イノベーション」による健康大国の実現です。子育ての安心や老後の健康を願う思いに終着点はありません。こうした願いをかなえる処方せんを示すことが、新たな価値を生み、雇用をつくり出します。
     第3は、「アジア経済戦略」です。急速な成長を続けるアジアの多くの地域では、都市化や工業化、それに伴う環境問題の発生が課題となっています。少子化・高齢化も懸念されています。また、日本では充足されつつある鉄道、道路、電力、水道などは、今後整備が必要な社会資本です。世界に先駆けて、これらの課題を解決するモデルを提示することで、アジア市場の新たな需要に応えることができます。こうした需要をとらえるため、海外との人的交流の強化、ハブ機能を強化するインフラ整備や規制改革を進めます。
     第4の「観光立国・地域活性化戦略」のうち、観光は、文化遺産や自然環境を生かして振興することにより、地域活性化の切り札になります。既に、中国からの観光客の拡大に向け、ビザの発行条件の大幅緩和などが鳩山前内閣の下で始められました。

    >中国からの観光客の増大、ビザの発行の緩和を指摘しているが、却って問題ではないのか。観光立国の危険性については指摘がない。
     農山漁村が生産、加工、流通までを一体的に担い、付加価値を創造することができれば、そこに雇用が生まれ、子どもを産み育てる健全な地域社会がはぐくまれます。農林水産業を地域の中核産業として発展させることにより、食料自給率の向上も期待されます。特に、低炭素社会で新たな役割も期待される林業は、戦後植林された樹木が成長しており、路網整備などの支援により林業再生を期待できる好機にあります。戸別所得補償制度の導入をはじめとする農林水産行政は、こうした観点に立って進めます。また、今この瞬間も、宮崎県の畜産農家の方々は、わが子のように大切に育てた牛や豚を大きな不安をもって世話しておられます。地元では口蹄(こうてい)疫の拡大を止めようと懸命な作業が続けられています。政府は、迅速な初動対応や感染拡大の阻止に総力を挙げるとともに、影響を受けた方々の生活支援・経営再建対策に万全を期します。

    >農水大臣を更迭したのは良い。

     さらに、地域の活性化に向け、真に必要な社会資本整備については、民間の知恵と資金を活用して戦略的に進めるとともに、意欲あふれる中小企業を応援します。
     これらの成長分野を支えるため、第5の「科学・技術立国戦略」の下で、わが国が培ってきた科学・技術力を増強します。効果的・効率的な技術開発を促進するための規制改革や支援体制の見直しを進めます。わが国の未来を担う若者が夢を抱いて科学の道を選べるような教育環境を整備するとともに、世界中から優れた研究者を引きつける研究環境の整備を進めます。イノベーション促進の基盤となる知的財産や情報通信技術の利活用も促進します。
     第6の「雇用・人材戦略」により、成長分野を担う人材の育成を推進します。少子高齢化に伴う労働人口の減少という制約をはね返すため、若者や女性、高齢者の就業率向上を目指します。さらに、非正規労働者の正規雇用化を含めた雇用の安定確保、産業構造の変化に対応した成長分野を中心とする実践的な能力育成の推進、ディーセント・ワーク、すなわち、人間らしい働きがいのある仕事の実現を目指します。女性の能力を発揮する機会を増やす環境を抜本的に整備し、「男女共同参画社会」の実現を推進します。
     人材は成長の原動力です。教育、スポーツ、文化などさまざまな分野で、国民一人ひとりの能力を高めることにより、厚みのある人材層を形成します。
     こうした具体策を盛り込んだ「新成長戦略」の最終的取りまとめを今月中に公表し、官民を挙げて「強い経済」の実現を図り、2020年度までの年平均で、名目3%、実質2%を上回る経済成長を目指します。また、当面はデフレからの脱却を喫緊の課題と位置付け、日本銀行と一体となって、強力かつ総合的な政策努力を行います。

    >新成長戦略を今月中に発表するとしている。

     (財政健全化による「強い財政」の実現)
     次に、「強い財政」の実現です。一般に民間消費が低迷する経済状況の下では、国債発行を通じて貯蓄を吸い上げ、財政出動により需要を補う経済政策に一定の合理性はあります。しかしながら、わが国では、90年代に集中した巨額の公共事業や減税、高齢化の急速な進展による社会保障費の急増などにより、財政は先進国で最悪という厳しい状況に陥っています。もはや、国債発行に過度に依存する財政は持続困難です。ギリシャに端を発したユーロ圏の混乱に見られるように、公的債務の増加を放置し、国債市場における信認が失われれば、財政破綻(はたん)に陥る恐れがあります。

    >むしろ、ギリシャとは、違うことを強調すべきではないのか。国債を日本の中で消化してきたからこそ安定しているのではないのか。ギリシャのように、危なく、外国証券会社の餌食になるのを阻止したからではないのか。

     わが国の債務残高は巨額であり、その解消を一朝一夕に行うことは困難です。だからこそ、財政健全化に向けた抜本的な改革に今から着手する必要があります。具体的には、まず、無駄遣いの根絶を強力に進めます。次に、成長戦略を着実に推進します。予算編成に当たっては、経済成長や雇用創出への寄与度も基準とした優先順位付けを行います。これにより、目標の経済成長を実現し、税収増を通じた財政の健全化につなげます。

    まず、成長戦略で、その次が無駄遣いの根絶と言うべきだろう。

     わが国財政の危機的状況を改善するためには、こうした無駄遣いの根絶と経済成長を実現する予算編成に加え、税制の抜本改革に着手することが不可避です。現状の新規国債の発行水準を継続すれば、数年のうちに債務残高はGDP比200%を超えることとなります。そのような事態を避けるため、将来の税制の全体像を早急に描く必要があります。
     以上の観点を踏まえ、前内閣の下では、私も参画し、経済の将来展望を見据えつつ「中期財政フレーム」と中長期的な財政規律を明らかにする「財政運営戦略」を検討してきました。これを今月中に策定します。今国会、自民党から、「財政健全化責任法案」が国会に提出されました。
     そこで提案があります。わが国の将来を左右する、この重大な課題について、与党・野党の壁を越えた国民的な議論が必要ではないでしょうか。財政健全化の緊要性を認める超党派の議員により、「財政健全化検討会議」をつくり、建設的な議論を共に進めようではありませんか。
     (「強い社会保障」の実現)
     以上述べたような「強い経済」「強い財政」と同時に、「強い社会保障」の実現を目指します。
     これまでの経済論議では、社会保障は、少子高齢化を背景に負担面ばかりが強調され、経済成長の足を引っ張るものと見なされる傾向がありました。私は、そのような立場に立ちません。医療・介護や年金、子育て支援などの社会保障に不安や不信を抱いていては、国民は、安心してお金を消費に回すことができません。一方、社会保障には雇用創出を通じて成長をもたらす分野が数多く含まれています。他国の経験は、社会保障の充実が雇用創出を通じ、同時に成長をもたらすことが可能だと教えています。
     経済、財政、社会保障を相互に対立するものととらえる考え方は、180度転換する必要があります。それぞれが互いに好影響を与えうる「ウィン・ウィン(相互利益)」の関係にあると認識すべきです。

    >ウィン・ウィンとか、ライフ・イノベーションとか、訳の分からない横文字言葉を迂回出したときに危うくなる。

    この認識に基づき、新成長戦略において「ライフ・イノベーション」を重点分野に位置付け、成長戦略の視点からも、「強い社会保障」を目指します。そして、財政健全化の取り組みは、財政の機能を通じて、社会保障の安定的な提供を確保し、国民に安心を約束することにより、持続的な成長を導くものなのです。
     こうした「強い社会保障」を実現し「少子高齢社会を克服する日本モデル」を提示するため、各制度の立て直しを進めます。年金制度については、記録問題に全力を尽くすとともに、現在の社会に適合した制度を一刻も早く構築することが必要です。党派を超えた国民的議論を始めるため、新たな年金制度に関する基本原則を提示します。医療制度についても立て直しを進め、医療の安心の確保に努めます。介護についても、安心して利用できるサービスの確立に努めます。子育て支援の充実は待ったなしの課題です。子ども手当に加え、待機児童の解消や幼保一体化による子育てサービスの充実に、政府を挙げて取り組みます。
     さらに、社会保障分野などのサービス向上を図り、真に手を差し伸べるべき方々に重点的に社会保障を提供する観点からも、番号制度などの基盤整備が求められています。このため、社会保障や税の番号制度の導入に向け、国民の皆さまに具体的な選択肢を近く提示します。
     (「一人ひとりを包摂する社会」の実現)
     こうした施策に加え、今、私が重視しているのは、「孤立化」という新たな社会リスクに対する取り組みです。私は一昨年から、「反・貧困ネットワーク」事務局長の湯浅誠さんと一緒に、派遣村などの現場で貧困・困窮状態にある方々を支援してきました。その活動の中で、「ホームレス」には二つの意味があることを再認識しました。一つの意味は、物理的に住む家がないという「ハウスレス」ということですが、もう一つの、より重要な意味は、ある人がさまざまな苦難に遭遇(そうぐう)したときに、「そばで支援してくれる家族がいない」ということです。
     人は誰しも独りでは生きていけません。悩み、くじけ、倒れたときに、寄り添ってくれる人がいるからこそ、再び立ち上がれるのです。わが国では、かつて、家族や地域社会、そして企業による支えが、そうした機能を担ってきました。それが急速に失われる中で、社会的排除や格差が増大しています。ネットカフェに寝泊まりする若者や、地域との関係が断ち切られた独り暮らしの高齢者など、老若男女を問わず、「孤立化」する人々が急増しています。従来のしがらみからの解放は、強者にとっては自由を拡大するものかもしれませんが、弱い立場の人にとっては、孤独死で大切な人生を終えてしまう恐れがあるのです。
     私は、湯浅さんたちが提唱する「パーソナル・サポート」という考え方に深く共感しています。さまざまな要因で困窮している方々に対し、専門家であるパーソナル・サポーターが随時相談に応じ、制度や仕組みの「縦割り」を越え、必要な支援を個別的・継続的に提供するものです。役所の窓口を物理的に1カ所に集めるワンストップ・サービスは、今後も行う必要がありますが、時間や場所などに限界があります。「寄り添い・伴走型支援」であるパーソナル・サポートは、「人によるワンストップ・サービス」としてこの限界を乗り越えることができます。
     こうした取り組みにより、雇用に加え、障害者や高齢者などの福祉、人権擁護、さらに年間3万人を超える自殺対策の分野で、さまざまな関係機関や社会資源を結びつけ、支え合いのネットワークから誰一人として排除されることのない社会、すなわち、「一人ひとりを包摂する社会」の実現を目指します。鳩山前首相が、最も力を入れられた「新しい公共」の取り組みも、こうした活動の可能性を支援するものです。公共的な活動を行う機能は、従来の行政機関、公務員だけが担うわけではありません。地域の住民が、教育や子育て、まちづくり、防犯・防災、医療・福祉、消費者保護などに共助の精神で参加する活動を応援します。

    >共同体の復活をどうするのか、日本の国体論に立ち戻る必要があるのではないか。

     【4・責任感に立脚した外交・安全保障政策】
     (国民の責任感に立脚した外交)
     第3の政策課題は、責任感に立脚した外交・安全保障政策です。
     私は若いころ、イデオロギーではなく、現実主義をベースに国際政治を論じ、「平和の代償」という名著を著された永井陽之助先生を中心に、勉強会を重ねました。わが国が、憲法の前文にあるように、「国際社会において、名誉ある地位を占め」るための外交は、どうあるべきか。永井先生との議論を通じ、相手国に受動的に対応するだけでは外交は築かれないと学びました。この国をどういう国にしたいのか、時には自国のために代償を払う覚悟ができるか。国民一人ひとりがこうした責任を自覚し、それを背景に行われるのが外交であると考えます。
     今日、国際社会は地殻変動ともいうべき大きな変化に直面しています。その変化は、経済のみならず、外交や軍事の面にも及んでいます。こうした状況の中、世界平和という理想を求めつつ、「現実主義」を基調とした外交を推進すべきと考えます。

    >総理大臣が、永井陽之助先生の名前を出したことは、興味深い。現実主義を基調とする外交を推進すると明言した。

     (外交・安全保障政策の考え方)
     わが国は、太平洋に面する海洋国家であると同時に、アジアの国でもあります。この二面性を踏まえた上で、わが国の外交を展開します。具体的には、日米同盟を外交の基軸とし、同時にアジア諸国との連携を強化します。
     日米同盟は、日本の防衛のみならず、アジア・太平洋の安定と繁栄を支える国際的な共有財産と言えます。今後も同盟関係を着実に深化させます。
     アジアを中心とする近隣諸国とは、政治・経済・文化などのさまざまな面で関係を強化し、将来的には東アジア共同体を構想していきます。中国とは戦略的互恵関係を深めます。韓国とは未来志向のパートナーシップを構築します。日ロ関係については、政治と経済を車の両輪として進めつつ、最大の懸案である北方領土問題を解決して平和条約を締結すべく、精力的に取り組みます。東南アジア諸国連合(ASEAN)諸国やインドなどとの連携は、これを、さらに充実させます。今年開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)においては、議長として積極的な役割を果たします。経済連携協定(EPA)・広域経済連携については、国内制度改革と一体的に推進していきます。
     わが国は、地球規模の課題にも積極的な役割を果たしていきます。気候変動問題については、国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)に向けて、すべての主要国による、公平かつ実効的な国際的枠組みを構築するべく、米国、欧州連合(EU)、国連などとも連携しながら、国際交渉を主導します。この秋、愛知県名古屋市で開催されるCOP10では、生物の多様性を守る国際的な取り組みを前進させます。「核のない世界」に向け、わが国が先頭に立ってリーダーシップを発揮します。アフガニスタンの復興支援、第4回アフリカ開発会議(TICAD4)の公約を踏まえたアフリカ支援を継続するほか、ミレニアム開発目標の達成に向け最大限努力します。
     北朝鮮については、韓国哨戒艦沈没事件は許し難いものであり、韓国を全面的に支持しつつ、国際社会としてしっかりと対処する必要があります。拉致、核、ミサイルといった諸懸案の包括的解決を図り、不幸な過去を清算し、国交正常化を追求します。拉致問題については、国の責任において、すべての拉致被害者の一刻も早い帰国に向けて全力を尽くします。国連安保理決議の違反を重ねるイランに対し、わが国は平和的・外交的解決を求めていきます。

    >全面的に支持しつつと言うが、事実関係をもう少し慎重に見る方がいいのではないか。安保理違反を重ねると名指しで言えば、ブラジルや、トルコの動きは理解していないかのようである。外交面は、得意ではないのかも知れない。お役人の作文の様に見える。少なくとも、外交的な配慮に欠ける所信表明である。
     国際的な安全保障環境に対応する観点から、防衛力の在り方に見直しを加え、防衛大綱の見直しと中期防衛力の整備計画を年内に発表します。
     (普天間基地移設問題)
     沖縄には米軍基地が集中し、沖縄の方々に大きな負担を引き受けていただいています。普天間基地の移設・返還と一部海兵隊のグアム移転は、何としても実現しなければなりません。
     普天間基地移設問題では先月末の日米合意を踏まえつつ、同時に閣議決定でも強調されたように、沖縄の負担軽減に尽力する覚悟です。

    >日米合意は、適切な手続きを踏んだとは考えられない。鳩山首相の辞任で正統性を失っている。日米合意を踏まえつつとの発言自体が、対米関係をむしろ従属させているように見える。独自の文化をはぐくんで来た沖縄とは、言いがかりです。独自は沖縄だけではありません。戦没者追悼式に出席するのは当然である。暑い夏を体験するのは肝心である。加重な負担に対する感謝などとは、何か外国の議会の感謝決議のような、距離のある発言ぶりである。一歩も二歩もひいている。外国との戦争に負けて、その外国軍隊は競って沖縄に基地をつくったのだ。太田司令官の、最後の電報をもう一度読むべきことである。下手な感謝をする話ではないと思う。

     沖縄は、独自の文化をはぐくんできた、わが国が誇るべき地域です。その沖縄が、先の大戦で最大規模の地上戦を経験し、多くの犠牲を強いられることとなりました。今月23日、沖縄全戦没者追悼式が行われます。この式典に参加し、沖縄を襲った悲惨な過去に思いを致すとともに、長年の過重な負担に対する感謝の念を深めることから始めたいと思います。
     【5・むすび】
     これまで述べてきたように、私の内閣が果たすべき使命は、20年近く続く閉塞状況を打ち破り、元気な日本を復活させることです。その道筋は、この所信表明演説で申し述べました。あとは実行できるかどうかに懸かっています。
     これまで、日本において国家レベルの目標を掲げた改革が進まなかったのは、政治的リーダーシップの欠如に最大の原因があります。つまり、個々の団体や個別地域の利益を代表する政治はあっても、国全体の将来を考え、改革を進める大きな政治的リーダーシップが欠如していたのです。こうしたリーダーシップは、個々の政治家や政党だけで生み出されるものではありません。国民の皆さまにビジョンを示し、そして、国民の皆さまが「よし、やってみろ」と私を信頼してくださるかどうかで、リーダーシップを持つことができるかどうかが決まります。
     私は、本日の演説を皮切りに、順次ビジョンを提案していきます。私の提案するビジョンをご理解いただき、ぜひとも私を信頼していただきたいと思います。リーダーシップを持った内閣総理大臣になれるよう、国民の皆さまのご支援を心からお願いし、私の所信表明とさせていただきます。

    >お手並み拝見でしょう。市場原理主義を支持する民主党のメンバーを登用する色合いが強いのではないでしょうか。

    Saving the Sun

    新内閣の市場原理ぶりには驚かされる。国民の意見よりも、日米合意が先だという。勝手な民主主義でもない、思い上がりだ。郵政民営化見直し法案も、今日を境に廃案になる可能性が大だ。連立政権は、郵政改革法案を国会で成立させるとの合意をしていたはずだ。しかし、そうでなければ、国民新党は、連立から離脱すべきだ。そればかりではなく、亀井静香代表と、小沢一郎前民主党幹事長とで、政界再編を目指す救国戦線を組成する以外に活路はない。

    自民党が、外国支配の市場原理主義の勢力に取り込まれて、政策転換が出来ないのは残念である。せっかくの政権交代が、55年体制を破壊したが、新内閣が冷戦時代以前の従属の政策に戻るようでは、この国の未来はない。あらゆる政策が後手後手だ。地方がうち捨てられ、一部の資本家だけが栄え、外国勢力のいいなりになる奇妙さだ。人気のある内に選挙と言っているが、選挙は人気投票ではない、その人気は、情報操作で出来た人気で、実際には地に落ちているのだ。国民は、自立・自尊の日本を求めるからこそ、民主党に投票したのであるが、期待は裏切られた。

    A Test Case for Survival

    新内閣は、単に、外国追従の、小泉・竹中亜流政権かも知れない。

    http://oujyujyu.blog114.fc2.com/blog-entry-955.htm

    Tax Evasion

    すっかり夏日になった。朝方は涼しかったが、だんだんと気温が上がる。直射日光の日差しで、5月の新緑が鮮やかだ。

    近くのスーパーで買い物をして、とある銀行のATMの機械で現金を下ろそうと立ち寄った。中にお客さんが三人いて、もう一人いる。制服を着ているわけではないが、水色のシャツを着てバッジをつけている。警察官である。私服の警察官だが、ワッペンをすることで、警察官の身分を明らかにしている。暑い盛りでご苦労なことだ。

    先日も、近くの○×銀行の同じような現金を下ろしたりあづけたりする機械の近くで、汗だくになって、ヘルメット、制服、拳銃を身につけた警察官を見たが、いずれも、振り込み詐欺の防止で、警備をしているのだという。本当にご苦労なことだ。

    ただ、不思議なことは、無人の機械のある、出張所という名前の場所で、警察官の姿は見かけるが、銀行の社員の姿は見かけたことがない。

    法人税を何年も連続して支払っていない、銀行の機械の警備のために、警察官だけが警備につくのは、どこか倒錯しているのではないだろうか。まず、銀行自体が、ちゃんと警備をすることであるが、支店など、人のいる窓口では、見かけるが、無人の機械の出張所あたりでは、銀行独自で、守ることはしていないように見えるがどうだろうか。

    郵政民営化の過程でも、日本郵政の内部の警察機能を果たしていた、監察部門が廃止されたが、その後の警備などはどうなっているのだろうか。私物化をして、外資に何とか国民資産を売り渡そうとして陰謀は潰えたが、郵政監察を廃止したのは、明らかに、犯罪を助長する結果を将来したのではないだろうか。今日、汗だくで、狭苦しい機械が放熱の扇風機を回す音を立てる箱の様な空間の中で、その警察官は、郵政監察と一緒に、どこかの郵便局で、共同で研修をしたことを話していた。

    法人税の優遇を受けて、税金を支払わない銀行は、振り込め詐欺などの防止の為の警備も警察にさせておけば良い、自分たちは、率先してお客さんが詐欺に遭うことを守ることをしていないのではないか。社会的責任の感覚が薄い証拠に見えて仕方がない。

    それにしても、悪いやつがいる者だ。悪者が放置されて、善良な人々が守られないでは困る。市場原理主義は、自己責任と言いつつ、経営に失敗した銀行には、税金を課すことをせず、国民から広く増税しようとする、倒錯の現象がある。振り込め詐欺も、そうした、責任感の喪失の間隙を突いた、新手の詐欺であることは間違いない。

    銀行協会は、郵政改革法案反対という前に、振り込め詐欺対策をちゃんと、警察任せにしないで、まじめに取り組んではどうだろうか。自己責任だと主張するなら、税金もちゃんと支払うべきである。

    Tax Evasion 2

    法人税を払っていないのは、日本の大手銀行ばかりではない。

    2007年のブログ記事が残る。新生銀行の関連の記事である。オランダとの条約により、税金をトリはぐれたと書いてある。さて、その条約を改定しようと、わが外交当局は動いたのだろうか。財務省を含めて、外国の手先と化しているとすれば怖い話であるが、日本人でも、外資の手先としての連中が、名前が水面に出てくることがある。現在、新生銀行をめぐる人事のごたごたが続いているだけに、三年前のブログ記事は、興味深い記事である。

    この記事を読めば、郵政民営化の過程で、なぜ、三菱商事から人間が送り込まれているのか、その背景と理由が想像できるだろう。ジリアン・テット氏のセイビング・ザ・サンの中に、記者会見の場面の写真もあったことを記憶する。

    http://d.hatena.ne.jp/HEAT/20070228

    郵政改革法案は、今国会に置いて、可決成立させるべきである。そして、一連の構造改悪の闇の部分に光りを当てていくべきである。

    上記のブログには、次のような記事も残る。日本のメガマスコミは報道しない記事である。都合の悪い事実をちゃんと報道しないから、新聞を読む人が少なくなる。http://d.hatena.ne.jp/HEAT/20070711

    Uncensored Film-Okinawa

    Postal Crime

    日本郵政ガバナンス問題調査専門委員会報告書である。別添の検証総括報告書は、なお詳細に述べられている。

    http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/02ryutsu13_000022.html

    更に、日本郵政・不動産戦略への意見書は、亀井久興氏と、保坂展人氏の連盟の意見が添えられているが、当方ブログが掲載するのは、とりあえず、報告書本文である。当ブログの読者が報告書の中身を簡単に読める様にするためである。郵政民営化の暗部に光りが当てられることを強く来たするし、強欲の市場原理主義で、国民資産の強奪を図った連中に、捜査が行われて厳罰が加えられることを願う。これだけの不正が明らかになり、しかも新政権が登場して、なお、捜査当局が動かないのは、それだけの背景があるに違いない。国が溶けて流れていくようだが、そうさせてはならない。

    日本郵政ガバナンス問題調査専門委員会 報告書

    平成22 年5 月18日 公開

    日本郵政ガバナンス問題調査専門委員会

    【委員長】 郷原信郎(ごうはらのぶお)名城大学教授・弁護士(総務省顧問・コンプライアンス室長)

    【委員名簿】
    赤松幸夫(あかまつゆきお)弁護士
    橘川武郎(きっかわたけお)一橋大学大学院商学研究科教授
    水嶋利夫(みずしまとしお)公認会計士

    【オブザーバー】
    足立盛二郎(あだちせいじろう)日本郵政株式会社取締役兼代表執行役副社長

    ===============================================================

    目次
    はじめに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1

    第1 基本的視点・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3
    1 郵政民営化の目的・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3
    2 日本郵政に求められる業務の適正さ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4

    第2 個別事案検証結果の概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5
    1 不動産関係・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5
    ⑴ 公社バルク事案・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5
    ⑵ 「かんぽの宿」等事案・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5
    ⑶ 東池袋事案・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6
    ⑷ 那覇事案・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6
    ⑸ 東山事案・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6
    2 JPEX事案・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6
    3 クレジット事案・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7
    4 責任代理店事案・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8
    5 ザ・アール事案・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8
    6 西川社長時代の日本郵政の経営体制・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9
    ⑴ 取締役会の実情・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9
    ⑵ 執行側の実情・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10

    第3 西川社長時代の日本郵政のガバナンス及びコンプライアンス上の問題・・・・10
    1 問題の整理・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10
    2 拙速な事業遂行の背景・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11
    3 問題の本質・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11
    4 西川社長時代の経営体制及びコンプライアンス上の問題点・・・・・・・・12
    ⑴ 経営体制の問題・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12
    ⑵ コンプライアンスに関する問題・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13
    ⑶ 総務省による認可との関係・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14

    第4 日本郵政のガバナンス及びコンプライアンスの現状と問題点・・・・・・・・15
    1 経営体制と取締役会の機能・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・15
    2 コンプライアンスへの取組み・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・16
    3 総務省による認可及び監督・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・17

    第5 日本郵政のガバナンス及びコンプライアンスに関する提言・・・・・・・・・18
    1 日本郵政のガバナンス形態の在り方についての再検討・・・・・・・・・・・18
    2 社外者による「経営諮問委員会(仮称)」の設置・・・・・・・・・・・・・18
    3 総務省による監督の見直し・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・18
    4 コンプライアンスの抜本的見直し・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・18
    5 コンプライアンス委員会の機能強化・・・・・・・・・・・・・・・・・・・18

    ===========================================================

    はじめに

     官業としての郵政事業は、全国に張り巡らされた郵便局網を通じて郵便、貯金、保険の各事業による利便が全国同一条件の下で提供されることで、地方も含めた国民生活の基盤を提供し、戦後の我が国における都市と地方とのバランスのとれた経済の発展を可能にしてきた。高度経済成長の原動力となったのは、大都市周辺の重化学工業へのヒト・モノ・カネの集中がもたらした産業の発展であったが、経済成長によって生じた富を、都市だけではなく、地方にも振り向け、地域の経済振興を図る機能を果たしたのが公共事業であり、国及び自治体の予算と並んで、その重要な資金源となったのが、郵便貯金及び簡易保険として預け入れられた資金を活用して行われる財政投融資であった。

    しかし、このような戦後経済成長システムは、バブル経済の崩壊とともに行き詰り、その後の不況の長期化、深刻化の中で、経済システムの根本的な見直しを迫られることになった。

    こうした中、21世紀に入り、政治、経済の構造の抜本的改革による不況からの脱却への期待を受けて登場したのが小泉政権であり、その政策の目玉として掲げられたのが、戦後システムの中核を担っていた郵政事業を民営化することであった。

    政権発足の2年後の平成15年には日本郵政公社が発足し、それまで郵政事業庁による官営事業であった郵政事業は公社として独立採算の下、自律的、弾力的な運営を行うこととされた。さらに、その翌年の平成16年9月には郵政民営化の基本方針が閣議決定され、郵政民営化関連法案が国会に提出された。

    郵政民営化は、公的部門に流れていた郵便貯金・簡易保険の資金の流れを、他の金融機関と対等の競争条件の下で、民間金融機関としての資金運用に変えていくことで、資金の流れを官から民に転換することを主たる目的とするもので、我が国の経済社会システムそのものにも多大な影響を与えるものであった。それだけに、その是非について与党自民党内部も含めた政治対立が生じ、郵政民営化関連法案は参議院では一旦否決された。しかし、小泉首相が郵政民営化の是非を問うとして衆議院を解散し、総選挙で圧勝したことで政治対立は決着、平成17年10月に郵政民営化関連法が成立した。

    そして、平成18年1月には準備企画会社としての日本郵政株式会社(以下、「日本郵政」)が設立され、平成19年10月1日には日本郵政公社が解散し、公社の4つの機能(郵便、窓口サービス、貯金、保険)は新たに設けられた4つの事業会社(郵便事業株式会社(以下、「郵便事業会社」)、郵便局株式会社(以下、「郵便局会社」)、株式会社ゆうちょ銀行(以下、「ゆうちょ銀行」)、株式会社かんぽ生命保険(以下、「かんぽ生命」))に引き継がれ、日本郵政は、準備企画会社から、4つの事業会社を束ねる持株会社に移行し、民営化が実現した。

    このように小泉政権発足後まさに疾風怒濤の勢いで進められた郵政民営化によって、それまで官業として行われていた郵政事業すべてが、日本郵政と4事業会社からなる民間会社としての日本郵政グループによって営まれることとなった。

    - 1 -

    その時点では、4事業会社の株式を保有する日本郵政の株式はすべて国が保有したままであり、同グループが国民共有の財産として公的性格を有することには変わりはなかったが、郵政民営化法では、「政府が保有する日本郵政株式会社の株式がその発行済株式の総数に占める割合は、できる限り早期に減ずるものとする」「日本郵政株式会社が保有する郵便貯金銀行及び郵便保険会社の株式は、移行期間(平成19年10月1日から平成29年9月30日までの期間をいう。以下同じ。)中に、その全部を処分するものとする」と定められ、早期に持株会社及びゆうちょ銀行・かんぽ生命の株式を売却することで、株式保有の面でも民営化を徹底することが予定されていた。

    民営化に先立って、元三井住友銀行頭取の西川善文氏が、平成18年1月に、準備企画段階の日本郵政の社長に、そして、平成19年4月には日本郵政公社総裁に就任し、同年10月の民営化以降も、引き続き、西川社長を中心とする体制で同グループの経営が行われてきたが、平成21年年頭頃から、「かんぽの宿」の一括譲渡をめぐる問題が表面化するなど日本郵政グループの業務執行の在り方に関して多くの問題が表面化し、社会からの批判を浴びることとなった。

    そして、平成21年8月の衆議院議員総選挙で民主党が圧勝して政権交代が実現し、9月には、小泉政権下での郵政民営化に反対してきた民主党、国民新党、社民党による連立政権が発足した。

    連立政権は、同年10月20日に「郵政改革の基本方針」を閣議決定し、郵政改革に着手する。同日の西川社長の辞任表明を受け、同年10月28日に元大蔵事務次官(前職:東京金融取引所代表取締役社長)の齋藤次郎氏を社長に選任する等、日本郵政の新経営陣の選任を行った。その後、10月30日に、政府が保有する日本郵政の株式及び日本郵政が保有する金融2社の株式の放出等を禁止する法律を第173回臨時国会に提出、12月4日に成立し、12月31日に施行となった。また、郵政改革に係る措置内容及び新日本郵政株式会社の規律等を規定した郵政改革関連法案(郵政改革法、日本郵政株式会社法及び整備法)は、平成22年4月30日に閣議決定され、同日国会に提出された。

    日本郵政ガバナンス問題調査専門委員会は、上記の経過を踏まえ、西川社長時代の日本郵政において発生した問題について、第三者の立場から、コーポレート・ガバナンス及びコンプライアンスの観点に基づく調査及び検討を行い、その結果を、今後の日本郵政の経営体制及び業務執行の在り方等についての検討に活用することを目的に、総務省が、コーポレート・ガバナンス、コンプライアンスの分野において専門的知識・経験を
    有する弁護士、会計士、経営学者を構成員として設置したものであり、本報告書は、同委員会での議論及び検討の結果を取りまとめたものである。

    当委員会における問題案件の調査は、弁護士7名、総務省郵政行政部担当者、日本郵政及び同グループ会社のコンプライアンス担当者により個別検証チームを構成して、各事案の検証を行い、当委員会の構成員である赤松幸夫弁護士において各検証全体の総括責任者を務める体制で行ったものであり、同検証の結果は、同弁護士による検証総括報告書(別添資料)のとおりである。

    - 3 -

    当委員会における調査及び検討は、決して過去の日本郵政における問題についての責任追及を目的とするものではない。郵政民営化の是非及びその進め方に関しては、様々な立場や意見があるが、政治対立を背景に進められた現在の郵政民営化による経営形態や会社が負う使命の変化が、日本郵政の経営に大きな影響を及ぼしてきたことは否定できない。そうした中で、その時々の国の基本方針に従いつつ、業務の公正と適正を確保するために、日本郵政のガバナンス及びコンプライアンスはいかにあるべきかについて、過去の事案の検証を踏まえて、分析・検討することを目的とするものである。

    なお、本報告書及び別添検証総括報告書は、原口一博総務大臣に提出するとともに、当委員会の構成員に、亀井久興総務省顧問、内藤正光総務副大臣、長谷川憲正総務大臣政務官を加えて開催される日本郵政ガバナンス検証委員会の場に提出し、同委員会における議論の資料とするものである。

    ==================================================================

    第1 基本的視点

    1 郵政民営化の目的
    郵政民営化は、郵政民営化法(平成17年10月21日法律第97号)第1条に規定されているとおり、「民間にゆだねることが可能なものはできる限りこれにゆだねることが、より自由で活力ある経済社会の実現に資することにかんがみ、平成16年9月10日に閣議において決定された郵政民営化の基本方針に則して行われる改革」である。

    当該基本方針では、「明治以来の大改革である郵政民営化は、国民に大きな利益をもたらす。

    ① 郵政公社の4機能(窓口サービス、郵便、郵便貯金、簡易保険)が有する潜在力が十分に発揮され、市場における経営の自由度の拡大を通じて良質で多様なサービスが安い料金で提供可能になり、国民の利便性を最大限に向上させる。
    ② 郵政公社に対する「見えない国民負担」が最小化され、それによって利用可能となる資源を国民経済的な観点から活用することが可能となる。
    ③ 公的部門に流れていた資金を民間部門に流し、国民の貯蓄を経済の活性化につなげることが可能になる。

    こうした国民の利益を実現するため、民営化を進める上での5つの基本原則(活性化原則、整合性原則、利便性原則、資源活用原則、配慮原則)を踏まえ、以下の基本方針に従って、2007年(平成19年)に日本郵政公社を民営化し、移行期を経て、最終的な民営化を実現する。」とされている。

    - 4 -

    基本的な方向性は、郵政公社の4機能(窓口サービス、郵便、郵便貯金、簡易保険)が、民営化を通じてそれぞれの市場に吸収統合され、市場原理の下で自立することをめざすものであり、そのために、①経営の自由度の拡大、②民間とのイコールフッティングの確保、③事業毎の損益の明確化と事業間のリスク遮断の徹底を行う方針が示されている。

    2 日本郵政に求められる業務の適正さ

    日本郵政は、上記のような基本方針で行われてきた郵政民営化によって設立された会社であり、その経営上の意思決定及び業務の遂行が、その基本方針に基づく郵政民営化の目的実現に資するものであることが求められることは言うまでもない。

    しかし、一方で、日本郵政には、株式会社として一般的に求められるガバナンス上及びコンプライアンス上の要請に加えて、国がすべての株式を保有すること、事業の公共性などから、業務執行において効率性、収益性が重要視され、公正性、公平性、透明性が強く求められる。また、資産の活用や処分においても一層の適正さが要請される。これらは、日本郵政の特質に基づくガバナンス上、コンプライアンス上の要請と言うべきであろう。

    民営化に先立って経営委員会によって定められた日本郵政の「グループ経営方針」の中でも、「企業としてのガバナンス、監査・内部統制を確立しコンプライアンスを徹底します」「適切な情報開示、グループ内取引の適正な推進などグループとしての経営の透明性を実現します」とされるなど、上記の各要請は重要な経営方針とされている。

    検証総括報告書によれば、西川社長時代の日本郵政においては、政治情勢の激変の中、「郵政民営化を後戻りさせないように」との意図が背景あるいは誘因となって、拙速に業務執行が行われたことにより多くの問題の発生につながったのではないかと思料されると総括している。しかし、たとえ、上記のようであったとしても国民の財産としての公共性と事業の公的性格に基づく要請に反することは許されないのであり、同社の経営及び業務執行は、ガバナンス上、コンプライアンス上の制約の範囲内で行なわれなければならない。

    そのような制約は、日本郵政の経営及び業務執行の在り方を、郵政民営化法が有している問題を解消する方向、すなわち、旧来の全国の郵便局網を活用し、郵便、郵便貯金、簡易生命保険の基本的なサービスについてのユニバーサル・サービスの提供確保を重視する方向に向けようとする場合においても変わるところはない。

    日本郵政の事業をめぐる環境は、外部要因に強く影響される。そのため、今回の個別検証でも明らかになったが、これまでの日本郵政の経営をみると、その変化を見越し、環境が大きく変化する前に短期的に結果を出そうとして拙速に経営上の意思決定が行われ、事業が遂行される危険性を有しているものと推察される。

    - 5 -

    重要なことは、前経営陣の時代において、政治情勢の変化によって経営の方向性が大きな影響を受け、短期的に一方向に偏った経営及び業務執行が行われた事実があり、今後も同様のリスクが顕在化する可能性があることを踏まえ、経営上の意思決定及び業務執行の適正を確保し得る経営体制や業務遂行の在り方を検討することなのであり、当委員会の使命も、かかる観点から、検証総括報告書における検証結果に基づき、日本郵政のガバナンス及びコンプライアンスの在り方について検討を行うことにある。

    =================================================================

    第2 個別事案検証結果の概要

    個別検証チームによる問題案件の調査結果の概要は、以下のとおりである(詳細は別添検証総括報告書)。

    1 不動産関係

    ⑴ 公社バルク事案
    公社当時のバルク売却方式(「優良物件」と「不良物件」をまとめて売却する方式)による資産売却の事案であり、その後の日本郵政グループの不動産売却の際のガバナンスと関連することから検証の対象としたものである。

    公社当時のバルク売却は、デメリットについての検討が行われた様子もなく、多数の物件を一括してバルク売却したほか、対象物件の鑑定評価についても、同評価額が低くなり、同売却が容易になるような条件付けをしていたなどの問題が認められる。

    ⑵ 「かんぽの宿」等事案
    日本郵政が「かんぽの宿」等の各施設について一括で平成20年12月26日にオリックス不動産との間で事業譲渡契約を締結するなどしたことに関して、以下の点に問題があった。

    ・ サブプライム問題による不動産市況の冷え込み等により、セラーアドバイザー(外国系証券会社)から、再三、処分の「中止・延期」等を選択肢として提言されており、また、処分方法についてのアドバイザーであった日本政策投資銀行から「処分価値の増大」等の観点から個別売却を助言するなどされていたにもかかわらず、早
    期・一括処分が行われた。
    ・ 雇用の確保等が一括処分の主たる理由とされているが、契約上、雇用への配慮が十全になされていたとは認めがたい。
    ・ 譲渡に当たっての鑑定評価についても、実態と異なった前提で鑑定が行われているなどにより、結局、各施設については、鑑定評価の在り方あるいは同評価との関係においてより低価で譲渡されたと言える。
    ・ 本事案についての取締役会に対する報告の際の社外取締役の種々の有益な意見が執行側から無視されている。

    経営判断として、国民共有の財産の処分価格の最大化に対する努力が欠けていた疑いがある上、経営による執行部門への監視・監督に問題があった。また、社外取締役の意見無視というガバナンス上の大きな問題があった。

    - 6 -

    ⑶ 東池袋事案
    平成20年4月以降に郵便局会社所有・都内東池袋所在の土地について信託受益権を設定し、ビルの共同開発を行うにつき、住友不動産株式会社を共同事業者に選定するなどしたことに関して、選定結果自体には特段の問題は認められないものの、同選定の際の土地の試算価格の前提が事実と異なっており、事実に即した鑑定評価による選定が行われていないこと、同選定の責任者は当該コンペに参加していた三井不動産株式会社(以下、「三井不動産」)の出身者であったことなどの点に問題がある。

    業務執行の適正さ並びに国民共有の財産の処分価格の最大化に対する努力に欠けており、客観的公正性・公平性の確保の観点からも問題がある。

    ⑷ 那覇事案
    郵便局会社所有・那覇市内所在の土地を平成20年9月12日にオリックス・アルファ株式会社(以下、「オリックス・アルファ」)に売却するなどしたことに関して、オリックス・アルファに売却したことや同売却価格に特段の問題は認められないものの、同売却を経営会議で決定した当時、価格についての鑑定評価が行われていなかったこと、上記鑑定については、郵便局会社の担当者が日本郵政グループの不動産業務の責任者の日本郵政不動産部長(執行役)に、数回、同鑑定をしたい旨の意見具申をしたが、同部長からその都度却下されていることなどに問題がある。

    経営会議としての業務執行の適正さ並びに国民共有の財産の処分価格の最大化に対する努力が不十分であり、日本郵政グループの不動産業務全般に対する姿勢にも疑念が生じる。

    ⑸ 東山事案
    郵便局会社所有・都内目黒区東山所在の土地の分譲マンション事業につき、平成20年2月以降に三井不動産レジデンシャル株式会社を共同事業者に選定するなどしたことに関して、同選定に当たって土地の鑑定評価を行っていないこと、同選定の責任者は上記選定先と同じ企業グループの三井不動産の出身者であったことなど、東池袋事案と同様のガバナンス上の問題がある。

    - 7 -

    2 JPEX事案

    郵便事業会社と日本通運株式会社(以下、「日通」)の共同出資により、ゆうパック事業とペリカン便事業との統合をめざしてJPエクスプレス株式会社(以下、「JPEX」)が設立されたが、最終的にはゆうパック事業を郵便事業から切り離すことに関して総務省の認可が得られず、事業統合を断念、同社は清算することとなり多額の損失が発生した。その過程において以下のような事実があり、経営判断としての合理性を大きく逸脱していると認められる。

    ・ 両事業の統合については、西川社長において、日本郵政の三井住友銀行出身者に担当させる一方、所要の検討も行わせず、かつ、統合に慎重であった郵便事業会社首脳陣に知らせないまま、平成19年10月5日、日本郵政・日通間の基本合意書を締結した。
    ・ その後、郵便事業会社首脳陣は、統合後のJPEXの事業収支が確定できず、また、いずれにしろ多額の赤字が予想されたことから、直ちに統合を行うことに反対したにもかかわらず、西川社長において、同反対を押し切り、平成20年4月25日、日本郵政・郵便事業会社・日通間の統合基本合意書を締結させた。
    ・ 上記締結により、同年6月2日にJPEXが設立されたが、その後も、郵便事業会社において算出したところでは、JPEXの事業収支は統合後5年度の全てが赤字で、累積にかかる赤字は単独806億円・連結943億円に上ったにも関わらず、西川社長において、郵便事業会社がそのような数字を算出したこと自体を叱責したことから、これを受けて郵便事業会社において統合後4年度目に黒字化するなどの事業収支を提出することを余儀なくされ、その結果として、同年8月28日、郵便事業会社・日通間で統合のための最終契約である株主間契約書が締結された。
    ・ その後、ペリカン便事業については、平成21年4月1日、JPEXに分割承継されたものの、ゆうパック事業については、総務省において、統合による郵便事業への影響等が判断しがたいことなどにより、同事業のJPEXへの分割承継を認可しなかったことから、郵便事業会社は、同年11月26日以降、JPEX事業の見直しを決定し、現状、平成22年7月のJPEX解散、同会社資産の郵便事業会社への承継を予定しているが、同解散時点での累積損失額の合計は983億円(平成22年2月 平成22事業年度事業計画認可申請時点の見込み額)と見込まれ、今のところでは、そのうち900億円前後は郵便事業会社が負担することになると思われる。
    ・ 上記株主間契約書締結についての日本郵政取締役会への報告の際の社外取締役の種々の有益な意見が執行側から無視された。

    - 8 -

    3 クレジット事案

    平成19年4月6日にゆうちょ銀行の発行するクレジットカードの業務委託先の一つとして三井住友カード株式会社(以下、「三井住友カード」)を選定するなどしたことに関し、業務委託先の選定担当者の最上位者は三井住友カード出身者(同会社の代表取締役副社長等を歴任)であったこと、同選定の際のコンペ各参加者の提案について、収支シミュレーションやシステムコスト(単価)の完全な比較が行われていないことなどの事実が認められ、業務の公正さ、手続の適正さに問題がある。

    4 責任代理店事案

    日本郵政グループの広告代理店の一元化のため、平成19年12月17日に広告責任代理店として株式会社博報堂(以下、「博報堂」)を選定し、グループ全体の広告が同社に発注されることになった。このような広告代理店の一元化の方針については、これが同グループ全体の広告宣伝に関わる重要事項であるにも関わらず、稟議決裁などが行われた形跡がなく、事実上、日本郵政の三井住友銀行出身の事務方幹部におい
    て決定したかのようであることに加え、以下のような事実があり、手続の適正性・透明性並びに公正性・公平性の欠如、経営判断の在り方の問題、コンプライアンス関連の問題などが認められる。

    ・ 同一元化の方針決定により、その後、博報堂が広告責任代理店に選定されるについては、アドバイザーなどとして博報堂出身者が関与している一方、博報堂への一元化に対する各事業会社の反対意見が考慮されていない。
    ・ 株式会社博報堂エルグ(以下、「エルグ」)問題の報道(平成20年11月8日)以後、郵便事業会社による親会社博報堂に対する損害賠償請求、エルグ役員の逮捕・起訴、博報堂による日本郵政グループへの一般競争入札参加自粛通知などのことがあり、その間、各事業会社から対応についての問い合わせなどがあったにも関わらず、日本郵政は、各事業会社の博報堂に対する随意契約による発注を継続させ、総務大臣による批判、総務省からの報告徴求の翌日(平成21年6月4日)に至って、ようやく博報堂を責任代理店とすることを取りやめた。
    ・ 日本郵政の上記事務方幹部は、博報堂関係者からの飲食等の接待を受け、その上司(博報堂選定の稟議決裁者)においても同接待を受けていたものと思われる。

    5 ザ・アール事案

    株式会社ザ・アール(以下、「ザ・アール」)の代表取締役社長が平成18年1月23日設立の日本郵政の社外取締役となって以降、平成19年10月1日の郵政民営化までに公社とザ・アールとの間で研修委託等についての契約が締結されていた。同社長の同社外取締役就任後に公社とザ・アールとの契約件数が著しく多くなっており(同就任前の2年度が合計13件に対し上記の1年9か月間は合計27件)、また、上記の間の西川社長の公社総裁兼務(平成19年4月1日)以降も新たに公社とザ・アールとの間に契約(3件)が締結されている事実が認められる。

    公社と日本郵政が法人格として別異であるなどというのは、単なる形式論であって、利益相反取引の趣旨あるいは客観的な公正性の確保等の観点から重大な問題がある。

    - 9 -

    6 西川社長時代の日本郵政の経営体制

    ⑴ 取締役会の実情

    平成18年1月23日に準備企画会社として設立された当時の日本郵政は、委員会設置会社ではなかった。委員会設置会社でない場合の取締役会の職務は、会社の業務執行の決定と取締役の職務の執行の監督等である。取締役の職務の執行の監査は監査役が行う。当時の日本郵政の取締役会は、西川社長ら3名の代表取締役、4名程の取締役、5名の社外取締役で構成されていた。

    これに対し、民営化後の日本郵政は委員会設置会社とされた。委員会設置会社では、業務の執行と監督が分離されており、業務の執行は取締役ではなく執行役が行う。取締役会の職務は、経営の基本方針の決定、執行役等の職務の執行の監督等に限定され、執行役の意思決定の範囲が広い。監査役は置かれず、取締役の一部で構成される監査委員会がその役割を果たす。民営化当初の日本郵政の取締役会は、西川社長ら2名の取締役兼代表執行役、8名の社外取締役で構成されていた。

    民営化以後、どのような事項を取締役会の議題とするか、議題を決議事項とするか報告事項とするかは、事実上、代表執行役以下の各執行役の決定にかかっていた。

    本各事案のうちで取締役会の議題となったことがあるのは、かんぽの宿を含む一部不動産関係、JPEX事案、ザ・アール事案のみであり、決議事項であったのは、総務大臣への認可申請との関連でのかんぽの宿等事案のみであった。

    民営化以後の取締役会における執行役達による議題についての説明は、専ら当該議題に係る事案についての執行側の決定等を是とする理由を述べるに過ぎず、その際の説明資料の内容も概要説明にとどまり、当該事案についての稟議書類の添付もないものであった。さらに、取締役会は月に1回、概ね2時間程度のものであったから、社外取締役としては、当該事案の内容を具体的に把握し、問題点等を認識・理解することはできないのが実情であった。

    また、それでも取締役会では各社外取締役により相応の意見も出されていたが、これに対する執行側の対応・姿勢は、それを真摯に傾聴するといったものではなく、既存の執行側の決定等の理由・合理性等を述べるに過ぎないものであった。

    取締役会の議事録は、平成21年2月までは、議題について「承認可決した」、「報告があった」と記載するだけで、社外取締役による質疑あるいは意見等についての記載は一切されなかった。これは、各社外取締役から、議事録関係を所管する経営企画部担当者に対して注意していたにもかかわらず継続されていたものである。

    以上のように、本各事案当時の日本郵政にあっては、本来は経営の基本方針を決定するだけではなく、執行役等の職務の執行の監督等を職務とする取締役会が、特にその後者の職務との関係で文字通り形骸化していた。

    - 10 -

    ⑵ 執行側の実情

    日本郵政には、具体的な個別重要案件の社長による稟議決裁のいわば前提として、同各案件の協議等を行うことを目的に、西川社長らの代表執行役とその指名に係る執行役によって構成される経営会議が設置されていた。

    同会議においては、個別重要案件が協議の対象となってはいたが、同会議は、出席者全員の間で可否等を忌憚なく協議する場というよりも、代表執行役及び事実上の経営中枢であったとも認められる経営企画部門のA専務などと、事案の担当執行役及びその下の事務方との間の説明あるいは質疑応答の場であった。したがって、経営会議は、その場の出席者全員の協議により個別重要案件の方向・方針などが現に協議・検討されるというほど議論活発なものではなかった。

    結局、当時の日本郵政の執行側すなわち経営の重心は、経営会議ではなく、西川社長及びその下の三井住友銀行出身者、特に「4人組」と称されているA専務(執行役)ら4人の者あたりにあったと認められる。

    そして、このように日本郵政の経営の重心が極端に三井住友銀行出身者に傾いた理由としては、同銀行出身者を重用した西川社長の人事手法にも一つの原因があったと考えられる。

    =======================================================================

    第3 西川社長時代の日本郵政のガバナンス及びコンプライアンス上の問題

    1 問題の整理
    西川社長時代の日本郵政に関して発生した問題は、実損害の発生、又は発生の可能性という側面と業務執行の手続きの公正さ、適正さという側面の二つに整理することができる。

    会社の実損害の面での最大の問題は、郵便事業会社と日通の共同出資によって新会社が設立され、日通のペリカン便の宅配便事業を開始したが、結局、事業が中止され900億円前後もの膨大な損失の発生が見込まれているJPEX事案であり、年間50億円もの業務委託手数料の相当性に疑問の余地があるクレジット事案についても、会社の実損害が発生した可能性がある。また、かんぽの宿問題では、会社に実損害を発生させるような売却が行われようとしていることが社会的な問題となり、売却は中止された。

    一方、業務執行の手続きの公正さ、適正さという面で大きな問題があるのは、コンペによる業務委託先の選定担当者中の高位の者に、選定されたカード会社の出身者や同社のカードの発注先の印刷会社出身者が含まれていたクレジット事案、広告代理店の一元化後の責任代理店の選定の過程に選定された広告代理店の出身者が関与していた責任代理店事案、民営化直前の準備企画段階の日本郵政の社外取締役が代表取締役を務める会社と日本郵政公社との間で研修委託等の契約が締結されていたことに関して実質的な利益相反の疑いがあるザ・アール事案である。また、東池袋事案、東山事案、那覇事案では、鑑定評価が適切に行われておらず、このうち前2者については、共同事業者の選定の責任者がコンペに参加した企業と同じグループに属する企業の出身者であったことも問題として指摘されている。

    - 11 -

    2 拙速な事業遂行の背景
    検証総括報告書は、これらの問題が発生したことに関して、郵政民営化及び日本郵政の事業遂行において迅速性が自己目的化し、民営化の一つの重要な目的である収益性がないがしろにされていたこと、日本郵政が委員会設置会社であった上に、執行側の対応によって、取締役会の執行に対する監督等の機能が働かない実情にあったこと、郵政民営化と分社化を急ぎ同時並行させたために内部統制も極めて弱体であったこと、
    日本郵政の人的構成が特殊であったことなどの問題が有機的に絡みあって種々のガバナンス上の問題を生じたと指摘している。

    そして、その背景に関して、「郵政民営化を後戻りできないようにする」との意思が背景あるいは誘因となり、収益性を犠牲にしてまで早期に資産を他に譲渡してしまう、あるいはグループ会社の事業を法的に後戻りできない形で他の企業の事業と合体させるというような拙速な事業遂行につながったのではないかとの見方が示されている。

    3 問題の本質
    西川社長時代の日本郵政に多くの問題が表面化することにより、多額の損失が発生し、社会的信頼が損なわれる背景あるいは誘因になったと思料される「郵政民営化を後戻りできないようにする」とのインセンティブはなぜ生じたのか。

    その背景には、日本郵政の設立目的であった郵政民営化という政策をめぐる政治的対立が影響していたのではないかとも考えられる。

    既に述べたように、郵政民営化は、小泉政権発足後、小泉首相の強烈なリーダーシップで進められてきたが、これには与党の自民党内部においても強い反対意見があり、郵政民営化法案の国会での採決にも多数の造反者が出るなどした。それに対して、小泉首相は衆議院を解散し、郵政民営化の是非について民意を問うという強硬手段に出て選挙に圧勝し、反対派議員を抑え込んだが、その過程で自民党からの離党者も多数
    出るなど、政治対立は決して終息したわけではなかった。そして、翌19年7月の参議院議員選挙では与党自民党が惨敗、参議院では与野党が逆転し、民主党や郵政民営化に反対する議員によって結成された国民新党が自民党政権に対抗という「ねじれ現象」が生じるに至った。

    日本郵政公社の廃止に伴う郵政事業の民営化が実現した時期は、参議院での与野党逆転によって政治情勢が混とんとなり、郵政民営化を推進する政治的求心力が失われつつある状況であった。そのような背景により「郵政民営化を後戻りさせないこと」が至上命題となり、日本郵政の経営及び業務執行が行われたのではないかと推察される。

    他方、政権交代後、日本郵政の在り方について、それまでの分社化推進に偏った郵政民営化から、郵政事業の公共性・公益性や、郵便、貯金、保険という基本的サービスを国民に広く提供することを重視する方向で郵政事業の抜本的見直し(郵政改革)が行われているところである。

    しかし、郵政事業は国民生活に密接に関係し、また、事業の在り方は経済システムの選択にも深く関わるものであることから、今後も日本郵政を取り巻く情勢の変化が経営及び業務執行に影響を与える可能性も否定できない。

    このような日本郵政の経営の特質と想定されるリスクを踏まえて、経営体制の検討、ガバナンス、コンプライアンスを確保するための方策の検討を行う必要がある。

    - 12 -

    4 西川社長時代の経営体制及びコンプライアンス上の問題点
    西川社長時代の日本郵政において、拙速な事業遂行によって多くの問題が発生した原因に関して重要なのは、委員会設置会社というガバナンス形態が有する特質に係る制度的問題、利益相反に関連するコンプライアンス上の問題、そして、認可権を持つ総務省との関係に関する問題である。

    ⑴ 経営体制の問題
    西川社長時代の経営体制の最大の問題は、委員会設置会社というガバナンス形態が有する特質に係る制度的問題にあったと考えられる。そもそも委員会設置会社は、本来的には、株主の代表としての社外取締役を通して、市場からの監視機能が働くことを前提とするガバナンス形態である。ところが、民営化時も現在も日本郵政は国が全株式を保有しており、市場からの監視は働かない。このような会社においては、経営の基本方針の決定を取締役会の主たる任務とする「委員会設置会社」というガバナンス形態の下では、社外取締役による監督機能には一定の限界があり、更に、検証総括報告書で述べられているように、民営化後の日本郵政は取締役会及び監査委員会の執行側に対する監視・監督が十分には機能せず、執行側の業務すなわち
    具体的な事案についての決定・遂行等については、恣意的な業務執行を抑制する内部統制上のメカニズムも働かず、西川社長の人事手法とも相まって、三井住友銀行出身者を中心とした執行役達の経営に対する支配力の極大化が抑制できなかったことも、委員会設置会社というガバナンス形態が有する特質に係る制度的問題によるところが大きかったと考えられる。

    郵政民営化の段階で、早期に株式を市場に売却することが予定されていたことから、株式売却後を見据えたガバナンス形態として、「前のめりに」委員会設置会社というガバナンス形態を選択したというのが実情ではなかったかと思われるが、それが、株式売却の前に日本郵政の経営及び業務執行に関して多くの問題を発生させ
    る結果になったものと推察される。

    - 13 -

    ⑵ コンプライアンスに関する問題
    当委員会の調査対象とした西川社長時代の日本郵政の個別事案に関して、手続きの公正さ、適正さというコンプライアンスの観点から指摘すべき重要な問題は、「実質的利益相反」である。

    三井住友カードの選定に関して、コンペによる業務委託先の選定担当者中の高位の者に、選定されたカード会社の出身者等が含まれていた問題、広告代理店の一元化後の責任代理店の選定の過程に、選定された広告代理店の出身者が関与していた問題などは、選定の公正さに重大な疑念を生じさせかねないものであった。

    単に過去に所属していた「出身」の会社の問題であって、選定対象の会社と直接の関係はないというのは形式論理に過ぎない。程度の差はあれ「出身」の会社とは何らかの関係が継続していると考えるのが世間一般の受け止め方であり、それがコンペによる選定の公正さに疑念を生じさせることとなる。

    また、民営化直前の準備企画段階の日本郵政の社外取締役が代表取締役を務める会社と日本郵政公社との間で研修委託等の契約が締結されていたのも、準備企画会社がそのまま日本郵政となり、一方で、日本郵政公社との契約がそのまま日本郵政に引き継がれることを考えれば、実質的には取締役の自己取引に近いものである。

    これらは形式的には法令や内規に違反するものではないが、実質的な利益相反という観点からは、手続きの公正さに重大な問題がある。形式的な「法令遵守」の観点にこだわり、このような実質的な利益相反について問題意識が欠落していたところに、日本郵政をめぐるコンプライアンスの最大の問題がある。

    巨大な官営事業を民営化していくためには、民間会社での業務に関する経験豊富な人材を活用することが不可欠である。しかし、一方で、そのような人材が出身企業等との利害関係のある業務遂行に関わることは、公正な業務執行を阻害したり、その疑念を生じさせることになりかねない。

    今回の検証で明らかになった個別事案に照らしても、民間企業での知識・経験を有する人材の活用と、それによる実質的利益相反の防止という二つの要請にいかにバランス良く応えていくのか、日本郵政のコンプライアンスにとって困難な課題である。

    実質的利益相反が疑われる可能性が少しでもあれば、当該民間企業出身者を業務に関与させない、という消極的な対応ばかりでは、民間企業出身者の人材の経験・ノウハウを十分に活用することはできない。その場合には、稟議決裁、モニタリング等の手続によっていかにして公正さを担保するかが重要となる。検証総括報告書でも述べられているように、上記個別事案では、利益相反の疑いがある当事者企業の出身者が業務に関わったことだけではなく、そのような手続面での公正さの担保ができていなかったことに問題があったのである。

    また、検証総括報告書では、責任代理店事案に関して、代理店選定に関わった日本郵政の役職員が、選定された広告代理店から接待を受けていた事実が指摘されている。関係者の非協力により、接待の事実の全貌は明らかになっていないが、日本郵政から同広告代理店に対して平成20年度に223億円にも上る発注が行われていたことを考えれば、日本郵政の役職員を「みなし公務員」としている法の趣旨に照らし、コンプライアンス上問題があったと言わざるを得ない。

    当時の日本郵政においても、行動憲章、コンプライアンス基本方針が定められ、コンプライアンス委員会、内部通報窓口なども設置されるなど、一般的な観点からは、コンプライアンスに対してそれなりの取組みが行われていた。しかし、それが、単なる「法令規則」の遵守にとどまり、コンプライアンスを実質的に確保するための体制が確保されていなかったところに根本的な問題があったと言うべきであろう。

    - 14 -

    ⑶ 総務省による認可との関係
    民間株式会社とは言え、すべての株式を国が保有している日本郵政の場合、市場からの監視は働かず、国が株主権を行使して経営に介入することもない。それに代わる機能を果たすものとして監督官庁としての総務省の存在が考えられるが、毎年度の事業計画や重要事項については認可申請が義務付けられているとは言え、特に客観的に明らかな問題でも発生しない限り、日本郵政の日々の経営あるいは業務遂行について総務省が介入することはないものであった。

    JPEX事案において、事業統合計画の失敗が決定的となったのは、平成21年に入ってから、総務省がゆうパック事業の統合について難色を示し、結局、JPEXへの出資及び準備活動のみ認可し、ゆうパック事業の統合自体は認可しなかったからである。郵便事業への収支・業務面への影響が判断できないことなどを理由に
    事業統合を認可しなかった総務省の判断自体は適切だったと思われるが、そうであれば、もっと早い段階で、日本郵政の側のJPEX設立によるゆうパックとペリカン便の事業統合の動きに対して監督官庁としての対応することができなかったのかが問題となる。

    この点に関し、郵便事業会社と日通との間で株主間契約が締結され、郵便事業会社が事業統合に向けての契約上の義務を負うことになる段階で、その点について総務省に報告が行われていれば、JPEXをめぐって日本郵政グループに多額の損失が生じることも防止できた可能性がある。

    民営化の途上にあり、国が株式すべてを保有する非公開会社という現状にある日本郵政に対しては、市場からの監視が期待できない状況にある。このような状況下では、実質的な会社の所有者である国民の利益を守る観点からも、監督官庁としての総務省の重要な事業の計画やその遂行の過程に対する監督は、日本郵政のガバナンスを補完するという一つの機能として運用される必要があると考えられる。

    - 15 -

    =================================================================

    第4 日本郵政のガバナンス及びコンプライアンスの現状と問題点
    1 経営体制と取締役会の機能
    民営化後の日本郵政の経営体制は、社外取締役中心の取締役会が執行役を監督する委員会設置会社とされていたにもかかわらず、取締役会には重要事項の報告が十分ではなく、また、取締役と執行役の兼任が社長と副社長の2名で、取締役会と経営会議との接点が限られていたこともあって、取締役会での議論が業務執行に反映されず、西川社長以下執行部の独断専行を招いた。

    政権交代後、西川社長が辞任し、齋藤社長となった後も、日本郵政の経営体制は委員会設置会社のままであるが、西川社長時代の平成20年12月末の時点では取締役が9名、うち7名が社外取締役であったのに対して、平成22年4月1日現在では取締役は18名、そのうち13名が社外取締役となっている。以前は、経営会議と取締役会の両方のメンバーとなっていたのは社長・副社長の2名だけだったが、現在は、社長・副社長の計5名が取締役と執行役を兼任し両方のメンバーになっている。

    日本郵政から当委員会への報告によると、取締役会の決議事項は経営の基本方針の決定のみであるが、監督官庁への報告内容のうち重要なものも新たに決議又は報告の対象とされた。また、社外取締役のうちの1名を会長とし、経営会議に付議した案件を全件報告している。取締役会議事録は、従来は結果のみの記載であったが、質疑応答まで含めたものとなっている。

    このように現在の日本郵政は、西川社長時代と比較すると、執行役と兼任の常勤取締役が5名となり取締役会と経営会議との接点が拡大され、取締役会での議論が業務執行に反映されやすくなったこと、取締役会への決議又は報告事項の範囲が拡大されていること、取締役会議事録の記載事項に質疑応答が含まれるようになったことなど、取締役会の監督機能の強化が図られていることは伺われる。

    しかし、現在の日本郵政においても維持されている委員会設置会社というガバナンス形態は、迅速かつ機動的な意思決定による事業運営が可能となるというメリットがある一方、前経営陣の時のような不適切な運営を行う場合には、取締役会の形骸化等により執行役の独断専行を招くというリスクがあることも否定できない。

    特に、政権交代後の郵政民営化の見直しにより、日本郵政の株式売却は民営化当初に予定していた上場スケジュールから遅れる可能性もあることを考慮すると、本来は株主の代表としての社外取締役を通して市場からの監視機能が働くことを前提とする委員会設置会社というガバナンス形態自体の採用の適否や、その形態を継続する場合には、適切な運営の在り方等について、十分に検討しなければならない。あるいは、非公開会社の時代には、それに適したガバナンス形態である監査役会設置会社という仕組みの活用の検討も選択肢の一つである。以上のように、取締役会の意思決定及び監視機能がより一層働くよう、広い視点からのガバナンスの改善の検討を行うことが必要であろう。

    西川社長の辞任後に、新経営陣として社外取締役が13名に増員されている。これは、日本郵政の事業の在り方や経営の方向性をめぐって意見対立がある中で、様々な立場の社外者の意見を経営の基本方針の決定に反映させることに関しては正しい方向と言える。

    しかし一方で、会社のガバナンスの一環として、会社の機関としての取締役会の監督機能を十分に果たすための仕組みとしては、これだけでは十分とは言えない。特に、極めて公共性・公益性が高い日本郵政の事業を適正に運営していくためには、業務の実情に精通している取締役による監督機能を十分に発揮できる仕組みを検討することが望まれる。

    現在、政府部内で検討が進められている郵政改革法案は、今国会に提出が予定されている。その内容は、グループの5分社化体制を見直し、日本郵政(持株会社)と郵便事業会社、郵便局会社の3社を統合、その下にゆうちょ銀行とかんぽ生命保険を置く体制となっている。そのような体制になった場合には、新日本郵政の業務範囲には、従来の持株会社としての業務に事業会社2社の業務が加わることになり、取締役会の審議事項もさらに膨大なものとなる。このような状況にも対応し得るよう取締役会の監督機能を強化する仕組みを、今後十分検討をすることが必要となろう。

    例えば、多数の社外者の意見を経営の基本方針の決定に反映させるのであれば、むしろ、会社の機関として監督機能を果たす取締役会とは切り離し、サービスや経営の重要事項を検討する別個の組織にすることも一つの方法であろうと考えられる。

    - 16 -

    2 コンプライアンスへの取組み
    既に述べたコンプライアンス委員会、内部通報窓口の設置のほか、コンプライアンスに関連する各種規程が整備されるなど、日本郵政のコンプライアンスへの取組みは、着実に進んでいるように思える。問題として指摘した利益相反に関しても、平成20年6月に「利益相反管理規程」が設けられるなど、具体的な取組みが行われている。

    しかし、このような日本郵政のコンプライアンスへの取組みが、今回の調査の対象とした個別事案のような国民の信頼を損ないかねない問題発生の防止のために十分なものかどうかは疑問である。

    今回の検証で明らかになったように、前経営陣の時代には、政治情勢の変化によって経営の方向性が大きな影響を受けたこと、さらには、多種多様な事業の中で、競争原理の徹底による業務の効率化、多様なサービスの提供とユニバーサル・サービスの確保という相矛盾する要請に応えなければならない日本郵政は、明文化された法令・規則を単に「遵守」するという狭い意味のコンプライアンス、すなわち、組織の外形を整え、規程を整備し、法令・規則の網を広げて、「遵守」を押し付けるというだけの「法令遵守」としてのコンプライアンスが適合しない組織の典型である。それを「社会の要請に応えること」ととらえ、複雑・多様な社会の要請に実質的に応えるという観点から、組織の活動や業務の公正さ、適正さを確保するという観点が必要となる。

    現在の利益相反管理規程も、外形的に利益相反に当たる行為を禁止しているものに過ぎず、クレジット事案など個別事案における利益相反的行為のように内規には違反しないが実質的な公正さ、適正さの面で問題がある行為に対して適用されるものではない。前に述べたように、民間企業出身者の経験・ノウハウを広く活用しようと思えば、実質的な利益相反の問題はあらゆる場面で生じ得るのであり、その場合にも実質的な公正さを担保するために、単に関連規程を整備して形式的に「遵守」を求めるのではなく、個別の事例ごとに実情に応じて、公正さ、適正さを確保するための透明な手続きの在り方を検討すべきである。

    「コンプライアンス委員会」も、法令・規則違反に該当する疑いのあるコンプライアンス違反事例について事後的に違法性を判断するだけではなく、手続面も含めた公正さ、適正さを評価・検討することを通して、実質的なコンプライアンスの確保を図る役割を担う組織にすべきであり、そのためには、現在のように経営陣の諮問機関的な社内組織ではなく、第三者の有識者も含め社会的視点からコンプライアンス面の判断を行える組織として位置づけを高めるべきであろう。

    また、コンプライアンス委員会に第三者を加えて位置づけを高めるのに伴って、職員レベルのコンプライアンス問題についてだけではなく、経営陣に対しても企業倫理、社会的責任等の観点から意見を述べる役割を担うべきであろう。

    - 17 -

    3 総務省による認可及び監督
    総務省による認可及び監督の現状は、西川社長時代と大きく異なるところはない。

    郵政民営化の趣旨からは、日本郵政の経営に対する監督官庁の介入は最小限のものにすることが望ましい。しかし、日本郵政では、民営化後これまでに今回の個別検証の対象とした多くの問題が発生し、今後も、そのような業務執行上の問題が発生しやすい環境にあることは、既に述べてきたとおりであり、これに対するガバナンス、コンプライアンスの機能が十分に期待できるかと言うと、現状は必ずしもそうとは言えないことは、上記のとおりである。

    これに対して、民間会社となった日本郵政の株式はすべて国が保有しており、日本郵政の実質的所有者は国民であるが、財務省が管理する株式に基づいて株主権を行使することは事実上困難であり、株主である国の側の日本郵政に対する関与の唯一の手段は事業計画等の認可権を有する総務省による監督である。

    少なくとも、国がすべての株式を保有している状況においては、株主たる国民の利益を図る観点からも、JPEXに関する郵便事業会社と日通との株主間契約のような会社が負う責務遂行や経営に重大な影響を生じる事項については、事業計画への記載等を通して、事業をめぐるリスクを早期に把握して対応をとることを可能にする必要がある。

    - 18 -

    =====================================================================

    第5 日本郵政のガバナンス及びコンプライアンスに関する提言

    1 日本郵政のガバナンス形態の在り方についての再検討委員会設置会社は、執行役への権限委譲により、迅速かつ機動的な事業運営が可能となるが、一方で、市場からの監視機能や取締役会の強力な監督機能の発揮が求められるガバナンス形態である。日本郵政は、公共性・公益性の高さや、民営化の途上にあって、国がすべての株式を保有する非公開会社であるという現状を踏まえ、委員会設置会社の採用の適否の検討や、委員会設置会社というガバナンス形態を今後も継続する場合には、その適切な運営を図る観点から、監督機能が不十分とならないよう、ガバナンス体制の更なる充実のための措置を講じることが必要である。

    2 社外者による「経営諮問委員会(仮称)」の設置
    日本郵政が委員会設置会社とは異なるガバナンス形態を採用する場合には、社外取締役中心の取締役会に代わって、多様な立場の意見をサービスと経営の在り方に反映させるための機関として、様々な分野・立場の社外者による諮問機関としての「経営諮問委員会(仮称)」を設置することも検討することが必要である。同委員会では、国民の意思等を勘案しながら、物流や金融市場等の動向も踏まえ、ユニバーサル・サービスの維持の観点から、サービスや経営の重要事項について検討し、経営陣に意見を述べるとともに、業務に支障がない範囲で議論の状況を公開する。

    3 総務省による監督の見直し
    総務省の認可の対象となる毎年度の事業計画の中に、経営に重大な影響を及ぼす可能性のある事項を、公表の時期にも勘案しつつ、網羅的に記載すること等、総務省としては、認可が適切に行使できるような運用を図るとともに、日本郵政においても、事業計画の変更が必要な場合には適時に変更認可申請を行うことが必要である。

    4 コンプライアンスの抜本的見直し
    コンプライアンスの基本的な考え方を、単なる法令・規則の遵守ではなく、法令・規則をベースにしつつ、日本郵政の事業と業務の公共的特性に応じて実質的に公正、公平性、透明性等を担保する趣旨に転換し、関連規程と社内組織の見直しを行う。

    5 コンプライアンス委員会の機能強化
    コンプライアンス委員会を、単なる法令・規則の遵守の観点だけではなく、手続面も含めて業務の公正さ、適正さを評価・検討する機関としても位置づける。内規に直接違反するものではないが実質的に利益相反の疑いがある事例などについては、同委員会の事前承認等によって公正さを担保する。」

    Gekkan Nippon June issue

    月刊日本の巻頭言が、ブログに出ているので、そのリンク先を紹介する。

    http://gekkan-nippon.at.webry.info/201006/article_1.html

    「鳩山総理がついに辞任しました。現在発売号で鳩山・小沢引退勧告を掲載しましたが、以下に貼り付けます。

    緊急提言

     鳩山総理と小沢幹事長に告ぐ!
       潔く政界から引退すべし

               『月刊日本』主幹 南丘喜八郎

    日本国を亡国の渕に立たせた民主党政権

    「天下の大患は、其の大患たる所以を知らざるに在り。苟も大患の大患たる所以を知らば、寧んぞ之れが計を為さざるを得んや。当今天下の亡びんこと巳に決せり。其の患復た此れより大なるものあらんや」

     吉田松陰は、江戸伝馬獄で斬首される前年の安政五年正月五日、「狂夫の言」の冒頭にこう記した。
     幕末、西欧列強が我が国の植民地化を虎視眈々と窺い、黒船が頻繁に我が国境を侵しつつあった時、我が国の指導者は明確な国家戦略も、リーダーシップも示し得なかった。国内は攘夷か開国かを巡って、糸の如く乱れ、右往左往、尊王佐幕の殺戮のなかで、我が国は亡国に危機に直面していた。
     前年まで長州萩の野山獄中にあった吉田松陰は、「このまま無為無策を重ねれば、日本国が滅亡への道を歩むこと必然だ」と、為す術を知らず躊躇逡巡し、国家を滅亡の渕に立たせた為政者を厳しく叱正したのだ。
     この幕末の危機から百五十年余が経つ。
     昨夏の総選挙で政権交代を果たした鳩山政権だが、亡国的な外国人参政権付与、夫婦別姓を掲げ、財源無視の子供手当て、高速道路無料化問題などで迷走しただけではない。鳩山首相は普天間基地移転問題を巡って虚言を繰り返し、沖縄県民を始め国民を愚弄し、米国や周辺諸国の嘲笑を受ける不見識と混乱を内外に晒した。
     これを「大患」と言わずして何を大患と言うのか。
     しかも、鳩山首相も小沢幹事長も「大患たる所以を知らざる」が故に、国政は混迷の度を深め、亡国の危機すら招いているのだ。
     私はこの現状を深く憂う。
     こうした亡国的な危機状況を招いた民主党政権の責任は万死に値する。鳩山首相と小沢幹事長は、政権交代にかけた国民の期待を裏切り、昨年から「政治とカネ」にまつわる疑惑の隠蔽工作に汲々とし続けた。さらに民主党が昨夏の総選挙の際に掲げたマニュフェストが“壮大なる嘘”であることが鮮明になるなど、国民の政治に対する信頼は地に墜ちた。
     しかも、両氏の発言から判断する限り、彼らには亡国に危機に瀕する我が国の将来を憂う一片の赤誠すらない。彼らの眼には貧困に喘ぐ民、崩壊に直面する地方共同体の姿は映じていないと断ぜざるを得ない。只管、権力にしがみつく醜態のみが国民の眼に映じるばかりだ。

      権門上に傲れども/国を憂うる誠なし
      財閥富を誇れども/社稷を思う心なし

     これは、五・一五事件の首謀者である三上卓の作詞した 「青年日本の歌」だが、権力に傲る政治家に国を憂うる誠はなく、富の増殖に専念する財界人には国民の生活を慮る心がないのは、現在も同じである。醜悪な政党間の駆引きと闘争ばかりが続いた結果、戦前の政党政治は脆くも崩れた。与野党の政治家は、こうした歴史に学ぶべきではないのか。
     M・ヴェーバーは『職業としての政治』で、「政治にタッチする人間は、権力の中に身を潜めている悪魔の力と手を結ぶものである」と喝破している。しかし、鳩山、小沢両氏は政治家として、国家百年の大計を実現するためにではなく、権力自体の追求と私財蓄積のため、悪魔と手を結んでしまったと断ぜざるを得ない。
     私が鳩山、小沢両氏に敢えて政界引退を勧告する所以である。
     以下、私の所信を述べる。

    対米自立・独立自尊は国民の声だ
     吉田松陰は斬首される半年前の安政六年四月、友人宛ての手紙にこう書いた。
    「墨夷もし徳川を滅せず深く援救して兵機糧食等を与へ属国とする時は座ながら滅する道理なり」
    「独立不羈三千年来の大日本、一朝人の羈縛を受くること、血性ある者視るに忍ぶべけんや。今の幕府も諸侯も最早酔人なれば扶持の術なし。草莽崛起の人を望む外頼なし」
     松陰の「墨夷もし援救して兵機糧食等を与へ」との指摘を現今の状況に照らせば、戦後一貫して米国の属国の地位に甘んじ、「座ながら滅」してしまったこと歴然である。
     我が国は戦後、米国製の憲法を戴き、食糧危機に際して米国から食糧援助を受け、片務的安保条約により米国の陸海空軍を全土にわたって駐留させて、今日に至っている。まさに松陰の言う如く、墨夷から「兵糧食」を与えられ、属国化したのだ。加えて、小泉政権に至っては米国の年次改革要望書を全面的に受入れ、郵政民営化と称し、日本の国富を米国に売り渡そうと目論んだ。
     平成九年、私は『月刊日本』の創刊の辞でこう書いた。
    「わが国は先の大戦から半世紀の間、冷戦構造という世界秩序の中でアメリカという超大国の庇護のもと、経済活動のみに専念してきました。そこには日本独自の外交・安全保障政策は不要でした。否、邪魔ですらありました。
     したがって、国家の基本法である憲法、民族共同体としての核である歴史観も、すべて外国製という異常な事態が続いていたのです」
     以来十三年余、『月刊日本』は日本国の自立・再生を、草莽崛起を期す方々に訴え続けてきた。
     松陰が「今の幕府も諸侯も最早酔人なれば扶持の術なし。草莽崛起の人を望む外頼なし」と書いたが、昨夏の総選挙で草莽の民たる有権者は「自立・自尊」の日本国再建を願って、「最早酔人たる」対米従属の自民党に見切りをつけ、たとえ経験不足であるとしても民主党を大勝させたのだ。



    小沢幹事長にとって普天間問題は他人事

     民主党は昨夏の総選挙で「日米対等」を掲げ、民主党政策集「INDEX 2009」で、国民にこう約束した。
    「日米両国の対等な相互信頼関係を築き、新時代の日米同盟を確立します。そのために、主体的な外交戦略を構築し、日本の主張を明確にします。率直に対話を行い、対等なパートナーシップを築いていきます。同時に国際社会において、米国と役割を分担しながら、その責任を積極的に果たしていきます。日米地位協定の改定を提起し、米軍再編や在日米軍基地の在り方等についても引き続き見直しを進めます」
     小泉政権の推進した郵政民営化が、我が国の国富を奪取せんとする米国の謀略だったことに気付いた国民は、もう米国の属国に甘んじる訳にはいかないと腹を括った。
     民主党の「日米両国の対等な相互信頼関係を築き、新時代の日米同盟を確立します」との主張に、国民が期待し、日米の対等な関係の構築に望みを託したのだ。
     これが昨夏の衆院選挙における民主党大勝、自民党大敗北の真の背景なのである。
     しかし、昨夏の総選挙で示された「対米従属からの脱却」という国民の心底からの叫びを、鳩山首相も小沢幹事長も残念ながら全く認識しようとしなかった。
     就任直後、鳩山首相は普天間基地移転問題では「少なくとも県外移設」と宣言したが、その後、閣内からは米軍嘉手納基地への統合案(岡田外相)、沖縄・伊江島案(平野官房長官)、グアム移転(福島消費者少子化担当相)等が次々に出され、最終的には鹿児島県・徳之島への移設へと、大揺れに揺れた。こうして普天間問題での政権の迷走は内閣支持率を急速に低下させ、遂には与党内からも公然と鳩山退陣説まで囁かれる事態になった。
     しかし、与党の要である小沢幹事長にとって、普天間問題は関心事ではなかった。四月上旬、側近から暗礁に乗り上げた普天間問題の現状を説明された小沢幹事長は「あーそうか、そんなら普天間をそのまま使わせときゃいいじゃないか」と他人事のように言い放った。(『文芸春秋』六月号)
     政権交代以来、二人が最も心血を注ぎいできたのは、悲しむべきことに「政治とカネ」に纏わる疑惑の隠蔽工作と七月に迫った参院選の勝敗なのである。


    指導者が自信を喪失した時、国は滅びる

     民主党鳩山政権に率いられた日本丸は、一億二千万余の国民を満載したまま、怒濤逆巻く荒海に翻弄されて、沈没の危機に直面している。このままでは日本丸沈没は必至だ。こうした事態を招いた責任は偏に鳩山首相と与党の実力者である小沢幹事長にあることは明白である。
     危機にあって政治指導者の役割は重大である。
     中野正剛は昭和十八年元旦の『朝日新聞』紙上に掲載された「戦時宰相論」で、こう述べている。
    「国は経済によりて滅びず、敗戦によりてさえ滅びず、指導者が自信を喪失し、国民が帰趨に迷うことによりて滅びるのである。非常時宰相は絶対に強きを要する。されど個人の強さには限りがある。宰相として真に強からんがためには、国民の愛国的情熱と同化し、時にこれを鼓舞し、時にこれに激励されることが必要である。難局日本の名宰相は絶対に強くなければならぬ。強からんがためには、誠忠に謹慎に廉潔に、しかして気宇壮大でなければならぬ」
     実に中野正剛が言う如く、「国は指導者が自信を喪失し、国民が帰趨に迷うことによりて滅びるのである」。
                
     鳩山首相には政治家としての資質が決定的に欠如していることは、これまでの言動が如実に示している。何時、誰と交代しようが支障はない。政界引退をお勧めする。
     一方、この十数年間に亘り、常に政局の中心に在って剛腕を揮ってきた小沢幹事長には、今夏思い切って衆参同時選挙を断行し、政党再編の契機を作って欲しい。その後、鳩山首相同様、潔く政界から引退することをお勧めしたい。」

    A Summertime Memory

    日野てる子が、歌う、夏の日の思い出の作詞・作曲をした鈴木道明氏に会ったことがある。

    http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%88%B4%E6%9C%A8%E9%81%93%E6%98%8E

    サンノセへの道がはやっていた頃だ。六本木の外国の外交官のお宅での会合だったような気がする。歌手の日野てる子さんは、先年なくられたとのことだが、鈴木先生はご存命だろうか。ご高齢の筈だ。

    Tiananmen Massacre

    六月4日は、天安門事件から、21年が経った。香港での追悼集会の画像である。

    http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%AD%E5%9B%9B%E5%A4%A9%E5%AE%89%E9%96%80%E4%BA%8B%E4%BB%B6

    Tianasquare ロシアでは共産主義が崩壊したが、アジア大陸では中国共産党が、シナを支配している。市場原理主義で、いよいよ、社会格差は増大して、社会的な不安定を増している。周辺の諸民族に対する強圧的な政策をとり続けており、経済発展に伴い、著しい軍備増強を続けており、21世紀の世界の最大の不安定要因である。中国共産党は、天安門事件の評価を変えようとしない。自由と民主主義を擁護していた米国は、経済的な結びつきが強まる中で、米中経済同盟が成立したと見る向きもある。最近の米国内の世論調査では、日本よりも中国の方が、パートナーであると考える向きが多いとの報道もある。日本では、新政権が発足したが、さて、自立・自尊の日本を、全体主義の暴虐から守る気概があるだろうか。中米間には経済同盟が成立しているとの見方もあり、非対称の軍事同盟すら当てにならない時代である。

    蝋燭の明かりを点して、天安門事件の追悼をする、香港の集会参加者もある。日本は、抑圧されたアジアの諸民族の支援者として大いに期待されている。

    次の動画像には、余りに残虐な写真が含まれている。あらかじめ注意を喚起しておきたい。

    Duke Ellington 3

    Satin Doll 絹のサテンを着た、人形の美しい婦人。

    Duke Ellington 2

    A列車で行こう。

    Kuroshio Culture and Tradition

    飛び飛びに、一ヶ月に二回の割合で、黒潮文明論と題して定期的に書いている。リンクも飛び飛びになり、検索するのも面倒であるから、一挙にリンクを公開して、読みやすくすることにした。28回目の記事である。4月のはじめの号は、危なく遺稿になるところだったが、その後、舞台は、旧南洋諸島に至っている。28回目は、黒潮文明の言語の広がりを書いた。壮大である。

    http://tokyonotes.cocolog-nifty.com/blog/2009/03/kuroshio-1.html

    http://tokyonotes.cocolog-nifty.com/blog/2009/03/kuroshio-2.html

    http://tokyonotes.cocolog-nifty.com/blog/2009/03/kuroshio-3.html

    http://tokyonotes.cocolog-nifty.com/blog/2009/04/kuroshio-4.html

    http://tokyonotes.cocolog-nifty.com/blog/2009/04/kuroshio-5.html

    http://tokyonotes.cocolog-nifty.com/blog/2009/05/kuroshio-6.html

    http://tokyonotes.cocolog-nifty.com/blog/2009/05/kuroshio-7.html

    ⑧ http://tokyonotes.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/kuroshio-8.html

    ⑨ http://tokyonotes.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/kuroshio-9.html

    ⑩ http://tokyonotes.cocolog-nifty.com/blog/2009/07/kuroshio-10.html

    ⑪ http://tokyonotes.cocolog-nifty.com/blog/2009/07/kuroshio-11.html

    ⑫ http://tokyonotes.cocolog-nifty.com/blog/2009/08/kuroshio-12.html

    ⑬ http://tokyonotes.cocolog-nifty.com/blog/2009/09/kuroshio-13.html

    http://tokyonotes.cocolog-nifty.com/blog/2009/09/kuroshio-14.html

    ⑮  http://tokyonotes.cocolog-nifty.com/blog/2009/10/kuroshio-15.html

    ⑯ http://tokyonotes.cocolog-nifty.com/blog/2009/10/kuroshio-16.html

    ⑰ http://tokyonotes.cocolog-nifty.com/blog/2009/11/kuroshio-17.html

    ⑱ http://tokyonotes.cocolog-nifty.com/blog/2009/11/kuroshio-18.html

    ⑲ http://tokyonotes.cocolog-nifty.com/blog/2009/12/kuroshio-19.html

    ⑳ http://tokyonotes.cocolog-nifty.com/blog/2009/12/kuroshio-20.html

    ⑳① http://tokyonotes.cocolog-nifty.com/blog/2010/01/kuroshio-21.html

    ⑳② http://tokyonotes.cocolog-nifty.com/blog/2010/02/kuroshio-22.html

    ⑳③ http://tokyonotes.cocolog-nifty.com/blog/2010/02/kuroshio-23.html

    ⑳④ http://tokyonotes.cocolog-nifty.com/blog/2010/03/kuroshio-24.html

    ⑳⑤ http://tokyonotes.cocolog-nifty.com/blog/2010/03/kuroshio-25.html

    ⑳⑥ http://tokyonotes.cocolog-nifty.com/blog/2010/05/kuroshio-26.html

    ⑳⑦ http://tokyonotes.cocolog-nifty.com/blog/2010/05/kuroshio-27.html 

    ⑳⑧ http://tokyonotes.cocolog-nifty.com/blog/2010/06/kuroshio-28.html 

    続き物であるから、ネタが尽きるまで書かなければならないが、28回までのリストになっている。番号が○に数字を入れていたが、コンピュータでどう数字を出せるのか分からないので、例えば、21を⑳と①とをふたつで表現している。

     黒潮の流れに着想を得た、ある種の民族文化論を書こうとしているが、学者の検証ではないので、黒潮が洗う列島の岸辺の人々の生活について、過去、現在、未来と想像しながら、自由奔放に書くことが大切と心得ている。今回は、東から来る外国勢力と日本とが出会った、26回あたりで言及した南洋諸島の話と重なり合うこととなった。読者のご叱正なり、あるいは、黒潮文明に関して、こんなことをテーマにしたらという提案や発見などをご教示いただければ幸いである。

     26回の記事は実に一月ぶりの掲載であり、危なくのところ、遺稿となりかねないところであったから、こうして、28回目のささやかな記事を続けられることは、幸いである。太平洋の西の岸を、アメリカ大陸の西部開拓の延長線上の力が徘徊しており、シナの大陸にも拡張主義の帝国があるが、黒潮の悠久の流れを極めてはいない。だんだんと政治の世界に入って行くような気がするが、文化と伝統に立ち戻って考えることとするので、多少のご寛恕をお願いする。次回は黒潮の反流に乗っているようで、もっと南の国を訪ねることになるかも知れない。また、読者のご意見もここらで拝聴したいところである。

    人気ブログランキングへ

    人気ブログランキングへ

    Kuroshio 28

    黒潮の流れの反流をたどり南洋群島の話をしたが、さらに南方への想像を逞しくする前に、フィリピンに触れておきたい。一六世紀にポルトガル人のマゼランがやってきて、スペインの植民地になってから西洋の影響が強く、黒潮の民の仲間に入れるのが憚られる雰囲気で、訛りの強い英語を話したりもして、アジアの独立心旺盛な雰囲気からすると異色だ。皇太子フェリペの名前に因むだけあって、スペイン時代の雰囲気が漂っているし、一方では、イスラムの教えも守られ、南部のミンダナオやスールー、パラワンなどは、支配するのに二〇〇年もかかっているから一筋縄ではいかない。

    独立の英雄、ホセ・リサールは一八八八年に来日して、日比谷公園に記念像がある。明治三二年一月二一日、フィリピン共和国がアギナルドを首班として独立したが、パリ条約により統治権が米国に渡り、米比戦争の四一ヶ月間で、三〇万人が殺害された。二万人のフィリピン兵士が殺害され、民間人のフィリピン人も三〇万が殺されたというが、実際には百万人から二百万人が虐殺されたとの説もある。第二次世界大戦の五六ヶ月間での米国人死者は同じ比率の四〇万人である。米国は水責めの拷問をして、フィリピン人を太平洋の二グロと呼んだ。西部開拓史のインディアン虐殺の延長線上である。犠牲を払ったから、モロ人民解放戦線など今もなお残り、怨念は深い。アギナルドは米軍に逮捕され、旧スペイン植民地のグアム、プエルトリコと共に米国の植民地となった。

    戦前多くの日本人がフィリピンに移民して、日系フィリピン人が残る。一九四一年にラウレルを大統領として独立させたのは、日本である。日本が戦争に負け、フィリピン総督の息子のマッカーサー将軍がマニラから厚木に乗り込み、その後もスービック軍港やクラーク空軍基地を放棄・撤退して、沖縄に基地を集約したのも浅からぬ因縁がある。黒潮の民のフィリピン人を虐殺した海兵隊が専用に建設した沖縄基地は、冷戦も終わり、そろそろ閉鎖するのが筋である。

    フィリピンの基層の言語は南島語族と呼ばれるオーストロネシア語族の一大言語圏に属する。南島語族は、西はインド洋の反対側のマダガスカル(一七〇〇万人)から、東はイースター島(五〇〇〇人)までの広大な範囲にまたがる。この壮大な言語の伝搬は航海技術を持っていたからだ。今でも、マーシャルからパラオまで、隣の島にでも行くような気分で、一週間以上も航海をして渡る。南島の海域は台風時を除けば、波風も穏やかで、双胴船や浮きのついた帆船が星を頼りに航海する術をもっていたに違いない。フィリピンあたりでは、浮きが両脇についたトリマランの舟も珍しくなく、多島海を縦横に往来している。

    ハワイは完璧な白人支配になり、たった千人しか島の言葉を話せなくなったが、昔の大型カヌーを再現したりして、日本まで航行したり、島々を巡航して見せているが、体つきで隠しようもなく太平洋の親戚である。ニュージーランドのマオリ族(一〇万人)も南島語族であり、親類である。その他、フィジーでは三五万人、サモアでは三七万人、タヒチが一二万人、トンガが一〇万八〇〇〇人、キリバスの一〇万、日本に近いグアムと北マリアナのチャモロ語が六万人、マーシャル語が四万四〇〇〇、ツバルが一万三〇〇〇、ニゥエが八〇〇〇人、ナウルが六〇〇〇人、キャロリン語は五七〇〇人が話している。

    オーストラリア原住民とパプアニューギニアの高地民族とは明らかに違うから、メラネシア人とポリネシア人とは区別ができる。メラネシア民族は今もマレー半島の山岳に住んでいるから先住民族で、南島語族は海からの民である。様々な研究から、台湾の高砂族が南島語族の源流だとされている。台湾の言語は、タイヤル語、ツオウ語、パイワン語に大別されるが、アミ族の話すパイワン語は一〇万人の言語人口がある。戦争が終わり旧日本軍人が戦地に置き去りになった中に台湾からの日本兵がいたが、実はアミ族の出身で、東チモールで言葉が通じたと証言しているのは興味が深い。

    インドネシアではジャワ語(七六〇〇万)、スンダ語(二七〇〇万)、マドゥラ語(一四〇〇万)、ミナンカバウ語(七〇〇万)、バリ語(四〇〇万)、ブギス語(四〇〇万)、マカッサル語(一六〇万)、アチェ語(三〇〇万)などが分布するし、旧ポルトガル領で分離独立した東チモールではテトゥン語に八〇万人の人口がある。ゲリラの間では地元の言葉を使えば外に話が漏れないから、ポルトガル語を使わずにいた。インドネシアの国語とマレーシア語とは九割方共通している。

    フィリピンの共通語はルソン島南部のマレー系言語であるタガログ語(二二〇〇万)だが、セブ語(二〇〇〇万)、イロカノ語(八〇〇万)などもマレー系言語である。チャンパ王国を創ったチャム族も南島語族である。ベトナム中部(一二万)、カンボジア(二〇万から一〇〇万)、タイ、そして海南島にも、チャム語の人々がいる。

     その南島語族が日本列島に渡ってきた。日本で、ツランの山幸と南島語族の海幸が出会ったのだ。(つづく)

    Maurice Jarr 2

    アラビアのローレンスの主題曲を、作曲したモーリス・ジャールが指揮する。デイビッド・リン監督の追悼演奏会。1992年。

    Maurice Jarr

    ボリス・パステルナークのドクトルジバゴの曲を作った、モーリス・ジャールが、監督のデビッド・リーンを追悼する演奏会で指揮をとる。名曲である。

    Duke Ellington

    もう昔に戻らないから、今はもう昔の姿ではない。デューク・エリントンの曲です。お楽しみ下さい。

    A bit of Conscience

    自民党の中に、少しは良心が残っていたらしい。

    郵政改革法案が可決されたよるの衆議院本会議で、2005年に郵政民営化法に反対して、自民党を追い出され、その後、詫び状を書いて復党した九人の内、野田聖子元郵政大臣、山口俊一、元総理補佐官など、七人が採決を棄権したという。その他、古屋圭司、今村雅弘、武田良太、古川禎久議員であるが、江藤拓議員は、採決前に退席したという。保利耕輔自民党元政調会長、森山裕議員は、出席して法案に反対したとの報道である。

    郵政民営化の不正は、どんどん明らかになっているが、要すれば、国民資産の私物化と、郵政の金融部門を外国に売り渡すという、国益を激しく毀損する改悪であった。郵政民営化の本質的な闇の部分がどんどん明らかになる中で、単に棄権するだけではなく、郵政民営化の見直し法案に積極的に賛成して、自民党に保守勢力を回復する気概がかけいるのは、残念至極であるが、少しは、後ろめたさを感じる人々が残っているようだが、まったく力にはならない。裏切りは哀れな結末である。

    PM's Farewell speech

    内容分析の対象である。鳩山首相が、民主党の議員総会で行った挨拶の全文を、報道されている。

    「鳩山由紀夫首相の2日の民主党両院議員総会での発言全文は次の通り。

     お集まりのみなさんありがとうございます。そして国民の皆さんありがとうございました。昨年の暑い夏の戦いの結果、日本の政治の歴史は大きく変わった。国民の判断は決して間違っていなかった。若く素晴らしい国会議員がすくすくと育ち、国会の中で活動を続けています。国民の判断のおかげであります。

     政権交代によって国民の皆さんの暮らしが必ず良くなるとの確信の下で、皆さんにお選びいただき、首相として今日までまいりました。皆さん方と協力して「日本の歴史を変えよう。官僚任せの政治ではなく、政治主導、国民が主役になる政治をつくろう」と思いながら今日まで頑張ってきたつもりであります。

     今日お集まりの国会議員と一緒に、国民のために予算をつくれたことを誇りに思っています。子ども手当、高校無償化も始まっています。子どもにやさしい、未来に魅力ある日本に変えていこう。決して間違っていないと確信をしています。産業を活性化しなくてはいけない。特に1次産業が厳しい。農業の戸別所得補償制度がスタートしています。1次産業が2次産業、3次産業とあわせて再生する日も近いと確信しています。

     さまざまな変化が国民の暮らしに起きています。水俣病もそうです。医療崩壊が始まっている地域をなんとかしないといけない。医療費をわずかですが増やすことができたのも国民の意思だと思っています。

     残念なことに、私たち政権与党の姿が国民の心に映っていません。徐々に聞く耳を持たなくなってしまった。そのことは残念でならないし、不徳の致すところと思っています。その原因を二つだけ申し上げます。

     一つは普天間(飛行場移設)の問題でしょう。徳之島の皆さんにもご迷惑をお掛けしております。ただ、本当に沖縄の外に米軍基地をできる限り移すため努力しないといけない。沖縄の中に基地を求めることがあたりまえではないだろうと、半年間努力してまいりましたが、結果として、できませんでした。これからも県外に移すよう努力することは言うまでもありませんが、一方で北朝鮮が韓国の哨戒艦を沈没させる事案が起きています。

     日米の信頼関係を保つことが東アジアの平和のために不可欠との思いで、残念ながら沖縄に負担をお願いせざるを得なくなりました。沖縄の皆さんにもご迷惑をお掛けしています。

     社民党さんに政権離脱という厳しい思いをさせたことが残念でなりません。国民新党とともに一緒に今まで仕事をさせていただいた。これからもできる限りの協力をと、申し上げたい。さらに沖縄の皆さんにも、できる限り県外に米軍基地を少しずつでも移すことができるよう、新しい政権として努力していくことが大切だと思います。

     「社民党より日米を重視した。けしからん」との思いも分からないではありません。日米の信頼を何としても維持していかなければいけないという悲痛な思いを、ぜひご理解願いたいと思います。

     いつかは日本の平和を日本人自身でつくりあげていくときを、求めないといけない。米国に依存を続けて良いとは思いません。ここをぜひご理解いただき、鳩山の「少しでも県外に」との思いをご理解願えればと思います。その中に私は普天間問題の本質があると思っています。

     あなた方の時代に、日本の平和を日本人自身で見詰めることができる環境をつくることを、日米同盟の重要性は言うまでもありませんが、一方でも模索していきたい。

     社民党を政権離脱という厳しい道に追い込んでしまった厳しい責任は負わないといけない。

     いまひとつは「政治とカネ」の問題でした。自民党を飛び出し、さきがけ、さらには民主党をつくってきたのも「自民党政治ではダメだ。もっとお金にクリーンな政治をつくらねば」との思いでした。結果として自分自身の政治資金規正法違反の問題で大変なご迷惑をおかけしたことは申し訳ない。なぜクリーンであるはずの民主党の代表がこんな事件に巻き込まれるのかと、お怒りになったことと思います。そのような「政治とカネ」の問題に決別する民主党を取り戻したいと思っております。皆さんいかがでしょうか。

     私自身も、この職を引かせていただくことになりますが、小沢(一郎)幹事長にも政治資金規正法の議論があるのは周知のことと思います。先般、2度ほど幹事長ともご相談しながら「私も引きます。幹事長も恐縮ですが、幹事長の職を引いていただきたい。そのことによって新しい民主党、よりクリーンな民主党をつくりあげることができる」と申し上げました。幹事長も「分かった」と申されたのでございます。

     小林千代美議員にも責めを負っていただきたい。高い壇上から申し上げるのも恐縮ですが、クリーンな民主党に戻そうではありませんか。そのための努力を皆さんにお願いします。

     そうなれば必ず、国民の皆さんがまた民主党に対して聞く耳を持ってくれる。国民の皆さんの声が通る新しい政権に生まれ変わると。

     しばしば宇宙人だと言われております。勝手に解釈すれば、今から5年、10年、20年先の姿を国民に申し上げている姿が、そう映っているのではないかと思います。

     例えば地域主権。原口(一博総務)大臣が先頭を切って「国が上というのはおかしい。地方が主役になる日本にならなきゃならない」と。国会議員や官僚が威張っていた中央集権の世の中に風穴があいた。一括交付金など大きな変化ができつつある。5年、10年たてば「こういうことだったのか」と分かってくれると。

     「新しい公共」もそうです。今までの仕事を「公」に開くことをやろうじゃありませんか。国民の皆さんが主役になる、そういう政治をつくりあげることができる。まだ「新しい公共」自体がなじみが薄くてよく分からないと思われているかもしれません。官僚独占ではなく、できるだけ民ができるように変えていく、そういう力を貸していただきたいと思います。

     東アジア共同体もそうです。必ずその時代がくるんです。国境を感じなくなる時代をつくっていく。

     新しい民主党の、新しい政権を皆さんでおつくりいただきたい。

     韓国の済州島に行って、ホテルの部屋の先にテラスがありました。テラスに1羽のヒヨドリが飛んでまいりました。わが家のヒヨドリが飛んできたと勝手に解釈して、この鳥も「早く自宅に戻ってこいよ」と招いているように感じたところであります。

     雨の日には雨の中を、風の日には風の中を自然に歩けるように、国民の未来を見詰めながら、対話の中で新しい時代をつかみ取っていこうではありませんか。

     そのことを申し上げながら、ふつつかな私ではありますが、8カ月余り先頭を立って歩ませてもらったことに感謝を申し上げ、国民の皆さんへのメッセージとさせていただきます。ご清聴ありがとうございました。」

    China Conspiracy

    共同通信の報道であるが、大阪の大学で、孔子学院を論評したところ、留学生が騒いだり、北京政府が騒いだり、学長が謝ったりの右往左往で、文化スパイ機関と発言した、大学の事務局長が辞任を求められたとの報道である。

    さて、孔子学院は、文化宣伝機関の要素はないのか。ソフト的な拡大主義の要素はないのか、世界的な中国共産党の宣伝機関の要素は本当にないのか。北京政府は、日本国内での発言に介入することをやめるべきである。また、大学は、圧力に屈することなく、事務局長の言論の自由を支援するのが筋である。日本は、全体主義国家ではない。

    孔子学院については、何も大阪の大学の事務局長だけではなく、世界各地で批判の声が上がっているのが事実であり、中国政府の姿を変えた宣伝機関であることはほぼ間違いがない。中国共産党の幹部が、孔子学院は重要なプロパガンダの手段であると認めた発言も、すでに報道されたことがある。外務省も、教育機関として認可した文部科学省も、見て見ぬふりをしないで、事実関係を調査して、北京政府の内政干渉をやめるように動くべきである。大阪産業大学は、圧力に屈してはならない。学問は科学的である。

    英文のウィキは、批判について記載しているので、ご参考まで。http://en.wikipedia.org/wiki/Confucius_Institute

    英文ほどではないが、日本語のウィキですら、問題があることをすでに記載している。http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AD%94%E5%AD%90%E5%AD%A6%E9%99%A2

    「中国が中国語普及のため世界各地の大学に開設している教育施設孔子学院をめぐり、同学院を開設する大阪産業大(大阪府大東市)の重里俊行事務局長が、中国側の認可組織(国家漢語国際推進指導グループ弁公室)について「文化スパイ機関」と発言していたことが2日、大学への取材で分かった。大学は重里事務局長に辞職を求めた。

     大学によると、重里事務局長は4月の教職員組合と大学側の団体交渉で「孔子学院」は中国政府のソフト的な拡大主義」「文化スパイ機関みたいなもの」などと発言した。

     発言が学内に伝わり、中国人留学生らが撤回や謝罪を要求。孔子学院の運営で提携する上海外国語大の副学長が来日した際、大産大の土橋芳邦理事長が謝罪した」との報道である。

    Obama takes down (wrong) Prime Minister

    ワシントンに、ワシントンノーツと言うブログがある。当方のTokyonotesもあやかりたいほどの政治人気ブログであるが、鳩山首相の辞任についてのコメントが掲載されている。オバマは圧力のかける先を間違えたのではないかとの記事である。見方に圧力をかけたのではないかとの見方である。ご参考まで。http://www.thewashingtonnote.com/archives/2010/06/obama_takes_dow/index.php

    Japan is not an American satellite

    Prime Minister Yukio Hatoyama announced today he will risign from the post after eight months in coalition power.

    He declared in a live broadcast on NHK television, while addressing party members of both the upper and lower houses of the Diet.

    Eight months ago, Democratic Party of Japan won a sweeping victory, an outcome hailed by many as a revolutionary change might follow in Japan's politics after the World War II, but it did not happen. Mr Hatoyama had drawn attention by pledging to end Japan’s postwar dependence on the United States but high expectations soon turned into a disappointment and even a despair.

    Especially his approval rating took  damaging  hits over his failed promise to move a major U.S. Marine base off Okinawa, which hosts the massive American military bases and presence in Japan and it is regarded as a symbol of the continuation of the American occupation since the defeat of Japan even after the end of the Cold War. Earlier this month, calling his decision "heartbreaking," he announced that the base would remain on Okinawa, although relocated to a different part of the island under the strong pressure of the American military-industry complex and some high officials with the vested interests of the war machines ,it was a betrayal to the Japanese citizens who cast votes because of the announcement of possible 'equal partnership' with the United States rather than remaining as a subordinate of the Empire. Mr Hatoyama apprently gave in to US pressure and the coalition broke up last week.

    Parliamentary elections are scheduled to take place in July.The DPJ will now elect a new leader of the party -- who will be in line to be the next prime minister of Japan.

    American high officials in Washington DC seems to be continuing to put pressure on the Japanese side to keep the military bases as they are, but Americans should remember and realize that there is a tidal change and this sudden resignation of Mr Hatoyama clearly shows that the Japanese people are now frustrated to remain as a subordinate of the conqueror or the military empire, and probably voices that the military should leave Japan will be more vociferous and the fake alliance will be on the jeopardy. Koizumi-Takenaka structural reforms under the strong pressure of the former Bush administration and its market fundamentalism or Fool's Gold policies left serious scars over the Japanese economy and politics and American policy inputs almost destroyed the successful accumulation of Japan's success stories after the War for the past five decades.

    Japanese majority are now  demanding the closure of the Futenma Marine Base in Okinawa and that Okinawa should fully be returned to Japan because it is not the days of Occupation. Japan only seeks its pride and right of a sovereing nation maitaining its independence and resilience.

    The laments of the Japanese people and especially agonizing residents of Okinawa should be heard by the rest of the world and American patriots. Japan and US are said to be allies but the truth is only a pretending inequal alliance and the prejudiced relationship should be rectified.

    That Japan is only country which maintained independence during the turbulent colonial era and the fact that liberation war in Asia was carried out by the Japan's initiative should be remembered, even though it was regarded as a yellow peril when whitemen's burden was dominat only several decades ago, and criticism will say that Japan behaved as a honorary white since the turn of the twentieth century but only in solitude...

    Fund raising

    ネットを使ったジャンジャンというネットの通信社が、業務を停止した。そこで活躍した、ジャーナリストの田中龍作氏が、いわば書く場所を失っただけではなく収入の道を絶たれたという。

    そこで、田中氏は、コンビニでアルバイトをしてでも、ペンを取ろうと決意したが実際問題としては、時間の余裕がない、だから、支援基金を立ち上げて、読者からのカンパを募ることにしたようだ。当方ブログもいろいろな場所で、田中氏本人の取材ぶりに遭遇したことがあるが、敏腕の記者であり活動が停止するような窮状にあることを見過ごすことは、忍びないものがある。ネットジャーナリズムの今後の発展の為にも、当方ブログの読者の皆様、田中龍作氏に対するご協力・ご支援とご芳情を賜りたくお願いいたします。

    http://tanakaryusaku.seesaa.net/article/151720256.htmlから、転載する。

    いつも拙稿をお読み頂き有難うございます。私儀、田中龍作は現場で見聞きし肌で感じたことを皆様に報告する現場主義を貫いてまいりました。ところが原稿料を頂戴していた会社が現下の不況で事実上倒産し、取材費を賄うことが不可能な事態となりました。
     
     貯金も底をつき、取材を続けることが難しくなっております。コンビニなどでアルバイトをすることも考えましたが、日々激動する政治や社会問題をカバーする時間が取れないことが判明しました。誠に勝手な御願いであることは重ね重ね承知しておりますが、基金を立ち上げることと致しました。救いの手をお待ちしております。

     使途は毎月報告致します。一人でも多くの方に読んで頂くため、会員制をとることは致しません。特定団体等からの資金提供などを受けず、不偏不党の立場を貫くためにも皆様のお力を頂戴し、紙面を充実させたいと考えております。1円からでも10円からでも結構です。心より御願い申し上げます。

    名称:『田中龍作の取材活動支援基金』
       (タナカリュウサクノシュザイカツドウシエンキキン)

    ■郵便局から振り込んで下さる場合
    口座; ゆうちょ銀行

    記号:10180  番号62056751


    ■銀行から振り込んで下さる場合
    口座; ゆうちょ銀行 

    【店名】0一八(「ゆうちょ銀行」→「支店名」を読み出して『セ』を打って下さい)

    【店番】018 【預金種目】普通預金 【口座番号】6205675

    Postal Crime

    五月31日(月曜日)に、東京の駅売りでは発売になった、6月十三日号のサンデー毎日が、郵政民営化をめぐる数々の疑惑について、総務省の委員会がまとめた最終報告書の驚くべき中身について、書いている。民営化四人組のデタラメという題がつけられている。検察どう動くという副題もつけられている。

    報告書は、日本郵政公社当時の、公社バルク(優良物件と不良物件をまとめて売却する方式)事案について、<デメリットの検討が行われた様子もなく、対象物件の鑑定評価についても、どう評価額が低くなり、バルク売却が容易になるような条件付けをしていた>と指摘、簡保の宿のオリックスへの売却も、外国系証券会社の売却顧問からは、再三、処分の中止などを選択肢として提言され、また、処分方法についてのアドバイザーであった、日本政策投資銀行からは、処分価値の増大の観点から、個別売却を助言されていたにもかかわらず、早期・一括処分が行われた>と断罪したと書いている。

    民営化推進をめぐって、四人組と呼ばれた、三井住友銀行出身の元日本郵政幹部がいずれも退職している異常があるが、<業務執行の中心が、西川社長とその下の三井住友銀行出身者、四人組と称されている専務ら四人の者あたりにあったことは明らか>と明確にしている。四人組の暴走の一例として、博報堂に接待を受けていた問題を挙げている。07年度の宣伝費約百五十四億円を博報堂と契約、翌年には、なんと全体の九割を超える二百二十三億円の契約をしているが、博報堂も関係資料の提出要請を拒んでいる>と書いている。

    実質的利益相反の疑いがあると断じられたのが、人材派遣会社のザ・アールとの研修委託契約で、報告書は、同社の奥谷禮子社長の日本郵政社外取締役就任後に公社とザ・アールとの契約件数が急増したことを取り上げ、<利益相反取引の趣旨などから重大な問題がある>としている。

    亀井久興総務省顧問は、「調べれば調べるほど、いい加減なことばかり。「チーム西川」の一部・特定の人間だけで、全て物事を進めようとした姿がはっきりした。日本郵政の株主は国であると同時に、実損が出ている案件も現実にあるのだから、現在の経営陣は旧経営陣を相手取って訴訟を起こすべきでしょう」と述べて、「報告書を参考にして、(東京地検特捜部が)捜査を始めてほしい」と要望したという。

    総務省元顧問の保坂展人氏も、「日本郵政に忠誠心がない”出向者”が経営を握って事業を進めたにもかかわらず、その責任者は今、誰もいなくなってしまいました。こんなことは本当の民間企業ならあり得ません」と憤りを隠さない、と書いている。

    旧経営陣の罪を暴いた最終報告書であるが、肝心の部分で腰が引けていると批判する向きもあり、旧日本郵政公社常務理事だった稲村公望氏が、「西川氏らが多額の債券を大手信託銀行に預けたという最大の問題に触れていません。世界的に市場原理主義が破綻し、米国では刑事訴追の動きがでているのですから、日本でもきちんと責任を追求すべきでしょう」とコメントしている。

    この案件こそ特捜は調べろ、という特捜OBの叱咤激励も紹介している。

    「果たして、特捜検察は動くのか」と、見開き二ページの記事は終わっている。青木英一記者の署名の入った記事である。

    しかし、それにしても、大マスコミは、こうした市場原理主義の不正について報道しない(当ブログの知る限りでは、日刊ゲンダイだけであった)し、また、自民党が、郵政民営化の不正をまったく認めようとしないのは、郵政改革法案が国会で審議する中で、郵政民営化の不正を浮き彫りにすることが必要であるにもかかわらず、そうした動きが全くないどころか、郵政民営化の虚妄を肯定するかのような動きを見せているのは、まったく残念なことである。捜査を取り巻く政治的な環境は追い風であるにもかかわらず、鳩山内閣も、重大な不正を見逃しており、民営化という構造改悪の不正を追求する千載一遇のチャンスを取り逃がしているようにも見える。

    人気ブログランキングへ

    Sunken warship

    単にご参考までであるが、興味深い記事である。

    http://tanakanews.com/100531korea.htm

    それにしても、韓国を訪問した鳩山首相の軽さには驚く。小泉・竹中政治よりも、対米従属の気配がある。

    Perseverence

    臥薪嘗胆さんから、コメントを頂戴した。次の通りである。

    「自民党やマスコミは、“当時、『郵政民営化法案』の審議に、100時間以上を要した”云々言いますが、その結果は“否決”だったはずです。それを、まるで“卓袱台返し”の如く、衆議院解散・総選挙に持ち込み、マスコミ総動員で“『郵政民営化』に賛成であらずんば、人にあらず”という、恐ろしい空気を醸成して、国民を“洗脳”した事を、私は今でもはっきり覚えております。

    それにしましても、当時の総理大臣の子息を、まるで“救世主”の如く崇め奉っている自民党には、本当にがっかり且つ、悲しい思いでいっぱいです。

    何にせよ、今回の『郵政改革法案』に対し、自民党・マスコミには、“郵政改悪だ!!”などという資格は、微塵もありません。」

    郵政民営化見直し法案の衆議院通過を慶ぶ。

    しかし、油断してはならない。なぜかと言うと、鳩山内閣の失政によって、参院は、社民党が連立を離脱したことで与野党の勢力が接近し、法案審議が困難担っているからである。民主党の中には、小泉・竹中政治の市場原理主義で郵政民営化をかたくなに唱えている者がなお残存しているから、自民党同様に造反すら出る可能性がある(その可能性は、自民党よりは低い)。そうなると、与党議員から造反が出れば、首相問責決議案が成立する可能性もあるし、もちろん、郵政改革法案も参議院で否決されてしまう恐ろしさはある。後、二週間ある。その期間の中で、鳩山内閣の総辞職を決めて、懸案の法案を全部通すことと引き替えにした方がいい。もちろん、外国人参政権法案など、連立政権だから、合意のないものは除外すべきは当然であるが。Photo

    « 2010年5月 | トップページ | 2010年7月 »

    2019年9月
    1 2 3 4 5 6 7
    8 9 10 11 12 13 14
    15 16 17 18 19 20 21
    22 23 24 25 26 27 28
    29 30          

    興味深いリンク