構造改革、民営化、市場原理主義の虚妄から、マインドコントロールを解くための参考図書館

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Postal Crime

五月31日(月曜日)に、東京の駅売りでは発売になった、6月十三日号のサンデー毎日が、郵政民営化をめぐる数々の疑惑について、総務省の委員会がまとめた最終報告書の驚くべき中身について、書いている。民営化四人組のデタラメという題がつけられている。検察どう動くという副題もつけられている。

報告書は、日本郵政公社当時の、公社バルク(優良物件と不良物件をまとめて売却する方式)事案について、<デメリットの検討が行われた様子もなく、対象物件の鑑定評価についても、どう評価額が低くなり、バルク売却が容易になるような条件付けをしていた>と指摘、簡保の宿のオリックスへの売却も、外国系証券会社の売却顧問からは、再三、処分の中止などを選択肢として提言され、また、処分方法についてのアドバイザーであった、日本政策投資銀行からは、処分価値の増大の観点から、個別売却を助言されていたにもかかわらず、早期・一括処分が行われた>と断罪したと書いている。

民営化推進をめぐって、四人組と呼ばれた、三井住友銀行出身の元日本郵政幹部がいずれも退職している異常があるが、<業務執行の中心が、西川社長とその下の三井住友銀行出身者、四人組と称されている専務ら四人の者あたりにあったことは明らか>と明確にしている。四人組の暴走の一例として、博報堂に接待を受けていた問題を挙げている。07年度の宣伝費約百五十四億円を博報堂と契約、翌年には、なんと全体の九割を超える二百二十三億円の契約をしているが、博報堂も関係資料の提出要請を拒んでいる>と書いている。

実質的利益相反の疑いがあると断じられたのが、人材派遣会社のザ・アールとの研修委託契約で、報告書は、同社の奥谷禮子社長の日本郵政社外取締役就任後に公社とザ・アールとの契約件数が急増したことを取り上げ、<利益相反取引の趣旨などから重大な問題がある>としている。

亀井久興総務省顧問は、「調べれば調べるほど、いい加減なことばかり。「チーム西川」の一部・特定の人間だけで、全て物事を進めようとした姿がはっきりした。日本郵政の株主は国であると同時に、実損が出ている案件も現実にあるのだから、現在の経営陣は旧経営陣を相手取って訴訟を起こすべきでしょう」と述べて、「報告書を参考にして、(東京地検特捜部が)捜査を始めてほしい」と要望したという。

総務省元顧問の保坂展人氏も、「日本郵政に忠誠心がない”出向者”が経営を握って事業を進めたにもかかわらず、その責任者は今、誰もいなくなってしまいました。こんなことは本当の民間企業ならあり得ません」と憤りを隠さない、と書いている。

旧経営陣の罪を暴いた最終報告書であるが、肝心の部分で腰が引けていると批判する向きもあり、旧日本郵政公社常務理事だった稲村公望氏が、「西川氏らが多額の債券を大手信託銀行に預けたという最大の問題に触れていません。世界的に市場原理主義が破綻し、米国では刑事訴追の動きがでているのですから、日本でもきちんと責任を追求すべきでしょう」とコメントしている。

この案件こそ特捜は調べろ、という特捜OBの叱咤激励も紹介している。

「果たして、特捜検察は動くのか」と、見開き二ページの記事は終わっている。青木英一記者の署名の入った記事である。

しかし、それにしても、大マスコミは、こうした市場原理主義の不正について報道しない(当ブログの知る限りでは、日刊ゲンダイだけであった)し、また、自民党が、郵政民営化の不正をまったく認めようとしないのは、郵政改革法案が国会で審議する中で、郵政民営化の不正を浮き彫りにすることが必要であるにもかかわらず、そうした動きが全くないどころか、郵政民営化の虚妄を肯定するかのような動きを見せているのは、まったく残念なことである。捜査を取り巻く政治的な環境は追い風であるにもかかわらず、鳩山内閣も、重大な不正を見逃しており、民営化という構造改悪の不正を追求する千載一遇のチャンスを取り逃がしているようにも見える。

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コメント

西川善文氏と言えば、『かんぽの宿』と並んで忘れてならないのが、『JPエクスプレス』なる、郵便事業会社と日本通運による、宅配統合会社の存在です。

『JPエクスプレス』は、西川氏が日本郵政の社長だった当時、周りの“絶対にうまくいかないから、止めてください”という声に対し、“俺の言う事が聞けないなら、お前が辞めろ!!”と恫喝し、強引に設立させた会社でしたが、このほど大方の予想通りに、破綻・清算という結果に終わり、郵便事業会社は何百億円という、大変な赤字を計上するに到りました。

西川氏の責任は、甚大なものがありますが、当の本人はまるで“どこ吹く風”の体で、古巣の三井住友銀行において、『顧問』の地位に収まり、郵便事業会社の大混乱振りを、あたかも“高みの見物”の有様です。

本当に、あまりにも酷いと思います。全く、東京地検特捜部にしろ、マスコミにしろ、民主党の小沢一郎氏に対しては、“これでもかっ!!”と徹底的に追及しておりますが、西川氏に対しては、まるで“骨抜き”なのは、一体どういう事なのでしょうか? やはり、何か“裏”があると、思わずにはいられません。

投稿: 臥薪嘗胆 | 2010年6月 1日 22時26分

結局実務を知らない馬鹿どもがデカイ面をしてやりたい放題の事を仕出かし、結果的に何にも責任を取らなくてもなあなで有耶無耶になってしまふ全く国民を愚弄しつくしているシステムが、いつの間にやら大手を振って生き続けている、そんな結論になってしまうのでしょうか、何にも実務的に対応出来ない人間が裁量をいつの間にやら、本人の持っている学歴とか職業経歴とかで与えられてしまう、この島国の持つ2000年来の村社会の仕組みが、いまだに根を張っていることが原因かも知れません。皆様のご意見を伺いたいです。

投稿: tatsuo | 2010年6月 2日 16時42分

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