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Postal Crime

郵政民営化の過程で、郵便事業会社と日本通運との間で、ゆうパック事業と、ペリカン便事業との統合を目指すことが行われた。

ゆうパック事業を郵便から切り離すことについての認可が得られないという理由で、事業統合を断念して、JPエクスレスは精算することとなり、巨額の損失を出した。

両事業の統合については、当時の西川社長が、三井住友銀行出身者に担当させて、郵便事業会社の首脳陣には知らせないまま、平成1九年10月5日に日本郵政・日通間の基本合意書を締結した。わかりやすく言えば、日本通運のお荷物となっていたペリカン便を、日本郵政に押しつけたとの見方がある。

事業収支も確定できず、多額の赤字予想で、統合反対の声も上がったが、西川社長など、当時の民営化のために送り込まれた経営陣は、反対を押し切って、平成20年4月25日、日本郵政、郵便事業会社、日本通運の間の 統合基本合意書が締結される。

同年6月2日にJPEXが設立された。同年8月28日には、郵便事業会社と日本通運の間で、株主間契約書が締結されている。この契約書の締結については、社外取締役から有益な意見が提出されたが、無視されたという。

その後、ペリカン便は、JPEXが承継したが、ゆうパックは認可されず、今年の七月に、JPEX解散、同社の資産の郵便事業会社への承継を予定していたという。

現在、ゆうパック、従来の郵便小包などの遅配の問題が発生したが、上記の郵政民営化の過程で生じた、闇の部分に原因があって、現実のゆうパックとペリカン便の小荷物とが混在する中で、複雑化して対応ができなくなった業務運行の問題として表面化している可能性が高い。

解散時点での、損失額の合計は、983億円という数字が出されていたが、そのうち、900億円前後は、郵便事業会社が負担するのではないかとの指摘もあった。

郵政民営化の闇は深い。日本通運との関係については、その闇に光が当てられる必要がある。しかし、総務省が設置した、郵政民営化の過程での不正事例の検証委員会も何故か、及び腰であり、刑事告発なども行われないまま放置されている。事実、経営統合に参加した経営陣の多くが、何のおとがめもなく、留任しているのも奇異な構図である。900億円前後の日本郵政の負担は、西川社長など、三井住友銀行から送り込まれた連中が描いた構図を、単に追認しただけではないのか、危惧される。ペリカン便を結果として引き受けただけのことではないだろうか。日本通運をめぐる、ペリカン、ゆうパックの統合の経緯等については納得のいく説明が未だしの状態であり、当時の、三井住友銀行関係者からの事情聴取などが行われてしかるべきである。

ゆうパックの混乱の原因を解消するためにも、今一度、小包郵便制度について真剣な制度改善が求められる。(郵政民営化の過程で、ユニバーサルなサービス義務が外されており、世界的な動向にも反する改悪が行われた。この点では国土交通省の責任は重大である。) 郵政民営化の不正に対する刑事捜査が、総合的に行われることが必要である。特別背任など、経済犯罪の疑いがあるのではないだろうか。

郵政民営化の過程で、公社当時の運送会社を統合して、子会社化したが、その際に相当な深刻な問題があるとして、九州の企業が総務省に対して提起された事案もある。総務省は事案を把握していなかったために、総務省のコンプライアンス担当に検討・判断がゆだねられたとする事案も残る。

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コメント

今回の、『宅配統合・ゆうパック大遅配問題』について、メディア等は相も変わらず、「“官業体質”だ!!」とか「“お役所感覚”が抜けてない!!」といった、お決まりの論評を示しておりますが、全く以て呆れ果てるばかりです。

今回の問題は、斎藤次郎・日本郵政社長ら、現経営陣だけが引き起こした訳ではなく、明らかに西川善文・前日本郵政社長を筆頭とする、旧経営陣の“独善主義”が、大本の原因です。

それにしましても、今回の問題だけでなく、郵政事業に対する、某新聞社の論評は、現場の取材を一切せずに、あたかも竹中平蔵氏の意向を、何の検証もしないで、ただ垂れ流しているとしか思えない程、実に酷いもので、猛烈な憤りを感じます。

何はともあれ、今回の問題は、“官業逆戻り路線の弊害”などではなく、“稚拙な民営化路線の弊害”である事は、自明の理であります。

投稿: 臥薪嘗胆 | 2010年7月 7日 19時49分

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