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Futenma chronicle

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元防衛事務次官の守屋武昌氏の講演を聴く機会があった。日本の司法を考える会の行事である。月刊日本主幹の南丘喜八郎氏の挨拶があった後に、司会を務めたジャーナリストの青木理氏から、1時間の話の予定と後の意見交換とするとの話があった。

冒頭で、守屋元次官本人の事件の話については言えないとの前置きの話があったが、三年前の事件で生活が一変したが、その中で家族の絆(きずな)の重要性に触れられ、しかし、世の中捨てた物ではないと述べて、拘置所で、寒い12月に差し入れられた弁当の話をした。小菅の拘置所の味も違う、疲れた胃が受け付けれる弁当の味について触れて、その差し入れたひとが、村上正邦氏である、その芳情について言及した。

普天間交渉秘録を何故書いたかかと言えば、安全保障の中心が冷戦時代はヨーロッパだったのであるが、今やアジア太平洋に移ってきて来ている。日本が世界のために役割を果たさなければならないが、米国に依存しており、自分で守らないで、人任せにして来た民族には、問題があるとの認識。

アジア太平洋が何故大切になってきたかは、世界の経済の中心になってきた。50年代、60年代には関心をひかなかったが、70年代に至って、Needsが現出した。七年前から、アジア太平洋との貿易がアメリカとの貿易を抜いている。ヨーロッパでも同じ事がおきている。

更に、ニューヨークとワシントンでの同時多発テロが、イスラム原理主義者の存在を明らかにして、初めて米国本土に攻撃が加えられた。帯状にイスラム原理主義者がいる地帯が、アジア太平洋地域である。イランで、ホメイ二氏の革命があり、イスラム教徒の世界の一体化が計られたと見る。

例えば、イラクは部族国家である。オアシスしか生活の根拠はない、部族長の下で生活をすることを考える。自由恋愛などはあり得ない。

冷戦後は、アメリカは一極支配を謳歌したが、自動車の教習所のように普及した飛行機の教習所でライセンスを取り、携帯電話を通信手段として、民政転用を果たした通信システムを逆手につかって、テロを決行した。アメリカは軍隊を展開して本土攻撃を阻止してきたが、それが崩壊した。そこで、国境と空港でテロリストの流入を阻止する動きになった。

各国でテロが起きたが、日本はイスラムへの対立の動きはないから、日本に対するテロは今のところ起きていない。全身スキャナーを成田空港で導入したときに反対の声が上がったが、問題意識が薄い証拠で、アメリカでは3000キロのメキシコとの国境を、万里の長城をつくって閉鎖している。カナダとの国境は、6000キロで、現実は、冷戦時以上に金がかかるようになった。

インド洋には、インドしか本格的な海軍はない。アジア太平洋でほんかくてきな海軍があるのは、日本、オーストラリア、中国、ロシア、インド、である。他の国でも、勿論海軍の名前がついているが、数ヶ月間海上での活動をする機能はなく、沿岸警備隊の色彩が強い。

13億の人口を抱える中国についても触れた。暴動が10万件を超えたと言う。暴動の定義は、武装警察が出動して殺傷が行われた事件の数である。中国は軍事費だけを二桁伸ばしているが、総額を明らかにしていない。中国の経済的な拡大と内部矛盾の拡大は、不安定要素として安全保障の観点から見逃せない。北朝鮮の弾道ミサイルと核開発、そして、その輸出の可能性についてもアジア太平洋の不安定要因であると指摘した。

大規模な災害に対する対応が遅れて、阪神淡路大震災の後に、神戸が回復するのに二年間をかけている間に、釜山が大港湾化した。なんと、七割の物資が釜山を経由して日本に移出される。ハイチの大地震の時も、災害救助が競争の様に行われたが、災害の後に治安が悪化すれば、その立て直しは非常に難しくなるからである。

日本は、安全保障に対する意識が不足している。日米同盟は大切だが、アメリカにものを堂々と言うことが大切である。ものを言って聞くようになったのは、米軍再編合意以来である。米国は自分の台所に火がついた。横須賀の米海軍は、ニューヨークに海上自衛隊の基地があり、横田や厚木は、ワシントンの直近に航空自衛隊の基地があるようなものだ。セットで、厚木を岩国に移すことなどを初めて意見を聞いた。

自衛隊は軍隊ではないとするが、世界の常識とのギャップを埋めるように議論すべきである。国民が平和を守るために命を捧げることをしていないのは日本だけではないのか。

盧武鉉政権の時、韓国の国防部から、基地移転でカネを要求されたが、どうすべきかと言うことで、相談に乗った。カネで解決できるのであればとのことであったが、それは日本では前例があり、関東移転計画ということで、王子の野戦病院、と関東地方の多数の米軍施設を移転した。韓国では在韓米軍から指揮権を取り戻すことになっていたが、現実に直面して、これを先延ばしにしている。

普天間以南の沖縄に米軍基地はなくなると付言した。

軍隊の特殊性についても、説明をした。

専門職に分類された組織である。陸上自衛隊には、20,航空には39,海上には45の専門職種があり、全部の職種を理解することは困難である。合目的せいが働く。更に、米国の幹部の構成比率は、士官学校出身が三分の一、三分の一は、一般の大学、後の三分の一は、ノンキャリアからの登用となっている。金太郎飴になるのは、健全ではないと指摘した。自衛隊の内局には、1000人が働いている。1000人で、軍隊を掌握するためには、三倍働くことが必要であるとも述べた。戦闘機一機を飛ばせるために、60人の専門家が働いている。行政に必要なのは、現場である。国民のために働くことである。自分の専門職のところに行くことは居心地はいいが、それは全体を見ることにはならないとも指摘した。

質疑応答となり、グァムへの移転問題など、色々興味ぶかい意見交換が行われた。以上、普天間交渉の中枢にあり、接待問題によって逮捕された元防衛次官による、安全保障に関する講演の概要である。新潮社から出版された、普天間交渉秘録は、すでに2万部が売れていると担当者が話していた。

当ブログとしては、近い将来に、防衛元次官をこれ見よがしに逮捕した政治犯罪の事件の内幕が明らかになっていくことを期待したい。会場には、多くのマスコミ関係者が集まっていたが、昨日の含蓄のある講演会が、どのように歪曲されるかも関心のあるところであるが、オフレコを認めつつも公開の場での講演であるから、隠すわけにはいかない。普天間秘録を出版して、覚悟しての講演を行った守屋氏の努力に改めて敬意を表する。

最後に、交渉秘録を一冊買い求めて、サインをお願いした。恵存 守屋武昌と書いて頂いたが、誠に実直な字であった。誠実な官僚の字であり、政治家の寸鉄を帯びた字ではない。勿論実業に通じた渋沢栄一のような流麗な達筆でもない。国益と現場の安寧を追求したその実直さが、逆に狙い撃ちにされたのではないのか。

普天間交渉秘録は、日米関係の中でも沖縄の基地交渉のめぐるしっかりとして記録を元にした、国益を何とか守ろうとする防衛官僚の求法巡礼行を記録したような本です。左側に、表紙を掲載してありますが、当方ブログの読者の皆様には、ご一読を勧めたいと思います。

なお、日本の司法を考える会における守屋氏の講演については、他のブログも紹介しているので、当方が聞き逃した論点については、そのブログなどを参照されたい。http://shinomiya-m.txt-nifty.com/diary/2010/08/post-30b8.html

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