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Independent Japan

 普天間基地の海兵隊の基地問題で日本とアメリカとの戦後の関係を再定義する動きが出た。沖縄を占領して、ベリー提督以来の野心を満足させた米国は、三軍がそれぞれに基地を作り、特殊な外征の軍隊である海兵隊も 普天間基地を作った。

沖縄返還と言っても、太平洋の要石と呼んでいたから、世紀の末にハワイを併合して、その先の飛び石としてフィリピンを考えていたが、いつまで経っても国内の争乱はなくならず、香港と広東経由で、門戸開放政策の要となるはずで国が汚職と寡頭政治となるばかりの政情不安で、火山の噴火をこれ幸いと航空基地と海軍基地を閉鎖した。その分、沖縄の基地はアジアの地勢からも扇の要のようになって重要になった。米中国交回復の時の取引も、渡嘉敷島の中距離弾道弾のメースBであったことが記憶に残る。

「県外」移設と言って、同じ琉球の黒潮の流れで切り取られ、奄美の島のひとつの徳之島に海兵隊の一部の機能を移すとのことであるが、県外の定義に徳之島も含まれるとなると、せっかく去年が、一六○九年の薩摩の琉球征伐400周年で、恨み辛みを時の沙汰として、仲直りの儀式や会合をした甲斐がなくなる。教養や、情念や歴史への畏敬が政策立案者に欠けているようで、ペリー提督も、沖縄で海兵隊をまず上陸させ、武力を誇示して、意固地なところを見せつけて脅してから琉米で和親条約を結び、江戸湾に乗りんだ歴史など、頭の隅にもないようだ。しかも、海兵隊の機能を全国に分散・展開するなど言われても、外征の軍隊で宣戦布告をしないで、大統領命令だけで外国に乗り込み、要人を捕まえたりする連中が闊歩することになることは、隷従になるから、納得する日本人はいない。 外国の大統領の前で、エレキを弾く真似をして媚びた総理大臣がいたが、それよりも屈辱的で、たちが悪い。

 沖縄の米国総領事館は、那覇にはなく琉球王朝の墳墓のある浦添にあるが、徳之島を含む奄美の島々も元は琉球の版図であるから管轄しており、昭和28年の奄美群島の祖国復帰があっても、変えていない。領事館員が、ダイビングの趣味と称して、沖縄よりも手づかずの奄美の海岸で、北朝鮮からの不審船の形跡を調べて神経をとがらせる可能性も不思議ではない。 南洋諸島も、東京から飛行機で行けば近いのであるが、日本の外交組織は、領事館を置いても担当者が一人二人で、なおざりにしている気配で、国連の信託統治と称して、日本の敗戦で、南洋群島を事実上領有してしまった国の首都の大使館を経由する情報交換を正式にするというばかげた現実である。浦添の米国総領事館が、奄美まで兼館している歴史の認識とは大違いではないだろうか。

 北マリアナのテニアン島から、普天間の代替になってもいいという話がある。テニアンから、広島に投下する原爆を乗せたエノラゲイが飛び立ったことを知っているのだろうか。テニアンは産業がないので、基地移転も、そうした生き残りの為の経済手段であり、他にカジノを誘致する提案もある。日本領土であったところに、しかも日系人が残っているところに、そこを「海外」に仕立て上げて、カネをばらまいて、外国の海兵隊の基地を引っ越しさせるというのは見識のない話である。日本の思いやり予算など移転費用の負担が大盤振る舞いで、移転に期待を持たせ、移転の期待を助長しているのではないか。

北マリアナに続き、パラオ共和国のアンガウルが普天間代替基地に手を挙げて、四月下旬に議会で決議を採択したという。アンガウルは、日本統治の時代に四百五十万トンもの燐鉱石を採掘して、戦後も肥料の原料を供給し続けた。ペリリュー玉砕の足場となった約三千メートルの滑走路が米軍によって建設され本土爆撃の拠点となったが、使用されていないし、もう人口も三百人になってしまったから、米軍基地に転用できないかとのカネの思惑が出た。燐鉱石採掘による被害賠償請求が日本に対し出されているとの話もある。

世界的な根拠のない市場原理主義のグローバリゼーションで、島のわずかな産業も壊滅的になったから、グァムのように米国直轄地ではなく、より自治権の強い立場から、連島化ならぬ連邦化が進められる中で、沖縄の海兵隊移設は、ミクロネシア大統領サミット等でも毎回議案に取り上げて、経済波及効果と環境への影響を議論している。島嶼経済が逼迫する中での苦渋に満ちた議論である。日本は、南洋諸島を、戦争に負けたことを理由にして、置き去りにしたのである。

 基地移転の現実的な可能性だが、島に水があるかどうかが鍵だとすると、グアムには水があるが、テニアンはない。アンガウルでは、水はあるのか。栃木の部隊が玉砕している。 

米国はいつまで、シナと日本とを天秤にかけるのか。日本はいつまで、依存を続けるのか。黒潮の民の日本が大陸に無理に進出したのは、名誉白人として米国の先導役をしたのではないのか。そろそろ、普天間基地を閉鎖して沖縄を全面返還して、日本から撤退する、日本の自主防衛強化こそ、日米の安定と共通の利益の為に必要である。片務的な主従関係などやめよう。

(本記事の原稿は本年5月13日に書かれている。)

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