Mistaken Public Diplomacy
第27代参議院議長を務めた政治家が、日本青少年訪中代表団の総団長として北京を訪問するという。その政治家は、「高校生500人、一般500人の総勢約1000人で、文化コース・経済コースなど5コースがあり、各地で交流する。21日夜は一同が北京に集合し、中華全国青年連合会主催の歓迎レセプションが行われる。残念なことに、抗日デモの関係で「河南日本週間」が延期になり、行程にも影響が出てきた。こんな時だからこそ、一衣帯水の両国間の友好関係進展のため、民間交流による真剣な対話を重ねたい。」として、15日には、「12時に中国大使館に行き、大使公邸で程永華大使主催の昼食会に出席。まず30分ほど、最近の日中関係と私の訪中につき、意見交換。その後、1時間半ほど昼食懇談」したという。
見識のない話である。尖閣諸島の問題で、日中間が紛糾しているときには、中国側が、日本週間を延期したように、両国政府間でも応酬が続いており、しかも、中国側では暴力を伴う反日でもあったばかりであり、しかも、中国政府が背後で糸を引いている可能性が高く、日本の反中国デモのように自然発生的に盛り上がりを示しているわけではない。そうした状況の中では、延期するなどして、日本の主張を明確にすることが大切である。高校生を500人も引率すると言うが、何か修学旅行のようなものであれば、勉強にもならない。一衣帯水の友好関係と言う指摘が既に的外れではないのか。一衣帯水とは都合の良いプロパガンダでしかない。
民間交流と言っているが、そもそも、中国共産党の世界には民間という発想はない。中華全国青年連合会の歓迎会があると言っているが、それは民間団体ではないはずだ。学生の団体でもない。共産党の下部組織で、第五代の主席は、今の胡錦濤ではなかったのか。中国内部の権力紛争が続く中で、一方に荷担する可能性すらある。
一部のマスコミ情報では、日程の変更があったとの情報である。http://www.asahi.com/international/update/1018/TKY201010180370.html
訪中団は、本全国で組織されて、県ごとに組成されて、各地を訪問するような日程となっているらしい。誤った親中国共産党の活動は、獄中にある民主活動家を結局は見捨てるようなものであり、世界の平和と安定のためにはならない活動である。特に高校生を引率することは誤った教育になる可能性が高い。ノーベル平和賞を受けた中国の活動家が何故、獄中にあるのか等を学習することの方が遙かに日中間に横たわる問題の根本を考えることになり、また、尖閣諸島の中国側の主張や、現在開催されている、共産党の中央委員会の動向と内実について勉強することの方が重要ではないだろうか。
その昔、日本の総理大臣が、多額の借款を提供して、その実態のない「一衣帯水の関係」をうたいあげたが、日本側の期待を裏切るかのように、中国共産党の機関誌である人民日報は、日本から「貢物」を持ってきたと書いたことがあったが、中華思想の尊大からすれば、今回の訪中団も、恭順の意を表す為に、日本が学生や青年を送ってきたから、これ見よがしに歓迎会を開くのだと考える者もきっといる。ともあれ、中国の政治とプロパガンダに利用されるだけの話である。しかも最近まで参議院の議長をしていた政治家が団長では、誤った信号になるだけの話である。東京での中国大使館前での反中国デモが参加者が増加して盛り上がっていることなどちゃんと伝わるとは思えない。日本のデモは日本のマスコミすら報道しようとしないが、中国のデモは官製であることは、既に香港の報道があったとおりである。自然発生とは暴動のことである。
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