構造改革、民営化、市場原理主義の虚妄から、マインドコントロールを解くための参考図書館

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Postal Decay

臨時国会が12月初めに閉会して、すっかり政局の様相を呈している。その混乱のなかで、郵政改革法案は一度も審議されることなく継続審議となった。民主党と、郵政民営化の見直しを党是とする国民新党との間では、これまで何度も法案成立を確認する文書が交わされてきたが、今国会においても反故にされた。

カラ証文の連発であった。公党間の約束とか、連立における誠心誠意の政権運営とかの表現は、全く空しいもので、日本の政治に信義が失われていることを如実に示している、悪しき証拠となった。

今回は、カラ証文すら交わされていない。民主党の幹事長から、国民新党の幹事長に当てた、「上記の通り実現します」と書いてある一枚の紙が送られ、「通常国会で予算成立後、総務委員会で他の法案に先駆け成立させる。委員会審議は四月の早い定例日に行い、四月中の参院での成立に向け政府、民主党、国民新党が努力する」となっている。岡田幹事長は、郵政民営化を強行に主張していた政治家であり、野党の意見を十分に反映させるなどとも書いてあるのが特徴である。

ところで、来年の通常国会は一月下旬に召集され、会期は150日間であり、まず、来年度予算が審議され、予算が成立すると、予算関連法案、そして一般の法案の審議の日程となる。郵政改革法案を成立させるためには、参議院は野党が多数を占めることから、憲法第59条の、衆議院で可決され手参議院に送られ60日以内に議決しない場合には、衆議院の三分の二以上の再可決で成立するとされるから、四月下旬には衆議院で可決しておかなければならない。

郵政事業の民営化から、早くも3年の歳月が過ぎたが、ねじれ国会のあおりを受けて、民営化を見直す法案をまともに議論しようとの意気込みが、菅政権には見られず店ざらしとなったし、また、政局の成り行きでは、菅政権そのものの存続が不透明であり、余談を許さない状況にある。

しかし、そのなかでも、民営化された日本郵政の基礎体力は、どんどん落ち始めている状況にある。経常利益は一兆円の大台を維持していても、郵政公社時代の決算に比べて、なんと22.5%もの利益を失っており、収益力は大きく低下している。郵便貯金の残高は、十年間で31.7%減(平成11年のピーク時との比較)である。かんぽの契約件数は、なんと、ピーク時の43.9%も落ち込んでいる。総資産も、どんどん減少しており、百兆円割れぎりぎりと指摘されている。

民営化された郵貯部門は、ファミリーバンクなどと称して、商品構成の多様化などを主張してきたが、全くの失敗ではなかったのか。貯金金利も、民間銀行以下の低金利に抑えられて魅力があるはずもなく、要すれば、郵貯つぶしが組織的に行われただけの可能性も指摘されている。経営形態変更に伴う持ち株会社への出資金が6000億円以上かかった上に、国庫納付金として一億円の置き土産を強いられたとされるが、そんな踏んだり蹴ったりの民営化の実態がマスコミの報道の対象になっただろうか。国鉄の清算事業団に拠出した一兆円の行方なども、国民利用者にちゃんとした説明がないままに、帳消しになったのではないかとの指摘も成されている。トラスティサービス信託銀行に対する巨額の預け入れの問題なども、闇の中にある。かんぽの宿の売却の問題は、当時の鳩山邦夫総務大臣の時にマスコミを賑わしたが、その闇の捜査は刑事告発が行われただけで、その後検証委員会が開かれても、何ら進展がなく沙汰やみになっている。郵便事業のゆうパックの問題についても、日本通運の不採算のペリカン便との合併の不透明な事案との指摘があり、しかも、巨額の赤字を計上することが予想されている。最近では、マスコミも少しは気づいて者もあるらしく、大新聞の中にも、郵政民営化は失敗だったのではないかとうすうす気づいたような記事もみかけられるようになったが、巨悪の闇に光を当てるような報道は皆無である。

民営化後3年が経過して、看板の書き換えに膨大な資金が無断に使われ、それに烏天狗が群がっている構図が見て取れる。民営化の破壊は、未だに継続されており、民主党政権が成立したが、国民の期待はすっかり裏切られて、郵政民営化・分社化は間違っていたと言うことが明白になっているにもかかわらず見直しが行われないまま年を越すことになった。郵政民営化による国損の実態を、与野党が加担して放置して、政治の無責任と怠慢が継続するという異常な事態である。

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