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Radiation Health Risk Management

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今日(3月22日)午後3時から一時間余り、東京有楽町の外国特派員協会で、山下俊一、長崎大学大学院 原爆後障害医療研究施設 教授の緊急記者会見が行われた。山下教授は、福島県「放射線健康リスク管理アドバイザー」を務めている。スライドの使用して説明したが、そのスライドの写の他に、日本語と英語で、それぞれ、山下教授の意見が配布されたので、そのまま、活字にして当ブログで紹介することとしたい。

「外国人記者クラブ 山下俊一

長崎大学 大学医歯薬学総合研究科 附属原爆後障害医療研究施設 教授

世界保健機関(WHO)緊急被爆(ひばく)医療協力研究センター長

日本甲状腺学会理事長

現在、 福島県知事の要請で、放射線健康リスク管理アドバイザーとして現地の被ばく医療に従事している。

最初の1週間、想定外の事象が連続し、情報交換がなかなかうまくいかず、諸対応に遅れが出たことが残念です。国の行った住民避難の方法が通常と違い、事の重大さがまず理解されました。通常は自己サイトから10キロが緊急避難範囲と想定されていました。まず屋内退避の勧告を出し、環境中の放射線量が下がらないときに避難勧告を出します。今回は、20キロ圏内から避難させた後、さらに30キロ圏内で屋内退避の勧告がでました。安全な所まで下がったのであれば、そこでさらに屋内退避というのがおかしいのです。

今回は、次々に原子炉のトラブルが発生し、未曾有の事態です。放射性物質が断続的に出続けています。放出されている放射性物質は複数あり、それぞれ放出量も違います。測定モニタリングを続け、30キロ圏内の屋内退避が間違っていないかも検討していかなくてはなりません。

 放射性物質はいたる所に降り注いでいます。一方で、放射性物質はトレーサーと呼ばれるように非常に検出され易い物質であり鋭敏な値を出します。現在検出されている量が即、健康に影響があるわけでないことは明らかです。

 チェルノブイリの原発事故がフィリピンのピナツボ火山の噴火と考えると、今回の事故は、普賢岳や新燃岳の噴火に例えられます。どちらも、近くにいると、火山灰や火山流でやけどしたり命の危険がありますが、遠く離れれば被害は減るというところで共通します。違いは、ピナツボ火山の影響は地球上の広範囲に広がったのに対して、普賢岳や新燃岳の噴火の影響が及ぶ範囲は狭いという所です。

 福島第一原発から20㎞離れると、火山の噴出物が灰になるように、放射性物質の影響も弱まります。これまでに放出されている放射性物質は、拡散し薄まり、量がどんどん減っていきます。体についても洗い流せば大丈夫です。微量でも被ばくすれば危ないというのは、間違いです。

 人体にも通常、放射性カリウムなど1000ベクテル~5000ベクテルの放射性物質があります。またラドン温泉などに行けば、当然ラドンを吸い込みます。これらの放射性物質は量が少なければ(10~500μSv)比較的短い間では問題ありません。

 今回ほうれん草や牛乳から規定値を超えるヨウ素131やセシウムが検出されていますが、1回や2回食べても問題ありません。またヨウ素131は半減機が8日と短くすぐに環境レベルでも活性が落ちていきます。

 1度に100mSv以上の放射線を浴びるとがんになる確率が少し増えますが、これを50mSVまでに抑えれば大丈夫と言われています。原発の作業員の安全被ばく制限が年間に50mSvに押さえてあるのもより安全域を考えてのことです。

 放射線を被ばくをして一般のひとが恐れるのは将来がんになるかもしれないということです。そこで、もし仮に100人の人が一度に100mSvを浴びると、がんになる人が一生涯のうちに一人か二人増えます(日本人の三人に一人はがんで亡くなります)。ですから、現状ではがんになる人が目に見えて増え入るとうようなことはあり得ません。

 原発から10㎞から20㎞の圏内にいて非難した人は、放射線量で1mSv程度浴びたかもしれないが、健康に与える影響は、数μSvも100mSvも変わりがない、すなわちがんの増加頻度に差がないのです。

また、1mSvずつ100回すなわち累積として100mSv浴びるのと、一回に100mSv浴びるのでは影響は全く違います。被ばくについて心配しなくてはいけないのは、福島第一原発の中で働いている人たちです。彼らは、被ばくを避けながら決死の覚悟で働いています。彼らの健康をいかに守るかを考えていかなければなりません。一般の人は、まったく心配いりません。

 低い放射線被ばく線量の健康に与える影響は証明することができないと言われています。そこから、「証明できながゼロとは言えない」ー>「わからないから心配」と考えるかもしれませんが、これは間違いです。放射線は目に見えない匂いもしないから不安ですが、科学の力で数値化することができます。被害を防ぐための手段が測るということです。パニックになってはいけません。社会の一員として理性ある行動をお願いします。

心配していることとお願い

 放射性物質が広範囲に飛び散っているので、今後食物連鎖を通じて、汚染された食べ物が市場に出るのが困ります。まずは、どの地域でどういう汚染がでているのかモニタリングし、データをきちんと出すことが必要です。それらを照らし合わせて、食べた時の被ばく線量を推定し、1年間に数十mSv~100mSvに近づくようであれば規制が必要になります。食の安全に厳しい日本では監視体制が強化されると思いますが、逆に風評被害を及ぼさない配慮が必要になります。特に、今回福島県民が背負った震災、津波、そして原子力災害という三重苦に対して、また東日本を襲った国家存亡の非常事態に対して、すべからく国民がその重荷を分担する覚悟が今こそ必要であり、そのことが古来山紫水明の山島と呼ばれた大和の国の"和”をを大切に、パニックにならず落ち着いて行動する日本の誇るべき文化ではないでしょうか。

 正しい情報の迅速な開示と同時に、その伝達手段の中立公明性、さらに情報受け手の住民の正しい判断と行動を支援するオールジャパンの支援体制が今こそ望まれますので、関係各位のご支援ご協力を宜しくお願い申し上げます。」

以上である。

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