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Vulgar and not diplomatic expresssions , but sincere briefings of true situation ?

メアの暴言にアメリカの本性見たり

 ケビン・メア米国務省日本部長が昨年12月、省内において訪日する大学生に対して行った講義を記録したメモの全文が明らかになった。以下、その中の重要な点について述べていく。

 (日米同盟が取り引きの対象であり、日本が払っている巨額の接受国支援は米国にとって非常に有益な取引になっていると述べている。一万八千人規模の海兵隊と空軍が駐留している沖縄の基地について、なぜ必要とするのか、ふたつの理由を指摘している。ひとつは基地が既に沖縄にあったことと、第二は沖縄が地理的に重要だとの指摘である。わかりやすく言えば、日本の敗戦で沖縄を占領したから、基地をどんどんつくったからだとの占領軍意識と、地政学的重要性は、ペリー提督の時代から,沖縄を太平洋の要石として重要であるとの米国の認識が変わっていないとの説明だろう。米軍基地が先に出来て、町の密集は後だったとの論理もおもしろいが、戦争に勝ってあらゆる類の基地をつくり、植民地のフィリピンから前方展開したとなぜ率直に解説しないのだろうか。基地の割合についての議論もして、自衛隊との共同使用を考慮すると割合が低くなるとの役人的な小理屈も紹介している。)

 まず、民主党政権は沖縄を理解していないし、日本政府はコミュニケーションの「パイプ」を持っていないと言う図星の指摘である。(「私が沖縄県民にコンタクトを取りたいと依頼したとき、民主党幹部は「ぜひ! ぜひやってください」と言い、)民主党の幹部たちよりも、自民党の方が沖縄に通じていて沖縄の懸念について理解していたと経験談を述べる。

 (政権交代について、鳩山前総理が左派の政治家であるという初耳の情報ながら、)また、鳩山総理を無視して、昨年5月に2+2(ツー・プラス・ツー)の日米合意を成し遂げたと豪語している。後に鳩山前総理は、外国軍隊が駐留を続け定ることを異常だと感じ、それを是正しようと試みたが、役人を統御できなかった為に断念せざるをえなかったと吐露していたが、このメア部長の発言は、日米官僚による合意の圧力が鳩山総理の辞任の引き金になったことを裏付けていよう。何故に、外務省と防衛省も,自立・自尊の日本を求める鳩山総理大臣と敵対する側にまわってしまったのだろうか。(何故支えなかったのか。)

 八千人の海兵隊を普天間からグアムへと移転させるが、移転に必要な資金が日本側の努力の証として提供されるとする。「東京は沖縄の県知事に、お金が欲しければ、(移設案に同意し)サインしなさい」と言うべきで、他に海兵隊を配置する場所はないではないかと説教するに至っては、六十年の長きに亘り占領するのはやめた方がいいという、米国内におけるロン・ポール上院議員などの声をかき消すかのようだ。

 (日本の「和」を重んずる文化についての意見は見解の相違にしても聞き捨てならぬ発言である。)日本人のコンセンサスは「ゆすり」を意味し、和の文化をゆすりの手段に使っており、合意を模索するとみせかけて、カネを引き出そうとするのだとの発言は、日本人の文化を全く理解していない、植民地の住民に対するかのような眼差しである。(どちらが強請(ゆすり)で、どちらがたかりかと言いたくなる。)「沖縄の人々は日本政府を巧みに操り、ゆすりをかける名人である」など、守屋元防衛次官の回想録に似たようなくだりがあったが、外国高官に揶揄される筋合いではない。

 沖縄でニガウリのゴーヤーを栽培しているが、他県の栽培量の方が多いのは、沖縄の人は怠惰すぎて栽培できないからだ」とは差別以外の何物でもない。「離婚率、出生率(特に非嫡出子)、度数の高い酒を飲む沖縄文化による飲酒運転率が最も高い」との指摘は直裁である。(植民地の住民のように誰がしたと詰問したい。)

 とはいえ、憲法九条に対するついての議論は傾聴に値する。「私は、日本国憲法の9条が変わるべきだと思わない。そもそも9条が変えられることを疑問に思っている。もし日本が米軍を必要としないことを理由に改憲したのなら、米国にとってよくない。もし改憲したら、米国は米国の利益のために日本の土地を使用することはできなくなるだろう」と,明快である。日本がいつまでも独立せずに、米国の軍事力の庇護の下にある方が日本の土地を自由に使うことができるとの主張である。

 また、「3分の1の人たちが、軍隊がなければより平和になると信じている。そのような人たちと話をするのは不可能だ」とも述べる。九条が墨守されることによって、米軍基地がいつまでも存続することが出来るとの日本部長の意見は、日本の夢想的非武装論者に対する痛烈な当てつけとしても卓見であろう。「外交とは華麗に礼装した軍事である」との表現があるが、いずれにしても、直截的で粗野で、ペルソナ・ノン・グラータの烙印を押されかねない外交官らしくない発言である。あたかも支配者であるかのような、横柄で、建前と本音を峻別する意識や自制心が欠落した発言と言えよう。

 日本はアメリカの属国ではない。現在の日米安保が不均衡であるなら、平等で対称の同盟関係にすればよい。「米軍が攻撃された場合、日本は米国を守る義務はないが、米国は、日本の国民と財産を守らなければならない」などと恩着せがましい発言をするのであれば、竹島、北方四島の実効支配の追認するだけでは同盟の深化にならないと指摘しておこう。(日本は衛星国でもない。確かに、「集団的自衛権は、憲法問題ではなく政策の問題」であるから、「米軍は起こり得る展開に対し準備して訓練するが、自衛隊は実際の展開を準備せずに訓練する。たいてい夜間に戦闘が起きている現代の戦争では夜間訓練は必要だが、地元の人は米軍の夜間訓練に反対する。夜間訓練は抑止力維持に不可欠だ」との意見を聞けば、)自衛隊が国軍となることを邪魔しているのは米国の方ではないか、と言う思いを抱かざるを得ない。また、メア氏の発言からは、日米同盟が希薄化すれば直ちに日本を敵国視してくる可能性も読み取れる。うがった見方かも知れないが、現在アメリカが郵政民営化、構造改革、TPPを押しつけても、日本を敵視するに至っていないのは、形式的な同盟関係があり、カネ払いが良いからとも言えよう。

 日米同盟は、過去に戦争を闘った独立国の間の互いの安全保障措置である。米国は日本が国連の常任理事国になることに反対したが、日本の自立・自尊と再興をそれほど恐れているのだろうか。カネの切れ目が縁の切れ目では、真の同盟とは言えまい。

 
 メア氏の発言は,日米同盟に関する重大な本音の点検リストでもある。そのように活用できるのであれば、真の同盟関係を創り上げることが出来る。この暴言を天佑と心得よ。

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