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Dictator's death yet to be confirmed

江沢民死亡説の意味するもの

 香港のテレビが、江沢民死亡説を放送して、新華社は誤報と決めつけ、外交部は追従するが、真実のところはわからない。確実なのは、7月1日の中国共産党90周年の式典に姿を見せなかったことで、権力が揺れ動いており、上海閥の力が薄くなったことだろう。

 閉鎖社会では、権力が手続きを得て定まらずに、激しい「仁義なき」内部闘争の結果として権力が生まれるから、権力者の死亡は一族郎党の栄華も一瞬に反故になる。負け犬になれば墓をも暴くのが、シナの易姓革命思想の過酷さであるから、簡単に死ぬ訳にはいかない。沖縄サミットの時に、親中政党がオブザーバー参加を呼びかけたが、民主主義国では無いから参加しないと言い切った。

 江沢民は、鄧小平を後継する権力者であるが、連合国の立場を強調して米国にすり寄って近づき、ホノルルを訪れて戦艦アリゾナ記念館で献花して、真珠湾攻撃を非難して、国内では抗日記念館を各地に建てて反日を煽った。香港の返還の時には、大英帝国の名代としての皇太子が、ヨットのブリタニア号で香港を去る儀式を仕切り、澳門も江沢民の時代に還ったから、中華帝国を取り戻した気風で、毛沢東の農民上がりの文人の気風とは異なる。特別製のカシミヤ人民服を着て、ロシア留学はモスクワのスターリン自動車工場に勤務したことで、チャウシェスク時代の一年間ルーマニアにいた海外経験も単身赴任と変わらず、フランス帰りの周恩来や鄧小平の青春時代の留学話のしゃれっ気はなく、権力志向の堅物だったのかも知れない。

 南京中央大学で日本語を習ったとの経歴があり、酔うと炭坑節を歌ったとか、父親は日本の情報機関に協力した人物ではないかとの話もあるが、対日知識の具体的な内容は不明で、極度の反日思想の持ち主であったことは間違いない。

 訪日の際、「日本政府による歴史教育が不十分だから、不幸な歴史に対する知識が極めて乏しい」と発言をして、非礼にも執拗な謝罪要求をして反発を買った。宮中晩餐会には人民服で出席し、大熊重信が対華21か条要求をしたととってつけた理屈で、講演をしながら首尾一貫しない難癖をつけて、早稲田大学からの名誉博士号の授与を固辞した。

 日本の首相による靖国神社参拝には断固反対で、日本に対して「台湾問題をとことん言い続けるとともに、歴史問題を終始強調し、しかも永遠に言い続けなくてはならない」と外交当局に指示を出す偏執である。

 天安門事件で失脚した趙紫陽の後に抜擢されて党中央委員となった強硬派で、93年に国家主席に就任しているが、総書記・国家主席・党中央軍事委員会主席を兼任して権力を一元化したから、共産中国というより江王朝を成立させた感がある。

 WTOに参加して、共産主義の貧しいながらも平等を喜ぶ理想を捨てて、鼠を捕るだけではなく、容赦のない社会格差を容認する市場原理主義を中国に導入した。市場原理主義の教祖であるシカゴ大学経済学部のミルトンフリードマンとの関係も、今後の研究対象となっても良い。江沢民の時代に,中国共産党は労農の党ではなくなった可能性が高い。

 大来佐武郎先生が逝去した直後に、大阪でアジア太平洋閣僚会議、APECが開催され、中之島周辺が戒厳令下のようになったことがあったが、江沢民の指導する中国の世界経済への登場の為のハレの出番としてしつらえた。大来先生は、フレッド・バーグステン氏と電話で話している間に倒れたが、それまでの日米欧委員会を三極委員会と日本を矮小化した挙げ句に、江沢民にアジアの主導権を渡そうとしたことで、米国の変質に憤怒を覚えられた違いない。

 APEC大阪では代役を大来先生の代役を外務省OBが務めたが先生の迫力はなく、中国がアメリカの下請け工場となり、キャリートレードと称して日本のカネと技術とを中国に移転して、同盟を形骸化させながら、日本を単なる金づるに貶めて属国視する動きが顕著となった。

 郵政民営化で世界最大の国民資産を外国に持ち出し大儲けすることを企んだ張本人のひとりはワシントンの銀行総裁に就任している。日本側閣僚との会議記録が、TPPの日本弱体化の謀略がウィキリークスの公電漏洩で天下に明らかになったように、早期に公開されて明るみに出ることが期待される。郵政資産を江王朝と外国の為では無く、日本の復興財源として有効に使われて然るべきである。郵政民営化の破壊を一刻も早く修復することが震災財源の確保の為にも必要である。

 江沢民の揮毫した石碑を和歌山県田辺に建てようとして反対があって取りやめになった事件があったが、パンダが出稼ぎに上野動物園に来たことと繋がる。米国老舗のコンピュータ会社は、工場を日本人社員まるごと中国に売り渡し、100%外資の日本人雇われ経営者が経済団体を代表する軽薄もまかり通った。

 江沢民は大国意識を剥き出しにして強硬路線を進めた。台湾総統選挙の時に台湾海峡にミサイルを撃ち込んで米空母の展開を招き、むしろ台湾の団結と民主的な権力交代を定着させた。核実験を強行し国慶節では軍事力を誇示した。三峡ダム建設を強行した張本人でもある。

6月25日、米国務省の次官補と中国外交部次官とが、ハワイで初のアジア太平洋協議を行い、同日午後、戦艦アリゾナ記念館を訪問している。第二次大戦の共通の敵日本と闘ったとする歴史認識が再演された。江沢民の反日路線を米中で再演したデジャビュの演出である。

 大震災最中の「ともだち」作戦を口実に新たな軍事基地の建設を要求する手際の良さと裏腹に、日米の信頼を裏切るものであり抗議に値する。国務次官補と太平洋艦隊司令官は、この会合の後に太平洋の島嶼国を巡っている。属国化した日本の対応の甘さと外交感度の鈍さを冷笑しているかのようである。

 さて、江沢民の死亡説は、「反日」王朝の時代の終わりを告げている。日中間の平和と安定を期待した多くの日本人の期待と善意は無残に裏切られ、新幹線技術が窃用されたように、米中の金融勢力の陰謀が交差する大帝国の出現を助長することにしかならなかった。形骸化した同盟に阿ることも最早出来ない。中華膨張主義の最悪の事態に備えるためにも、自立・自尊の日本を一層追求して世界に「ともだち」を求める好機としたい。国難に雄々しく迅速に立ち向かうことで、禍を転じて福と為す以外に道はない。

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