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Postal Crimes 2

朝の来ない夜はない。

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終身保険・入院特約の商品性は?中-1
東京簡保交友会 会長●早田利雄
3.なぜ、入院特約の返戻金は、死亡した場合、払われないのでしょうか

(1)最近、「かんぽコールセンター」に「50歳のとき、60歳支払開始の据置定期年金に加入した男性(入院特約保険金1,000万円)が、60歳で入院特約を解約するときの返戻金は、いくらか。」と問い合わせたところ、女性社員は「110万円」と教えてくれた。続けて「死亡した場合は?」とあえて聞いたところ、「返戻金は、出る。その金額は調査し、回答する。」との答であった。
 そこで、「リーフレットでは、『死亡した場合の返戻金はない。』と書いてあるが。」と言うと、社員は「当然出るはずである。調査する。」という返事であった。しばらくして、サービスセンター社員から「先の答は間違いである。死亡の場合、返戻金はない。」と回答があった。
 コールセンター社員の答は、もちろん間違いではあるが、「解約の場合に返戻金があるのだから、死亡の場合もある。」と考える彼女は、ごく普通の常識的感覚の持ち主というべきであり、また、20年6月以前の入院特約制度であれば「正解」である。
「被保険者が死亡した場合の返戻金はない。」ということだが、[表1][表2]の通り、現入院特約にも解約に際しては、相当多額の返戻金が払われる。これは、未経過特約料(それまでに払込まれた「解約時以後の入院特約料相当額」)であり、死亡の際にも当然発生しているものである。
注)前特約(20年6月以前の疾病傷害入院特約)は、死亡時にも解約時と同額の返戻金を払っていたことは、ご承知の通りである。
 それでは、死亡時の未経過特約料は、どこに消えたのか。

「以前の入院特約は、死亡時にも返戻金が出ていた。なぜ、今は、死亡時には返戻金がないのか。」という質問に対し、コールセンター、サービスセンター、窓口社員の答は、次の通りである。
「無配当保険だから」という答は、論外ではあるが、約半数と一番多い。
 なお、「よく分からない。」と言う社員も少なからず存在する。しかし、どうやら「保険料引下げの原資に充当したから」「返戻金に関する事務簡素化の観点から」という答が模範解答らしい。
 かんぽ会社の説明は、「死亡者に積み立てられた積立金を残余の被保険者群団に繰り入れることを前提に、表定保険料を引下げた。」ということである。しかし、終身保険の場合は、その保険の特性から60歳死亡時には374万円、70歳死亡時には353万円という多額の未経過特約料が存在する。本来、死亡者の持分であるこれらの未経過特約料を、生存している他者の保障に充当することについて、お客様の理解を得ることは難しいと思う。また、入院特約を高齢になった時点で解約した者との公平性は保たれるのか。大いに疑問がある。
 なお、養老保険は、保険期間中の保障分を月々払う仕組みであり、終身保険のように、100数歳までの一生涯分の特約料を払込期間中に支払う訳ではない。そこで、[表2]にある通り、返戻金も終身保険に比較すれば、2ケタ程度少ない金額である。しかも保険期間中に全員が死亡する終身保険と異なり、養老保険で死亡保険金を貰う者は、少数である。したがって、養老保険については、死亡時に返戻金を払わないことについて、お客様の納得は得られると思うが、終身保険については、別である。

(2)払込終了後、入院特約を60歳で解約した場合、返戻金は、およそ男性370万円・女性420万円である。この返戻金の性格は、「未経過特約料」すなわち、50歳から60歳までの払込期間中に払込済の「60歳から100数歳までの将来の特約料」を還付しているものであることは、先に記述したとおりである。
 現特約のように、「解約の場合には返戻金を払うが、死亡の場合には払わず、それを生存者の保障分に繰入れる。」と言うのは、保険思想の点から見れば、理解できないわけではないが、お客様心理として、とても納得が得られるとは思えない。
 かんぽ会社は、このことについて「基本契約と特約の返戻金の有無について、整合性を図った方がお客様にとって理解し易い仕組みになる。他の民間生保では、解約の返戻金の仕組みは設けているが、死亡時の特約返戻金は設けないものが多くある。」と他の民間生保並みであることを説明している。
 しかし、そのために、トラブルの発生が危惧され、高い正味特約料になるのでは本末転倒であり、あえて、他の民間生保並みにする必要性があるのか。むしろ、整合性は、「基本契約と特約の間」ではなく、「解約時と死亡時の間」に図った方が、お客様にとっても理解し易く、結果的に良いのではないか。
 次に、「事務簡素化の観点から」という意見について検証すると、先に記述したように養老保険についてはともかく、終身保険については、還付すべき金額も大きく、その対象者も幅広く存在し、ここで事務簡素化の話を持出すことは、不見識・非常識の謗りを免れないのではないか。これでお客様の理解を得ることは難しい。
 20年6月以前の入院特約制度のように、死亡時以後の未経過保険料は、返戻金として当然還付されるべきものであり、それが筋である。

(3)現在、終身保険に無配当疾病傷害入院特約を付加しているお客様に対しては、「販売する際には、必ず、重要事項を説明し、お客様にご理解をいただいているので、問題はない。」という公式見解であるが、そのようには、現実は動いていない。
 ①なぜ、死亡時に特約返戻金を払わないのか。②その結果どのような現象が起きているのか。③これからどのような選択をする方がベストなのか等について、もともと社員が良く理解していないのだから、お客様が十分理解されているとは、現場の実態から見てとても思えない。
 これらのお客様に対して、十分なアフターフォローを考えねばならないのではないだろうか。

●死亡の場合、入院特約の返戻金は。
・終身保険については、早急に、死亡時にも入院特約の返戻金を払うよう制度改正を行う。
・終身保険に「無配当疾病傷害入院特約」を付加しているお客様には、十分その仕組みを説明し、理解を得るようアフターフォローに努める。

(参考)「かんぽコール・サービスセンター」機能の強化・充実
 加入後のフォロー体制、保険金請求時の利便性等は、保険会社を選択するに際し、欠かせない要素である。その点から電話で気軽に依頼できる「コールセンター」の存在は大きく、各社は人材育成・指導に力を入れており、その対応力も格段に向上して来ている。
 お客様がコールセンターに求めるのは、質問・要望に対し、①的確な答(対応)を②より迅速に③担当者が責任を持って処理してくれることである。
 その点を検証すると、「かんぽコール・サービスセンター」は、何れも及第点には程遠い状態である。特に、社員の業務知識の不足は甚だしく、基本的な保険知識、想定質問に対する回答をマニュアル化、電子化する等して、早急に体制を強化・充実する必要がある。

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