構造改革、民営化、市場原理主義の虚妄から、マインドコントロールを解くための参考図書館

« Shock Doctrine in Japanese Laguage | トップページ | Who will be the Prime Minister? »

Brutal Soviet Invasion into South Karafuto

友人から送られてきた原稿を当方ブログが掲載する。

忘れまじ“真岡郵便局事件”。映画「氷雪の門」に寄せて。

 8月も終わるが、触れておきたいことがある。6、9日は広島と長崎への原爆投下、15日は終戦として記憶されていても、20日に南樺太で何が起こったのか、知る人は少ないだろう。66年前の1945年(昭和20年)8月20日、南樺太・真岡へのソ連軍侵攻で、真岡郵便局(上田豊蔵局長=当時は電信電話も管轄していた)の女性電話交換手が集団自決した“真岡郵便局事件”のことだ。

 連絡業務のため勤務していた12人のうち9人が、青酸カリなどで自決した。“北のひめゆり事件”とも呼ばれる。郵便局に残っていた職員や当日非番の職員からも死者が出ており、真岡局の殉職者は19人にのぼったという。
 太平洋戦争末期、長崎に原爆が投下された8月9日に突如、ソ連は日ソ中立条約を破って参戦した。11日には南樺太にもソ連軍が侵攻した。日本は14日にポツダム宣言受諾を決め、15日に玉音放送で戦争終結が国民に知らされたが、南樺太ではソ連軍の進撃が続いていた。

 婦女子の強制疎開命令が出された中、電話交換手として責任を果たそうと励まし合い、職務遂行を誓う真岡局の乙女たちがいた。真岡局は平屋建ての本館と2階建ての別館があり、電話交換業務は別館2階で行われていたという。

 20日早朝、ソ連艦隊が真岡の沿岸に現れ艦砲射撃が開始されると、真岡局内も被弾するようになった。別館2階で孤立状態となり、通信で寄せられる数々の悲惨な状況を知るに及んで自決を図った。
「皆さん、これが最後です。さようなら、さようなら…」という最後の言葉を電話回線に残して。 映画「樺太1945年夏 氷雪の門」は8月15日後の南樺太を舞台に、最後まで電話交換業務を続けた真岡局の悲劇を中心に、ソ連侵攻の史実を描いた。三池信会長(元郵政相)、小倉寿夫社長(元新東宝専務)、望月利雄専務(元新東宝プロデューサー)で設立したジャパン・ムービー・ピクチャー(JMP)が制作した。

 北海タイムスに連載された金子俊男「樺太一九四五年夏・樺太終戦記録」(講談社)を原作に、国弘威雄氏が脚本、二木てるみ、藤田弓子、岡田可愛、鳥居恵子、栗田ひろみ、南田洋子、丹波哲郎、田村高廣、島田正吾さんらが出演、村井三男監督がメガホンをとった。総指揮はJMPの三池会長と小倉社長。

 多くの団体推薦を受け、JMPは74年(昭和49年)2月に東宝に配給を要請。3月29日から劇場公開されるはずだったが、ロードショー直前(3月12日)に公開が中止された。外務・文部両省に「ソ連国民とソ連軍を中傷する反ソ映画の上映は困る」とのソ連大使館の抗議で東宝は自粛。配給元も東映に代わり8月17日から北海道、九州で2週間ほど劇場公開されたが、ほとんど日の目を見ることはなかった。

 ただ映画に協力し全国に先駆け上映された稚内市では、市民の半数に及ぶ5万5千人の入場者を記録したという。宗谷海峡を望む稚内公園には樺太で亡くなった全ての日本人のための慰霊碑「氷雪の門」と自決した「殉職九人の乙女の像」が建つ。

 2004年(平成16年)になり当時のフィルムが発見され、助監督だった新城卓氏(映画監督)が「埋もれた大作を世に出したい」と再編集しデジタル化、昨年7月17日に36年振りに東京都内で劇場公開された。その後、全国のミニシアターを中心に上映された。ご覧になった人も多いだろう。DVDにもなっている。

 1945年の出来事を思い出すと8月は日本と日本人にとってつらい月だ。戦争は終わったのに「生きたかった」と発しながら集団自決にまで追い込まれた乙女たちの心情を思うと、戦争の理不尽さに胸が痛む。無謀で愚かな戦争は多くの犠牲者を出し、悲しみや憎しみは世代を超えて残る。米ソの冷戦構造は終わり、ソ連も崩壊したが、未だに戦争は地球上からなくなっていない。

 択捉、国後、色丹、歯舞の北方領土問題や昨年の尖閣諸島での海上保安庁巡視船への中国漁船衝突事件、竹島領有問題などに揺れる日本外交を見るにつけ、戦争と平和について改めて考えさせられる。そして、砲弾が飛び交う中、懸命に職務を全うしようとした乙女らの姿を通し、逓信省時代の郵政事業に思いを馳せ、郵便局とは、職業人とはどうあるべきかを鎮魂を込めて思う。今年3・11の東日本大震災とともに“真岡郵便局事件”も記憶に留めたい。

|

« Shock Doctrine in Japanese Laguage | トップページ | Who will be the Prime Minister? »

コメント

すばらしいブログです。ありがとうございます。

投稿: 渡辺日出男 | 2011年8月31日 17時06分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/209267/52596488

この記事へのトラックバック一覧です: Brutal Soviet Invasion into South Karafuto:

« Shock Doctrine in Japanese Laguage | トップページ | Who will be the Prime Minister? »