構造改革、民営化、市場原理主義の虚妄から、マインドコントロールを解くための参考図書館

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Postal Crimes 4

http://www.tsushin-bunka.co.jp/?p=1576

上記のリンクの先には、郵政民営化ですっかり劣化した簡易保険の実態を告発する記事が署名入りで掲載されている。民営化と称して、公営事業としての簡易保険を乗っ取りが行われ、利用者たる国民の利益をないがしろにして、その巨額の資金を運用に回して荒稼ぎをしようとした市場原理主義の勢力の手先の経営者に対して、急激に経営が悪化している責任の追及が行われて然るべきである。時宜を得た論考となっている。

最近、福島で原子力発電の事故を起こした東京電力の大株主が、日本のとある信託銀行であることが明らかになっている。さてさて、その信託銀行に運用を委託した、郵政の金融部門の損失の規模はどうなっているのだろうか。老朽化した原発の延命を図って,利益を極大化して荒稼ぎをしようなどとの悪辣な陰謀がなかったことを祈るばかりだ。

「終身保険の入院特約制度は適正か?
東京簡保交友会 会長●早田利雄

5.あなたは、お客様にどう助言しますか?
―現入院特約制度を維持する場合―

(1)「『死亡の場合 返戻金を払わない。』これがかんぽの無配当疾病傷害入院特約制度だ。」と主張する考え方は、在って然るべきだ。しかし、23年1月の「即時定期年金・販売自粛の指示文書」の発出により、このカードは、切れなくなった。
 現在の「無配当疾病傷害入院特約制度」を維持する場合、その仕組を説明する「マニュアル」を作成する等して、窓口・渉外社員、コールセンター、サービスセンター社員への教育・指導を徹底し、まず、社員に入院特約制度を十分理解させることが肝要である。
 お客様への説明に当たっては、具体的に、分かりやすく説明する態度が重要である。かんぽのお客様は、郵便局を信頼する余り、細かい説明は求められないことが多いが、その信頼を逆手に取ったような営業は、絶対にすべきでないことは、言うまでもない。
(2)「終身保険・据置定期年金(分割型)についても、販売自粛すべきではないか。」という東京簡保交友会の意見に対するかんぽ会社の回答は、次のとおりである。
  「保険料の払込方法(経路)を一時払とする基本契約に付加する特約(一時払特約)は、販売を自粛した。」しかし、保険料の払込方法を分割払とする基本契約に付加する特約については、①加入後早期の死亡にあっては、払込保険料が少額であること。②保険料払込済年齢の近く又はそれ以降の死亡にあっては、それまでの期間の保障提供があることから、即時定期年金のような苦情等のリスクはないと考える。したがって、販売は継続する。」  
 果たして、これでお客様をうまく説得できるのか。将来に禍根を残さないのか。次に検証する。

①保険料払込中の52歳または56歳死亡の事例では、基本契約の保険金は、1,000万円支払われ、それぞれ838万円(52歳)、514万円(56歳)のプラスとなる。一方、入院特約については、支払総額は88万円(52歳)、264万円(56歳)であるが、その間の「保障料相当額」を差引くと、71万円、213万円である。
 総合収支としては、基本契約の保険金があるためプラスとなり、入院特約料分についての損失感は、さほど感じないかもしれない。しかし、入院特約について分計すれば、払込総額の80%に当たる71万円(52歳)、213万円(56歳)の未経過保険料が存在する。これを「少額」と言って切捨てて良いのか(表参照)。

Kanpo_crimes

②60歳の払込済直後死亡の事例では、基本契約は、190万円のプラスになる。入院特約では、払込総額のままとすれば、439万円。10年間分の保障料相当額85万円〔「新フリープラン」50歳加入・60歳満期の入院特約料(7,100円×12月×10年)と同額と仮定〕を差引くと、354万円の払込超過額である。総合収支では、164万円のマイナスになる(表参照)。 

注)60歳時の未経過保険料374万円から10年間分の保障料相当額を計算すると、「65万円」であるが、ここでは「85万円」を採用した。

 かんぽ会社は、「50歳から60歳まで入院保障を提供した。その費用が439万円。」という説明で、「お客様は納得され、苦情にはならない。」と言うが、果たしてそうだろうか。答は「否」である。
 これでは、50歳から60歳までの入院特約保障料は、養老保険タイプでは85万円、終身保険タイプでは5.2倍の439万円となり、全く合理性がない。
③加えて、この説明は、前記3の(1)の「死亡時に返戻金を払わないのは、その分を保険料の引下げ原資に充てた。」とするかんぽ会社の説明と矛盾する。
 ここは、素直に「入院保障料は、17万円(52歳)、51万円(56歳)、85万円(60歳)である。支払総額との差額は、保険料引下げの原資に活用した。したがって、返戻金はない。」と言うよりほかない。しかし、かんぽ会社のいずれの回答でもお客様の理解・納得が得られるとは到底思えない。

(3)23年4月末現在、かんぽ会社の終身保険(特別終身保険を含む。)保有契約件数は、170万件、そのうち無配当疾病傷害入院特約を付加している契約は、手元にデータがないので定かでないが、おそらく100万件を上回る数になるだろう。
 かんぽ会社の見解は、「入院特約を付加されているお客様に対しては、販売する際には、必ず重要事項を説明し、ご理解をいただいているので、問題はない。」というものであるが、肝心の社員のうち、相当数が入院特約の仕組みを十分には理解していない現状からみて、このような判断は出来ないのではないか。
  「死亡した場合、返戻金はない。」ということは、社員は、当然契約時にお客様にお知らせしているだろう(リーフレットにも記載済み)。しかし、その内容について、社員がどこまで説明しているか、また、お客様がどこまで理解しているかについては、課題が残っている。
  例えば、「『死亡時返戻金はない。』ということは、60歳のとき死亡すれば、①未経過特約料374万円は還付されないこと。②前特約より、毎月の支払保険料は250万円安いが、実際の支払総額は、378万円高い特約料になることである(保障の充実分は、考慮しなければならないが…)。」と、その内容まで社員は、説明している訳ではなく、お客様の理解も概念的なものでしかない筈である。
 加えて、社員の一部は、お客様に「ある年齢で入院特約は解約した方が有利な場合が多い。」ということを知らせているが、他の社員は、このことを知らないからかどうかは分からないが、ほとんどのお客様に知らせていないのが現実である。お客様により「情報提供の格差」を生じている。
 80歳の時に、入院特約を解約した場合、男性は290万円、女性は360万円の返戻金を受取ることが出来る。
 入院特約を解約するか、そのまま継続して、入院保険金・手術保険金・長期入院一時保険金を受け取る方が良いのか、あなたは、お客様にどう助言するか?
 参考までに、入院保険金だけで、損益分岐点を計算すれば、男性は190日(15千円×190日 285万円)、女性は240日(15千円×240日 360万円)入院すれば、解約返戻金とほぼ同額となる。
 1,000万円の終身保険契約(定額型)に加入し、災害・無配当疾病傷害入院特約各1,000万円を締結、そして、80歳まで生きた男性は、どう対応するのがベストか。
❶直ちに、入院特約のみを解約し、返戻金290万円を受取る。
❷その290万円を定額貯金にして、入院した際等の資金とする。
❸病死の場合は、1,000万円、事故災害の場合は、2,000または3,000万円を遺族が受取れるように手配する。
 上記の案は、「死亡時の返戻金0」を免れ、確実に未経過特約料分を回収する良い案に思えるが、如何か。
 保険者(かんぽ会社)の期待には反し、解約しない他の加入者とは公平性を欠くが…。
  「お客様に『解約を進める。』『乗換を進める。』ことは、絶対にやってはいけないこと。」と、これまでは厳しく指導し、また、指導されてきた。しかし、「本件の場合は、解約について、積極的に助言し、解約するかどうかの判断はお客様に委ねるべきである。」と考える。
 しかし、「解約を進めることを奨励する。」と言うような異常事態は、早急に是正されて然るべきである。
 終身保険に付加する入院特約を、現行のまま販売継続することは、将来に大きな苦情等のリスクを負い、郵便局への信頼を損なうことになる。速やかに「販売自粛」し、「入院特約制度改正」を行うとともに、既加入のお客様へのアフターフォローに万全を期すべきである。

●現在の入院特約制度を維持する場合は

・入院特約制度の仕組みを、お客様に説明する「マニュアル」を作成し、窓口・渉外社員、コールセンター、サービスセンター社員への教育・指導を徹底する。
・既加入のお客様、特に、終身保険等に「無配当疾病傷害入院特約」を 付加されているお客様には、十分その仕組みを説明し、アフターフォローする。

(最後に)苦情・トラブルの発生を事前に防ぎ、信頼を確保するために

 現在、終身保険に付加する入院特約制度に起因する苦情・トラブルが、表面化していないのは、幸いなことであるが、それは、お客様が納得されているというより、次の理由に基づくものと考えられる。
①お客様は、「死亡時に返戻金がないこと。」から生じる種々の現象について、まだ、十分理解されていないこと。②現入院特約は、発売後、日が浅いため、加入者死亡の事例が少ないこと。③基本契約の保険金が払われることに加え、特約料の支払総額もいまだ少額なため、損失感をあまり感じていないこと。

 しかし、払込済契約が発生する平成30年に向けて、徐々に、しかも確実に苦情等は増加していくだろう。その理由は、下記のとおりである。
①死亡者の未経過特約料は、52歳時の67万円を基準にすると、54歳2.1倍(140万円)、56歳3.2倍(215万円)、58歳4.4倍(293万円)そして、60歳5.6倍(374万円)と払込済直後がピークとなる。しかし、受取人等には、この金は一切払われないこと(男性・50歳加入・60歳払込済・特約1,000万円)(第158号㊥-1「表2」参照)。
②普通病死の場合、基本契約の保険金と払込保険料総額との差額(プラス分)は、52歳時の838万円を基準にすると、54歳80%(676万円)、56歳61%(514万円)、58歳42%(352万円)、60歳23%(190万円)とだんだん減少する。上記①の関係もあり、受取人等は、時間の経過とともに、損失感を強く感じるようになること(男性・50歳加入・60歳払込済・基本1,000万円)(表参照)。
③統計的には、男性の場合、82歳程度(50歳の平均余命31.5年)までに、加入者の半数が死亡することから、払込済後は、加入者死亡の事例が次第に増加し、「死亡時に返戻金がないこと。」の問題を実感するようになること。
  
 簡保事業は、これまでもお客様・マスコミ・国会等各方面から厳しく非難されたことが何度かあった。大きなものとしては、「経営者労災事件」、「最高制限額超過問題」があるが、これらの後遺症を修復し、お客様の信頼を取り戻すためには、大変な労力そして、相当の時間を必要とした。 
 かんぽ会社には、今回の「終身保険に付加する無配当疾病傷害入院特約」の扱いは、「かんぽの生々発展のためには、これまで築いてきたお客様の信頼を維持し、更に高めていくことが基本であること。」を強く認識して、この課題に真正面から対応していただくよう特に要望する。
  かつて、不適正な「2分の1損金話法」による苦情・トラブルの発生を未然に防ぐため、大量の契約を無効処理したように…。」

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