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Ise and Merchants

伝統文化という雑誌があって、そこに、伊勢と伊勢商人と言う題で討論会があった記事がのっている。なかなかおもしろい記事であるが、雑誌を取っておくと本棚が積み上がるばかりになるので、そのおもしろそうなところを、このブログの記事にしてとっておこうと思い立った。

○伊勢商人と言うのは、江戸時代に広まった言葉である。江戸中期の落ち穂集という随筆に、「江戸町屋の始まりは,伊勢の国よりあまた来たりて、小石川程なく、町家多く出来て壱町のうち半ばは伊勢屋をもって称せしなり」とあるという。この石川は,西神田のことだ。

○櫛田川の中流域の丹生、射和、相可(おうか)と町があるが、丹生は日本有数の水銀の産地。東大寺の大仏の鋳造にも献上。射和(いざわ)では、水銀からつくる伊勢白粉(いせおしろい)の生産地。松坂は、1588年蒲生氏郷の開いた新しい町。豪商を輩出。1750年代には、松坂商人が江戸に店を持っているのが,49軒。津は、藤堂高虎が江戸初期に整備した城下町。鈴鹿の白子は、海上交易の中継港、伊勢型紙の生産。

○資本と経営とが分かれていた。経営は奉公人が、主人は伊勢に留まり、地域貢献や趣味にいそしむ。

○三井家は,松阪から京都に本拠を移したが、伊勢商人と呼んでもいいのではないか。三井は、三菱や住友と違って,商人の流れがあった。商業の近代化で財閥を築いた。

○儒教の論理が、江戸の林羅山当たりで、増幅していった。商いが、士農工商の最後となったが、実は武家と商人とは表裏一体の関係で、それほどの儒教的な差別はなかった。

○主人が伊勢を離れられなかったのは、藩の縛りもあったから。

○呉服商から出発。木綿商になり、更に両替商になる。松坂木綿というブランドにする。

○1850年頃に、大日本持丸長者鑑という長者番付が残るが、豪商のトップに伊勢 三井八郎右衛門と乗っている。その他、伊勢からは、田端屋治郎左衛門(津)、大和屋嘉左衛門(松坂)、小津清左衛門(松坂)、古森前右衛門(山田)、楠見五右衛門(白子)、長谷川次郎兵衛(松坂)、吉文字屋勘右衛門 増井大助の名前がある。いずれも木綿商、小津は紙も扱い、江戸一番。国分勘兵衛は、醤油や塩、むらさきという濃い口醤油は目玉商品。茶は幕末から明治。中世までは木綿ではなく、チョマという麻布。

○北関東の酒蔵業の六割が近江の出身。駒井正一著、日野商人がある。

○伊勢の御師(おんし)が、伊勢信仰の媒介者、道中の為替の仕組みもあった。山田羽書という地域通貨もあった。蝦夷と琉球を除いて、二千万人ぐらいの人口のうち、年間百万は伊勢参りをした。今の海外旅行と大差のない比率。

○明治になって、御師が解散。御師は、お札の大麻を配っていた。暦。土産物のリストとしては、①伊勢暦②薬用品、はらや(白粉),万金丹(丸薬)、③海産物、熨斗鰒、小貝醤(ふくだめ)干栄螺、真珠、乾鰹、塩漬鯨、鯔(ぼら)(名吉、生、塩引き)、鮫たれ、干し魚(鰺、鯖、)するめ、数の子、若布、鹿尾菜(ひじき),青海苔、布海苔、神仙菜(あまのり)昆布 ④日用雑貨、竹箸(漆塗り、田丸箸、利休箸、櫛(黄柳櫛、)小刀、針、紙煙草入れ、器物(春慶塗、重箱、銚子、枕重箱、丸盆、四方額)足袋 ⑤その他、干瓢、茶、帯・扇(儀礼的贈答品)紙(杉原・鳥の子)油煙(墨)・物差し、

一番良いのは、重さのない、伊勢音頭で、歌声も土産になった。

慶応3年にええじゃないかが運動があった。明治四年に御師を廃絶。改元。

明治六年に改暦。明治十五年から神宮暦が、神宮司庁によってつくられる。

○幕府や藩の両替商は、踏み倒された。家質という担保を没収された。関東大震災、金融恐慌で没落したが、才覚、算用、質素倹約などの徳目は維持されている。石門心学を勉強する流れもある。

○にんべんも伊勢商人の系統。三重紡績が東洋紡になる。御師の行為は、内面にも入り込む命がけの活動。江戸時代の商家には、和と言うことは見られない。家訓や条目に普遍性がある。修行中は蔵書をなすべからず、商売意外には手を出すな、とか、相場には手を出してはいけない、商品を売ることに徹底瀬音か説いている。隠居すれば、若い時に出来なかった文化活動に協力せよとなる。射和の竹川竹斎、射和文庫を設立している。江戸時代の大規模図書館である。昭和十一年刊、大伝馬町、紺野浦二著(川喜田半泥子のペンネーム)

以上、色々と書いてある。伝統文化活性化国民協会の雑誌、伝統文化37号に掲載されていた興味深い記事を紹介した。

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