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Reactor and Power Plant Design was Defective

中島功教授の論考である。先生の了解を得て、当方ブログに転載する。

「在庫一掃セールを買わせられた東京電力

福島第一原子力発電所

A、B、Cに設計上のミス(図1)と思われるポイントを列記しましたので、ご検討ください。GEとのターンキー契約(東京電力側は完成品を受け取り、キーを回せば、そのまま運用できる)のためB,Cに関しては、初期設計後の変更は、金銭的な課題があった。

http://a7.sphotos.ak.fbcdn.net/hphotos-ak-ash4/s720x720/308281_153793278045926_100002457640323_275239_1626979668_n.jpg(下の図表を見るために,当方ブログがこのリンクを追加している。)

<著者は、原発にはズブの素人で、この文章は優秀な友人、知人である官僚を個人的に非難しているものではありません。>

図1 設計ミス A,B,C

http://a6.sphotos.ak.fbcdn.net/hphotos-ak-snc7/306908_153793454712575_100002457640323_275240_1884211626_n.jpg(このリンクは,当方ブログが、下記の映像を見るために追記した。)

25mの壁面

A:高さによる津波対策

前回の写真をよく見て欲しい。ディアブロ・キャニオン原子力発電所は、地震が頻発する米国西海岸に面しているが、その立地は、高さ26mの断崖の上である。福島第一原子力発電所も実は、断崖を有した海抜35mの台地であったことをご存知でしょか?

なぜ25mを切り崩したのか?

事故直後3月下旬、友人の経済産業省の専門家に電話し、なぜ、原子炉格納器が津波の被害を受ける位置に設置したのか?と質問したことがあった。彼の答えは、「岩盤の上に直接格納器を置きたかったから」と。 しかし、実は、この地層の岩盤は深く、わずか25m掘っただけでは達しない深さなのである(図2 削った断面の衛星写真)。

敷地造成工事はプラント設備のように、GEとのターンキー契約の対象ではなかった。 東京電力の独自の施工とされ、東京電力の指示で我が国のゼネコンが工事に従事している。ただし、真意のほどは明らかではありませんが、不発弾処理が必要だったと。 初代の所長、今村博氏によれば、長者ヶ原飛行場は戦時中アメリカ海軍より艦砲射撃や爆撃を受けたため、用地造成中には土捨場から50kg爆弾が発見されて山形県神町駐屯地より不発弾処理隊が派遣されたこともあったと言うが、全部を掘り返す必要はあったのだろうか?

実は、

裏事情があり、GEが納品予定だった海水くみ上げポンプの性能が悪く、落差10mしか上げることができない汎用ポンプであった(1気圧、10mは吸い上げポンプの物理的な限界)。 アメリカにとって見れば、軽水炉型原発が始めての経験のないその当時は開発途上国であった日本に対して在庫一掃セールを売りつけた様なものなのです。

そのため東電は、標高10mまで掘削整地し、海岸線に平行してタービン建屋を設置、その陸側に原子炉建屋、主変圧器などを設置した。

140mまで吹き上がられるスイスの水中ポンプ

もし、ディアブロ・キャニオン原子力発電所の様に津波を考慮して、福島第一原子力発電所が35mの台地の上に立地(当時の施工技術として岩盤までの杭打ち技術が確立していたかは検証する予知がある)していれば、今回の津波による惨事は回避できたのです。

当時でもスイス製の水中ポンプは、60m以上(2010年では140m 図3)の水柱を打ち上げる能力があり、1気圧、10mの吸い上げポンプ以外の選択肢は存在していました。 ポンプの性能をケチッた代償はあまりにも大きいのです。

B:地下に非常発電が設置されていた

非常用ディーセル発電機が、壁の薄いタービン建屋の地下に設置されていた。 海面からの高さは、地下なので、それほど高くはないものと推測されます。 津波により冠水し、その直後から交流電源が完全にシャットダウンの状態となった。 この位置は、トルネードから発電機を守るためにアメリカでは常設位置である。 日本での災害は、竜巻よりも地震、津波であり、GEは設計段階で、日本の災害を把握していなかった。

なお、1号機のプラント建物設計についてはEbasco社が基本設計、詳細設計を共に実施しており、GEの下請けに次の日本企業が入っている。

・・・東芝受注:原子炉圧力容器、炉内構造物、原子炉系機器、配管、弁類、電気配線

・・・日立受注:原子炉格納容器、原子炉再循環系、制御棒駆動水圧系、タービン系機器

・・・鹿島受注:本館関係土木建築工事

C:使用済み燃料タンクの位置が高い

元来、タンクは地下に設置すべきなのに、高い位置に使用済み燃料タンクを持ってきています。 これは明らかに設計ミスです。

GEとのターンキー契約のため変更が容易ではなかったと言われていますが、今回、水素爆発でこの障壁が破損しており、初期作業の大きな妨げとなりました。

アメリカでの事故対策

アメリカの1988-2009年までの原子力発電所の事故を図に示しました。これは図に列記した出来事が発生し、それを指数化し合計したもので、年々、事故報告は減少しています。

例えば、図4のごとく、2011年6月にもミズーリ川が氾濫し、Fort Calhoun発電所の周囲は冠水しております。この時もエアーヘンスを発電所の回りに巡らしております。 これはアメリカが原子力発電所の事故に対して、正確にフィードバックをかけて、関連装置を改良したからです。 その成果が顕著に表れていると思います。 一方、日本では「東京電力の原子力発電所に事故はない!」という権威主義に立脚し、何も手を加えてこなかったのです。

日本は戦後、実験炉としてイギリスから日本原電(東海原発1号器) に黒鉛減速ガス冷却炉を設置し、日本企業はこれに人材を投入し、勉強しておりましたが、政府は、民間の電力会社が運用する原子力発電の政策をイギリスからアメリカに180度転換したのです。 そのため、福島第一原子力発電所第1号機を設置する時に、米国の軽水炉を運用できる人材は皆無で、勿論、技術的な評価ができる知識もまったく無かったのです。 GEに知識も、人材もすべて頼っていました。 そのGEの設計にFBかけれるチャンスが過去に無数にありましたが、「東電様に間違いは無い!」という神話で3.11を迎えているのです。

著者は、個人的に、日本において現状の原子力発電所の維持、さらに将来、新設の原発は技術開発を行うべきと考えています。 賛否はあるでしょが、感性ではなく、知性をもって検討する価値はあります。 ただし、それには正確なデータと確率論の論議がオープンに行われることが条件です。

もし安全というならば、新たな原発を都内、例えばお台場に設置しても良いではないですか? 安全ならば福島県民に負担をかけるには及びません。経済産業省キャリアー事務所と東京電力・社長室を原発に併設して、真っ先に被爆するリスクを肌で感じて欲しいものです。 江戸時代の遊廓の免許(シリーズ1 参照)と同様に、原子力発電所の免許や予算といった権限を持ち、責任を負わない人々が指導、運用するのであれば、日本において原発事故は何度となく再発するでしょう。 現状の電力会社へ天下る官僚制度、権威主義で押し切る政策では、アメリカ レベルの安全な運用など決してできはしない。 今後、どうするのか? 闇雲に原発やその技術を感性で否定するのではなく、理性を持って過去を振り返り、組織改革を求めることが、これからの日本には必要と考えます。

ミーズリー川の氾濫で周囲が冠水したFort Calhoun原子力発電所 2011年6月

http://a3.sphotos.ak.fbcdn.net/hphotos-ak-snc7/s720x720/315805_153793868045867_100002457640323_275245_895634178_n.jpg(下の図表を見るために、当方ブログがリンクを追加した。)

米国 原子力発電所の事故指数のトレンド」

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