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Warning against TPP from New Zealand

http://www.tsushin-bunka.co.jp/?p=1799

オークランド大学のケルシー教授は、日本の郵政民営化について、警鐘を鳴らしていた。来日して、とある研究所の講堂で講演したのが、つい昨日のことのようだ。郵政民営化は、ニュージーランドでは大失敗となり、それを’手本’とした日本でも、大失敗どころか破壊であることが明らかになった。

ケルシー教授が、TPPについても、警鐘を鳴らしている。「TPPを通商協定とするのは全くの詐欺だ。輸出入の協定ではない。その義務は国の政策と議会の責任の中核的な領域に侵入する。食料安全基準のみでなく、金融サービス、医療、雇用などにも影響が及ぶ。外資は投資を損なうかも知れない法案を提訴でき、国の政策をも支配することになる」
 「グローバルな自由貿易の名の下に、(それを進めた政府さえ)失敗と認めている市場原理主義モデルの中に、加盟国をより深く埋没させる謀を露呈させている」と早期警戒警報を出している。ケルシー教授の著書も邦訳されている。

TPPのTは、Transであるから、TPPを「環」太平洋云々と訳することは間違っている。太平洋を埋め尽くして、駅馬車が疾走して、その後に騎兵隊が草原を横切り展開するイメージだ。太平洋をひとっ飛びに跨ぐイメージである。ウィキリークスで、日本を破壊する工作であるとニュージーランドと米国の外交当局が話し合った事実が、公電漏洩で明らかになっている。TPPに参加すべきではない。

通信文化新報に、ケルシー教授に会ったとの記事があったので、転載した。

日本よ、覚醒せよ、と祈りながら、ケルシー教授の警告を反芻したい。

2011年10月3日号

政策決定権さえ奪いかねないTPP

 心地よい風が吹いていた。ニュージーランド最大の経済都市、オークランドは“CITY OF SAILS”(帆の街)と呼ばれ、1人当たりのボート保有数は世界一。ちょうど昨年の今ごろだ。南半球のニュージーランドは春爛漫の時期、桜も満開だった。
 オークランドは火山の上に開けた。市街のここかしこに丘陵地があるが、実は火口。オークランド大学もその一つの上にある。研究室にジェーン・ケルシー教授を訪れると、にこやかに迎えてくれた。想像していたよりもと言っては失礼だが、華奢な女性。我々の質問に丁寧に答えてもらった。
 郵政民営化の“手本”と喧伝されたニュージーランドだが、郵便局数の激減など国民生活に多大な影響を及ぼした。ケルシー教授は日本が前者の轍を踏むことがないようにと警鐘を鳴らしていた。民営化の実態を聞くことが目的で訪問したが、話はTPP(環太平洋経済連携協定)にも及んだ。
 「一国の政府として最も大切なことは、外圧によって国の政策を決定する権利は侵されないことだ。たとえ金融政策上の規制であっても、国民の意思を反映した政府の役割は、海外の金融資本の利益を代弁するプレッシャーに影響されてはならない」。
 新しい本を執筆しているとの話だったが、それが「NO ORDINARY DEAL」(日本語版「異常な契約―TPPの仮面を剥ぐ」)だ。
 「TPPを通商協定とするのは全くの詐欺だ。輸出入の協定ではない。その義務は国の政策と議会の責任の中核的な領域に侵入する。食料安全基準のみでなく、金融サービス、医療、雇用などにも影響が及ぶ。外資は投資を損なうかも知れない法案を提訴でき、国の政策をも支配することになる」
 「グローバルな自由貿易の名の下に、(それを進めた政府さえ)失敗と認めている市場原理主義モデルの中に、加盟国をより深く埋没させる謀を露呈させている」
 TPPへの参加は、わが国の社会、経済の行方を大きく左右する。TPPへの参加によって食料自給率が39%から13%に急激に落ち込むと農水省は試算している。コメの生産の90%が失われるとの指摘もある。農林水産業は壊滅的な打撃を受けるだろう。東日本大震災で被害を受けた東北地方は、日本の食料の重要な生産拠点だ。
 農林水産業の崩壊は、それに連なる運輸や食品加工など多くの産業に多大な影響を与える。国土保全も危機に瀕することになる。市街地が成り立つのも、その後背地としての農業などの役割が大きい。
 さらに“例外なき関税撤廃”は、決して農林水産業だけの問題ではない。医療や保険、金融、雇用、あらゆるものが市場に委ねられる。公共事業などの政府調達も外国企業に開放されることで、中小企業に及ぶ影響も計り知れない。WTO(世界貿易機関)の政府調達協定に基づいて、現在も基準額以上の政府調達は既に門戸が開かれている。
 モノ、カネ、サービスの流れを自由化、国境を超えての市場統合は、多国籍企業の利益のみが優先されることになりかねない。最も重要なのはTPP参加が「政府の政策決定権をも奪いかねない」ことだ。
 規制緩和、市場原理主義で進められた小泉構造改革は、格差を拡大させた。それからの毅然とした決別こそが政治に求められている。「農業は国の本なり」(野田佳彦首相の所信表明)と言うならば、TPPへの参加を今一度、熟慮することだ。
 (和光同塵)

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