構造改革、民営化、市場原理主義の虚妄から、マインドコントロールを解くための参考図書館

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No Colonized Japan, No TPP

TPPで日本は米国の属国になる

ーーTPPを主張するアメリカの狙いは何か。

 TPPの目的は、日本を属国化することにほかならない。市場原理主義を徹底させるために、日本のあらゆる制度を破壊することが彼らの狙いだ。これは日米構造協議、日本に対する年次改革要望書以来のアメリカの一貫した戦略だ。

 TPPが日本を狙い撃ちにしていることは、はっきりしてきている。在ニュージーランド米大使館が二〇一〇年二月にアメリカ本国に送った公電によると、ニュージーランド外務貿易省主催の会合で、同国のマーク・シンクレアTPP首席交渉官は、フランキー・リード米国務副次官補(東アジア・太平洋担当)に次のように語ったという。

 「TPPが将来のアジア太平洋の通商統合に向けた基盤である。もし、当初のTPP交渉八カ国でゴールド・スタンダード(絶対標準)に合意できれば、日本、韓国その他の国を押しつぶすことができる。それが長期的な目標だ」

 日米構造協議での要求をさらに強硬に実現しようというTPPを、わが国は断固粉砕すべきだ。郵政も、電気通信も、医療も、保険も、みなアメリカの都合のいいように、「改革」の名のもと改悪されてしまうだろう。

── TPPに参加すれば、非関税障壁の名のもとに、日本のあらゆる制度が破壊される。

 わが国は、社会的な共通資本によって支えられている。「社会的な共通資本」とは、宇沢弘文教授の定義を借りれば、国民全てが豊かな経済生活を営み、優れた文化を展開し、人間的に魅力ある社会を持続的、安定的に維持することを可能にするような社会的装置のことである。それは、大気、森林、河川、水、土壌などの「自然環境」、道路、交通機関、上下水道、電力、ガスなどの「社会的インフラストラクチャー」、教育、医療、司法、金融制度などの「制度資本」に分けられる。

 ところが、市場原理主義者たちは、あらゆる公共分野を私有化して、全てのものを市場を通じて取り引きできる制度を作ろうとしているのだ。実際、教育や医療、交通機関など、いわゆる公共サービスが民営化の美名の下に否定されて、私物化された市場の形成が追求されてきた。日本の郵政民営化は惨状を呈している。

 いまや、市場原理主義は世界的に退潮しつつある。だからこそ、それを維持したい旧勢力は、形振り構わず、強圧的に市場原理主義の導入を推進しようとしているのではないか。

 市場原理主義による日本侵略は、小泉純一郎政権時代に本格化した。今回のTPPにおいても、国民皆保険制度崩壊が議論されているが、すでに小泉時代に医療分野の制度「改悪」が行われた。小泉時代の二〇〇四年十二月、オリックスの宮内義彦氏が議長を務める「規制改革・民間開放推進会議」が、いわゆる混合診療の解禁などを求める答申を出した。(「混合診療」とは、公的保険でカバーする医療の範囲を限定し、保険外診療(自由診療)は自己責任に基づいて市場に委ねようという考え方で、公的保険の診療と自由診療とを組み合わせるため、「混合」と呼ばれている。)このときには、厚生労働省と日本医師会の抵抗によって、その全面解禁は阻止されたものの、「評価療養」(「先進医療」)の混合診療は部分的に、「選定療養」(アメニティーサービス)の混合診療はほぼ全面的に解禁されている。

「惨事便乗型」の市場原理主義導入

── 市場原理主義改革を断行するために、アメリカの一部勢力は手段を選ばない。

 その象徴が、カナダ人ジャーナリスト、ナオミ・クラインが指摘する「ショック・ドクトリン」にほかならない。政変や戦争、自然災害などの危機的状態につけこんで市場原理主義を浸透させるやり口だ。人々に大きなショックを与え、ショック状態や茫然自失状態から回復し、社会・生活を復興させる前に、市場原理主義を一気に導入しようとする「惨事便乗型資本主義」だ。古くは、一九七三年の軍事クーデターで独裁体制を打ち立てたチリのピノチェト政権時代に、「惨事便乗型資本主義」が台頭した。その後、ポーランド、ソ連崩壊後のロシア、南アフリカにおいて、さらにイラク戦争や、アジアの津波災害に乗じてショック・ドクトリンは実行に移されてきた。

 もちろん、中南米で行われたような政治弾圧、逮捕、投獄が頻繁に行われたような事態は、日本では見られないが、不起訴となった有力政治家を検察審査会で再度裁判に起訴する等、司法当局を巻き込んで政治冤罪が発動されているという見方もできる。マスコミの論調も、多元的な議論が失われている。

 こうした中で、昨年九月の尖閣諸島での中国漁船体当たり事件を契機に、菅直人前政権は、突如TPP推進に走ることになった。しかも、異常な勢いで推進されている。TPPは、日本の政治・経済を破壊しようとした小泉・竹中政治の構造改革の再来なのだ。

 中国からの圧力に対抗するためにはアメリカとの協力関係が必要だという論理で、経済植民地になる可能性のあるTPPを受け入れてしまうことは、国益を毀損する可能性が大きい。中国は日本よりも市場原理主義の拝金帝国となった。欧米各国で影響力を持つ王室関係者や政財界・官僚の代表者による非公開会議「ビルダーバグ会議」は、中国人を参加させるようになったという。米中は裏で連携しているのだ。

 残念ながら、民主党内には、政権与党としての矜恃と使命感が欠落しており、郵政民営化に反対して構造改革の内在的な欠陥を追求して離反した当時の自民党議員と比べても、危機感が大きく欠落している。

── 再選を目指すオバマ大統領にとって、アメリカの輸出倍増を至上課題となっている。

 TPPは二〇〇六年に発足したが、当初は小国間の例外有りのFTAだった。ところが、アメリカが参加してからは、例外なしの「帝国のFTA」に豹変したのだ。アメリカは小国の軒先を借りて母屋を乗っ取る手法であり、帝国の世界戦略追求の場に変化させたのである。そして、オバマは、二〇〇九年十一月十四日にサントリーホールで行った演説でTPPを提唱した。

TPPの本質は「主従協定」だ!

 TPPの交渉参加国九ヵ国に、仮に日本を加えて、経済規模(GDP)のシェアを比較してみると、アメリカが約七割、日本が約二割、オーストラリアが約五%、残り七ヵ国で約五%となる。日米で全体の九割を占めているのだ。「環太平洋」とは誤訳であり、TPPとは実質的に「日米協定」なのだ。

 オバマ大統領は、昨年一月の一般教書演説で、「今後五年間で輸出を倍増させる」構想を打ち出している。輸出倍増を急ぐオバマ政権にとって、そのターゲットは日本しかない。日本抜きのTPPはアメリカにとって意味を持たない。
 TPPは従来のWTO交渉とは大きく異なる。WTO交渉は関税引き下げを交渉分野にしているが、同時に農業の国内保護引き下げをも交渉の対象としている。アメリカは、WTOでは、自国の農業補助の引き下げに激しく抵抗するから、いつも交渉が行き詰まるが、FTAの交渉では、農業の補助の削減は交渉の対象にならないから、もっぱら押せ押せの交渉になる。TPPは、アメリカにとっては、力を誇示して交渉に当たれる都合の良い交渉方式なのだ。軍事を含めて全てを主従関係にする協定である。

従属的関係は友好関係では無い!

── TPPによってわが国の制度改革が進めば、それは日本の社会や文化の破壊につながる。

 市場原理主義の推進者たちは、各国に伝統文化が維持されていることを障害とみなしている。コスモポリタン的な風土に改変して、市場原理主義を定着させたいのだ。そのために、日本に対しては英語使用の拡大を含めた文化的な要求を強めてくるだろう。

 今年は、小村壽太郎が、アメリカとの間で、関税自主権の回復を果たした年(一九一一年)から、百年目にあたる。この記念すべき年に、先人が勝ち取った主権を自ら放棄するような協定に参加することは、大きな禍根を残すに違いない。
── 日米関係を強化するためにTPPに参加すべきという議論もある。

 我々は、太平洋戦争に至った日米関係の歴史に学ぶべきなのだ。映画『父親たちの星条旗』の原作者として知られるジェームズ・ブラッドリーが二〇〇九年に著した『インペリアル・クルーズ(The Imperial Cruise)』は、日米戦争の原因を歴史的に分析している。フロンティアが消滅した一八九〇年頃になると、米国はモンロー主義を捨てて太平洋に進出して行くことになる。ハワイ併合がその象徴だ。

 そして、セオドア・ルーズベルトは、東洋の平和は日米英で維持するという構想を描いた。だが、その際日本は「アングロサクソンに忠実な追従者」としての役割を期待されていた。やがて、タフトの時代になると、日本はアメリカにとって潜在的脅威となっていき、やがて対立が深まっていった。

 自らの強圧的な政策によって中南米諸国を離反させてしまったアメリカは、いまアジア太平洋地域での影響力拡大を急いでおり、日本と中国とをことさら対立させる気配すらある。今年になって、アメリカは太平洋の島嶼国への殉死を開始している。

 同時に、当方が警戒しているのは、日本の台頭を阻止するために、太平洋戦争の戦勝国間で戦勝国体制を維持しようという傾向が感じられることだ。朝鮮半島における、韓国軍艦の沈没事件や、尖閣諸島での中国漁船体当たり事件、その直後に行われたロシア大統領の北方四島訪問などは、アメリカによる戦後体制の現状維持を追認するものとして、太平洋戦争の終結時点に歴史が逆転した印象すら与えるものとなった。事実、ロシアは、ヤルタ体制に戻ったことを広言して、その国際法の基盤を主張している。

 こうした中で、日本が対米追従外交を続けることは、長期的にみて日米関係に悪影響を及ぼす。従属的関係は決して友好関係の強化にはつながらないからだ。

原発の暴走によって、戦後政治の枠組みの分水嶺を日本は越えた。こうした中で、日本が安易にTPPに参加することは、結果的に日米関係を悪化させると予想される。国民の多数がTPPによって日本の社会、文化が破壊されることに気づけば、強烈な反米感情が湧きおこってくるだろう。そうした反動が日米友好を決定的に悪化させる可能性がある。

── わが国は、TPPを拒否することはできても、自由貿易、経済連携の趨勢には抗い難い。

 もちろん、日本は世界との貿易拡大を進める必要があるし、そうしてきた。日本は、慎重に相手国を選び、例外措置と開発援助等を組み合わせて、経済連携協定(EPA)を推進してきたが、例えば、タイとの間では、日本が農業技術や食品安全、貧困解消に関する支援策を講ずる代わりに、タイも米の自由化を要求しないという形で折り合った。フィリピンとの間では、小規模農家が生産するモンキーバナナや小さなパイナップルについて優先的な関税撤廃や無税枠設定を行うといった具合に、相手国の零細な農民に配慮し、貧困解消と所得向上に貢献しようとしている。お互いの農業や産業をつぶし合わないという、いかにもアジア的な知恵が発揮されている。ところが、TPPには相互尊重への配慮が欠落しており、超大国の制度、特にアメリカ型の農業を有利に展開しようとする意図が露骨に示されている。TPPは、そもそも貿易に関する枠組みではなく、支配と被支配の露骨な構図がある。

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コメント

日本人には意思 (will) がない。
意思は未来時制 (future tense) の内容である。
日本語には時制がない。
日本人には意思がない。

英米人の子供には意思がない。
この点で日本人のようなものである。
思春期を迎え、言語能力が発達すると、意思を表すことができるようになる。
英米流の高等教育 (大人の教育) が可能になる。これは、さらなる英語の教育である。
日本語脳の持ち主には、大人の教育の意味は理解できない。
日本人は英米流の大学教育を高く評価もしないし、成功もしない。

子どもには意思がない。
だから、子供には保護者 (chaperon) がついてきて、それを代行する。
日本政府にも、意思決定が難しい。
だから、アメリカ政府が意思決定を助けてくれる。
日本人の誰もが指摘する通り、我が国の政府は、アメリカ政府のポチである。
日本人は、自力でこの道を脱却できるか。

http://www11.ocn.ne.jp/~noga1213/
http://page.cafe.ocn.ne.jp/profile/terasima/diary/200812

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