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No TPP Conspiracies

小泉俊明衆議院議員のメルマガである。正論である。ご参考まで。

「2011年11月05日(土曜日) 14:54:57
衆議院議員小泉俊明です。メルマガ No.1635「TPPは平成の亡国・ハッキリNOを」

今TPPへの参加の是非が問題になっていますが、冷静かつ客観的にメリットとデメリットを分析し、あくまで国民の利益を守る視点から結論を出すべきだと思います。

私は様々な有識者や役所や団体のお話を聞き、各種データを分析した結果、TPPは日本国民にとってメリットがほとんど無く、デメリットが大きすぎるとの結論に至りました。

(1)<<私達の食糧と安全を守ろう>>

まず日本国民の食糧を守ることは国の最低限の責務です。

日本の穀物自給率は僅か26%、いつも世界192国中下からワースト10に入っています。もちろん先進国中ダンドツの最下位です。

先進国中ワースト2のイタリアでも約80%。こんな国は日本しかありません。

TPPに参加すれば日本の農業は壊滅的打撃を受け、穀物自給率はますます下がることは確実です。

全世界の輸出穀物の7割はたった6カ国で賄われており天候異変で穀物の輸入が止まる現実的危険があります。

かつて米国からの大豆の輸入が止まった時のことを思い出して頂きたいと思います。

どこの国も自国で足りなくなった時、穀物の輸出はしてくれません。

日本の農業を大規模化すれば競争できるとの主張がありますが、私はアメリカ、中国の大農業地帯をこの目で見てきました。

どんなに日本が大規模化しても、アメリカやオーストラリアや中国などの広大な農地に比べれば日本の全農地を集約したとしても所詮猫の額であり、規模では最初から競争にはなりません。

現に100ha以上耕作している大規模農家の方々が真剣に反対をしています。

日本農業は安全性と品質で対抗すべきなのです。しかし、TPPに参加すればこの安全性も脅かされます。ポストハーベスト問題や遺伝子組み換えの表示も不要になると言われています。

(2)<<輸出産業にメリットはあるのか?>>

有識者の話や様々なデータを分析すると、製造業にとっても喧伝させるほどメリットはありません。

日本の市場が広がり輸出が増えるとの主張もありますが、早稲田大学の野口教授の試算では、0.4%しか輸出は増えずほとんどメリットは無いと明確に指摘しています。

TPP加盟国と参加予定のシンガポール、チリ、ブルネイ、ニュージーランド、ペルー、ベトナム、マレーシア、コロンビア、アメリカと日本の10か国中、アメリカと日本だけでGDPの9割を占めています。

消費市場として他の国々は余りにも経済規模が小さく、ほとんど日本の輸出が増える余地は無いのが現実です。

最大の輸入国であるアメリカは、オバマ大統領が輸出を2倍に増やすと言っており、これ以上日本の対米輸出が増えることも考えられません。

元経済産業省官僚であった中野剛志京大准教授が指摘するように、米国の農畜産物だけが大量に日本市場に入ってくるだけの結果になる公算が大なのです。

内閣府と経済産業省は、自ら示すプラスの数字の理論的根拠を明確に示すべきです。メリットが無いとする民間有識者の試算との食い違いをきちんと公開でデータの信憑性を戦わせるべきです。

またそもそも我が国の輸出総額は50~60兆円と日本の経済規模全体の約1割に過ぎず、0.4%位輸出が増えてもほとんど国民への経済効果は期待できません。

日本は世界に冠たる内需大国であり、内需拡大政策の方が遥かに経済波及効果が高いのです。

(3)<<韓国・中国は不参加>>

デメリットだけでメリットがない。

だからこそ韓国は、TPPでは無く米国との2国間協議であるFTAを選んだのです。

また当初参加を検討していた中国もメリットがないため参加を見送ったのです。

(4)<<日本への投資が増えるのか?>>

参加によって日本への投資が増えるとの主張もありますが、金融投資の面ではすでに日本の株式市場の七割が外国人売買で占められるという世界的にも異常な状況にあり、これ以上の増加は考えられませんし、また好ましいことでもありません。

また工場などの直接投資増も、現在の超円高下では考えられません。

日本企業ですら海外進出せざるをえない状況で、TPPへの参加によってなぜ外国の直接投資が増えるのか全く理解に苦しみます。

(5)<<日本医師会は反対を表明>>

日本医師会は、世界に冠たる国民皆保険制度が破壊されるとして、正式に反対を表明しています。

病気になってもお金がないとお医者さんにもかかれないアメリカのような国に日本をしてはなりません。

(6)<<関税自主権の放棄の是非>>

TPPの実質は、『関税自主権』を自ら放棄することにあります。

しかし、歴史的に見ても『関税自主権』を自ら放棄することは明らかに間違っています。

過去の世界中の独立戦争は関税自主権を巡る戦いだったと言っても過言ではありません。

江戸末期の1858年我が国は日米修交通商条約により『関税自主権』を失いました。

『関税自主権』を取り戻すために、日清戦争を戦い1899年までの41年間もの長い歳月を要したこと、先人たちの幾多の血が流されたことを忘れてはなりません。

(7)<<平成の亡国の危険>>

『平成の開国』との言葉が一人歩きしていますが、日本は最初から『鎖国』などしていません。

平均関税率は他の先進国より低いのが真実であり、最も開国の進んだ国なのです。

真実と異なるスローガンは国民を欺く危険なプロパガンダです。

私は『平成の亡国』になると危惧しています。

(8)<<ハッキリYes!ハッキリNo!を>>

TPP推進論者の本音は、結局アメリカの要望だから言うとおりにしたほうが良いということにあるようです。

しかし、我が国でエコノミストとして第一人者である菊池英博先生がアメリカに出張しており、11月3日バーナンキFRB議長とTPPの問題につき話をされたと国際電話を頂きました。

バーナンキFRB議長は、『TPPについて、日本はノーならなノーとはっきり自分の意見を言うべきです。

そうすればアメリカも日米双方の友好関係を損なわないような別の方法を考える。』と言われたとのこと。

バーナンキ氏は、小泉内閣の時に時価会計を日本が採用した時も、『デフレの時に時価会計を採用すれば、ますますデフレになるのは当然です。

今は時価会計を入れる時期ではないと、日本はノーならはっきりノーと言うべきです。』と言っていたとのこと。

今回もTPPが無理に日本に押し付けられれば、国民が反米感情を持ち反って日米関係に亀裂が入る可能性があります。

大激動期を迎えたいま、世界中の国々が国益をかけた外交交渉を繰り広げています。

大切なことは経済大国である日本が、国益のために自分たちの意見を明確に主張することです。

正々堂々と、日本にとってメリットのないTPPにハッキリNOを言いましょう。

【国民の利益を守ろう@小泉俊明】

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