構造改革、民営化、市場原理主義の虚妄から、マインドコントロールを解くための参考図書館

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Rule of Law: Brutality and Innocence

 四次にわたり、24年の歳月をかけて、治安維持法下の警察・司法の責任を問い続けた再審裁判の記録が出版された。治安維持法の時代の特高警察と思想検察が作り上げた思想・言論弾圧事件の虚構の全容を伝える。冤罪を実質的に晴らした24年に及ぶ裁判の軌跡を振り返り、再審裁判の成果と歴史的な意味を明らかにするとした単行本である。「横浜事件・再審裁判とは何だったのか」高文研(1500円+税)である。著者のひとりに、当方ブログが尊敬してやまない畏友、(足利事件を冤罪として無罪を確定させた)佐藤博史弁護士が参加した横浜事件再審裁判の記録である。

 当方ブログの読者のなかで、警察や司法の関係者がおられれば、是非ご一読をお願いしたい。法の支配を貫徹することの方が実は愛国であり、虚像や虚構をでっち上げた権力者気取りの連中の方が、日本国家を弱体化させることに加担していったのである。昭和初期に、日本が思想と良心の牢獄に転化していったことが、実は、その後の戦争、しかも相手が罠を仕掛けた負け戦に引きずり込まれる契機となったのではないかとの思いもある。

 構造改革と称する外来の虚妄が、実は外国勢力と結託して日本国家の弱体化を促すために、蜃気楼のような虚妄を政治宣伝したのも、同様の事例ではないのか。郵政民営化などは、完全に失敗して破滅の道に向かっているにもかかわらず、政治はそれを見直す手立てを講じることもなく、ことほど左様に、日本国家が漂流を始めたかのようである。

 書評もある。参考にされたい。単行本自体は、書評が浅薄に見えるほどになる、権力犯罪と虚構の解明に挑んだ24年間の記録を留めようとする労作である。別に横浜事件の原資料を集めた「ドキュメント 横浜事件」も、前掲の出版社から刊行されている。(税別で4700円)

 労作を拝読して、現在の、司法を含めて劣化した日本国家の惨状を是正する切っ掛けなりとも見いだすことにしたい。

http://book.asahi.com/reviews/reviewer/2011112700015.html

左の欄に掲げた参考図書館にもリンクを貼ってアマゾンの通信販売での購入の便宜を図ることにしたので、これまたご参考まで。

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