Where is the Justice?
東京裁判史観を清算する秋(とき)
昨年12月8日、憲政記念館で、史実を世界に発信する会が、開戦70周年にちなみ、「アメリカはなぜ対日戦争を仕掛けたのか」と題する講演会を開催した。講堂が満員になる盛況だった。YouTubeに掲載され、急逝したブロガーの花うさぎこと故安仲徹男氏が講演要旨をまとめた。①1951年5月3日、マッカーサー元帥は、上院軍事外交委員会において、「日本の真珠湾攻撃は正当な「自衛権」の行使と証言。②経済封鎖は戦争行為であることはパリ不戦条約作成者の一人であるケロッグ国務長官が上院軍事外交委員会で(真珠湾攻撃の13年前の12月7日)認めた。③日本本土爆撃計画が大統領に提出されたのは、真珠湾攻撃の5か月前の7月18日、OKのサインを7月23日にした。
蒋介石の米国人傭兵が操縦する350機の戦闘機と150機の爆撃機が大陸から日本各地に焼夷弾を投下する計画だったが、飛行機の引き渡しが遅れ真珠湾攻撃が先になった。戦争回避をめざす交渉打ち切りの通告が攻撃開始後に遅れた懈怠は糾弾されるが、最後通告を米側は傍受解読して読んでいた。1941年12月8日午後12時30分から、ルーズベルト大統領の米国議会の両院合同会議で演説して、「昨日、1941年12月7日、この永遠に汚辱(Infamy)に生きる日に、アメリカ合衆国は、日本帝国の海軍及び飛行部隊に突然、そして計画的に襲撃されました。」と、全米にラジオ放送したが、日本に対する先制爆撃計画については触れず、卑劣な騙し討ちとするリメンバー・パールハーバーの怒号のみが残った。1991年12月26日にABCが、バーバラ・ウォルターズ氏が司会する秘密爆撃計画についての特集テレビ番組を放送したが話題にならず、(YouTubeのhttp://youtu.be/C1cX_Fr3qyQ参照)日本爆撃計画の全貌が明るみに出たのは、戦争が終わって52年も経った1997年である。米陸軍航空隊シェノールト退役大尉がロークリン・カリー大統領補佐官等の支援の下で立案して、大統領の承認を得た計画の全貌が、アラン・アームストロング氏により2006年に出版され、塩谷紘氏を翻訳者として、2年後に「「幻」の日本爆撃計画―「真珠湾」に隠された真実(日本経済新聞出版社)として出版された。日本への先制爆撃計画「JB-355」を承認したルーズベルト大統領のサイン入り文書の写真が掲載されている。ちなみにカリー補佐官は、ソ連に機密情報を提供したとして1956年に米国籍を剥奪され、冷戦のさなかに南アメリカのコロンビアに亡命した人物である。ルーズベルト政権中枢に共産主義者が浸透していたことは、対ソ諜報活動をまとめた「ベノナ文書」で明らかにされている。
さて、昨年七月に田中英道教授の「戦後日本を狂わせたOSS「日本計画」」(展転社)の出版も、日本が戦後政治の分水嶺を越えた証左である。戦時中の戦略情報局(OSS)文書が解禁され、戦後史の根本的な書き換えが始まり、同書は、ルーズベルト大統領が社会主義者で有り、親中反日に固まった人物で、日本の十八都市に原爆投下命令書にサインをしたこと、対日戦後政策が昭和17年には既に作成されており、フランクフルト学派に影響を受けたOSSがGHQの占領政策のお膳立てをしたとする。「従軍慰安婦」問題の発端がOSSの謀略にあるとし、野坂参三の帰国についてもOSSの後押しがあったと指摘して興味深い。近衛文麿がハーバート・ノーマンに殺されたと解説して、OSSが中国の共産化を成功させ、ケーディス大佐を中心とする民政局の心理作戦が戦後のメディアや社会風潮に残存してしまった、日本をドイツのように犯罪国家に仕立てた経緯を述べて、ソ連がビヒモスであったことをフランクフルト学派が追求しないことは世界を荒廃させた原因だと解説する。
さて、1948年の原著出版元のエール大学出版局に不買運動が起きて禁書同然に扱われた幻の名著、チャールス・A・ビアード博士の「ルーズベルトの責任ー日米戦争はなぜ始まったか」が、藤原書店からこの年末始に発売された。ルーズベルト大統領が米国を戦争に巻き込んだ張本人だと糾弾した大著である。
フーバー大統領の回想録「FREEDOM BETRAYED(裏切られた自由)」(ジョージ・ナッシュ編)が死後47年を経て昨年秋に出版された。戦後訪日し、マッカーサーと会談して「日本の戦争の全てが戦争をしたい「『狂気の男』の欲望によると指摘して、マッカーサーが同意した」等と記録していた。日本の近代史を書き換えを迫る新事実が続々と内外で公表され、東京裁判史観の混乱と原因を清算する時が来たようだ。大地震と原発の暴走があり、TPPや郵政民営化などの属国化に抗し、自立・自尊の日本を求め、戦後政治の分水嶺を越える秋が到来した。
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