構造改革、民営化、市場原理主義の虚妄から、マインドコントロールを解くための参考図書館

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Criminal Postal Privatization

郵政民営化がバラ色の未来をもたらすとの政治宣伝が行われたが、完全に失敗したばかりか、破滅への道を歩んでいる。平成の払い下げ事件で公財産の私物化であり、世界最大の金融資産である郵便貯金と簡易保険を外国の投機経済に投入する虚飾であった。

愚者の黄金の時代が破綻して、政権交代の狭間で郵政株式の売却が凍結され、外国持ち出しが禁じられたのは、僥倖である。持ち出されていれば、空前の国家的損失となったに違いない。民営化直前に信託銀行へ運用委託された資産の目減りは公表されていない。かんぽの宿の売却が大騒ぎになったが、氷山の一角で、郵政民営化の全体の闇の追求は、郵便不正事件もあって、検察は沙汰やみにした。総務省の調査委員会も尻すぼみに終わり、民営化見直しが、民主党と国民新党の間で合意されても、再三に亘って反故にされ、野党も党内に新自由主義残党がいて、国会で審議しない異常事態が発生した。

日本郵政の経営は急激に悪化して、日本通運との合弁が失敗して郵便部門は巨額の赤字を計上している。民間の不採算を郵便につけ回しをした疑惑が指摘されている。しかも民営化準備を推進した官僚が経営に就く奇矯があり、新自由主義の簒奪の虚妄が現実となる中で、烏天狗のような残党が郵政民営各社の幹部の地位にしがみつく無責任の醜態も継続している。最近、大地震の復興資金をつくる為に株式を売却すると甘言が振りまかれているが、騙されてはならない。経営を悪化させ株価を下げて、手下を経営陣に送り込み会社を乗っ取る手口は、市場至上主義者の常套の手口である。郵政民営化の見直しが骨抜きになるのであれば、郵政改革法案の成立はなくても良い。株式売却の凍結を維持して、構造改悪の買弁勢力の手先を経営陣から追放することが優先すべきである。

マスコミは、構造改革の破壊工作のお先棒を担いだせいか、郵政民営化の惨状を報道しようとしないが、ノンフィクションにぎりぎり近い経済小説の形をとって、高杉良氏が、「虚像〜政権中枢で規制緩和の旗を振った政商」という上下巻を新潮社から出版して、郵政民営化のグロテスクな実態を明らかにした。ワールドファイナンス社長の加藤愛一郎、日本郵政社長の北山良二などと名前を変えてあるが、経済界の実名を想像するように書いている。日本郵政社長は、五井戸住之江銀行から就任して、「般若顔」で「竹井に骨を拾われる形で日本郵政の初代社長に内定していた。北山の権力に対する執着心も尋常ならざるものがあった」、「竹井プラン発表時には、五井住之江銀行頭取として竹井と真っ向から対立した北山だが、そこはしたたかで分が悪いと判断するや米国投資銀行のウォールマックスを仲介訳にして竹井に近づき、今では昵懇の間柄だ」「懐刀として五銀行から連れて来た専務執行役の早河洋は「目付きの鋭いヤクザっぽい風貌、北山の威光を笠に着て、日本郵政のナンバー2として肩で風を切って闊歩していた」、「秘書室長の前山弘、経営戦略室長の千田定彦、営業企画部次長の深田正夫を加えた四人は、「経営の中枢を占め、チーム北川と呼ばれている」」と書く。「小声になると舌足らず気味のべちゃべちゃした口調が癇に障る」のが竹井平之助で、竹井は郵政民営化を進めた大泉純太郎内閣の金融担当大臣で、加藤と竹井、北山と「三人寄り文殊の知恵」を出した仲で、「簡保の宿の譲渡スキームを練り上げてきた」と書いている。加藤は、大泉内閣の政権中枢に食い込み、規制改革推進委員会で規制緩和の旗振り役をした「ノンバンクの帝王」で「儲け仕事しか興味を持たない」、通産省の課長だった森川勝造が立ち上げた「森川ファンド」やそこに出資した日銀総裁の畑中剛、人材派遣会社のエール社長の谷玲子、「主婦層に根強い人気のある」横浜市長でみなとみらいの開発で協力した今西浩二、プロ野球参入表明や放送局買収で時代の寵児となったマルエモンこと丸尾健太ビデオクラブ社長、について書き、金郵庁顧問の村木烈とまとめた竹井金融再生プランは、「経済を再生するどころか、不良債権を無理矢理捻り出す仕掛け」であった、「銀行の不良債権処理による功績にすり替えた、稀代の詐欺師」と糾弾する文章には圧倒される。

「竹井は、つい四か月前の郵政選挙に、立候補したマルエモンの応援演説を買って出るなど、支援姿勢を鮮明にした。もっとも同じ選挙区が郵政民営化に真っ向から反旗を翻した亀山静六の地盤で有り、竹井の丸尾支援は当てつけと言うことなのだが、(中略)決して言い訳ができる立場ではない」、「市場原理主義者の竹井が次のターゲットに定めるのは、合わせて三〇〇兆円を超える郵貯・簡保マネー」で、「この三〇〇兆円を欧米に差し出すとさえ憶測されても仕方がない郵政民営化法」等と、高杉良氏は、郵政民営化のグロテスクな実態を記述する。

第一章は、深夜のノックと題して、「朝のテレビニュースのキャスターとして鳴らした長崎茜」という「今は神奈川県の私大で教授をしている」女性が、奄美大島の田中一村記念館で、孤高の画家の作品を説明するが、「シャワーの調子が悪くて。スィートルームのシャワーを使わせてください」と色仕掛けの世界をオチにする。

TPP同様、郵政民営化は日本を属国化させる汚濁にまみれた虚像でしかない。大地震があり、老朽・外国製原発の暴走があって、戦後政治は、ようやく分水嶺を越えた。日本郵政を、郵便局を、郵政3事業を、自立・自尊の清廉潔白な正道に戻せ。日本再興と安定の財源ともなる。

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