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Cardinal Principle

 

当方ブログの友人から、下記のような論説が3月2日の日付で送られてきた。

透徹した見方である。当方ブログも賛同する。著者の了解を得て転載することにした。当方ブログが、有志草莽の一助となれば望外の幸いである。

政府の「女性宮家」に関するヒアリング報道を受けて

 

「女性宮家」創設に関する政府のヒアリングが始まった。「有識者」にヒアリングを行なう中心人物が内閣参与の園部逸夫(元最高裁判事)だから、「女性宮家創設」という「まず結論ありき」の世論操作とアリバイ証明であることは明らかである。なぜなら、この園部こそ「女系導入・長子優先・『女性宮家』創設」といった小泉政権下の「皇室典範に関する有識者会議」の座長代理として実質的に会議を仕切り「報告書」を提出した中心人物である。「報告書」は秋篠宮妃殿下のご懐妊と、悠仁親王殿下のご生誕によって、過熱した典範改定論議も一気に冷却化し、法案提出もお蔵入りとなった経緯がある。かっての「有識者会議」の論議は親王殿下の誕生がないことを前提としたもので、その前提が崩れ去った以上、全く違った観点から安定的皇位の継承を図るための方策が論議されるべきである。にもかかわらず、論議は尽した、論点が明確になっていると、「有識者会議」の「報告書」を叩き台として進める今回のヒアリングが、「結論ありき」と疑われるのは当然である。「有識者会議」の中心人物が、更に「有識者」にヒアリングを行なうという、「猿芝居」にしか見えないというのは酷か。

 

 

 

それでも、今谷明(帝京大学特任教授)、田原総一郎(ジャーナリスト)の二人の意見表明を精査して、今後の論議の問題点も浮かび上がってきたと思う。

 

今谷氏は官僚を経験した(大蔵省)日本中世史の研究家。今谷は「女性宮家は幕末にも例があり、決して不自然ではない」という。しかし、その「女性宮家」については具体的に言及していない。我々は1月に「維新公論会議」を行なった際に、講師の一人・大原康男教授に「必ず過去に例があると言い出すものが出てくる」と指摘を受け、幕末に桂宮を継承した淑子(すみこ)内親王の事例に気付いていた。淑子内親王は第120代仁孝天皇の第3皇女(1829年出生)で、14代徳川家茂将軍に嫁いだ皇女和宮の異母妹に当たる。

 

12歳で閑院宮愛仁親王と婚約、2年後に内親王宣下を受けるも、愛仁親王の薨去により結婚に至らず、その後、独身を通される。異母弟・節仁親王の薨去で当主不在となった桂宮家第12代当主を継承(34歳)、女性が世襲親王家を継いだ唯一の例である。1881年淑子内親王薨去(52歳)され、桂宮家は継嗣不在の為に断絶する。こうした極めて特殊、かつ悲劇・不運な歴史については一切言及せずに、「過去に例があり、不自然ではない」という今谷教授は学者として不誠実といわざるを得ない。唯一の前例に従うならば、「女性宮家」当主は生涯独身を通し、配偶者を「準皇族」とするなどという必要もない。

 

 

 

あと一点、今谷氏は、女性宮家は「内親王に限るべき」であるが、天皇陛下のご長女・黒田清子様の皇籍復帰を「期待したい」と述べている。悠仁親王殿下誕生以前に、宮内庁関係筋が「女性宮家」当主、並びに「女性天皇」としてイメージしていたのが清子様・紀宮内親王殿下であったことは小生如き野人の耳にも入っていた。彼女の人柄の良さや、両陛下の信頼が厚いことはマスコミ関係者からも洩れ伝わって来る。しかし、渡辺充前侍従長が漏らしたように「内親王のご結婚はきわめてハードルが高く、黒田さんが皇族に入るという前提だったら、実現したかどうか」と疑念を示している。一旦、民間人に嫁いだ皇女が夫婦して皇籍に復帰(ご主人は準皇族扱い?)することが可能ならば、男系男子の皇統を継承している旧宮家の適任者の皇籍復帰を先ず具体的に検討するのが本筋であろう。清子様という人柄の宜しい方を挙げて、史上例のない元内親王の皇籍復帰などをアドバルーンとしてあげるやり方に、今回のヒアンリングの狙いを垣間見る思いがする。

 

 

 

あと一人の「有識者」田原が、果たして「有識者」に値するかどうか論議が別れるところであろう。彼が陳述した「女性宮家を認めないのは男女差別、アナクロニズム」「男女共同社会になり、時代は変わった」という論点には失笑したが、一方「有識者」なるものの限界、特質が見えてきて面白い(不謹慎か?)。皇位が男系による世襲であり、皇族には基本的人権が極めて制約されているのに、ここに「男女同権」「男女共同社会」の論理を持ち出してくると、何れ「世襲」そのものが「法の下の平等」という憲法原理に違反しているという意見が噴出してくるだろう。今回のヒアリングは「皇位継承は別」で「火急の案件の女性宮家に特化して論じる」というものの、「女性宮家」は一代限りとするのか、民間から婿入りする配偶者は「準皇族」という、これまた例のない、概念規定さえない架空の論理(呼称さえ定まらない)を弄び、ひいては皇位継承件はない(前提からすれば当然そうなる)生れてくる子供を皇族とすることは、皇室の本質に背馳し、皇室不要論、皇族不要論に向うことは必至であろう。

 

 

 

ヒアリングが行われた翌日(31日)に、月刊『正論』4月号で旧宮家の血筋を引く竹田恒泰氏が「皇統問題 旧皇族一族の覚悟」と題し、占領軍の圧力で臣籍降下を余儀なくされた旧宮家の大方が「女性宮家創設の議論にほぼ全員が違和感を持っている」ことや、「皇室や国民から求められた場合には責任を果たしていく覚悟をしているものが複数ある」と伝えているのは実に力強い。この竹田氏を漫画家の小林よしのりは「旧皇族を自称する詐欺師」呼ばわりしているが、彼が男系男子の血を継承する方であり、明治天皇様の玄孫であることは何人も否定出来ない。小林の「論理」は皇族であった方のみが「旧皇族である」というが、その血筋を引く方をも一般国民は「旧皇族」の方々と特別の眼で見ている。竹田氏は『語れなかった皇族たちの真実』(小学館)という本を上梓するに当たって、「複数の皇族方」に了解を求めたという。もし「ニセ旧皇族」であれば、皇族の意見や了解を求めることは不可能であろう。小林や高森明勅といった似非御用学者が旧皇族の「皇籍復帰の不可」や悪口雑言を浴びせるほどに、「女性宮家当主の配偶者は如何なる人物を?」といった疑念が世情喧しくなる。

 

 

 

前掲『正論』には八木秀次氏(高崎経済大学教授)が「憲法で皇室解体を謀る『法匪』園部逸夫」なる、今回の「女性宮家論議の本質を衝く」実に見事な論文を寄せている。「女性宮家」創設検討の中心人物・園部は「将来の女系天皇につながる可能性があるのは明らか」「男系皇統は終る」という本音を持ちながら、陛下のご不例、公務のご多忙を理由に「女性宮家」創設に善意の国民世論を誘導することにあると喝破している。皇室典範の改定だけで、二千年来続いてきた皇統を断絶させることにつながる「女性宮家」を創設しようという悪意を我々は見抜かなければならない。園部や羽毛田宮内庁長官、渡辺前侍従長、更には官僚・法匪の「黒幕」古川貞次郎(元内閣官房副長官)などは、天皇の本質、宮中祭祀を通し常に国家・国民の平和と繁栄を祈念しておられることを全く理解出来てないし、拒絶反応さえ見せている。これら官僚群の多くは本質的に左翼であり、反「国体」者である。

 

 

 

『正論』4月号には、別に欧州の王族が如何に大衆化し国民の尊敬を失っているか、特に英国の事例を詳しく紹介している。ヒアリングで皇室に対する国民的感心が高まる時期に、まことに時宜を得た雑誌が出たこともある種の「神計らい」のような気がする。

 

 

 

短期的には悲観的になることもあるが、皇室典範改悪があと一歩で行われる寸前に悠仁親王殿下のご生誕があったように、日本は神国であることを疑わない。二千年の歴史を振り返ると,皇位の空白時期もあり、大嘗祭も伊勢の式年遷宮も行われなかった皇室の衰亡期もあった。「法匪の姦計」を吹き飛ばす「神風」を疑わないし、必ず落ち着く処に落ち着くという「大安心」「大確信」を持って有志草莽の底力を発揮していきたい。

 

 

 

 

 

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