Fake Reform Repeated
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震災復興を妨げた郵政民営化
―― 4月27日、改正郵政民営化法が成立した。これにより、小泉改革の目玉であった郵政民営化に一定の歯止めをかけることができるようになった。郵政民営化とは何であったのか、我々は改めて知る必要がある。
亀井 小泉政権が郵政を民営化しようとしたのは、アメリカがそれを求めていたからです。日本への参入を目論んでいたアメリカの保険業界にとって、優良なサービスを提供するかんぽ生命や共済事業の存在は疎ましいものでした。と同時に、ゆうちょ銀行とかんぽ生命の持つ莫大な資産は、アメリカにとって大変魅力的なものでもありました。
そこで、アメリカは郵政を民営化させて分社化することで、貯金と保険を切り離し、その資産を放出させることを狙ったのです。
郵政が地域別ではなく事業別に分社化されたのもそのためです。仮に分社化が正しいとするならば、JRやNTTのように、西日本、東日本といった地域別に分社化しても良かったはずです。それをしなかったのは、赤字である郵便事業を分離させ、黒字であるゆうちょ銀行とかんぽ生命だけを手中に収めようとしたからです。
この分社化は郵政に大きな弊害をもたらしました。三事業が分断されたために、現場で働く人々の意思疎通が難しくなり、郵便局の窓口業務もこの上なく煩瑣なものとなってしまいました。
また、経済効率が優先されるようになったため、地方の郵便局が整理されることになりました。私の地元でも集配局が遠くに移動することになったのですが、こうした不便さは都市部の人にはなかなか理解されません。
分社化の弊害が如実に現れたのは、東日本大震災においてです。被災地では、津波によって郵便事業会社の自動車が流されてしまったため、郵便局会社の自動車を借りようとしたが、別会社であるため融通することが難しい、といった事態が頻発しました。そのため、被災者に対する機動的な対応が遅れてしまうという事態まで招いてしまいました。
―― ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険の株式について、小泉政権時代の郵政民営化法では2017年9月末までに全株処分することが定められていたが、改正郵政民営化法では「全部を処分することを目指す」との努力規定に改められた。また、その期限については「できる限り早期に処分する」として明示されず、日本郵政の経営判断に委ねられることとなった。
亀井 今回の法案は民主・自民・公明の三党による共同提出であり、私が離党することになった国民新党が本来目指していたものではありません。しかし、現場で働く人々は先が見えず不安を抱えていたため、一先ず方向性を示すことがどうしても必要でした。
この法案では三事業のユニバーサルサービス(全国均一サービス)が義務付けられているため、これを達成するためには、ゆうちょとかんぽの全株式を売却することは事実上不可能です。
しかし、経営者が物凄い努力をして努力目標を達成すれば、必要以上に株式を放出する可能性もあるため、残念ながら日本国民の資産が完全に守られているとは言えません。
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