Serene Diplomacy
朝日新聞1972年10月2日付によれば、尖閣列島の領有権問題を正面から議論することを避けたのは、周恩来総理(当時)であった。「ここで議論するのはやめましょう。地図にも載っていないし、石油が出るので問題になったというわけですがね」と言った。日中国交正常化交渉の中で、田中角栄総理は、「尖閣列島の領有権問題をはっきりさせたい」と持ち出したときの周恩来の応答である。石油をきっかけに支那が問題にしたことを周恩来がほのめかしているかのようである。いわゆる棚上げ論であるが、日本側から持ち出したわけではない。最近になって、中国のメデイアは、平和台頭論を見直して、実力で国益を追求する議論が多くなっている。自分のものは自分のもの、他人のものも自分のものでは、すでに、未来の日中間の友好関係を台無しにしても良いとの未来像を描いていることが分かる。周恩来の抑制のかけらも見当たらない。
日本よ、備えよう。暴力で日本の領域に侵入しようとする帝国主義の国家に支那はすっかり変質しつつあるのだ。日米安全保障条約も当てにならない。久場島は米軍の射爆場になっているが、その領海に支那漁船が侵入しても、米軍は何の動きもしない。同盟が空洞化した一瞬だった。日中国交回復40周年の年に、軍事力を誇示して、日中友好を反故にしようとする事大主義の国になったことを示しているのは支那である。日本は? そうした一部の跳ね上がりを,事勿れで見逃してきた責任はある。中国の根拠のない愛国主義に抗議もせずに、見逃して誤解を与えてきたつけが回っているのだ。産業スパイを野放しにした、日本の経済団体も相応の責任がある。だらしない日中関係を礼賛してきた商事会社の経営者が, 駐北京大使に登用されている愚策もあった。
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