構造改革、民営化、市場原理主義の虚妄から、マインドコントロールを解くための参考図書館

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Corrupt Privatization

日本郵政グループのゆうちょ銀行は27日、川茂夫会長(65)が9月30日付で退任し、日本郵政の足立盛二郎副社長(68)を10月1日付で後任に充てる人事を発表した。副社長の後任は佐々木英治専務執行役(61)が昇格する。ゆうちょ銀行は川氏の退任理由を「本人の意向」とだけ説明している。川氏は2006年にイトーヨーカ堂から日本郵政に転じ、郵便局会社会長を経て09年から現職。足立氏は旧郵政省出身で、郵政事業庁長官を務めた。井沢吉幸社長(64)は続投する、との報道である。備忘録として、川茂夫ゆうちょ銀行取締役兼代表執行役会長(昭和21年11月1日生)の経歴をまとめる。学歴は中央大学法学部卒業、昭和45年 3月株式会社イトーヨーカ堂に入社した。平成 2年10月イトーヨーカドーグループ労働組合連合会会長 平成 4年11月株式会社イトーヨーカ堂営業本部総括マネジャー平成 5年 2月同物流部総括マネジャー 平成 9年 5月同取締役物流部長平成10年 2月同取締役住居事業部長 平成15年 5月同取締役執行役員販売事業部長 平成15年 9月同取締役執行役員物流部長 平成16年 5月同執行役員物流部長 平成18年 7月イトーヨーカ堂から日本郵政株式会社顧問に送り込まれて、平成18年 8月株式会社イトーヨーカ堂執行役員物流部長を退任している。平成18年 9月日本郵政株式会社取締役 平成19年10月郵便局株式会社代表取締役会長をつとめ、平成21年12月株式会社ゆうちょ銀行取締役兼代表執行役会長となっている。コンビニのセブンイレブンは、イトーヨーカ堂の子会社であることから、郵便局のコンビニ化が話題となったことがある。

イトーヨーカ堂の鈴木敏文社長は、オリックスの宮内義彦氏などと並んで、小泉・竹中政治の中で、構造改革の政策に深く関わってきた人物であり、郵政民営化を推進した経済界の有力な人物であるが、川氏は、そこから郵政民営化に伴って送り込まれた、中央大学同窓の人脈の中の人物であるとの見方が大方である。鈴木氏は中央大学の経営にも最近まで携わっていた。

ちなみに、1981年以来、経営者、官僚、などが集まった自由企業研究会が、「日本の国のかたち」を見つめ直し、「活力ある日本をどのように形成していくか」という視点で討議し、研究した成果をまとめた内容が単行本となり、宮内氏と鈴木氏が共編者となって、「沈んでたまるか」との題で、日経BPから出版された。政治、行政、産業、教育などの分野で、戦後出来上がった仕組みが時代に合わなくなってきた、抜本的な改革を断行しなくては日本の将来はないなどと主張して、新自由主義を信奉する勢力が結集した研究会の成果物であった。テーマは国際社会における日本の役割、教育改革、情報通信革命、金融改革、少子高齢化及び雇用問題、財政改革の6分野にわたり、「幼児教育を早め、充実する」「6・ 3・3制を4・4・4制とする」(教育改革)、「財政実態の全体像を積極的に開示する」「財務運営の規律の強化のための立法措置を取る」(財政改革)などと、ショックドクトリンの日本版とも変形とも云える提言が盛り込まれていた。

川氏は、経歴を見る限りでは、物流部長の経験はあるが、金融の経験はなくなぜゆうちょ銀行の会長に就任していたのかの理由は不明である。

ともあれ、新自由主義に基づいた民営化という破壊と虚妄の一端が、ようやくほころびをみせたようだ。天網恢々疎にして漏らさず、暗闇の夜もいつかは明けると、星を仰いで希望をつなぎ祈るほかに、道はないようだ。

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