Tunnel Collapse
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(日刊ゲンダイ2012/12/11)
道路公団民営化で「コスト3割減」を主張
笹子トンネルの天上板崩落事故は、小泉時代の道路公団民営化の大幅なコストカットが招いた悲劇だ。それが鮮明になってきた。
普通なら「補修が必要な状態」が1回でも見つかれば、それからは入念な検査を行う。ところが中日本の動きは真逆だから理解に苦しむ。ポイントは00年と05年の検査の間に何があったかだ。この期間に道路公団は民営化されたのである。
民営化推進の過程で議題に上ったのはコスト削減だった。民営化すればムダが削れる。そういう方向で議論が交わされたのである。議事録によると、当時、道路関係四公団民営化推進委員会の委員だった猪瀬直樹氏はこんな意見書を提出している。
〈新会社は道路本体業務にかかる維持補修等の管理コストの徹底した合理化を行い削減することが求められる〉〈現在の四公団の維持管理に要する費用の合計から概ね3割以上の縮減を目指す〉
最終的にまとめられた委員会の意見書にも「管理費の徹底的な見直し」「概ね3割の縮減を目指す」などと書かれていて、猪瀬氏の意見が反映されたことがハッキリわかる。当時の道路公団にはファミリー企業がいくつもぶら下がっていた。猪瀬氏はそこにメスを入れようとしたのだろうが、安全性まで置き去りにされた印象は拭えない。
日航機墜落事故の被害者代理人だった海渡雄一弁護士はこう言った。
「人の生命に関わる公共性の高い事業の維持管理では削っても大丈夫なもの、削減したら深刻な事故を引き起こしかねないものの2通りがあります。日航機事故は十分な検証をせず、飛行機の修理と検査費用をカットしたことで起きました。猪瀬氏は何を根拠に『3割縮減』を提案したのでしょうか。打音検査が省略されるに至った経過と、民営化との関連性を遡って検証しなければいけません」
民営化の“成果”を繰り返す猪瀬氏。この人物が都知事でいいのか。有権者はしっかり考えるべきである。
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