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Info-communications in crisis 2

後半部分。単なるメモか書き写しであるので、あくまで、ご

参考まで。

残念なことは、災害時に最も重要かつ信頼出来る第一次情報を発す

べき日本の政府と行政は、安否情報ひとつとっても、十分に情報を

統合して伝達する機能を果たせなかった。原発の事故についての情

報は尚更で、東京電力や担当官庁の情報通信の重要性についての対

応は稚拙なものであった。各被害に関する第一次情報についても同

様であった。グーグル社という優れたグローバル企業が大いに活躍

したのであるが、実は、そうした私企業が公的な責任を担う限界が

どこになるかを真摯に検討して、次の災害においては、公的な機関

こそが、グーグル社やそのほかの私企業の情報通信システムを凌駕

して、安否情報などを統合して一掃迅速に提供する役割を担うこと

が期待される。

●ヤフーの災害プロジェクト

ヤフーは日本最大のインターネットのポータルサイトであり、一日

平均20億ページビューであるが、大震災の中では、3月14日に、23億6500万ページビューを記録したという。アクセスの増大と共に、サーバーを維持することがじゅうようであったが、通常通り、ヤフーにアクセスできたこと自体が、パニックを抑止する役割を果たしたと指摘されている。

六本木ミッドタウンに本社があり、地震直後に社員は、敷地内の広場に退避したが、そこから、ニュースの更新に着手している。風評被害を避けるために、人の手によるニュース発信にこだわったという。スピードと効率を犠牲にしたが、人の手をかけずにニュースを生成することは避けている。災害プロジェクトを発足、専任チームを結成している。

東京・大阪・名古屋の作業室をリアルタイムで、テレビ会議システムで接続して、一体感を持たせることにしている。

インターネットで募金を訴えたら、6日間で、10億円の募金が集まった。

3億円の義捐金を堆対して、防災科学技術研究所へ贈った。絵本の自由図書館の開設を行い、一部の作品は著者と交渉して、著作権フリーで子供のための絵本を公開している。

情報の見やすさとわかりやすさに。エリアで必要な情報をトップページに表示されるように工夫した。

東京電力が公表する電力の使用状況データは、ヤフーで、「電力使用状況メーター」という分かりやすい見せ方にした。東電の発表から半日後。電気予報というシステムも構築。誤差が2%以内。

東京電力が公表した放射能や輪番停電の情報は、なんと加工が不可能な形で公開された。信頼性を考慮したという理由付けがあったことは言うまでも無いが、ヤフーが努力して分かりやすい見せ方に加工したことは、逆に東京電力から提供された情報が、最初から透明かつ再利用可能な形で公開されることが重要であることを示すものであった。東京電力の公表の仕方は、緊急時における悪しき事例である。

5000人のヤフーの社員のうち、7割がエンジニアであって、コンテンツメーカーではなかった。そのために、情報を提供する行政との協力関係を更に拡大すべく模索している。

インターネットを途切れさせてはならないとの至上命題の下で、サーバーを維持した。膨大なアクセスに対処して、アクセスの分散、海外サーバーとの連携などあらゆる手段を使った。東京電力や、日本赤十字のサイトがダウンしたが、特に東京電力は、原発の事故を抱えていただけに情報通信の重要性を認識していなかったことが、サイトダウンは大失態である。今後の対策が採られることが肝要で有り、その他の電力会社も似たように状況にあることが推測されるので、情報通信基盤の耐性について改善をおこなうことが喫緊の課題であろう。

ヤフーの場合は、キャッシュをすぐさま公開して、ミラーサーバーのような役割を担わせている。

地震発生直後からグーグルとヤフーの棲み分けがあったように見えたが、有事から2ヶ月間だけ続いた特殊な状況であったか。ヤフーは、被災地の写真を投稿してもらう「東日本大震災写真保存プロジェクト」を4月8日に立ち上げ、5月16日には、グーグルは、「未来へのキオク」という類似したプロジェクトを立ち上げている。グーグルは、キーワードを入力して情報を探すことに対して、ヤフーは一覧から情報を探すスタイルであるという違いがある。

震災に於いてインターネットは役に立ったかとの質問に対しては、全面的に役立ったとは言い切れない。

被災地では、殆どインターネットに繋がらない状況。情報へのアクセスは、携帯電話と紙媒体が中心。

敢えてやらないこともひとつの判断。緊急の線引きは実際には難しい。
インターネットなどの情報通信は、水道や電気と並ぶインフラになっているのか。アクセシビリティーの必要性については余り考慮されてこなかった。

● ツイッターの対応

一回あたりのデータが少ない。一部被災地でも使用できたのは、携帯電話対応が進んでいたからである。ツィッターの対処として、総務省消防庁と、NHK関連のアカウントを紹介した。デマやいたずらも横行した。(コスモ石油の火災で化学物質が漏れたとのデマもあった)

ツイッターの特徴は、「速報性」「簡便性」「伝搬性」「多様性」という4つの特質があり、リアルタイムで情報の拡散が行われ、少数ながら、被災地からもツイート。津波警報の呼びかけを行った地方自治体のツイッターのサイトもあった。つくば市で、毛布を募集したら,2時間で250枚集まった。

否定的なこともあった。総務省がデマの関係で、指導に乗り出す場面もあった。デマは、情報そのものが間違っている情報と、情報の正味期限が切れているという2種類がある。明らかな間違いの情報としては、例えば、「放射能対策に、うがい薬のヨウ素をのむと効く」というのもあった。

日本では非公式のリツィートが浸透しているために、独自ルールの問題がある。
ハッシュタグの混乱もあった。地震が、jisinとjishinとに分かれていたような例である。
そこで、ツイッターの日本法人の運営側が介入して整理をしたという。

ツイッターは、地震発生直後に極めて多数の人が参加して、つぶやいたために,この情報が、安否確認と震災の状況をいち早く伝える役割を担った。地震発生前後の携帯電話によるデータ通信のデータサイズとパケット数の変化を見ると,震災の瞬間からパケット数が飛躍的に伸びて、データサイズは、飛躍的に小さくなっていたことが確認されている。非常に短いメールや、ツイッターのつぶやきが安否確認に使われた証拠である。
ちなみに、ツイッターの利用者数は世界第二位である。アメリカが世界全体の半分のトラフックがあるとするが、大震災の時点で、日本人は、約15%を占めていたという。

●アマゾンの欲しいものリスト

アマゾンは、欲しいものリストの活用を検討が早くから行われていたが、物流機能の回復が行われるのを待って実行された。物流機能は、商品を届ける手段である。
その事例作りとして、陸前高田市の消防団の高田分断が求めている支援物資リストを入手しようとしたが、高田分団の或る地域は、ネットの接続はおろか、携帯電話も断続的にしか使えない状況であったから、リストの作成は、電話でひとつずつ確認して、これをツィッターで投稿した。

アマゾンは、ネット上の出店料を二年間無料にした。月額4900円である。

そのほか、震災情報サイトを緊急支援した。クラウド企業としてのアマゾンの動きは特筆される。海外現地法人の一社員が社長に直接メールして、サーバーを無料で提供することを決断したという。メディアへの露出は最小限にして、震災に乗じた宣伝だと誤解されないようにしたという広報の方針も注目される。支援表明は、ツイッターとアマゾンのアメリカの会社のウェブサイトに限った。

インフラだけを提供しても駄目だと分かった。
できるだけ多くの基幹のサイトを救うこととして、支援先は特別な制限を設けないと決めた。2週間で約70件の要請あり。

サーバーを、現在動いているサービスを停止せずにクラウドに移行しなければ成らないことは、技術的に困難であった。少しずつ、クラウドに負荷を逃していく技術が必要であった。

ミラーサーバーは設置しなかった。その理由は新しい情報が反映されるまで,どうしても時間がかかり、その遅れが、混乱や危険を招く恐れがあると判断して、例え要請があってもミラーサーバーは設置しなかった。

8月末までに、無償支援活動は終えた。

東日本大震災で、クラウドサーバーが災害に強いことを証明した。

それから、普段からの繋がりが大切であり、それがないとうまく動けないことが経験となった。人間とその共同体の力である。
タイガーチームとは、米国で、技術的な問題や危機に対処するチームに付ける名前である。

新自由主義の人間社会をアトム化する手法は、単なる災害利用の極端な惨害利用の醜悪は資本主義の極論でしかない。

●NHKの総合テレビをインターネットを通じて見えるようにしたことを許諾した。

Ustreamと、ニコニコ動画、そして、ヤフージャパンでも同時配信。3月25日まで継続した。特に、Ustreamは15分後にNHKから許諾を採っただけではなく、13社のテレビラジオが配信した。

テレビの報道をテレビ以外の機械でみたいと考えた人が多かった。総アクセスの26%が海外からのアクセスであり、国内に住む外国人には、NHKワールドテレビを同時配信でみた者も多数いたようだ。

広島の中学生が、NHKの放送をUstreamでテレビ映像を流して、テレビが見えないところでもパソコンや携帯電話で情報を得ることができることにすることを実行したという。もちろん、通常であれば規制の対象となるが、その中学生は迅速にNHKに問い合わせをして合法化をめざし、しかも、NHKの社員はメールで許可をあたえたうえに、公式のアカウントでこのアドレスを周知したという。「停電の為、テレビがご覧になれない地域があります。人命に関わることですから、少しでも情報が届く手段があるのでしたら、活用して頂きたく存じます(ただ、これは私の独断ですので、あとで責任はとるつもりです)」と書いてあった由である。とがめられることなく一件落着した由であるが、当然のことであるが、こうした緊急時の手順が確立されなければならない。ラジオ放送局もインターネット上で、ラジオを聴けるように実験を行っていたが、大地震への対応として、この地域制限を一時的になくして、携帯電話などで、ラジオを聴けるようにした。

●陸前高田市は、壊滅的な被害を受けたが、被災証明の発行は迅速に行われた。その理由は、衛星写真や、航空写真で、被災状況を画像で詳しく把握することができたことから、この情報を下に被災証明を発行している。登記や戸籍を含め、行政が持っていた情報は津波で跡形もなく流されてしまった状況の中でのことで有り、行政情報がオンライン化、デジタル化されてその保管が別の安全な場所で電子的に行われていれば回避されていた可能性を示唆している。もちろん、コンピュータが水没してしまった事例もあった。その場合には、クラウド化などが有効であるが、霞ヶ関や、地方行政のクラウド化などが急がれることが明らかになった。データフォーマットが共用できずに、新しい情報を生み出すことが困難であった事例も報告されている。例外もあるが、基本は、「データは原則としてインターネット上で公開されなければならず、かつそれは加工や再利用が可能な様式でなければならない。」それで、透明化が図られることは、大震災で得た大きな教訓である。

日本の携帯電話は、位置情報を殆どの機種で取得できるように鳴っている状況は特筆されなければならない。米国の連邦通信委員会は、2004年にE911政策と名付けた政策があるが、これは、携帯電話と位置情報を結びつけて、緊急の電話番号である911をダイヤルしたときに、発信の位置がわかるようにするとの仕組みを作る政策である。日本でも、この必要性が検討されて、2006年に総務省令が改正され、2007年から、実際に緊急通報位置通知が導入された。米国では普及が遅れたが、日本では急速に普及した状況があり、昨年三月の地震発生時には、日本のほぼ全ての携帯電話に、GPSのチップが搭載されていた状況があった。その理由は、GPSの半導体部品が急速に日本で普及して安価になったからである。
さらに、携帯電話の機能の高度化について、画期的なことは、蓄電池技術の進展である。
携帯電話のバッテリーを充電することは日常生活の習慣ともなったが、長寿命化が進み、一回の充電で二日間程度利用できることが可能となり、これが、大震災時にライフラインとしての重要な役割を発揮する原動力となった。
●最近まで、NHKの会長の職にあった福地茂雄氏が、電力供給が途絶したときにNHKがどのような対策をしているのかを産経新聞紙上で明らかにしている。東京渋谷の放送センターには、五台の自家発電機があり、屋上に一台、一回に三台、地下に一台設置されている。同じフロアにあることを回避しているのは正解であるとしている。甲府の放送局では、局舎の建て替えが行われたが、自家発電機は、旧局舎では一階にあったが、新局舎では、最上階に設置してあるという。また、渋谷の放送センターでは、発電機を積んだトラックと送信設備の或る車とが一台は必ず外に出ているから,アマン①,社屋がつぶれても安心だとしている。更に、地震の備えとして、東海、東南海、南海の大地震が同時に発生することも想定していることに言及して、「従来は大阪放送局が東京の代替機能を持っていたが、NHKは現在の会長の下で、三つ目の拠点を福岡放送局に準備して,リスクを軽減しているとしている。そひて、結語として、「想定外を想定することは,未経験のことを想定することである。危機管理の問題だけではなく、前例のないことに挑むという,ポジティブな見方もして行くべきだろう。「想定外」を想定することは根気が要るが,誰かがどこかで考えなくてはならない。それを怠ったとき、代償は計り知れないということを,私たちは肝に銘じなければならない」と述べている。蓋し、名言である。

以上、ご参考まで。

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