構造改革、民営化、市場原理主義の虚妄から、マインドコントロールを解くための参考図書館

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The Third Arrow out of Target

 三本の矢で、デフレ政策をやめて、デフレ解消策と実行すると宣言した安倍内閣の決断は高く評価され、昨年末の選挙に大勝利すると共に、大胆な金融改革が実行された。アジア開発銀行の総裁をしていた元財務官の黒田東彦氏がマニラから呼び戻されて、日本銀行総裁に就任した。リフレ政策を主張していた岩田規久男氏が日銀副総裁に就任して、日銀は矢継ぎ早に超金融緩和を行った。株式市場は、投機的なバブル相場の状況を呈して、資金が、これまでの動きとは逆に外国からも流入して、株式市場の活況を呈していた。第二の矢は、機動的な財政支出であるが、これは未だに、10兆円の補正予算にとどまってはいるものの、景気の下支えになった。

しかし、産業の競争力の強化をめざす、とする第三の矢が放たれた瞬間に、アベノミクスと命名された、日本経済復興の道が停滞をみせた。

安倍首相は、6月5日の新聞の夕刊の締め切り時間と株式市場を意識しながら第三の矢を発表したが、期待とは逆の展開となり、投資家は売り注文を増やして行って、東京の株式市場は続落して行った。

当方ブログは、三本の矢については、金融緩和によるデフレ克服の目標についても評価できるが、第三の矢は、従来の構造改革路線を踏襲しようとする、いわゆる小泉・竹中政治の延長線上にあり、それを推進する勢力も、従来日本経済を縮小させてきたいわゆる規制緩和論者が占めていることに警鐘を鳴らしてきた。今回の第三の矢のなかという、薬をインターネットで売るネット利益を推奨する楽天の社長の意見が突出する、いわば政商の利益を前面に出して、あらたな利権作りの構造が提案されるばかりで、国民の幸福を考える姿勢が不足していた。子宮頸がんのワクチンを巡る問題が底流にある中で、薬品の規制緩和に対する真摯な対応が欠落していると見えた可能性があり、特に、雇用の問題では、限定正規社員、とか、金銭解雇の合法化とか、ホワイトカラーエグゼンプションなどと横文字で体よく隠蔽した、残業手当の召し上げ等、日本人の万民思想にはとても合致しない、外国来の搾取の思想がてんこもりになった内容が、発表された。国民の幸福に繋がる者は見当たらないと酷評する向きも見られた程である。

第三の矢の内容をみると、達成すべき目標を年限も含めて明確にして、国民総所得を10年後にひとりあたり150万円増やすと宣言するものである。国民総所得とは、国民総生産に企業や配当金収入などを含めたものであるが、今後10年間で、国民総所得を年平均三パーセント増やせば、10年後には1.38倍になるから、現在の年間平均収入が400万円であり、これが550万円近くになるという計算である。当方ブログが指摘してきたように、分配政策が欠落しているので、企業が手にした配当金や利子収入が国民に配分される保障は全く書かれていない。三年間で民間投資を70兆円回復するとか、インフラ輸出を拡大するとか、数字がたくさん掲出されているが、具体策がわからず、つまり、第三の矢は、国民の信頼を失ってしまうような、昔の名前をやめて、装いを新たにした規制緩和路線の再来であることが見透かされてしまった。市場は規制緩和路線が不十分であることに失望しているのではない。一部の資本家だけが濡れ手に粟の利益を手中にする市場原理主義が世界的に破綻する中で、日本だけがまだ、その政策を残していることに、目をつけたファンドの投機資本家などが、日本市場の上がり下がりを利用していることだ。日本が強くなるからこそ、資本は日本に流入するのであって、弱くなることが見通せるのであれば、資金は日本から流出する。株を売って円資金でドルを買い、本国に持ち去る。更に国債を売って、ドルを買い、海外に戻すことが行われかねない。第一の矢は、投機資金が活動しやすい環境がつくられたことにもなりかねない状況に反転する恐れがある。

これをくい止めなければならない。

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コメント

アベノミクスと命名され一本目の矢が放たれた時の株価は、本質は危うい物と不安があるも不安が外れてくれればよいとは望みもしました。しかし、第三の矢でやはり。それと、原発のトップセールスをする行動はどんな発想で出てきたのかと未だに信じられません。3.11以降の福島が有る中で海外に込むとは。まさにありえないと感じたどの面下げてと。それでも日本の原発は売れるのか、信頼されるのかと。日本内でも未だ再開されない原発の中で海外にはセールス。再開のための資金集めで海外へのセールスが有効か、あるいは海外を踏み台にして日本の再生の期待するのか。経済も原発セールスのいずれも何か深いものは考えてない様にしか感じられない。如何でしょうか。

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