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Policy of Destructions

週刊新潮が珍しく「日本を暗い国にした小泉純一郎」という記事を掲載した。(10月17日号)。週刊新潮は、小泉政権の当時は、小泉政権を批判する記事は書かなかったどころが市場原理主義の肩を持つような週刊誌であったから、宗旨替えをしたようだ。

原発ゼロを決断すべきだ。突如、脱原発の旗幟を鮮明にし、猛アピールの小泉純一郎元総理(71)。その発信力に大衆は鮮度されがちだが、よもやお忘れではあるまい。ワンフレーズを弄ぶポピュリズム政治が格差を招き、日本を暗い国へと”ぶっ壊した”厳然たる事実を。と書いている。

週刊新潮は、独特の政治的勘、シンワンフレーズ政治の開演、高学歴でも非正規の悲惨、究極のナルシストなどの見出しをつけている

高学歴でも非正規の悲惨、という見出しのもとでは、講談社刊の「市場と権力」で、今月四日に新潮ドキュメント賞を受賞した佐々木実氏の発言を引用している。
「小泉さんはいつも勘で動いています。イラク戦争で米国のブッシュ大統領を支持した時もそうですし、政局にして衆院を解散した郵政民営化もしかりです。根拠は薄弱。緊縮財政を取ったせいで、一時、税収は落ち込み、公共事業や医療、社会保障が削られました。これは明らかに失政です。」「改革なくして成長なしと唱え、そこには痛みも伴うとした小泉元総理。「その痛みが地方や低所得者をもろに襲いました。拙著にも書きましたが、今や日本の労働者の三人に一人が非正規労働者という惨憺たる状況です。彼が取った製造業における派遣労働の解禁は、経済政策というよりは、日本の本質を根底から歪める大転換でした。賃銀が低い非正規労働を社会に認知させ、世の中を不安定化させたといえる。あの構造改革は何だったのか。経済が活性化したと評価する方もいますが、改革が奏を効したのではなく、大胆な金融緩和で大幅な円安の流れを創り、トヨタに代表される輸出期企業を潤わせただけです。それによって、確かに政権の中盤には、株価は一万七千円台を付けた(2006年)。しかし、中韓との外交問題など、山積していたほかの案件を止めてまで推し進めた郵政民営化は、日本の経済の起爆剤にはなりませんでした。」確かに、2001年からスタートした小泉政権で、全労働者にあたる非正規雇用の割合いは30%を突破、その後も状況は改善されぬまま、現在に至っている。(今年度4~6月期で約36%)大卒者に限っても今年三月の統計で、非正規やアルバイトなど不安定な就職を余儀なくされたり、就職できなかった者が約21%にも達するのである。と書いている。
週刊新潮は、経済アナリストの、さらに手厳しい森永卓郎氏の分析を引用する。金融緩和で資金供給を増やした「結果、経済のパイが大きくなり、おおむね企業の経常利益は二倍、株価も二倍、配当金は三倍にも増えました。問題はそのパイの配分です。小泉さんは、富裕層や大企業には投資減税や相続税減税といった恩恵を与え、約三兆円の減税を行った。しかし、その一方で、これ以外の大多数の人には、定率減税の廃止などで負担を増大させ、約五兆円の増税を強いたのです。パイの大部分は、大企業や富裕層が独占し、格差がどんどん広がりました。その悲惨な状況が続いているわけです。」として、

小泉・竹中ラインで推進した金融再生プログラムも、日本を地獄に追い込んだ、と書いている。不良最近絵処理を無理やり進めるために、査定を厳格化して、銀行は、巨額の貸し倒れ引当金をつまされるために、貸し渋りや貸しはがしが横行して、中小企業の倒産が相次いた。ダイエーなども黒字決算だったのに、産業再生機構に回されて、徹底的に資本を切り売りされた。多くの企業が二束三文でうられ、こうした金融政策でもっとも得をしたのがハゲタカ外資です。それによって、賃金カットがすすみリストラの憂き目にあう従業員も増えて格差は拡大した。」とする。紺谷典子氏は、「地方の銀行までつぶしたので;、地方経済は完全に破壊されてしまった。」と語り、「彼の本性が羊を喰らうライオンであることに気づかず、と指摘しする。「実は、小泉政権は、原発を積極的に支持する立場であったから、グランドデザインもなく、感情的に思いつきで言っているだけ」と、こき下ろす政治評論家のコメントを引用している。興味深いのは、「郵政民営化で造反して、小泉さんに追い出された議員たちを、安倍さんは第一次政権時代に復党させている。これも小泉さんに気にいらなかった。移行、二人の間に溝があるとも聞きます。」と、小泉総理と安倍総理の仲間割れの可能性について、大手新聞社の政治部デスクの発言を引用している。

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