構造改革、民営化、市場原理主義の虚妄から、マインドコントロールを解くための参考図書館

« Kuroshio 104 | トップページ | Kuroshio 105 »

True Villain

ただの悪党の話ではない。並外れたパワーを持つ悪党の話だ。怖い話だ。ご参考まで。

http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2013/11/post-e8e4.html

甘利明経済財政・再生相が、「国家戦略特区諮問会議」の特区選定を行う「諮問会議」のメンバーに竹中平蔵慶大教授を民間議員として起用することを明らかにしたことを、先ほど読者さんに教えていただいた。

国家戦略特区は安倍政権が独自に打ち出した新企画である。

それまでの特区は政府に認められた地域が構想を提案し、それを政府が認める形だった。今度の国家戦略特区が極めて違っているのは、実施主体が地域ではなく政府主体に切り替わったことである。

この国家戦略特区はアベノミクス第三の矢と銘打った成長戦略として大々的に打ち出されたが、その考え方は規制緩和と法人税減税(税制優遇措置)の二本柱である。

規制緩和と企業の税制優遇措置、この両輪政策が経済再生と賦活化をもたらすと安倍政権は言っている。
また、民間投資が活発化すれば、それは企業経営を潤し、ひいては雇用増大と国民所得の増大につながるという論法である。

だが、おかしなことは、安倍政権がこの特区法案の眼目として言っていることは、民間投資と企業の税制優遇だけであり、ここには国民生活の回復も、向上という概念もいっさい入ってないことである。

企業を強めれば、結果的にその余力が中小零細企業や民間に波及し、全体としては経済のボトムアップ効果を引き出す。
どこかで聞いた理屈である。

小泉政権初期、自民党の閣僚は誰一人公的な場で、小泉・竹中構造改革が新自由主義であることを言わなかった。
だが、記憶にある限りその片鱗に触れたのは、ただ一人、当時の中川秀直国対委員長だった。
中川氏はテレビの記者会見で、企業を強めれば景気が上がっていくと公言している。
典型的なトリクルダウン理論効果であるが、これは小さな政府を主張する新自由主義(フリードマン主義)政策で必ず出てくる政策論である。
この政治思想は「富める者が富めば、貧しい者にも自然に富が浸透(トリクルダウン)する」という単純な理屈だが、その効果は限定的な条件で微々たるものがあるとしても、ほとんどないというのが一般的な受け止め方である。

特に企業主体が敵対的な外資であった場合は、彼らの利潤獲得行為によって社会全体にプラスの経済効果が波及する確率はゼロどころかマイナスになる。
これが小泉政権以降の日本経済の実態なのである。

つまり、鳩山政権を除く小泉政権以降の全政権が採用した国政方針は、多国籍企業の跳梁跋扈を呼び込む新自由主義政策であり、その思想は国民生活のためではなく外国資本と大企業の営利活動を有利にするためだけに向けられている。
この政治状況は、“風が吹けば桶屋が儲かる”式のトリクルダウン・セオリーによって貫かれているのであって、企業の儲けが国民に配分されるルートの構築には一切向けられていない。

今の状況下で、経済のパイが企業にとっては大きくなっても、そのパイが比例的に国民生活の向上や福祉の向上につながることは決してない。
なぜなら、外国資本中心の新自由主義政策は、恒久的な搾取システムを持続するからであり、彼らが得たゲイン(利益)は日本社会に還元されないのである。

小泉政権以降の国政が内包する最大の問題点は「再配分」ルートの構築が故意に無視され、日本人が汗水垂らして稼いだ金が、一方的(不可逆的)に国際金融資本のフトコロへ入ってしまうことにある。
つまり、現今の新自由主義政策では、奈落に落ち込んでいる国民生活の回復は決してありえず、今後ますます窮乏化の様相を深めていくことになる。

小泉政権下で郵政民営化の旗を振った売国奴の竹中平蔵氏が、今、安倍政権が躍起になっている国家戦略特区・諮問会議のメンバーに躍り出ることが、どんなに恐ろしい意味を持っているかお分かりだろうか。

21日にすでに衆議院を通過しているこの国家戦略特区法案は、「特定地域で外資を呼び込むため外国人医師の受け入れを認める」ことや、農業への企業参入を促す計画が先行的に打ち出されているが、これを新自由主義的な側面から見ることが重要である。
外国人医師の解禁と言えば、在留外国人や外国人旅行者たちのために結構な話のように見えるが、これは混合診療(保険外診療)の拡大の発火点になる可能性が極めて高く、国民皆保険制度の実質無効化に直結する。
しかも、外資を呼び込むための外国人医師というなら、国家戦略特区やTPPで、外国資本として参入する企業関連の外国人を対象としていることになる。

外国資本による投資活動を円滑化するために、国民や社会を守っている諸規制を片っ端から切り崩していくのが、国家戦略特区制度の根幹である。
この特区法案はCSISに指令された竹中平蔵氏が産業競争力会議で言挙げし、今日の状況にいたっている。

2013年4月17日の産業競争力会議で、竹中平蔵氏は、東京・大阪・愛知の三大都市圏を中心に、都市の国際競争力を高めて国内外のヒト・モノ・カネを呼び込み、経済再生の起爆剤にする提案をした。
この会議で安倍首相が「世界一ビジネスのしやすい事業環境を実現するための橋頭堡(きょうとうほ)として、特区制度に光をあてる」と口火を切ったが、そのとき、竹中平蔵氏ら民間議員が「アベノミクス戦略特区」の創設を提言している。(日経新聞参照)

国家戦略特区の生みの親が竹中平蔵氏であり、育ての親が新藤義孝(しんどうよしたか)総務大臣なのである。
その生みの親である竹中平蔵氏が、国家戦略特区・諮問会議の主要メンバーとして加わったことは、特区という名の売国制度が急加速することを意味している。

山崎行太郎さんが言うように、竹中平蔵という男は一筋縄ではいかない特殊な個性、強靭さを有している。
小泉政権時代に彼の有力な協力者であった人々は軒並み失脚しているか表舞台から遠のいたが、彼だけは生き残って政権の中枢に居座っている。

この事実は彼の並外れた突破力を物語っている。

彼はただの悪党ではない。

並外れたパワーを持つ悪党なのである。
日本破壊の強力な情念を秘めた竹中平蔵氏が、特区の諮問会議に腰を落ち着け、本格的に采配を揮うことになる。」

こんな重要な話を見過ごしていた。安倍政権は、どんどん、新自由主義の傾向を強めている。

« Kuroshio 104 | トップページ | Kuroshio 105 »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/209267/58659146

この記事へのトラックバック一覧です: True Villain:

« Kuroshio 104 | トップページ | Kuroshio 105 »

2016年10月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          

興味深いリンク