構造改革、民営化、市場原理主義の虚妄から、マインドコントロールを解くための参考図書館

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Business Eye

フジサンケイ ビジネスアイ、と言う専門紙がある。2月20日号は一面で、「日本郵政 上場延期の可能性」との大見出しをつけた記事を掲載した。小さな見出しには、情報システム統合難航 成長戦略も描けずとなっている。当方ブログは、新自由主義の政策、なかんずく構造改革論と民営化論を批判してきたが、そもそも郵政民営化の制度設計自体とその後の経営に深刻な問題があったのではないのか。郵政民営化の見直しが行われたが表面的に糊塗としただけで、新自由主義政策に基づく「改革」であったという根幹の問題は何ら解決されていないのではないのか。

ネットでも記事が転載されている。

http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20140219-00000001-biz_fsi-nb

日本郵政、上場延期の可能性 情報システム統合難航、新規業務認可も遅れ

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郵便物数と、かんぽ生命保険の契約数

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 日本郵政が2015年春に予定していた株式上場が秋に延期される可能性が出てきた。グループの成長戦略が描き切れないのに加え、グループの情報システム統合が間に合わない可能性が浮上。“隠し球”とされる郵便貯金の限度額引き上げも現時点で実現は見通せない。西室泰三社長が就任直後に半年前倒しを表明した上場計画は再び後戻りしかねない情勢だ。

                   ◇

 ◆放置できない状況

 上場計画まであと1年と迫った日本郵政だが、ここへきて難問が表面化し始めた。世界最大のオンラインシステムを抱えるゆうちょ銀行をはじめグループ4社の情報システム統合作業が「予想以上に難航している」(日本郵政グループ幹部)ことが大きな要因だ。 ある自民党議員も「来春の上場は難しくなってきた。システム作りがかなり遅れているようだ。ぶっつけ本番で上場後に大きなシステム障害でも起こしたら大変」と懸念を示す。 グループの情報システム統合を、2月末に発表予定の中期経営3カ年計画の柱に据えることは、西室社長の鶴の一声で決まった。東芝出身で、東京証券取引所でも株式売買システムの全面刷新を指揮した西室社長は、昨年9月の日本記者クラブでの講演で、グループ各社の情報システムについて「小さなトラブルが発生している。放置できない状況」だと苦言を呈し、上場の大前提として「戦える情報システム」への転換を掲げた。 日立ソリューションズ副社長だった小松敏秀氏を日本郵政の最高情報責任者(CIO)に招いたのも、巨大システムの刷新には専門家が不可欠と判断したからだ。裏を返せば、システム統合作業が遅れれば上場計画自体に影響が及ぶことを意味する。 投資家を呼び込むための成長戦略も中計にどこまで盛り込めるかは不透明だ。

 かんぽ生命保険が4月に販売を始める新学資保険の収益への貢献度は未知数。「少子化を踏まえると(需要が細るため、てこ入れには)物足りない」(自民党議員)という指摘もある。すでに、民間生保が同様の保険を販売しており、02年3月期の73.1%から13年3月期に33.7%まで落ちたシェアを挽回するのは難しい。

 ゆうちょ銀行の住宅ローンなど本命とされる新規業務は認可のめどが立たないままだ。金融庁は「回収業務の経験はあるのか。審査はしているが、まだ(認可を)判断する状況にはない」(麻生太郎金融相)と慎重な姿勢を崩さない。

 郵便物の減少が続く郵便事業は赤字体質から脱し切れていない。株式の売り出し計画など財務省との話し合いも遅れているもようで、グループ内では「あと1年では厳しい」との見方が強まっている。 西室社長は「(関係省庁と)コンセンサスができていない」とし、中計と同時に発表する予定だった上場計画を4月以降に先送りすることを決めた。 成長戦略の強力な隠し球は、郵便貯金の限度額引き上げだ。現在、通常貯金と定期貯金の合計で1000万円を限度としているが、「限度額を2000万円あるいは撤廃してくれれば、郵貯の貯金残高は一挙に増える」(日本郵便幹部)と期待を寄せるが、上場前の実現は難しそうだ。 政府は郵政株の売却益を東日本大震災の復興財源に充てる方針だが「もともと半年のずれは想定内」(内閣府)ともいわれる。新学資保険で風穴を開けたかに見えた巨艦・日本郵政の上場への道筋は、なお曲折が避けられそうもない。

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