構造改革、民営化、市場原理主義の虚妄から、マインドコントロールを解くための参考図書館

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2015年3月

The Roots

亀井静香議員を代表とする超党派の政治組織が発足した。根っこの会。ご参考まで。http://blog.livedoor.jp/donnjinngannbohnn/archives/1858046.html

Kuroshio 133

征服された者の悲哀をその克服

列島の東北から南西の各地へと蝦夷が移住を余儀なくされた俘囚郷こそ、全国に散在する別所村だと菊池山哉は大著『別所と特殊部落の研究』(東京史談会、一九六六)で結論づけた。柴田弘武『鉄と俘囚の古代史・増補版』は菊池山哉の実地調査を更に補充して全国の四九三ヶ所の別所村のほぼ半数を踏査し菊池説を支持している。別所村の多くに製鉄・鍛冶などの伝説を見出し、大和朝廷の蝦夷征伐の目的が鉱物資源の獲得にあって、製鉄技術と労働力の確保が大和朝廷の全国統一の原動力となったと結論づけているのは新鮮な驚きである。金属に対する知識・技術の伝統が後の大航海時代に至って、西洋の強圧に立ち向かって直ちに鉄砲を生産できる基本になったと想像したが、単に生産の優越と保持を愉快とするのではなく、列島の原住民でありながら、日本刀の鍛冶が可能であったからこそ逆に被差別の対象となったとすれば、防人が西国に赴く出陣の哀愁を超える悲哀の克服を祈るものである。慈覚大師円仁所縁の寺名が、東の光、東光寺となっているのは、おそらく故なしとはしない。俘囚の村は隼人の邦にはなかったとするが、事実であれば、黒潮の民の隼人と原住民としての蝦夷との並立共存は、また山幸と海幸との鉄製の釣針の入手・喪失の物語として、日本版カインとアベルの神話の新たな解釈可能性を惹起する。

また菊池山哉は旧辞(ふるごと)と本辞と(もとつごと)いう古事記序文に出てくる用語に着目して、旧辞は通訳が必要であった列島の原住民の言葉ではなかったかと推論する。日本民族は、命(みこと)民族、神民族、原住民である日高民族の三派からなるとしているから、この論理を貫徹すれば、命民族と神民族が本辞という共通する言語に至ったことになる。片山龍峰『日本語とアイヌ語』を引用して両者の共通性について理解を深め、智恵(ミネルヴァ)の鳥フクロウを「チクフ」と呼ぶ南島と北方との名前の共通性について以前追論したことがあるが、最近列島の民のルーツを科学的に探求する議論が高まってきたのは喜ばしいことである。

ハワイの島々にはサトウキビの生産輸送用の軽便鉄道が残って観光資源となっている。沖縄本島や大東島にサトウキビ輸送のための軽便鉄道があったことと同じである。蒸気機関が日本海側の潟の干拓のポンプに使用されて、新潟などの都市が出現するに至ったのであるが、逆にハワイあたりでは白人が単一農業の大農園の支配者として登場して、原住民は単純労働者として追いやられてしまった。島々の観光地の脇に集落があり、そこにはハワイ原住民がちゃんと暮らしていることを発見するが、観光地の華美とは無縁の世界である。軽便鉄道の観光会社の原住民の従業員が、海岸線の風光明媚な場所が白人資本に買い占められて、祈りの場所であった浜辺すらもプライベートビーチになってしまって立ち入り制限されているとの嘆き節を聞くのであるが、現実は一顧もされていない。併合されたハワイに僅かに独立運動が残るが、宜(むべ)なるかなである。

沖縄でも、戦後の米軍住宅は高嶺の花であった。最近では沖縄の高速道路から米軍基地内の住宅を眺めることができるから、芝生の緑が広がる住宅街を見ても、那覇の小禄あたりの住宅地では米軍住宅よりも遙かに高級な造りのコンクリート住宅が沢山あり、マンションでも大型の台風が来てもアルミサッシがぎしぎし音をたてるくらいの堅牢な建物が増えたからもう米軍住宅を羨ましいとは思わなくなったのである。最近では、その外国軍隊の兵舎や住宅が日本国民の税金で建設されて、さらに、地域の住民の住宅より豪華な内装の施設が供与されるようになり、しかも、その事実が本国で喧伝されることなく既得権となり、片務的な地位協定が維持されたままで、なかには、基地内に住まず町中のアパートを借りて住む軍人が増加すれば、それが沖縄の住民の反感を呼ぶのは当然である。外国軍隊のために新たな基地を日本側の経費負担で建設することに対する怨嗟は相当なものがある。軍隊費用を日本に負担させることを潔しとしない心ある米国民も多いのではないだろうか。思いやり予算は確かに同盟国の財政が苦しいときの配慮ではあったが、自らの国防を怠って外国軍隊に安全保障を依存し、国の経費として平成二七年度予算で特別協定分一四一六億円を含め一九一二億円を支出するのは、とても対等な日米関係とはいえず、この倒錯した状況は速やかに打破すべきである。

台湾の李登輝元総統が司馬遼太郎との対談で「台湾の悲哀」について発言したことを思い出すが、さらには台湾の山岳髙地に住む台湾原住民の悲哀にも思いを致さずにはいられない。阿里山の山岳登山鉄道がサトウキビの輸送や木材切り出しのためばかりではなく、幼児の玩具となるほど原住民が誇りに思うように設計されたのは総督府の志の高さを規(はか)る標である。終点のホテルは今も立派な近代的宿泊施設であり、炎が映像となったストーブで暖をとる。甲子園で準優勝した嘉義農林学校野球部を題材にした「KANO」が日本でも上映開始されたが、台湾の悲哀を克服させる契機となった。(つづく)

Kuroshio 132

鉄輪と藤蔓──洩矢神対建御名方神

  関西の読者から、高師小僧が愛知県豊橋の高師原の地名にちなんだ褐鉄鉱の名前であるのであれば、大阪府高石市から北の堺市西区の浜寺にかけての高(たか)師(しの)浜(はま)もまた古代製鉄の故地を示しているのではないか、との便りがあった。高師浜は白砂青松の景勝地で古来名高い「歌枕」だった。古今集は紀貫之の歌「沖つ波高師の浜の浜松の名にこそ君を待ちわたりつれ」を載せ、万葉集には「おほともの高師濱の松が根を枕きぬれど家し偲ばゆ」(置始東人)(おきそめのあずまびと)とあり、小倉百人一首の第七二番目にも、「音に聞く高師の浜のあだ波はかけじや袖のぬれもこそすれ」(祐子内親王(ゆうしないしんのう)家紀伊(けのきい))とある。昭和三〇年頃までは東洋一の海水浴場などと言われたが、沖合に臨海工業地帯が造成され、元の海岸線沿いが浜寺水路として残っているだけで景観を一変させてしまった。確かに、近くに江戸時代の鉄砲鍛冶の屋敷跡が現在まで残っているのを見ても、戦国時代の鉄砲生産と所縁のある土地柄である。種子島に鉄砲が伝来するや、直ぐさま堺で鉄砲...を製造できたのも、豊橋の高師原や高石・堺の高師浜で古代より湖沼鉄を原料にして古代製鉄が行なわれてきたからに相違ない。百済系の渡来人高志(こし)氏の祖といわれる王(わ)仁(に)を祀った高石(たかしの)神社も近くにある。王仁一族は工芸に秀でて高石市大工村(高師浜の一部)の村民の大半は大工を家業とし、明治維新までは京都御所の内匠(たくみ)寮の支配下にあったという由緒ある町である。

  『諏訪大明神絵詞(すはだいみようじんえことば)』などの伝承では、諏訪大社に祀られる建御名方(たけみなかた)神は諏訪地方の外から来訪した神であり、土着の洩矢(もりや)神を降して諏訪の祭神になったとされるが、このとき洩矢神は鉄輪(かなわ)を、建御名方神は藤蔓(ふじつる)を持って闘ったとされ、製鉄技術の対決を表わしているのではないかという説があることも最近になって知った。つまり、湖沼鉄を使う古代からの芦刈(あしかり)製鉄と蹈鞴(たたら)製鉄という新しい製鉄方法の抗争があって、蹈鞴製鉄側が勝利したとの説である。洩矢神とは長野県諏訪地方を中心に信仰を集めた土着の神様のことであるが、建御名方神が諏訪に侵入した時に、洩矢神は鉄輪を武具として迎え撃つが、建御名方神の持つ藤の枝により鉄輪が朽ちてしまい敗北したので、洩矢神は諏訪地方の祭神の地位を建御名方神に譲り支配下に入ることとなったという伝承である。藤蔓が武器とは訝(いぶ)かしいが、藤の枝で編んだ笊(ざる)が砂鉄を集める道具だったことから、蹈鞴製鉄の象徴と考えられる。中世・近世においては建御名方神末裔とされる諏訪氏が諏訪大社上社の大祝を務め、洩矢神の末裔とされる守矢(もりや)氏は筆頭神官を務めた。建御名方神は風の神ともされ、元寇の際には諏訪の神が神風を起こしたと伝えるが、「水潟(みなかた)」の意ともなり、南方(みなかた)、宗像(むなかた)にも通じることを連想する。葦原の中国の国譲りの争いにも建御名方神は登場するも、建御雷(たけみかづち)神との力比べで、科野の国の州羽(すは)の海まで追い詰められ遂には服従することになる。この神話が『古事記』にのみ残り『日本書紀』に記されないことは、湖沼鉄の勢力に勝利した建御名方神が鹿島や香取を中心とする建御雷神の勢力に敗北し権力を奪われながらも、正統性の継承だけは主張しているかのようだ。製鉄原料の葦原の支配をめぐる抗争は文字通り「国譲り」の争いだった。

  湖沼鉄の広がりは日本列島ばかりではない。古代のエジプト等にも湖沼鉄の使用が確認されているが、スウェーデン鋼の製鉄方法が湖沼鉄による典型と考えてよい。スウェーデン鋼とはスウェーデンで造られる鋼と言うだけのことであるが、包丁や刃物は一般的にスウェーデン鋼と銘打っただけで売れ行きが伸びるほど名声と実績を伴っている。元々は、農民が鉄の鍋釜を製造するのと同じように、錆びる鉄である炭素鋼を湖沼鉄を原料に製造したものであり、バイキングがヨーロッパ世界に進出する原動力ともなったことが指摘されている。特にスウェーデン鋼の原料の鉄は、硫黄分が少ないという点では日本の砂鉄と似ており、鋏や刀といった切れ味を大事にする鉄製品に好都合である。湖沼鉄は比較的低温で溶融するが、だからといって、その製品が劣っているわけではない。明治時代に釜石で磁鉄鉱を高温で精錬しようとして試行錯誤を重ねたとき、逆に古い時代の製鉄手法に戻って温度を低めに設定して鉄の純度を下げたら成功したという逸話も残されている。

  日本刀などは、鉄の純度が高いので土に埋められたりすると容易に錆びて原形を失ってしまう。純度の低い鉄で造られた大陸渡来の刀が、埋められて後で掘り出されたとしても原形を留めていることがあるのは、石上神宮の七支刀などに例がある。三種の神器の草薙の剣も錆びずに今に伝わることから、舶来刀である可能性が高い。ちなみに、郵便局で、日本語の文字を読み取りながら、郵便番号を併用して郵便物を区分したり配達のための順番を組み立てたりする自動機械が開発され採用されているが、機械そのものは日本の会社の製品であっても、肝心要の印字部分の日付印には、摩耗が少なく耐久性のあるスウェーデン鋼が使用されていることを記しておきたい。(つづく)

4th Anniversary

東日本大震災から早くも四年が経過しました。

残念なことに、復興はまだ緒に就いたばかりで、

大勢の被災者の方が凍てつく厳冬に耐えておられます。

ことに福島第一原発周辺住民の方々の困難な避難生活は今も続いています。

私たちは、再びこうした惨禍が起きないよう、

犠牲になられた2万人余の方々のご冥福を祈り、

被災地の1日も早い復興を願って、第四回の「祈りの日」式典を開催します。

第二部は「これでいいのか日本!」(第七回・東京大会)を開催します。

村山富市、亀井静香、西部邁の各氏に

日本の進路について熱く論じていただきます。

日時・平成二七年三月十一日(水)

会場・憲政記念館・ホール 入場無料

第一部、午後2時から

第二部、午後四時から

主催「躍進日本!春風の会」 代表 村上正邦

Fairness and Taxation

政府は、これまで国内企業から不公平だとの不満が寄せられていたが、外資勢力による電子書籍や音楽、広告などの越境する電子商取引に対しては消費税を課してこなかった。ようやく、今年の10月1日から課税する形に改めるという。消費税を上げる謀略は一時期か昨年暮に頓挫しているが、片方では、外資からは消費税もとらないという優遇?をしてきたことは驚き以外の何物でもない。国内ネット書店で本を買うと消費税が取られていたが、アマゾンや楽天系のkoboなどで購入すれば消費税は非課税だったのだ。そうすれば、売る側がその分値下げなどすれば、国内ネット書店にとっては不利になったのだ。これまで、消費税をまぬかれていたのは、サービス提供者の所在地に着目していたからで、10月からは、サービスの提供を受ける者の所在地に着目すると変更するという。電子商取引で、米国から1736億円、中国から179億円を購入しているという数字もあるが、年々増加しているという。本当はもっと大きな数字かも知れない。確かに外資のネットの検索外社が手広く手がけている広告代などは、クレジットカードで、アイルランドあたりに払うシステムになっていることなどが目立っていた。勿論、この変更後の課税方法を敷衍すれば、国内のネット書店などが、海外の消費者に販売すれば、日本ではその分は非課税になり、販売先の国の税を払うことが考えられるが、これまでは、消費税を外資からはとっていなかった訳で、片方では消費税の増税を画策していたというのだから、日本企業の利益や国益などという観点は視野に入れてなかったのだろうか。日本国民からは税を搾るようにとり、外資を甘やかすように大盤振る舞いすることは、もう止めにすべきだ。日本は属国ではない。徴税当局の奮起と外資優遇の不公平の是正を望むことである。

Politics and Prejudice

http://blog.livedoor.jp/donnjinngannbohnn/archives/1854782.html

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