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Conservative

いつの年の文藝春秋だったが不明だが、土俗の思想と題する一文を亀井静香氏が寄稿している。その原稿が手元に残っていたので、文字興しをした。本質論である。

文藝春秋6月号掲載(5月10日発売)

オピニオン特集「今こそ問う 保守とは何か」(仮題)

               土俗の思想           

                                 亀井静香

 「保守」とは人間同士や自然、生きとし行ける物との共生の思想を包含しつつより良きものを目指すことであり、「革新」は温故知新の概念であるはずだ。しかし現実は怠惰な情念に溺れた保身が「保守」であり、より事故の利益を追う者が「革新」になっている。これらの大きな原因はこの地球に人類が生まれて以来欲望を満たすために文明を追求し続けた結果、環境破壊、原発事故のみならず、人間の心を蝕む形でその反逆を受けているからに違いない。

世界共通の現象であるが我が国に於いても福島原発で人類の存亡に関わる重大な事故を起こしながらも、喉元過ぎれば原発再稼働の動きが大きな流になっている。各紙の世論調査では原発の推進や消費税造成に対しての賛成は少数であるにも拘わらず、選挙に於いてはそれらを推進する政党を国民が支持すると言う矛盾が起きているのだ。

私が知る安倍総理は間違いなく鎮守の森を中心とした皆で助け合っていく村社会を良き日本のイメージとしていたはずだ。ところが現実は村社会の荒廃や格差の拡大という全く逆の状況をどんどん作り出している。こうした現象は明治維新にまで遡る。

一君万民、皆平等の維新の思想が薩長による天皇の政治利用と言う形で文明開化が進められ、歪められた中で自由民権運動も消え去り、水平社が生まれていく事態にもなった。戦後はアメリカの物心両面による占領支配に対してマルクス・レーニン主義、トロッキズム、その他の外来の思想による反撃しか行われず、日本人の「土俗の思想」での反撃は起きなかった。その結果戦後の「保守」はアメリカの支配により利益を成就する層を守る仮面として使われてきた。「革新」もまた外来種の思想に基づく社会を構築する為のものとして機能したのだ。

今日本はこの地球を文明rの反逆から守るという視点から行動すべきであり、その為には行き過ぎたグローバルな金融資本主義や新自由主義を是正し、刊行問題にも自己犠牲を厭わずにリーダーシップを取るべきだろう。

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